ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回で、ダイエットプランが開始です。一体どんなことが起きてどんな結果になるんでしょうかね?

それでは、今回も理想の体型を目指す少女2人の物語をご覧ください!


ダイエットの結果

 屋上で空也と別れてから少し時間がたつと穂乃果、ことり、海未の3人はは生徒会室に向かっていた。

 

穂乃果side

 

 生徒会室に行くまでの間で話すことはやはり先ほどのサインの時の話。ここにいる3人の中で海未とことりはプロポーションについて褒められていたことに対して、穂乃果だけが正確について褒められていた。

穂乃果「うぅ……、やっぱりみんなそう思ってたんだね……」

 その事はうれしいと言えばうれしいのだが、今まさにダイエットをしようという流れになっている穂乃果にとっては複雑なものがあった。

 

 そんな穂乃果をなんとかフォローしようと思ったことりは、

ことり「そんなことないよ。さっきのはたまたまじゃないかな?」

 肩を落として歩いている穂乃果を励ましていた。確かに偶然であることのほうが可能性としては高い。状況がタイムリーなだけでそれはただの偶然の一致に過ぎないのだ。

 

 ただ、今回の出来事はμ's以外の人の言葉を聞けたという点では大きいものがあった。

海未「これでよりやらねばと思えたでしょ?」

 客観的な意見ほどためになるものはない。1年生のそのような目で見られていたのかもしれないという考えを持っている穂乃果には十分な薬になる出来事だったと言えるだろう。

 

 まぁ、それをすんなり受け入れて行動できるかといえばそんなことはない。

穂乃果「人間はそんなに簡単にできてないよ……」

 今の穂乃果の精神状態はそれほどいいものではなく、自身の体重増加と周りからどう見られていたかという事実を知ったためかなり気分が落ちていた。

 

 そんな話をしているとちょうど生徒会室に着いた。この扉を開けるとさらに気分が落ちてしまうことが起きているということなんて全く予想もしない間に。

穂乃果「あ~!! なにこれ!」

 穂乃果が生徒会室のドアを開くとそこには詰まれたファイルにプリントにとかなりの高さが積まれていた。

 

 この光景が物語っていることはただ1つ。それは生徒会の仕事が溜まっている証拠だった。

海未「そろそろ予算会議ですからね。各部から予算の申請が集まっているんです」

 それに加え、負が連鎖するかのように告げられるとても大事な予算関係の仕事があるということ。お金が絡むことが故にミスは許されないこと。だから余計に気をつかう必要があった。

 

 とにかく海未は穂乃果にファイルのいくつかを渡した。

海未「こっちは私とことりそれに空也で整理しておきますから。穂乃果はまず、それを全部処理してください」

 生徒会役員とはいっても生徒会長の仕事を代わりにやることはできない。最終的には生徒会長がやらなくてはいけない仕事が穂乃果の手元に渡った。

 

 その量は分厚いファイル一冊にクリアファイルに入った十数枚のプリントだけだが、これ全部を処理しなくてはならないのは骨が折れる。

穂乃果「こんなに!?」

 だからこそその量に穂乃果は驚き肩をさらに落とした。

 

 そんな話をしていると生徒会室のドアが再び開かれる。空也が来たのかと思った穂乃果たちはドアのほうを向き入ってきた人物を見つめていた。

美術部部長「すいません。美術部なんですけど、急いだほうがいいと思ったので直接予算申請書を持ってきました」

 入ってきたのは空也ではなく美術部の部長だった。その女の子が持っていた予算申請書を生徒会に提出しに来たという。

 

 確かにありがたいことだ。予算申請書はお金が絡むことから生徒から先生に渡されてから生徒会に回ってくることが多い。しかし、先生の仕事が多かったりすると全部集まるのが先になってしまう。

 

 そんな中で直接この場所に持ってきてくれたことは素直にありがたいことだった。

ことり「あ、ありがとう」

 美術部の部長の話を聞いたことりは安心した様子でそういった。

 

 そして海未は美術部の部長から予算申請書を受け取り、書かれている内容を確認する。

海未「……はい、問題ありません。ありがとうございました」

 そこに書かれている内容はそこまでおかしいものはなかった。あとは会議をしてその金額が必要かを協議すれば自ずと結果が出てくる。

 

