ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

今回からハロウィーン回ですよ! ネタ回ですよ! 自分はネタの通じない奴ですよ!(知ってる人は知っている)

ってことなのですが今回はその冒頭のみです。途中空也が豹変しますが気にしないでください。

それでは、新しいインパクトを求めた彼女たちの最初の行動をご覧ください!


前哨戦の前哨戦

穂乃果side

 

 μ'sの活動の話し合いをするためにこられるメンバーは行きつけのファストフード店に行く。ここにいないのは海未とことりと空也の3人だけ。

穂乃果「ハロウィンイベント?」

 そこで話に上がったのはμ'sが出演の依頼をされたイベントの話。

 

 そのイベントがハロウィンにやるもの。近年では仮装をして楽しむようなイベントになりつつあるがその本当の意味は秋の収穫を祝って悪霊などの悪いものを追い出すようなものだった。

絵里「えぇ、みんなハロウィンは知ってるでしょ?」

 この時代に生まれた人はその元の理由を細かく知るような人はそういない。でもイベントそのものの名前は誰だって聞いたことがあるはずだ。

 

 絵里にそう言われた花陽は店内に飾ってあるあるものを指さしながら話す。

花陽「あ、ここにも飾ってあるカボチャとかの?」

 ハロウィンと言ってまず連想するもので一番外せないものはカボチャだろう。

 

 花陽がそういうとみんなが同じことを思ったのか頷くながら話の続きを待っていた。この場で理解しているのはどうやら絵里と希だけのようだったみたいだし。

絵里「そ! 実は今年、秋葉をハロウィンストリートにするイベントがあるらしくてね。地元のスクールアイドルであるA-RISEとμ'sにも出演依頼が来ているのよ」

 29日から31日までの3日間行われるこのイベントに依頼が来ていることをみんなに告げる。μ'sとしてはファッションショーイベントから1週間もしない時期にあるこのイベントに参加することは少し難しいのだが、依頼するほうからしたらぶっちゃけどうだっていいことに当てはまる。

 断るかどうかの決定権はμ'sに委ねられているのだから。

 

 ここまで連発したイベントの出演依頼が来るようになったのはあることが決まってから。

穂乃果「ほぇ~、予選を突破してからというもの。なんだかすごいねぇ~」

 そのあることというのがラブライブの予備予選の通過。東京地区のそれも秋葉原から突破できたということでかなり注目されているみたいだ。

 

 ただ問題になるのがやはり時間。やること次第では出演できるかどうかが決まる。

真姫「でもそれって歌うってこと?」

 それも歌うことになると圧倒的に時間が足りない。出来ないわけではないけど、それなりに忙しくなるのは確実だった。

 

 でも歌うということはもう確定しているみたいだ。

希「そうみたいやね」

 真姫の言葉に希はうなずいて反応する。

 

 そうなるとやはり簡単に出演するということは言えない。時間も足りないし、何より曲もまだな状況だから。

真姫「ありがたい話だけど、この前のファッションショーといいそんなことやってていいの? 最終予選も近いのに」

 ファッションショーからまだ1週間もたっていない。立て続けのなれないイベントは精神的な疲労も確かに存在する。それに最終予選も近い。

 

 自分たちが目標にしているのがあるμ'sにとって余計と思われるより道は確かに避けたいところだ。

にこ「そうよ。私たちの目標はラブライブ優勝でしょ」

 それが優勝であるのならなおさら。簡単にできないと自覚しているからこそその目標に必死に向かって行くしかないのだから。

 

 でも、ライブもしないでひたすらに頑張っていたとしても人の印象に残るわけではない。

絵里「確かにそうだけど、こういう地道な活動も重要よ。イベントにはテレビ局の取材も来るみたいだし」

 自分たちを前に押し出していかないといけない。だからこのような広報活動はやったほうがいいのだ。

 

 ある単語を聞いた瞬間、にこの目が変わり、態度が急変した。

にこ「テレビ!?」

 最もアイドルとして憧れを抱くコンテンツの名前が出てきたことに身を乗り出して反応する。

 

 それは今まで否定的な話をしていたにこのはずだったのに変わり切ったことを言うことに真姫がツッコミを入れた。

真姫「態度代わりすぎ」

 

 それほど、この機会は早々にないことだ。テレビが来るということはネットを見ない人にとって目に触れる可能性が増えるということ。

花陽「A-RISEと一緒ってことは、みんな注目するよね。緊張しちゃうな~」

 それにネットだとしてもトップスクールアイドルのA-RISEと一緒というだけで注目される可能性は出てくる。

 

