ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回の話はえみつん楽曲ベース回第4弾! このような話を書こうと思ったきっかけの曲で今日この日がきっかけの日でもあります。

それでは、今回も彼の恋物語をご覧ください!


言葉より強く想いを伝える

 12月24日秋葉原駅改札前。

 

 俺はこの秋葉原駅の改札前の柱に寄りかかりながらもとある人物を待っている。本当だったらこんな展開になるのはもう少し後……もしかしたら一生来なかったのかもしれない。けど、何の因果か海未やことりに後押しをされてあの最終予選当日には自分の想いを受け入れなくてはいけない状況に陥ってしまった。

 

 魔法を維持するために想いを受け入れる。恋をすれば魔法は使えなくなるのに恋焦がれる気持ち、相手を想う気持ちを受け入れて魔法の力とした。それが……今まで隠していた気持ちがその時には最大の力を貸してくれるってなんだか皮肉なもんだったな。今まで俺が我慢していたのは何だったんだよってそう思っていた。

 

 けど、自分の気持ちを受け入れたのなら自分にできるのはただ1つ。今を最大限に楽しむしかない。悔やんだってもう過去には戻れない。だから今を、これからを進んでいくしかないんだ。だから俺は行動に移した。今日、この日に高坂穂乃果という女の子を誘って出かけるという行動を。

 

 この日に約束をしたのもある程度理由がある。クリスマスイヴだってこともあるけど、もっと本質的理由が……。

 

 それは俺が穂乃果を誘ったときのことを思い出せばすぐにわかる。確か、誘ったときは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何の脈絡もなく俺は部活終わりに帰る準備をしている穂乃果に話しかける。

 

空也「なぁ、穂乃果。24日って空いてるか?」

 

 俺がそう聞くと穂乃果は準備をしている手を止め俺のほうを向きながら首をキョトンと横に傾けた。何故そんなことを聞いてくるのかが分かっていない。そんな様子だった。

 

穂乃果「え? 24日? うーん。予定があると言えばあるのかな? 何か用?」

 

 穂乃果は少し悩むようなしぐさを見せながら答える。悩んでいるようであればまだ誘える余地がある。だから俺はここで会えて引くことにした。なぜおれがこんな行動をとったかよくわからないだろう。けど、可能性がある中であえて引いて見せることでいったいどんな用事なのかを聞き出すこともできる。それに相手が話に乗ってくれれば誘うことだってできるだろう。

 

空也「少し一緒に出掛けられないかなって思ってさ。けど、その様子だと都合は悪い感じか……」

 

 言葉から考えつくであろう反応を俺は穂乃果に見せる。どうしてもこの日じゃないといけないんだ。だから少しでも可能性を上げるためになら可能な限りいろんな手段を取る。恋を勝ち取るためにはそんな強引さが必要になるからだ。

 

穂乃果「え!? ううん!! 大丈夫! ほら! 24日って最終予選の結果が出るときでしょ! だからその結果が見たいな~って思ってただけだから!」

 

 目に見えて落ち込んでいる俺を見てた穂乃果は慌てて手をワタワタと振りながら先ほどの言葉を若干訂正する。そう、12月24日はクリスマスイヴであると同時にラブライブの最終予選の結果発表でもあるのだ。だから俺はこの日を選んだのだ。

 

空也「あ~ぁ。そういえばその日だったっけ。結果が出るの」

 

 でも、俺は天井を見上げながら忘れるふりをしてとにかく話をつけることを最優先にした。そんな俺の様子を疑問に思ったのか最初に予定があるかを聞いたときと同じように首をかしげる。しかしそんなことを考えるより前に話をつける。それが一番大事だ。

 

穂乃果「……? うん。そうだよ。でも予定はこれだけだから一緒に行けるよ!」

 

 どうやらそれ以外に予定はないみたいで穂乃果は俺の誘いを了承してしてくれた。……助かった。これでダメだったら俺の考えてたことが全部パーになるところだった。だってその発表はただインターネットだけでされるわけではないのだから。

 

空也「それは良かった。じゃあ24日の17時に秋葉原駅の改札前に集合な!」

 