 海未の言葉に安心した美術部の部長は、

美術部員「じゃあお願いします」

 そう言い残して生徒会室を後にした。

 

 後の残りは生徒会の仕事だ。

海未「はい。ことり」

 そしてそれは会計のことりがメインとなってする仕事になる。海未はことりに大丈夫だと判断した申請書を渡す。

 

 それをしっかりと受け取ったことりは、

ことり「うん」

 申請書というものをもらった場合海未たちの正式な許可が出た場合入れるようにしている"承認"と書かれた箱の中入れてしまう。

 

 そうして予算申請書の件がひと段落した時に再び生徒会室のドアが開かれる。

空也「なんだ。入れ違いになったのか……」

 ドアを開けた先にいたのは先ほどまでここで電話をしていた空也の姿があった。

 

 やってきた空也に対して穂乃果が反応を示す。

穂乃果「あ、空也君」

 屋上で別れてから連絡もなくここに来たから空也から連絡をしてこないと出会う可能性は少なかったはずなのに出会えた。

 

 だが、考えてみればどこかにいるかを考えれば部室かこの生徒会室に限られてくるのだが、今はそこまで重要なことではなかった。

空也「全く。戻ったら誰もいないもんだかたら焦ったぞ」

 そんな軽口を空也は叩きつつ生徒会室に空也は入った。

 

 まぁ、連絡は空也自身が電話中だったためみんなの相談で避けたのだ。そしていつ連絡が終わるかわからない状況であったためことりたちから連絡をするということはあまり得策ではないという判断で取りやめとなった。

ことり「ごめんね。空也君が電話してたから連絡取れなかったんだ」

 ただ、空也としても本気で言っていたわけではないし、こうして合流できたのだから問題ないのだ。目の前に広がる仕事を見て穂乃果と海未とことり、そして空也はノルマを達成するためにみんなで自分の席へとついた。

 

 これからは大事な会議があるため、少しでも仕事を減らしておかなくてはならないから。

 

 でも、もうすでに何かが起こっているということにはだれも気が付かずに淡々と仕事を過ごしていったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の休日アイドル研究部が神田明神で練習をしていると、

穂乃果と花陽と空也以外『わぁ~、すご~い!』

 パソコンを前にして穂乃果と花陽、そして空也の3人以外の喜びの声が上がった。

 

 みんなが見ているのは先日行われたハロウィンイベントでやったライブの動画。その動画がネット上でかなりの高評価を受けているということを自分たちの目で確認していた。

絵里「すごい再生数ね」

 そして人気なのかそうでないのかを確認することのできるものが絵里の言うように再生数と、そのページに書き込まれているコメントの数々だ。

 再生数自体も今まで以上に再生され、かなり好評だったことが見てわかる。

 

 そして書き込まれているコメントを読んでいくとそこには……、

海未「A-RISEに強力なライバル出現……」

 スクールアイドルとして最大級の誉め言葉を見つけた。スクールアイドル業界で不動のトップを独走しているA-RISEに一矢報いるのではと見ている人が考えてのコメントを。

 

 さらには違うコメントで、

真姫「最終予選は見逃せないって」

 明らかに期待してくれていることが伝わってくるような一文が投稿されていることに気が付く。

 μ'sだけの応援に来るわけではないにしても見てもらえる気概が増えるということは純粋にうれしいことだし、何より期待してくれているのが普通にうれしいことだった。

 

 この結果が、あの時の判断が正しかったことを物語っている。

希「どうやら今まで通りの自分たちのスタイルで行って正解やったみたいやね」

 

 

 そう、空也が、穂乃果が考えていたように個性を最大限に発揮しつつ周りに合わせていく。簡単なように聞こえる、とても難しいことを普通にやっていけているこの状態のままでよかったのだ。

空也「だから言ったろ? そのままで魅力的なんだよみんな」

 だからこそ、みんなの個性がはっきりしていて見ているほうも楽しめる。だから、今のままでいい。

 

 こうやって結果が出ると、次第にやる気が出てくる。

凛「よ~っし! 最終予選も突破してやるにゃー!」

 だからこそ、やる気のある凛がより一層練習にやる気を出していた。

 