 出演すること自体にはマイナスな面がほとんどない。

凛「でも、それだけ名前を覚えてもらえるチャンスだよ!」

 つまりは曲さえできれば、かなりアドバンテージを獲得することができるイベントということになる。

 

 そのためにはしっかりと印象付けなくてはいけない。

にこ「そうよ。A-RISEよりインパクトの強いパフォーマンスでお客さんの脳裏に私たちの存在を焼き付けるのよ!」

 また見てもらったときに『見たことがある』と感じさせるくらいの印象を。

 

 にこのその言葉に感化されたのか目を輝かせながら真姫のことを見つめる。

穂乃果「おぉ~! 真姫ちゃん、これからはインパクトだよ!」

 確かに今までにないことを取り込むのは良いことだ。まだ挑戦したことのないことにチャレンジすることは心が躍ることなのかもしれない。

 

 ただ、問題があるとすれば……

真姫「…………。ところで穂乃果、あなたこんなところにいていいの?」

 生徒会長である穂乃果がこの場所にいて、他の生徒会メンバーがいないという点。

 

 しかも生徒会長だけができる仕事も確かに存在する中穂乃果がここにいてもいいのか疑問に残る花陽たち。

花陽「生徒会長の仕事は?」

 

 指摘されると初めて気が付く穂乃果はしまったという顔をする。

穂乃果「あ!」

 どうしてそのような顔をするのか。それは仕事をさぼったことを理解したからではなく……

 

 目の前に最高の笑顔を浮かべ、今やってきた幼馴染の少女が立っていたからだ。

海未「ごきげんよう」

 ただその笑顔には笑顔らしい華やかさがない……笑っている笑顔ではなかった。

 

 そんな海未の後ろから苦笑いを浮かべていることりと、

ことり「さっ探したんだよ~」

 まったく表情を崩していない空也の姿もあった。

空也「まぁ、がんばれ穂乃果」

 この2人……いや、他のμ'sメンバーもこれから起こることをなんとなく想像していた。

 

 海未はずっと笑顔を崩さずに口を開く。

海未「へぇ~、これからはインパクト。なんですね?」

 先ほどまで話していた内容を今から体感させるようなことを暗示するようにいつもの声で、いつもの話し方で……。

 

 瞬時に穂乃果もこれからどうなるのかという大まかなことを理解する。

穂乃果「アハハハハ。こんなインパクト、いらない!」

 ここまで来て予想できない人はいないだろう。穂乃果が海未に恐ろしい何かをされるという確かな未来があるということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在テスト準備期間のため授業は半日だけ。お昼をとっていたファストフード店を後にした穂乃果たちは部室に戻ってきていた。

 

 そんな中である話が繰り広げられる。

穂乃果(ジャック)「う~ん。インパクトか~」

 手に持っているカボチャの人形『ジャックオランタン』を動かしながら先ほどの話で出たインパクトについて話している。

 

 つまり今は人形劇風に話し合いをしているということなのだが、ことりは穂乃果の同じサイズの幽霊の人形を操作し話し合いに参加している。

ことり(ゴースト)「でも今回は大会じゃないよね? 優劣つけるものじゃないしそんなの気にしても」

 でも話している内容については全く見当外れというものではない。このイベントには優劣をつけるようなシステムは存在していない。だったらそこまで必死になることもないのかもしれない。

 

 ことりの言葉にジャックオランタンはうなずき、一つの考えだと受け入れる。

穂乃果(ジャック)「そうだよね~」

 

 確かに順位はないのかもしれない。だけど、だからと言って必死にならなくてもいいと言われると絶対にそう言うことはない。

にこ(ガイコツ)「何言ってるの。勝負はもう始まってるのよ!」

 そう思っているにこは少しだけ2人の持っている人形よりも大きいガイコツを動かしながら思っていることを話す。

 

 そしてにこの言っていることに関しても間違っていることではない。

真姫(ゴーレム)「にこちゃんの言う通り。確かに採点も順位もないけどお客さんの印象に残ったほうが多く取り上げられるだろうし、みんなの記憶にも残る」

 にこの意見に同意する真姫は自分が抱き着けるほどの大きなゴーレムのぬいぐるみをもってその理由を口にする。そう、一番なのは記憶に残ること。そうすれば最終予選当日に見てもらえる可能性もある。

 

 ガイコツとゴーレムの言ったことに納得するジャックオランタンとゴースト。

穂乃果(ジャック)「なるほど」

 

