ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回は完全なネタ回ですね。前回の人形劇みたいな表現があります。(この言葉でどこまで進むのかわかります)
いやー楽しいことが待ってますよ!
それでは今回も新しい試みに挑戦する彼女たちをご覧ください!
穂乃果side
空也が反省会の時に言った言葉がきっかけでみんなに連絡を取り次の日はみんなで考えた。
ことり「う~ん」
そのお昼休み、穂乃果たち2年生組の4人はいつもの場所の中庭で話し合いをしていた。
しかし、いきなりインパクトの強くする方法を考えたところでいい方法が思いつくわけでもない。よって悩みまくっている状態になる。
今までにないことを断った数日という短期間で行わないといけない。
穂乃果「インパクト……インパクト……」
目指すべきことは決まっている。それはインパクトを与えられるようにするということ。少しでも印象深く見てもらうために。
ただ目標が決まっていたとしても、手段が思いつかなければ意味はない。達成できない目標なんて無駄なのだから。
海未「いきなり路線変更を考えるのは、無理がある気が」
それに、今までやってきたことを急に大きく変更するのはあまり褒められた作戦ではない。短期間で変えたとしてもそれが定着するにはそれなりの時間がかかる。定着するまでの時間はうまくいかないことが多くなる。だったら変えないほうがいい場合だってあるのだ。
でも、何とかしなくてはいけない。何とかしたいという感情が高ぶったのか声を荒げて今何をしなくてはいけないのかを確認する。
穂乃果「今の私たちにはインパクトがない!」
確かに今までやりたいようにやってきた。その結果が今なのだから問題ないとは思うが、それでも周りからしたらそんなことは関係ない。人の記憶は日々薄れていってしまうのだから。
ここで、ことりが一つの考え方の変換をする。ずっと考えても思いつないのであれば、その考え方を少し変えるのも手になる。
ことり「でも、インパクトって今までにないものっていうか。新しさってことだよね」
インパクト、衝撃ともいえることだけど衝撃を与えるためにはどうすればいいのか。これで新しいことで目を引くという選択肢も出てきた。
ことりの言った言葉で考え方が広がった穂乃果はもう一度その認識の仕方で考えてみる。
穂乃果「新しさかぁ~」
言葉に出しながら考え直すのだがそれでもいい考えは浮かんでこない。
でもそれは穂乃果だけの話。他の人には思い浮かんだことがある。
海未「それなら、まずこの空気を変えるところから始めるべきかもしれません」
新しさを模索するには一度何かを変えることが一番。海未が提案したのは空気。一番変えやすくも、意外に難しいもの。
ただ急に言われると疑問に思ってしまう。それが空気だ。
ことり「空気?」
案の定ことりはなぜそんなことを言い出すのかよくわからない様子で海未に聞き返す。
この発言をした意味。それは海未が感じていたことが原因だった。
海未「最近思っていたのですが結成して時間がたったことで、安心感が芽生え少しだらけた空気が生じてる気がするのです」
時間をかけたことで初めのころにあった緊張感が薄れてきている。確かに慣れ始めたらどうしても緊張感がある雰囲気で練習することが難しくなる。
でもそれは海未が感じていたこと。他全員が感じているわけではない。
穂乃果「そうかなぁ~?」
よって穂乃果もことりもしっくり来ていない様子だった。……空也はずっと黙って何かを隠している様子というか成り行きを見守っている様子のようなことが感じられる。
海未の言ったことにしっくりと来ていないことりはことり自身が感じていることを口にする。
ことり「最終予選も近いし、みんなピリッてしてると思うけど」
そう。今は最終予選の直前。優勝を志しているからこそ変に妥協することはないし、手を抜いていることもない。
ただ……他のところでもそういう空気になっているかというとそうではない。
空也「でも穂乃果は生徒会サボってたな……。けど最終予選か……」
生徒会の仕事をさぼったり、授業中に居眠りしたりと。練習以外の日常では緊張感がないということが事実としてここに確かに存在していた。
でも今回の話で今まで通りにただやっていくだけではだめだ。そんな気が空也にはしていた。
空也の言っていることについて海未が全面的に肯定する。
海未「つまりはそういうことです! やるからには思いっきり変える必要があります」