 ただ、最終予選を突破するには最低限やってもらわないといけないことがある。それはさっきやる気を出していた凛……ではなく、

絵里「それまでに2人にはしっかりしてもらわないとね」

 現在、階段ダッシュをしている穂乃果と花陽の2人に向かっての言葉であった。

 

 海未のダイエットプランによって運動させられている2人は肩で息をしながらみんなのいるほうにやってきた。

花陽「はっは……。なにこれ……?」

 目を見開いてきつそうな表情をしている花陽と穂乃果が辛そうに話す。

穂乃果「この階段、こんな、きつかった、っけ?」

 確かに、この階段は段数が多く、角度も急なことから辛いことにはつらいのだが……こうなっているのはしっかりとした原因が2人にはあった。

 

 なぜダイエットというものをしているのか。それを考えれば答えは自ずと出てくる。

にこ「あんたたちは今、体に重りつけて走ってるようなものなのよ。当然でしょ」

 それは単純明快、ただただ体重が増えただけというのが理由だった。

 

 そしてそれを改善するためには、さらなる運動が必要。

海未「はい! このままランニング5キロ、スタート!」

 だから海未は穂乃果と花陽の2人にランニングに行くように指示をする。

 

 休憩もまともに取っていないこの状況で走れと言われても素直に受け入れることができるかといえば……、

穂乃果 花陽『えぇ~!?』

 当然そんなことはなかった。

 

 ただ、それが海未だけでなく、練習全体を管理している空也も一緒になると話は別になる。

空也「早くいけ~」

 花陽はもしかしたら知らないかもしれないけど、空也にはくすぐりという特技がある。穂乃果曰く『やられたら死んじゃう』本人曰く『死にかけるだけのもの』らしい。

 それをやる気になっているかのような手をしていた。

 

 空也の行動を見た瞬間穂乃果の顔は青くなり運動して出た汗ではないものが額を流れた。

穂乃果「もぅ~、海未ちゃんと空也君の鬼!」

 そして逃げるかのようにランニングを始める。それに花陽もついていき何とか2人のランニングが始まった。

 

 しかし、穂乃果が最後に残して言った言葉を聞いた空也は、

空也「はぁ……」

 ため息をつきながら肩を落としていた。リラックス効果があると言われているため息だが、いったいどんな意図があってため息とついたのだろうか? 無意識だったとしても必ず理由があるのだから。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果side

 

 ランニングをしている穂乃果と花陽は海未の定めたルートをひたすらに走っていた。

 

 ただ、そのルートに問題があったとするならそれは……ごはん専門店である『Go HAN-YA』があったこと。花陽の大好物であり、今が旬の食材。それを見つけてしまった穂乃果は花陽に店があることをアピールしていた。

 

 最初はダイエット中であることを理由に断っていた花陽。しかし、穂乃果が指さした場所には『スタンプが溜まれば大盛が無料』ということと、お店で出しているお米が『黄金米』であることを教えた瞬間に完全に堕ちてしまった。食欲という欲望の渦に……。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空也side

 

 それから毎週の休日に2人のダイエットメニューをやっていた。主に走ることに重点を置いたそのプランをひたすらに……。

穂乃果「行ってきまーす! 行くよ~! 花陽ちゃん!」

 階段ダッシュが終われば次はランニング。このプランも全く変わっていなかった。そんなランニングが始まると穂乃果は喜びながらいつものルートに向けて走って行く。

 

 準備ができた花陽も今まで辛そうな顔をしていたのにもかかわらずに前を向いて返事をする。

花陽「はい!」

 そう言って穂乃果に並んでランニングが始まる。

 

 その姿を見てみんなが2人に対して思っていたこと、それは……。

凛「頑張ってるにゃ~!」

 確かに向上心があるように見える2人には頑張っているという評価をする。

 

 そしてダイエットも滞りなくできている。そんな気が絵里たちはしていた。

絵里「順調そうね。ダイエットも」

 これなら最終予選に間に合うだろうと感じていた絵里たちだが……

 

 2人だけは何かがある、おかしいと感じていた。

海未「そうでしょうか?」

 それは海未と……

 

 空也だった。

空也「休日の練習で一番ランニングに力を入れてる。だけどそれにしては、あまりダンスのキレが戻ってきていない。最初よりましだが、何かあるな……。俺行ってくるから海未は練習のほうを頼んだ」