ことり(ゴースト)「ふむふむ」

 今まで自分の持っていた考えを改めてもう一度考え直しているみたいだ。

 

 見てもらえる可能性が増えるということは、もちろん自分たちのパフォーマンスで魅了することができるということ。

にこ(ガイコツ)「つまり、最終予選も有利に働くってことね!」

 ガイコツは12月に開催される最終予選のためになるという考えを持っていた。

 

 そしてそれはゴーレムも同じ。

真姫(ゴーレム)「その通りよ」

 

 そして手が抜けないことにはもう一つの理由がある。中途半端なことをすれば一緒に出るA-RISEに印象を奪われ、一緒に出場していたのが誰経ったのかすら記憶から消えてしまいかねない。

絵里(人間)「それにA-RISEは前回の優勝者。印象度では圧倒的に向こうが上よ。こんな大事な話をしなきゃいけないときに、いったい何やってるのよ!」

 その事を今話している人形たちの中では一番大きい絵里自身が割って混ざってくる。しかし、絵里の言っていることは正しく圧倒的アドバンテージを取られている中でどう行動するのかが大事になる。

 

 ただ、話し合いの仕方は人形劇のようなもので遊んでいるように見えても仕方ないのだが……。

穂乃果「ちょっとハロウィン気分を……」

 まぁ、それはこれから訪れる楽しいイベントを先に楽しみたいと思ったが故の行動なのだ。

 

ことり「トリックオアトリート」

 ハロウィンというお祭りのようなイベントへの憧れを抱きつつ。

 

 ことりの言った何の気ない言葉だが、それは空也にとって簡単に叶えることのできるものだった。

空也「ホイ、これでいいか。穂乃果はあんこは嫌だよな。カスタードでいいか」

 お菓子を与えるかいたずらされるか。そう質問されたため握りこぶしを作り数秒してから手を開く。その空也の手にはたい焼きがあった。和菓子も立派なお菓子だ。それに穂乃果に対しての配慮も忘れない。

 

 空也はここにいる穂乃果、ことり、にこ、真姫、絵里にたい焼きを渡した。

絵里「また魔法? そんなに使い過ぎて大丈夫なの?」

 この光景をみんなは以前に見たことがある。あの時はどら焼きだったけど今空也がやったのは確実に魔法。この前の合宿の時に希から空也が魔法を使いすぎると危ないということを聞いていたのだろう。絵里は空也のことを心配していた。

 

 この魔法に関していえば使いすぎると空也の命にかかわってくる。

空也「これに関しては出し過ぎたら倒れるな。空腹で」

 手から和菓子を出す魔法。無から有を生み出すことはできない。だから自身のカロリーを媒体にして生み出す。よって生じる問題は空腹。だからやりすぎは禁物だ。

 

 でも絵里にとって魔法のどこまでが平気でどこまでが危ないのかはわからない。だからこそ余計に心配になる。

絵里「無理しないでね。それで、たとえ同じことをしても向こうは前回の優勝者だから有利。取材する側だってまずはA-RISEに行くわ」

 ただ、ずっと心配しているだけでは話は進まない。今の話題は魔法のことではなくイベントのこと。いくら本人たちが重要視していなくても周りから見れば前大会の優勝者というブランドを優先する。だからこそ考えて行動しなくてはならない。

 

 この事実が示すこと、それはすなわち……。

ことり「じゃあ、私たちのほうが不利ってこと?」

 

空也「そういうことだ」

 ことりの言うように不利な状態での競い合いになる。ハンデをつけた状態でスクールアイドルの頂点である存在と張り合わないといけない。困難な状況に今経っているのだ。

 簡単で楽しいイベントであるのはそうだが、その裏ではこのような駆け引きが行われる。

 

 そう、つまりはこれからの行動が大事になるという安心できないイベントであるということだ。

絵里「だからこそ、印象的なパフォーマンスで最終予選の前にその差を縮めておきたい」

 でも、適切以上の行動をすることができたなら印象度の差を知事める最大のチャンスといえる。

 

 直接戦える場面がそうあるわけではないのだから、

真姫「つまり前哨戦ってわけね」

 今回のこのイベントをどう見るかといわれると真姫の言っていることが一番正しいように思える。前哨戦。手始めの戦い。これに負けるようなことがあれば優勝は確実に遠のく。故に油断ができない。

 