日々の緊張感を取り戻すためには何かを大きく変える必要がある。
……でもそれを模索している状態なんだけど。
ことり「でも、具体的には?」
何をするかは決まっていても手段が決まっていない。結局は今はなしていた内容の最初の部分に戻ってきたといえる。
しかし、それは何の考えもなければの話。最初に空気を変えるべきという提案をしてきた海未には何をするかという明確なイメージが存在していた。
海未「そう……例えば」
ここでその考えを提案をする。……これからどんな風に空気を変えていくのか。
海未の提案でそれぞれが今までにやったことのない部活動の服装をしてみるということになった。
まずはリーダーの穂乃果。手に持っているラケットはテニス部のもの。
服装はピンクのテニスウェアに白いミニスカート。手には水色のフレームのラケットと黒のグリップ。右手にはピンク一色のリストバンドを身に包んでいる。
気持ちよさそうにラケットを振って楽しそうにしている。
次に新体操部の格好をしている真姫だった。
紫を基調にしている新体操の衣装を身にまとった姿。手には白いリボンを持っていて綺麗に回していた。
その次、果物のオレンジに身を包んだ花陽が話す。
まるいオレンジの着ぐるみを着ている花陽は寝っ転がったままごろごろしている。頭にはヘタがしっかりとついていて、腕と足には茶色のタイツが見える。
彼女の姿は以前に彼女が体育祭で出場した競技、仮装リレーで衣装を提供してくれたというつながりで貸してもらったものだった。
そのあとに続けて白いバレーボールを持った希の出番になる。
赤と白を基調にしたユニフォーム姿。その番号は12のものを身にまとっていた。
希に続き今度は海未の番になる。
白衣に身を包み、海未が普段かけない眼鏡をかけている。手にはフラスコを持っていてその逆の手で眼鏡を持ち上げるしぐさをする。
そのあと、マイナーなスポーツであるラクロスのラケットを持ったことりが話し始める。
水色のユニフォームにスカートをはいている。ラケットについているネット部分は黄色で穂乃果のように一振りしながら自己紹介をする。
そのあとすぐに競泳水着を着た凛が蹴伸びのような姿をして現れた。
競泳水着に白いキャップをかぶって黒いゴーグルをかけた姿。目をくの字にいしながらすいすいと動いていた。
そして続いてチアリーダーの格好をした絵里がノリノリで口を開く。
ピンクと白が基調になっている衣装に、手にはピンクのポンポン。絵里の言ったことはこのポンポンで人を倒すことができる……らしい。
最後はにこの番。
その恰好は完全に剣道部のもの。面までしっかりとぶっている状態。何とか防具に名前が書いてあるからにこだということが分かるがそれと声以外でにこだと判断することは難しい格好をしていた。
それぞれが自己紹介をし終わると一直線に並んでいた9人がそれぞれ自分の良いと思うポーズをして、
μ's(部活スタイル)『私たち、部活系アイドル! μ'sです!』
海未が提案したこと。それは経験したことのない部活動の格好をしてみる。見かけは悪くないようにも見えるがいくつか問題点があった。
その1つ目は、にこの格好だった。
にこ「って私顔見えないじゃない!」
面をしっかりとつけているということで誰が誰何かよくわからないという問題がある。
そして2つ目が……、
空也「新鮮だけど……。それでステージに上がるの?」
最初に新鮮な雰囲気を作るという面でやっていたためその目標は達成できているのだけれど、衣装に統一感が一切ないということ。人によっては重すぎて動きにくいというものがある。
空也の言っていることを聞いた真姫は一度この格好でステージに立っている姿を想像した。
真姫「ありえないでしょ!?」
その結果……何の統一性もないこの状況ではあまりいいものとは言えなかった。
真姫に言われその認識が周りにだんだん伝染していく。
絵里「……確かに」
……みんなが冷静になり始めたんだろう。それぞれが『あっ』という表情をして部室に戻っていく。
反省会を兼ねて部室で話し合いになる。みんなはそれぞれ制服姿に戻っていた。
にこ「いったいこれのどこが新しさにつながるのよ!」
そしてまずは先ほどやったことに対しての話から始まる。最初は新しさを探してのものだった。それで空気を変えようということになったのだが……。
この話を提案した海未はさっきの自分たちを思い出しながら思ったことを口にする。