 穂乃果と花陽の動きを客観的にしっかりと見ている空也だからこそしっかりとしたデータをもとに判断することができる。それに、このランニングだけ特に力を入れているということが疑念を持つ最大の理由になっていた。

 空也はμ'sの練習を海未に任せて穂乃果たちの後を追いかけることにした。

 

 それが一番効率のいい手段だ。海未も練習をしなくてはならない。ダンスを見ることのできる人は絵里がいる。

海未「はい。よろしくお願いします!」

 だから穂乃果たちのことは空也に任せて安心して練習に励むことができる。

 

 そうして空也は海未が設定したルートを穂乃果たちを追いかけるように駆けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何かがある。そう確信していた空也はまずルート上に何があるかを考えた。そう考えたうえでルートを見ているとある店の存在に気が付いた。"お米専門店"その文字を見た瞬間に穂乃果たちの居場所が分かった。

 

 そしてその空也の考えは正しい。その証拠に店の前にやってくると穂乃果たちが出てきたところがはっきりと見ることができた。

 

 店から出てきた穂乃果たちは満足げな顔をしていた。

穂乃果「いや~、今日もおいしかったね~」

 明らかに店の中で食事をしてきたということがはっきりと伝わってくる。

 

 そして花陽の持っているカードにはかなり通い詰めていたことが分かる形跡があると自分の口で話した。

花陽「見て見て、今日でサービススタンプ全部たまったよ!」

 スタンプが全部溜まった。2人で通っていたなら2倍の速さで溜まるにしても回数来店しなければなしえないことだ。

 

 花陽の言葉を聞いて穂乃果はうれしそうな顔をしてみせた。

穂乃果「ほんと!?」

 余程サービスが嬉しいのだろう。食事も制限されている今、思いっきり食べることができることに嬉しさを感じている。

 

 そしてそのサービスは……

花陽「これで次回は、ご飯大盛り無料!」

 どうやらそれが店前に貼られているポスターの売り文句だったようだ。

 

 大盛にできるということ、そしてそれが無料であること。その2つが重なり合ってお得感を感じる言葉に、

穂乃果「大盛り無料! それって天国~!」

 穂乃果はかなり興奮をしているようだった。

 

 そしてそれは花陽も同じ。

花陽「だよねだよね!」

 だけど、この後に来店できるのが当分先になるということにまだ2人は気が付いていなかった。

 

 そんな嬉しそうに話している2人に空也はゆっくりと近づいて、

空也「み~つけた。全く……」

 ゆっくりと穂乃果たちに声をかけた。

 

 見つかった。そう理解した瞬間、穂乃果は慌てて弁明を試みる。

穂乃果「く、空也君!? これにはわけが……」

 特に理由なんてない。食べたかったから来店した。それだけなのに必死になって。

 

 でもその言葉でさえ空也は聴いていなかった。

空也「さてと……あまり効果が出てないと思ってたけが、こりゃ今度から俺も走るか……」

 なぜならどんなことを言うかなんてことは予想がついていたのだから。それよりも問題は改善点。今まで2人だけで走っていたから誘惑に負けた。ならばいっしょに走れば問題はないだろう。

 

 そう考えている空也を見て、穂乃果の言葉をスルーしたことを見て花陽は、

花陽「全く聞いてない!?」

 珍しく穂乃果の言葉に耳を傾けない空也に驚いていた。

 

 でもこれからは正真正銘のランニングになるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなでダイエットは続き、一週間が経った。その放課後の練習前に海未によってダイエットの結果報告が行われる。

海未「それでは、これまでのダイエットの状況を報告します」

 手元にあるのは花陽と穂乃果の体重のデータ。本人たちに見せずに計測したそれは海未の監修のもと出されたデータで、偽っている可能性は皆無だ。

 

 2人は緊張感に飲まれるような雰囲気を醸し出し、

穂乃果 花陽『はい……』

 だけど力なく頷く。

 

 そのあとにダイエットをサポートしていた空也が海未から聞いたことを話し始める。

空也「まずは花陽、運動の効果もあって何とかなったらしい」

 あの出来事からしっかりと運動をし続けたのだろう。ちゃんと食事も我慢していたということで結果につながったらしい。

 空也からそう聞かされた花陽はほっと一安心して喜んでいた。

 

