ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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今回は
長くなるなる
バトルだよ


ぶっ飛びボディ~飛行のジム戦~

さて、お父さんとの特訓も上々。しっかり休んで元気も満タン。

 

ここはフキヨセジム、五つ目のジムバッチを貰うためのジム戦!

メイコさんとレナさん、お父さんは二階の観客席で見学だって。

 

バトルフィールドを挟んでフウロさんと向かい合う。

 

「来たね、ブール君!」

「始めまして、フウロさん!」

 

お互いにあいさつする。そして、

 

「「なんで僕(私)の名前を知ってるんですか!」」

 

同時に叫ぶ。

 

「いやいやいや、フウロさんジムリーダーじゃないですか。」

「何言ってるの、ブール君は有名人じゃん。」

 

あれ、また同時。

 

「気が合いますね。」

「うんうん、だけどバトルの手は抜かないからね! 審判!」

 

「はい! ルールは四対四! 先に全てのポケモンが倒れた方の負けとなります! ポケモンの交代はチャレンジャーにのみ許されます!」

 

「よーし、ぶっ飛ばしてあげる! 行くよ、バルジーナ!」

「バジャ!」

 

バルジーナか。しかもサングラス……『くろいメガネ』を着けている。うーん、レイカはスワンナ用に残しておきたいからここは……。

 

「ギィカ! 行くよ!」

「ギッガアァァァァ!」

 

よし、調子は良さげだね。

 

「バトル開始!」

 

「バルジーナ、『おいかぜ』!」

「まずは落とす。『うちおとす』だ!」

 

「バジャ、バジャ、バジャ!」

 

当然バルジーナの方が速い。羽を大きく羽ばたくと強めの風が吹き始める。

 

けどまぁ、ギィカには関係無いね。

 

「ガァッ!」

「ヂャッ!?」

 

おお、顔面にクリーンヒット。飛び回るメイコさんには未だに当たらないけど動かない的なら百発百中だね。

 

『じゅうりょく』でも喰らったかのように地面に落ちるバルジーナ。

 

「まだ行けるよ! 『あくのはどう』!」

「バアァッ!」

「これぐらいなら耐えられる! 『じしん』!」

「バヂャアッ!」

「ギッ。……ガアァァァァ!」

 

『あくのはどう』が当たり一瞬怯むものの、大声を上げながら右前足で地面を揺らす。

 

ドオンッと空気が揺れる。

 

「バジャッ!?」

「だ、大丈夫!?」

「ブ……アァジャッ!」

 

仕留めきれなかったか。なら……。

 

「『うちおとす』!」

「『ブレイブバード』!」

 

『ブレイブバード』!?

 

「バッヂャアァァァ!」

「ギガァッ!」

「ギィカ!」

 

『ブレイブバード』は飛行タイプ最上位の技。反動というデメリットはあるけど、その分強い技だ。

 

「ガッ……アァッ!」

「よしっ!」

 

だけどギィカは耐える。それぐらいしてもらわないとね!

 

「『うちおとす』だ!」

「『おいかぜ』!」

 

ぎりぎり反動では倒れなかったバルジーナは、また羽ばたいて風を起こす。

 

が、そこまで。

 

ギィカが放った岩の塊がぶつかり倒れ伏す。

 

「バルジーナ、戦闘不能!」

 

「うん、お疲れ様バルジーナ。……流石、ブール君は強いね。」

「皆が強いだけですよ。」

「うんうん、『過ぎぬ謙遜は美徳』だね。うーん……スワンナ、お願い!」

「クワーーッ!」

 

来た、スワンナだ。ギィカはタイプ相性が悪いうえに少なからず傷ついている。なら、ここは。

 

「『アクアリング』!」

「戻って、ギィカ。また出番はあるから。」

 

ギィカはボールに戻す。不満げだったけどここは我慢してほしい。

 

「よーし、お披露目だよ! レイカ!」

「ナットゥ!」

「『つばめがえし』だよ……ってええ!?」

 

既にスワンナは突撃してきてる。

 

「ナトッ。」

「クワァッ!?」

 

レイカの特性である『てつのトゲ』が刺さったみたいだね。

 

「い、色違い……まさか電気石の洞穴の!?」

「はい! この間捕まえました!」

「はへぇ~、凄い、凄いよブール君!」

 

「クワアッ!!!」

「ナッットゥ!」

 

フウロさんのテンションと共にポケモンたちのテンションも上がっているね。

 

「だからこそ負けられない! スワンナ、押すよ!『つばめがえし』!」

「やるよ!『ラスターカノン』だ!」

 

レイカが全身から光の束を照射する。

けど、スワンナは軽くかわしてレイカにぶつかる。

 

「クワァッ!」

「トゥ……!」

 

流石はレイカ。耐性が高いお陰でダメージは少ないみたいだ。

と、言えども『てつのトゲ』の地味なダメージは『アクアリング』で回復されて……ん?

