進めることも
ままならず
ポケモンセンターの一室に連れていかれて、今。
「うらぁ!」
あだだだだだ!
「メイコさん、私がやりますよ?」
「あ~? じゃあもうちょっといじ……マッサージしてから交換するわよ」
苛めてって言おうとした! 今メイコさん絶対苛めてって言いかけてた!
「分かりました」
分からないで!? レナさん、そこはもっと自分を主張していこうよ!
「はいさいかーい」
あだだだだっ! むりむりこれ以上前屈出来ないから海老になる海老になっちゃうっだだだだだ!
「ふー。……レナ、良いわよ」
「は、はい」
あぁ、なんでこうなってるの?
『精神云々以前に、まず身体の筋肉が硬直しています。なので、まずはマッサージをすることで動く下準備をする必要があるのです』
あ、はい。
「えーっと……まずは普通に……」
レナさんがぐっぐっと背中を押してくる。あ~、気持ちいい。さっきのに比べたら天国だよ、これ。
「うーん…こういうのはあんまりしっかり習わなかったからなぁ……」
レナさん、聞こえてるよ。まぁ、レナさんはブリーダーじゃなくてエリートトレーナーだから仕方無いのかも知れないけどね。
「レナ、肺の後ろの辺りに全体重を乗せるように押すのよ」
「あ、はい。こうですか?」
ングエェェェェ! こ、こきゅ、呼吸が……
「ちょ、ストップストップ! やりすぎ!」
「あ、は、はい!」
かふぅ~~~っと空気が肺に入っていく。
「げほっ、げほっ」
「お、ブールが咳したわ。そろそろ喋れるんじゃないの?」
「どうでしょうね……念のためにもう一回やっておきますね」
ま、まって……!
「はぁ~、ふっ」
ガフゥアァァァァ……い、息が……!
「はい」
「コフュ~~~、ガハッガハッ」
急激に空気が通り、咳き込む。
「ほれ、なんか喋ってみんさい」
「あ゛~、な゛ん゛て゛」
自分でもビックリなほどがらがら声だったので口を閉じる。喉が痛い。
「ド゛ブ゛ド゛ブ゛」
「水よ、水。そういう時は水を飲むのよ」
「はい、水です」
コップを渡されたので流し込む。
「さて、そんじゃあ次は――」
「あぁ! こんなところに居たのね!」
扉が開かれ、ジョーイさんが入ってくる。
「勝手に病人……病ポケを連れ出さないでください! 最悪、死に至るんですよ! 分かってるんですか!?」
凄い剣幕でメイコさんに怒鳴り付ける。
「分かってるわよ」
「だったらなんで」
「ブールだからねぇ。大丈夫よ、元気なのは確認してあるわ」
「だからって」
「うるさい。……いや、悪かったわね。でも」
メイコさんは静かに、けどしっかりと言う。
「こっからは任せて頂戴」
「…………」
「メイコさん……」
「………」
……喋ったらがらがら声で変に心配かけちゃうから喋らない、けど。
「ジョーイさん、私からもお願いします。何も出来ないのはもう嫌だから……!」
「…………」
レナさん……。
「分かりました」
ジョーイさん、良いの?
「ただし、私が監督します。無茶をされたら困りますからね」
そう言って、ジョーイさんはウインクしたくれた。
1196文字です。
全然書いてないですね。