 ただ、そんな花陽の喜びを打ち消してしまうことを穂乃果に向けて空也が言い放つ。

空也「が……。穂乃果は変化はほぼなし、どういうことかな?」

 それは結果が出なかったということ。しっかりと運動しているところは空也を含め全員が見ていた。なのになぜ結果が出なかったのか。

 

 でも結果が出なかったことに一番驚いていたのが穂乃果自身だった。

穂乃果「えぇ~!? そんな~!?」

 毎日必死になって運動をしてきたはずなのに成果が出なかったということに不服のようだ。

 

 そんな穂乃果を見ている海未も穂乃果と同等の疑問を持っていた。

海未「それはこっちのセリフです。本当にメニュー通りにトレーニングしてるんですか?」

 その理由はこのダイエットプランを考えたのが海未だったから。そして花陽は結果が出ているということは海未のプランは間違っていなかったということだ。となれば穂乃果がしっかりと運動していなかったという可能性を立てることができる。

 

 練習もしているし、運動をしているということはみんなが見て確認している。空也に至ってはランニングを一緒に走るということまでして監視をしていた。

穂乃果「してるよ! ランニングだって腕立てだって」

 だからみんなが穂乃果が運動をしていたということは証言することができる。

 

 では何が原因だったのか。それはこのダイエット期間に空也が見ていたあるいは聞いた話が原因だったと考えた。

空也「昨日、ことりからお菓子もらってたよね」

 最初にあったのが空也が見ていたことりと穂乃果のやり取り。お菓子をもらっていた。お菓子はカロリーが高めであることからダイエット中に避けるべき食べ物だ。

 

 そしてその事に対しての穂乃果の言葉かこちら……。

穂乃果「あれは一口だけ……」

 明らかに自分がやっていることに対しての危機感がなかった。

 

 それに話によれば他にもいろんなことをしていたとかなんとか……。

空也「雪穂からの話によれば、家で団子、それにケーキも食べたとか?」

 本当なのかどうかを尋ねる空也の問い。穂乃果は和菓子屋の娘であることから団子はまだわかる。だけどケーキを食べていることが本当なら論外である。

 

 そして空也の問いに返してきたものは……、

穂乃果「…………。ごめんなさい……」

 少しの沈黙とやってしまったことに対しての謝罪だった。つまり、このことは本当であるということだ。

 

 この言葉に海未は大激怒。自分のプランを無視して食べたいものを食べていたという事実を知ったのだから当然といえば当然。

海未「穂乃果、あなたはμ'sのリーダーなのですよ!」

 それに海未の言うように穂乃果はリーダーだ。このグループの顔といっても過言ではない。むしろ周りから見てしまえばリーダーがグループそのものであるように見ている。

 

 どんなことをいくら起こったとしても穂乃果がリーダーであることはわからない。

穂乃果「それはそうだけど……」

 だけどその言葉は穂乃果にとってがっかりしてしまうものだった。いじけたように肩を落として話している。

 

 ただ、ここから海未の説教が始まる。でもそれは当然のこと。それだけのことを穂乃果がしてしまったのだから。

海未「本当にラブライブに出たいと思ってるのですか!」

 穂乃果の行動を見ていると本当にそう思っているのだろうが、行動に出ていない分考えてしまうことがある。

 だけど穂乃果が優勝を目指していることはみんながよく知っている。それでも説教にそれを持ち出すということは海未自身、優勝を本当に目指しているということに他ならなかった。

 

 当然、穂乃果も優勝する気持ちは大いにある。

穂乃果「当たり前だよ!」

 だからこそそう反論するが……、

 

 先ほどの理由と全く同じで、

海未「とてもそうは見えません」

 表面から見てしまえば優勝を目指しているようには見えなかった。

 

 

 

 

 

 こんなやり取りをしているところを見て凛は、

凛「穂乃果ちゃん、かわいそう……」

 迫力満載の説教を受けている穂乃果に同情してしまう。テスト勉強の時に海未の怖さを知っているが故にこういった感情を抱くのだが……

 