 そんな真面目な話をしているのだが一番真面目に話していた絵里が真姫の持っているゴーレムを見て……じっくり見て一言口にする。

絵里「可愛い……」

 茶色がベースで瞳の色が紫、目の形がじとっとしているが姿は角ばったゴーレム。きっと顔を見ての感想だったのだろう。

 

 そんな絵里の感想を聞いた真姫はまるで譲らないといわんばかりにそのゴーレムのぬいぐるみを抱きしめた。

真姫「えぇ!?」

 取られるのではないかと心配そうに驚きながら強く、強く抱きしめる。……柔らかそうに少し変形しているゴーレムさんでした。

 

 真姫が比喩した言葉に何か感じた穂乃果はその場で少し考えるようにうつむいた。

穂乃果「前哨戦……」

 考えるのも無理はない。強敵相手に失敗はできない、下手な行動はできないこの状況で気楽に入れるわけもないのだから。

 

 ただ、目指してるものはあまりに大きくて、困難。

ことり「でも、A-RISEより印象に残るなんて」

 トップスクールアイドルに印象でしっかりとしたいい意味で勝つなんてことは簡単ではない。

 

 むしろその方法すらも思いつかない。

穂乃果「どうすればいいんだろう?」

 ラブライブ優勝のために一番乗り越えなくてはいけない壁。乗り越えるにはどうすればいいのだろう……。

 

 そんな悩みがことりたちの考えを支配する中、にこが1つの考えを提案する。

にこ「だから何回もいってるでしょ。とにかく大切なのはインパクトよ!」

 それは予備予選の時も言っていたことでとても簡単なこと。単純が故に考えつきにくい最も難しいものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日にイベント参加の旨を伝えた翌日。イベント出演の紹介をするということで開会式の会場に呼ばれた。

 

 前回の話し合いの結果インパクトを重視していこうということになったのだがそれができるというにこと凛、そして穂乃果の3人がそのステージに立つことになった。

 

 

 

 

 

 ……のだが、作戦は失敗。司会のお姉さんのインパクトに押し負けた穂乃果たちに追い打ちでもするかのように出てきたA-RISEのモニターでの出演。完全に会場の雰囲気全体を持っていかれてしまった。

 

 その後空也も呼んで反省会を4人でしていた。会場で客観的に見ていた空也の意見も参考にするために。

にこ「もぉ~。A-RISEに完全に持ってかれたじゃない!」

 開口一番はやはり先ほどの後悔。やられたという印象がかなり強い。なぜなら相手はモニターでの参戦。会場に直接干渉できないと思われるはずなのに、タイミングよく特大のクラッカーがなる。制度もそうだがここまで完璧な演出を見せられると確実に打ち合わせがあったと考えていい。

 

 ただこの考えは簡単には至らない。なぜなら自分たちに何かがあったとまず考えるからだ。

穂乃果「にこちゃんがにこにーしようとするから」

 それはイベントであったこと。凛が強くアピールしている波に乗ろうとしたにこが持ち前の笑顔と動きをやろうとした。

 

 ……したのだが、時間の都合かはたまた気が付かれていなかったのかで。

にこ「やれてないし」

 完全ににこはスルーされてしまったのだ。何もできずに何かをすることを許されないままに。

 

 ……この話し合いをしている中、ただ1人違う行動をとっている者がいた。さっきの改善点、そしてこれからどうしなくてはいけないのかを話し合わなくてはいけないこの状況でだ。

凛「そうだにゃ」

 漫画を読んでいる……凛が。穂乃果の部屋で話し合いをしているからなのかそこには漫画本が結構あったため目を引かれたのだろう。……しかし、なぜに今なのだ。

 

 ただそんな凛を構っていられるほど余裕があるわけでもない。なぜなら印象度の差は始まる前より一時的に開いてしまったのだから。

にこ「とにかくこれは問題よ。このハロウィンイベントをものにしないと、最終予選を勝ち抜くのは難しくなるわ。あのお客さんの盛り上がり、見たでしょ」

 クラッカーが鳴ったタイミングがあのイベントの盛り上がりの最高潮だった。いくら特別なアクションがあったからといってそのタイミングの前に何かがないといけない。今回のそれはA-RISEの参戦だった。つまりはA-RISEに対して観客が盛り上がったということ。

 

 ということはあの場にいたほどんどの人の記憶がA-RISEに塗り替えられる。

穂乃果「確かに」

 μ'sとしてあの場に立っていた穂乃果はそれが痛いほどよくわかった。なぜなら確実に観客の目にはA-RISEのことしか目に入っていないのを目の当たりにしたのだから。

 