 ほっと一安心をして穂乃果に約束を取り付けた。そんな俺は浮かれ気味に部室を後にして帰路に着こうとした。けど穂乃果を待たないといけないことを思い出して少し待ったのちに俺は穂乃果と帰宅することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今までのことを思い出してみると……あれ? もしかしてすごい強引だったか? 不自然丸出しじゃないか! 下手すれば気が付かれちゃうよな……。っていうか、あの反応を見ると気づかれてるう可能性のほうが高いよな……。あぁ、もう泣きたい……。だってほら、空だって今にも泣きそうなくらい曇ってるじゃないか……。本当に俺ってこういう時の運ないよな……。大事な日だったのに……。

 

 白とも黒ともいえない雲が空を一面支配している。これから雨が降るのではないかとそんなことさえ思えてくる天気に俺は意気消沈していた。

 

 時間はもうすぐ約束の17時……あ、今なった。17時を告げるUTXのモニターと共に街頭がオレンジ色に発光し始めた。あたりはオレンジ色の光とクリスマス一色にイルミネーションされた景色で広がっている。

 そのイルミネーションを見に来ているカップルたち。確かにキレイだ。ついたり消えたり、クリスマスをイメージする色の電気が点灯してただの光の集合体なのにそれはどこか魅力的に見る人々の目を奪っていた。

 

空也「それにしても、今日は一段と冷えるな……」

 

 自分の手に白い息を吹きかけ暖を取る。体感温度で言ってしまえばこの前の最終予選の時と匹敵するほどの温度。気になって少しだけ空を見上げるとそこには最終予選の時に嫌というほど見た白い結晶がしんしんと降ってきていた。

 

 でも、その光景は雪とイルミネーションが作り出す自然と人工物が手を取り合いよりこのいつもの秋葉原の街を幻想的に彩っていた。結局は雪が綺麗だとそう思ってしまうのだ。歳を重ねれば雪の日は億劫になることだって多いかもしれない。けどまだ俺には心のどこかでワクワクするような感覚が残っていたみたいだ。

 

 そんな俺の耳に突如少し、いやかなり聞きなれた音楽が聞こえてくる。これこそ俺がこの時間にこの場所で待ち合わせした理由は1つ。ラブライブ最終予選の結果発表がこのUTX高校のモニターに表示されるからだ。そこには通過者だけのライブの模様が映し出される。その曲のメインとなる見せ場となる場面に合わせているかのようにイルミネーションの明かりさえも強くオレンジに発光したように俺は感じた。

 

 やがて、予選通過者の発表が終わると階段から急いで降りてくる人影があることに気が付く。向こうも約束通り改札前で待っている俺に気が付いたのか子供のように手をブンブンと左右に強く振り回しながら駆け寄ってくる。

 

 ……いつまでも変わらないな。楽しいことには目がなくて自分が楽しいと思ったことには素直になる。大人になると忘れてしまう感情を穂乃果はいつまでも自分の中にしまっていた。そんな穂乃果が階段を下り終わるとそこはイルミネーションに夢中の人たちが作り出す人混みであふれかえっていてとても走って通れるような状況ではなかった。この状況では穂乃果に対してあまりいい状態ではないと思ったから俺が迎えに行こうとしたのだが、穂乃果はそのまま人混みをかき分けるようにして俺のもとにやってくる。

 

 時間にして1分もかからなかったであろう時間で穂乃果は俺も元にたどり着いた。実際約束の時間はすでに過ぎていることから少しだけバツが悪そうにしながらも笑顔を絶やさない穂乃果が俺に話しかける。

 

穂乃果「いや~。ごめんね空也君。遅れちゃった」

 

 確かに穂乃果は遅れたのかもしれない。けどそれはきっとモニターの近くで結果を見ていたのだろう。そんなことはこの場所を待ち合わせ場所に設定したときから予想がついている。けどここまで走ってきた穂乃果は肩で息をして少しだけ嬉しそうにつぶやいた。走ってきたからなのか頬を赤く上気させ手でその頬をあおいでいる。

 

空也「まったく……。結果見てきたんだろ?」

 