 長い間一緒に過ごしてきたという空也は凛と同じような感情を持ってはいなかった。

空也「そうか? 自業自得だと思うけど?」

 確かにそうだ。穂乃果が自分のやりたいようにやった結果自分が苦しくなってしまう。見事な自業自得。どんな言い訳をしてもこの事実はわからない。

 

 空也なら穂乃果の見方をすると思っていたのか凛は少し不思議そうな顔をする。

 

 しかし、こんなやり取りを見ているとダイエットを始めた時から真姫が不思議に思っていたことを聞きたくなってしまう。

真姫「海未もそうだけど、空也も穂乃果のことになると特別厳しいわね」

 現状、海未が厳しい言葉を穂乃果に浴びせているが、ランニングの時にさぼらないように監視するといった行動をとった空也もかなり厳しいことをしている。そして空也が穂乃果に厳しくしているということが先ほどの言葉でよくわかる。

 

 厳しくする。相手が嫌だと思うことをやる今の2人に対して凛が思ったこと、それは……

凛「穂乃果ちゃんのこと嫌いなのかな?」

 2人が穂乃果のことを嫌いなのではないかという可能性だった。確かに好きであればそんな行動をするはずがないという考えを持つことだってあるだろう。

 

 しかし、穂乃果のことが本当に嫌いだったとしたら、今までやってきたことの矛盾が生じる。

空也「だったらここまでついてこないさ」

 そう。嫌いならここまで手助けなんてしないし、μ'sの活動にだって手を出さないだろう。

 それに嫌だと思う行動をするのは嫌いなのかもしれないとしても、好きだからこそそうしているということだってあるのだ。頑張っている本人に向けて優しい言葉をかけるだけがやさしさではないのだから。

 

 この2つのことが表すこと。それは……

ことり「大好きなんだよ。2人とも」

 海未も空也も穂乃果のことが好きである。この事実だけだった。

 

 嫌いであれば何も言わない。何も関わらないのだから、こうしてかかわりあっている時点で穂乃果に対していい感情を抱いていることは明白だ。

空也「まぁ、嫌いではないかな。というかそれはことりもだろ?」

 でも先ほどのことりの言葉には大事な1人が抜けていた。それはことり本人。ことりは穂乃果に優しさからお菓子を分けた。今を苦しんでいる穂乃果を見ておけなかったからの行動だ。辛いときに手を差し出す彼女も穂乃果のことが大好きなのだ。

 

 だからこそ空也の言葉にことりは肯定する。

ことり「そうだね! ……でも早く伝えたほうがいいと思うよ?」

 そしてずっと見てきたからこそ、わかることをやったほうがいいと思うことを空也にアドバイスとして残した。

 

 ただし、伝え方が分かる人にしかどんな話をしているのかわからない方法だった。

空也「伝えるってなんだよ?」

 そのため抜け道なんていくらでもある。とぼけることだってできるし、話が通じていないように会話を続けることだって。案の定空也は前者の方法を取りわかっているのに対してとぼけてみせた。

 

 そんな空也の行動を見たことりは、

ことり「…………。そうやってわからない振りするのも相変わらずなんだね」

 やっぱりという表情をして言葉を続ける。こんな状況になったのはいつ以来だろう。あれはことりが留学の話をした時だったか、海未が空也に向けて言った言葉もこのように交わされてしまった。

 

 あの時から空也の行動は変わっていない。それもそのはず、変わってしまったら未来を救うことができなくなってしまうのだから。

空也「さぁな。ってどうしたんだ。ヒデコ?」

 そんな中、空也は部室の前にヒデコが立っていることに気が付く。

 

 人並みに明るい表情をしていることが多いのだが、今ここにいるのは何か困ったような表情を浮かべているヒデコだった。

ヒデコ「大変なことが起きてるんだけど……」

 その口から語られることが起きてはならないことであることに、空也と穂乃果、海未とことりはまだ気が付いていない。

 

 今までダイエットを頑張っていた裏で生徒会に起きてしまっていた出来事が彼女たちの余裕をなくしてしまうのだった。

 

 

 




物語の最後に何かが起きてしまったみたいですが、その前に何かこれからの物語に重大な話があったような……。

まぁ、それはこれからのお楽しみにということで!

評価してくださったもろQさんありがとうございます!

次回『生徒会の不祥事』

それでは、次回もお楽しみに!



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