海未「すいません。提案した私が愚かでした」
今までにやったことのないものを始めようとすれば失敗するのが当たり前。そこかがどう学んでいくかが重要になってくる。だから海未はここで素直に失敗を認めることにした。
でも今までにないことを経験できたという点は確かにある。
希「でもちょっと楽しかったね」
それが面白いと思うこともあった。みんなで今までにやったことのない格好をしたのだ仮装をしているみたいで面白い。
でもみんながみんな楽しむ余裕を持っているかといわれればそうではない。
にこ「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!? A-RISEはこうしてる間にも、日々進化を遂げているのよ!?」
一番はあの開会式に出演した3人が圧倒的な差を目前にしているため何とかしないといけないという焦りが強かった。
どうにかしないといけないのにどうすればいいのかわからない。
穂乃果「そうだよねぇ~。新しさ、新しさ……」
腕を組みながら必死になって考える穂乃果。どんな新しさを求めるのか。
海未が空気を変えることという提案をした中で違う部活動の格好をした。この経験をして1つだけ参考になる部分があった。
ことり「やっぱり見た目じゃないかな。一番わかりやすいのは」
それはことりの言うように格好を変えるということ。服が変われば自然と何かが変わるということが分かったのであればそれに便乗して違う格好を模索していくのが一番だ。
そんな中で真っ先に思いつくのがスクールアイドルにとっては仕事着のような、
絵里「衣装を奇抜なものにするとか?」
衣装を今までより派手なものにするということ。
だけどそれはさっきやったこととほとんど同じ。
海未「確かに……。それが一番手っ取り早いとは思いますが、それはすでに先ほど……」
簡単であっても同じ失敗をするのであればやる意味はない。
ではどうするか。ここで先ほどの衣装を変えるという意見が出た。でもそれで失敗をしてしまった。ならば何かを足せばいいのだ。
希「ほな。うちがカードの知らせを伝えるしかないようやな」
そのなにかを見つけるために希はタロットカードを取り出した。
そこにあったのはチェンジのカード。意味は変換。変わるという意味になるのだが今回の子のカードにはどんな意味があったのか……、
空也「チェンジか……それでどうするんだ?」
それが分かるのは占った人だけ。どうするのか空也は希に尋ねる。
すると一度目を閉じた希は何かカードから何かを感じ取ろうとしているのだ。そのなにかを感じ取れた希はゆっくりと目を開いて考えを口にする。
希「みんな別の人のまねをする!」
無邪気に、どこか楽しそうに言い放つ希だけどどこか安心するそんな印象を受けた穂乃果たちは早速行動に移すのであった。
結果
次の日の朝の屋上では普段と同じように見える光景が広がっていた。
穂乃果「おはようございま~す」
元気に屋上の扉を開いて入ってくる穂乃果。しかし、その服装はいつもとは異なっている。
その服装は海未が着ているはずの服だった。そして入ってきた穂乃果は昨日会った話し合いの内容を思い出した。
まるで海未であるかのようにふるまい始める
そしてそれに答えるのは絵里の練習着を着たことり。心なしかいつもより目がきりっとしている。
昨日で最終的にどういう話になったのかというと、みんなのマネをするということだったが練習着を着て本人になりきるという作戦になった。
だからこそ、今みんなはそれぞれが真似る人の練習着を着ていて、なりきろうとしているのだ。……穂乃果は最初忘れていたみたいだけど。
それを見ていた現状一番まともな空也がある人が話をするように誘導する。
空也「それに凛も。フフッ」
そうそれは凛だ。……だがそれは普通の凛ではなく、凛のマネをしている人のことなのだが……その人物は……。
凛の格好をした人物の海未だった。
海未「無理です!」
先日練習着を変えたばかりの凛の服装をしている状態で、なんだか恥ずかしそうにもじもじとしてスカートの裾を抑えている。
完全に拒否の姿勢を崩さない海未に、空也はある言葉をかける。……普段面白そうなことには全力な空也らしいものを。
空也「ダメだろ海未。空気を変えるべきっていたのはお前だぞ」
そう、言い出したのは元は海未なのだ。自分が言ったことを守らない海未ではない。だからこそ意地悪な空也はこの言葉を海未に問いかけたのだ。
当然それは見通りになり海未のテンションがはっちゃけ、ようやく凛が登場することになった。