 穂乃果が遅れた理由はしっかりとわかっている。今日の予定があるかを聞いたときに出てきた"ある"という答え。それは最終予選の結果が見たいというものだった。であれば結果が出てくるこのUTX高校に来れば自然とモニターのある場所に穂乃果がいるということはすぐにわかった。それでも動かなかったのはこの場所で待ち合わせることに意味があったから。

 

穂乃果「あはは。ばれてた?」

 

 俺の言葉に頬をあおいでいた手を頭に移動させながら聞いている穂乃果。そう言っている顔は悪いとは思っていながらも笑顔を隠せないようなそんな表情を見せていた。

 

空也「このタイミングでくれば嫌でもわかるさ」

 

 発表が終わった後に階段を下りてきた穂乃果。家は反対方向のはずなのになぜ前の階段から? それを考えれば不自然なことはわかる。スクールアイドルを始めようと穂乃果が言い出したのはここでA-RISEの存在を知ったからだと言っていた。だから始まりのこの場所で俺は穂乃果にこの結果を見てほしかったのだ。通過できようと敗退であろうと。

 

 そして穂乃果は結果を見てきた。それが嬉しかったのか、それともまだまだだと思ったのかはよくわからない。けど笑顔を見せる穂乃果は悔いはなかったと言っているかのようだった。

 

 そんな穂乃果の肩には走ってきたときに着いたであろう雪の結晶。このタイミングでそれを見せられるとどうしても考えてしまうことがある。柔らかくみんなを包み込んで、でも辛いときには壊れるほどの後悔をするそんな穂乃果を象徴するかのように穂乃果に寄り添っていた。

 

 そうだ。穂乃果は強くない。太陽のようみんなを照らし、引っ張っていくときが多いけど、それが強いというわけがない。壊れそうなときがあって、本気でやってた時に夢がつぶれて死ぬほど後悔をしていた。そんな穂乃果が今、普通でいられるわけがない。そんなの俺も見ていた結果のことを考えればすぐにわかる。きっと泣きたいんだと思う。けど、まだまだ先があるということを考えれば泣いている暇はない。今を楽しもうとそう考えているのが見え見えだ。

 

 だから……だから俺は今、穂乃果に何か声をかけてあげなきゃいけない。『お疲れさま』でも『頑張ったな』でもなんでもいいから。それなのに俺の口は動かない。いや、口は動くが声が出ないのだ。まるで言葉にするのを俺の心が拒否しているかのように。でも穂乃果には伝えなきゃいけない言葉がある。それなのに……。

 

 なんで……なんで声が出ない?

 

穂乃果「……? 空也君?」

 

 口パクをしているであろう俺に疑問を持つ穂乃果は首をかしげている。どうして俺は穂乃果に疑問を与えることしかできないんだ……。もっと大切なものをあげたいというのに……。

 

 一歩、また一歩と穂乃果との距離を縮めていく。なんでこんな行動をとっているのか自分でもわからない。なぁ、穂乃果。こうして会いたいときとか別れるときとかお前の気持ちと俺の気持ちは同じなのかな? もしこれが俺の独りよがりな気持ちだとしたら不安が今降っている雪のように胸に降り積もるだろう。"一緒に居たかった"とか"別れたくない"とか心のどこかで思ってくれているのか?

 

 けど、それを聞く勇気は今の俺にはない。今までの関係を壊して新しい関係になるのが怖い。だから……だから今は俺だけの想いをしっかりと形にしなくてはいけない。いくら自分勝手でも、穂乃果のことを考えていなくても。今は、今だけは……。

 

 今ここで言葉よりも強く、この想いを表現するには……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は穂乃果を静かに、だけど大胆に抱きしめる。もし言葉にしてしまったら言い方によっては軽く聞こえてしまうかもしれない。けど、こうやって抱きしめれば少なくとも軽く受け取られることはない。今はこのあふれる想いをもう止められないから。俺はこうして迷わずに穂乃果のことを抱きしめる。今伝えたい言葉を胸に込めてその言葉よりも強く君のことを。

 

"愛している"と……。

 

 

穂乃果「え!? ちょっと空也君!?」

 