 話の同調するかのように凛は体を起こし賛成の声を上げる。

凛「その通りにゃ。わかるにゃ」

 ただそれがこの話し合いでのものなのかを確認するすべは今の穂乃果たちにはなかった。

 

 ただ1人、そんな凛の行動に疑問を思った人がいるみたいだが……。

空也「ん?」

 

 そしていつの間にか話題はA-RISEのこととなり、一番記憶に新しいのはあの合同ライブのこと。

にこ「あれだけの実績を残しながら、現状に満足せずに努力してる」

 その事が決まった時に話していた内容をにこはしっかりと覚えていた。現状がトップだということに満足をしないで、常に前に出るように努力を重ねる。

 一度確かな勝利を手にした人物たちとは思えない、慢心が存在しない真っ直ぐな目をにこたちはいとど見ているのだ。あの言葉は本気だったといえる。

 

 あの時はμ's全員がいた。だから穂乃果にも凛にもその感じはなんとなくわかる。

凛「そうにゃ、そうにゃ」

 だからなのか頷きながら答える凛。しかしその瞳の先には漫画本……確実に今の凛は話し合いの場にいないということだけがここでわかった。

 

 常に終わらない向上心はメンバーたちのやる気を刺激し、止まった人たちを追い抜くように走って行く。これを繰り返していくことこそ勝利への秘訣。

穂乃果「やっぱり優勝するだけあるよね」

 つまりそういう考えのもと今A-RISEは努力を重ねている。素直にその意識に関しては尊敬できる部分が多い。

 

 しかし、そんな話をしていてもある一人のせいで緊張感がなくなるのだけれど……

凛「その通りにゃ」

 確かに穂乃果の言うように優勝しているだけあって心に余裕を持った立ち振る舞いができている。そう感じることもできた。

 

 でも、感じていただけでは前には進めない。素直にすごいと思えるところが見つかったのなら、目指す道ができたようなもの。

にこ「でも感心してたら。そこで終わりよ!」

 後はそこに向かって走り出していくだけ。でも、大半は感心して終わり。この場面ではそのまま終わりにしてはいけない。前に進まないと確実に勝利なんてものが降ってこないのだから。

 

 この話し合いに対しても凛は相槌を打つ。

凛「わかるにゃー!」

 しかしそれが本当にこの会話に対してのものなのかといわれれば今までの状況、言葉からして絶対的に違うといえる。

 

 その事が分かった空也は最高の笑顔になった。しかしそれは穂乃果に対して海未が浮かべた笑顔の系統のはずなのに、比べ物にならないほどどす黒く重いものだった。

空也「いいかげんにしろ凛。うるさいから静かに読め」

 そして放たれる言葉。もう空也は凛に反省会での参加を諦めている。少しでも早くどうにかしないといけないこの状況で凛だけの反省からの改善をどうにかするほど余裕はなかったのだから。

 

 それが分かったのか凛は急に小さくなってしまう。

凛「わっわかったにゃ……」

 まるで雷におびえる子猫のようにぶるぶると震えながら。

 

 今まで黙っていた空也の突然の行動ににこは疑問を持った。

にこ「あんた、いきなり性格変わるわね」

 いくら何でも急に性格が変わりすぎだとそう感じたのだろう。

 

 しかし、今の様子だけ見たにこにとってはすごいものであったのかもしれないが今までの空也を見ていた穂乃果には……、

穂乃果「今のはまだましなほうだよ……。中学時代はもっとすごかったよ」

 もっとすごいものを見たかのような、今は怒られていないはずなのに凛のように震えながら穂乃果は答えた。

 

 ただ凛のほうから向き直った空也の表情は普通で、それが逆に怖くなるのだが、話し方も普通のまま反省会に続きになった。

空也「まぁまぁ、それよりインパクトだっけか? じゃあみんなに考えてもらえよ」

 今までの内容で最も重要視するのはインパクト。それを求めるためにどういうことをすればいいのか、これが大事になってくる。そのためにみんなの意見を聞いてまとめるしかない。

 これはμ's全体の問題でラブライブ優勝がかかった大事な出来事なのだから。

 

 




いよいよ始まったネタ回です。

面白いネタが増えてるのかなー、それとも何か減ってるのかなーといろいろ考えがあると思いますが、それは更新をお楽しみということで!

新しくお気に入り登録をしてくださった緑茶こいしさんありがとうございます!

次回『インパクトを模索』

それでは、次回もお楽しみに!



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