そんな
髪を巻きながら真姫の練習着を着た凛が真似るように言うのだが、声を鼻にかけるように話すことで余計に似ているように感じられた。
ただ、礼儀正しくないと思ったのか
海未らしい真面目な雰囲気を表現している
こちらも真姫らしく
そう言うと同時にそっぽを向き気だるそうにしていた。
そんな
空也「そっくりだなぁ~。フフッ」
他の人たちより再現度が高いなりきりに少し笑う。
そのまねを見た真姫が素の状態で
真姫「ちょっと凛! それ私のまねでしょ!? やめて!」
勿論今は
昨日みんなで話し合ったという点、そして
真姫のよく使う言葉を使って反論する
そして真姫が今着ている服装は希のもの。ということは
今までと同じようになりきっている人の名前を呼ぶ。それが今回の作戦の意味だから。
しかし、先ほどの海未はもういない。
それを後押しするかのように
そう、みんなで決めてみんなが最初は賛成したことなのだ。それを言われればやらないわけにはいかない。
とうとう反抗していた真姫も折れ、希になりきることになった。どうやら恥ずかしいようで顔を赤くしてずっとそっぽを向いているのだが……。
それでも、希の関西弁をまねして話す
さっきの
空也「おぉ、やりゃあできんじゃん」
そんな中不意に現れたのが
もうお馴染みとさえ思えてくるにこが良くやるもの。しかしそこから幾つかアレンジを加えていたのが
そんな
確かにやっている時のテンションや動き、その他もろもろがかなり似ていた。体のパーツはともかくとして。
そう言われた
その笑顔を見た
少しだけひきつった笑顔を浮かべて話す
空也「ことりか 穂乃果も来てるな」
こっそりと屋上にいた
そんな
ここにきて一番最初に話すのが穂乃果が一番よく言っている言葉だった。確かにアクセントの場所や声の伸ばし方などかなり似ている。
ただし、それが時間通りにきていれば問題なかったのだが、ここの行動まで穂乃果に合わせてきたのが
そう、
そういう言葉を受けた
と謝りながらもまた一つパンを口にする。
そんな
穂乃果「私ってこんな?」
どうしても信じられない様子で空也に尋ねる。
しかし、返ってきた言葉は穂乃果が期待していた否定のものではなく、
空也「まぁな、本物じゃないから何とも言えんが動きは似てるぞ」
完全な肯定とまではいかなくても、似ていると言われた。
その空也の言葉に穂乃果は肩を落とす。
穂乃果「はぁ~」
完全に素な様子で。
そんな中突然屋上の扉が開いた。
そこから現れたのは花陽の格好をした
さっきまでは完全に素だった穂乃果も元通りになり
大体、
しかし事の成り行きを笑ってみている空也。
空也「フフッ」
きっとこの先の展開が読めているのであろう。ただ、面白そうだから黙っているといったところのようだ。
みんなが息をのみ
この話からしてみんなに何かがあったということなのだろう。語尾を伸ばして間を作る。
そしていよいよその内容が口にされる。でもそれは
絵里「変よ」
完全に素の絵里の口からだった。確かにみんなは他の人のマネをして今まで会話をしていた。
この状況を不自然といわずに何と呼ぶのだろう。そしてこのカオス空間を一番満喫していたのは誰のマネをしていない空也だけ。
空也「アハハハハハハ! だめだ……。面白すぎて笑いとまんねぇ~!」
絵里がこういうことを言うだろうと予想していた空也はみんなが変だと言われた後にする反応を見て大いに笑っていた。
ただ、この時間がこうなることを予測できていたのに面白そうだからという理由で黙っていたかのように遠慮もなくお腹を抱えてずっと。
さて、これで第二の作戦も失敗したわけで時間もいよいよ残されていないという状況になってしまった。一体これからどんなことをしてインパクトを求めるのか、そもそもその方法が思いつくのか。少しだけ焦りが芽生え始めてきたμ'sのある意味、黒歴史になりそうなお話でした。
この回を書いていて思ったことは……ルビ振りがめんどくさいと思ったことです。
まぁ、そんなことはさておき、いよいよ次回でこの回の話は終わりになります。凛回が少し伸びたのが原因なのか普段より1話分短めです。
新しくお気に入り登録をしてくださったYUUKI11さん、各務森改め郷汐さんありがとうございます!
次回『μ'sらしさ』
それでは、次回もお楽しみに!
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