 不意に抱きしめたから、抱きしめられた穂乃果は驚いているみたい。まぁ、確かに何の脈絡もなかったと思う。待ち合わせに来たと思ったら突然抱き寄せられたら誰だってそんな反応を見せるだろう。

 

 でも……

 

空也「今は黙って俺に抱きしめられててくれ……」

 

 今は行動で想いを伝えることで精一杯なんだ。伝わるか伝わらないかは今は重要じゃない。ただ、これからの自分を見つめるために言葉にする分も行動に変えて穂乃果を抱きしめる。

 

穂乃果「空也君……」

 

 何か大事なことがあると穂乃果はわかってくれたみたいで穂乃果の腕が俺の背中に触れる。やさしく包み込むような抱擁を穂乃果は俺に与えてくれる。

 

空也「……!」

 

 この場面ではあの日のことを思い出す。初めて自分は一人じゃないということを教えてくれたあの日のことを。だからだろうか? 俺の腕にまた少し力が加わることが分かった。

 

穂乃果「大丈夫だよ。穂乃果は、大丈夫だから」

 

 力が加わったことで震えている俺の腕を心配したように胸元でまた包み込むように安心できる声をかけてくる。

 

空也「あぁ、わかってる」

 

 それから数秒の間俺たちは無言のまま抱きしめあった。周りに見られていることも気にせずただただ今は抱き合うことで幸せな時間になっていたから。

 

 そのあとにどちらからというわけでもなく自然と抱きしめあうことは終わった。

 

 抱き合い終わると俺たちは恥ずかしさからか頬を赤くして気まずい雰囲気が流れる。だけどお互いが顔を見合わせるとどこから込み上げてくるのかはわからないけど自然と笑顔になって気恥ずかしさはどこかへ行ってしまっていた。

 

空也「さぁ、行きましょうかお姫様。雪で足元が滑りますのですお手を」

 

 いつまでもここにいるわけにはいかないと思った俺はいつかの初音島でやったように穂乃果をエスコートしようとする。その時と同じように穂乃果の足元に跪いて右手を差し出す。

 

穂乃果「……フフッ。空也君のその感じなんか久しぶり」

 

 そんな行動に穂乃果も既視感を感じたようで自然とまた笑顔がこぼれる。最後にやったのはいつだろうか? とはいっても初音島に言って以来やっていないのだから時間にして4か月ぶりの行動だろう。

 

空也「いいだろ? 手を出せよ。危ないだろ?」

 

 けどこの行動は穂乃果に怪我をしてほしくないというのが本当の目的。だから素に戻りながらも少し強引に話を進める。立ち上がった俺の手は穂乃果の腰ほどの高さをキープして握られるのを待つ。これでダメだったら本当に強引に穂乃果の手を奪うつもりだったが……、

 

穂乃果「そうだね。じゃあお願い!」

 

 穂乃果は俺の手を握ってきた。最高の笑顔と共に。……まぶしすぎるでしょ!! 何この可愛い生き物……。好き通り越して愛しちゃうよ!

 

空也「任されました。じゃあどこに行くよ?」

 

 お願いされたのだから握られた手を俺は優しく、それでいて強く握りしめる。これで穂乃果の安全が保障されたわけで、もうここにいる用事もないから早速どこに行こうかと相談し始める。

 

穂乃果「もしかして……何も決めてないの?」

 

 穂乃果の疑問はもっともだ。今日は俺から誘っておいた。けど何の予定もなく誘ったとしたらそれは男としてマイナスの評価になるだろう。

 けど、何の準備もせずに誘ったわけでもない。今日完全に予定が入ったことが確定したときからどういう風に行動しようかということは考えていた。

 

空也「まさか。決めてあるけどまだ時間があるんだよ。だからその間どうするかって話」

 

 でも、ただ自分の計画通りに行くだけのデートは楽しいかもしれないけど、それは独りよがりなデートと同義になってしまう。だから俺は穂乃果の行きたい場所を聞いたのだ。

 

穂乃果「うーん。じゃあちょっと買いたいものがあるからついてきて!」

 

 そんな穂乃果はどうやらやりたいことがあったみたいだ。なら、それに付き合って時間をつぶそう。本番はこの後、俺の予約した場所で始まるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 穂乃果に連れてこられた場所は何の変哲もないただの激安ジャングルだった。多少クリスマス色にはなっているもののクリスマスの夜に来るようなものかと言われれば少し疑問が出てくる。

 

空也「なぁ? 本当にここでいいのか?」

 

 だから間違っているのではないかと思い穂乃果にそう言ってみる。しかし……。

 

穂乃果「うん! 言ったでしょ? 買いたいものがあるって」

 

 どうやらこの場所で間違いではないらしい。それにしても、買いたいものってなんだ? ここに売ってるのは……あ、かなり種類があるから欲しいものは物によっては見つかるか。

 

空也「でもここで買える物なんてたかが知れてるだろ」

 

 でも、この場所で買える物は専門店に行けばより良いものが買える。なのにここで買わないといけないというほどのものがここにあるのか疑問で仕方なかった。クリスマスに買うのだから思い出に残って大事にできるものがいいはず。それなのに……。

 

穂乃果「でも欲しいのが簡単に手に入るのがここなんだよ。空也君には秘密にしたいからちょっとここで待ってて」

 

 どうやら今回は簡単に手に入ることが重要らしい。……けど、秘密にされてしまったため内容が分からずもどかしい気持ちになる。何とかして聞き出してみるか……?

 

空也「あ、穂乃果。って行っちゃったか」

 

 俺がそう聞こうと思った次の瞬間にはもうすでに穂乃果は行動していた。……一体何を買おうとしてるんだ? 俺には秘密って……。だめだ。全然予想が付かない……。まぁ、秘密にしているってことは後で知れるってことだからその時を待つか。

 

 

 

 

 

 数分後、会計を終えた穂乃果が戻ってくる。どうやら目的のものが買えたみたいで嬉しそうにしながら俺のもとにやってきた。

 

穂乃果「いやー。危ない危ない。最後の一個だったよ~」

 

 そう言っている穂乃果の頬はわずかながら上気していた。さっき走ってたからかな? 恥ずかしがる要素なんてないはずだし……。それとも興奮している? 最後の一個を買えたから?

 

空也「お疲れ様。で、何を買ったんだ?」

 

 最後の一個であったなら確かに多少急ぎ足になるのも無理はないから疲れるのも自然だろう。でも、今一番気になるのは穂乃果が何でこんなに急いでいたかではなく何を買ったのかということ。

 

穂乃果「ん~。まだ秘密!」

 

 けど穂乃果の答えは最初の時とは変わらなかった。勝ったら見せてくれるかもしれないと思ったんだけど……。まぁ、まだって言ってたからあとで本当に教えてくれるということが確定しただけでも前進とするか。

 

空也「マジか……。まぁ、買えたようで何よりだ。じゃあ行くか」

 

 穂乃果が買い物をしていたおかげで予定の時間も近くなってきた。この場所からだとかなりちょうどいい時間に目的の場所につくだろう。だから穂乃果にそれを告げて本命の場所に向かう。

 

穂乃果「うん!」

 

 俺の言葉を聞いて穂乃果は手を差し出してくる。全く……。もう手をつなぐのが当たり前になっているように思っているであろう穂乃果に若干ときめきながらも俺は穂乃果の手を握る。

 

 さぁ、本番はこれからだ。

 

 




今日はクリスマスですね! ってことで今回はえみつんの曲『言葉より強く』よりこの話を書かせていただきました。

デート回というつもりで書いたのですがどうだったでしょうか? と言ってもまだ未完成なんですけどね。

ではなぜ投稿したのか。それは……書いてたら長くなっちゃいました! 言葉より強くという曲自体が待ち合わせの様子を描いた曲なのでデートのメインを書きつつ待ち合わせのところは曲ベースにして、てな感じで構想していたのですが……。他にもえみつん関係のエピソードをちりばめられたらなと思ったので今回こういった形になりました。

次回『クリスマスイヴの2人』

それでは、次回もお楽しみに!



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https://twitter.com/kuuya_soranari
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