 

「モグモグしてる……まさか『たべのこし』!?」

「大正解だよ!」

 

むぅ、これは、長期戦になりそうだ。

 

「『10まんボルト』!」

「甘いよ、『アクアリング』!」

 

レイカが放出した電気はスワンナを覆う水のベールに誘導されて消えてった。なんかスワッとする臭いがしてくる。

 

「電気対策なんて三代前のジムリーダーが確立済みだよ!」

「むむぅ、レイカ、『ラスターカノン』だ!」

「少しは反応してよ! 避けて『おいかぜ』!」

 

『ラスターカノン』はあっさりかわされる。そしてスワンナは羽を大きく羽ばたかせる。

 

ん、確かに風が止んでたね。基本関係無いけど……ん。

 

「『つばめがえし』!」

「……ってことは。」

 

スワンナがレイカにぶつかる直前まで堪える。

 

「ここ!『ジャイロボール』!」

 

「ナッ、ナッ、ナッ、ナッナッナッナナナナナナナ!」

「クエアッ!?」

 

『つばめがえし』は必中技。ってことはカウンター気味に技を撃てば避けられない!

更に『ジャイロボール』はすばやさの差で強さが変わる!

 

「スワンナ! まだ行ける!?」

「ク、クワアッ!」

 

今のところスワンナの使った技は『つばめがえし』『おいかぜ』『アクアリング』。

残りの技が飛行タイプの特殊技ならとっくに使ってる筈だし、となると水タイプの技か補助……いや、もしかしたら回復用の『はねやすめ』かも。

 

「なんにせよ、やるしかない!『10まんボルト』だ!」

「『アクアリング』!」

 

やっぱり効かないか。ズルいね。しかもこうしてる間にも『ジャイロボール』のダメージは回復していくし。

このままだと俺のじり貧……かな。

 

「でも攻める。『10まんボルト』!」

「『アクアリング』! 効かないって言ってるでしょ!」

 

また無効化される。

 

「レイカ!『アクアリング』ごと吹っ飛ばせぇっ!」

「ナットゥ! ナーーナーーナーーッ!」

 

レイカが溜める溜める溜める。

 

 

バチッ、バチバチッ

 

 

「う、ちょーっと不味いかも。スワンナ!」

「クワッ!」

 

フウロさんとスワンナが何かを意志疎通する。

 

「だったら計算も計略も『アクアリング』ごと消し飛ばせ! 『10まんボルト』!!!」

 

「ナトゥーー!!!」

 

「『はねやすめ』!」

 

スワンナが羽をたたみ、地面に降りる。

そこへ電気が直撃する。

 

爆発。

 

「スワンナ!」

「レイカ、『ラスターカノン』準備。」

「ナトゥ……!」

 

煙で見えなくても次の手は止めない。さて、どうなる?

 

「……スワンナ、戦闘不能!」

 

審判の声。

 

「ふーっ。レイカ、良いよ。」

「ナトゥ……。」

 

スワンナ、実に強敵だった。うん。

 

「スワンナ、ありがとう。……うーん、やられちゃったぁ。まさか一撃だなんて。」

 

フウロさんは呟き、次のボールを手に取る。

 

「でも、私はまだまだ行けるよ! 次はこの子だよ。飛んで、ケンホロウ!」

「キョーーッ!」

 

ケンホロウ、頭飾りがあるからオスの姿か。

ん? なんかケンホロウの右目に違和感が……気のせいかな?

 

「レイカ、行ける?」

「ナットゥ、ナトゥ!」

「よしっ、なら行けるね! 様子見の『10まんボルト』だ!」

「決めていくよ!『エアカッター』!」

 

両方の技は奇跡的に打ち消しあう事もなくお互いに当たる。

 

「ナトゥ!?」

「え、レイカ?」

 

見るとレイカの体に深い切り傷が。

 

「ナ……ト……ゥ。」

「レイカ!?」

 

「ナットレイ、戦闘不能!」

 

えぇ!? た、確かにスワンナとのバトルで消耗していたけど、一撃!?

 

「……急所か!」

「またまた大正解!」

 

『エアカッター』は急所に当たりやすい技。そしてつまり、持ち物は急所に当たりやすくなる『ピントレンズ』か!

 

「ありがとう、レイカ。」

 

となると、残りはペティ、ハッサン、ギィカ。

ギィカは既にダメージを喰らってる。

ペティはタイプ相性が悪い。

なら。

 

「ハッサン、行くよ!」

「バウッ!」

 

さて、どうするかな。

 

「とにかく『ふるいたてる』!」

「『ちょうはつ』するよ!」

 

「キョウーッ!」

「アオーー… …ッ!?」

 

何ぃ!? 不味いぞ、これは!

 

「更に更にぃ、『フェザーダンス』!」

 

ケンホロウが舞う。羽根がハッサンにまとわりつく。

 

「~~~~ッ! ハッサン戻って! ギィカ!」

「ギッガア?」

 

ここは交換するしかない。ハッサンがほぼ完全に無力化される!

 

「もういっちょ『フェザーダンス』!」

「『パワージェム』!」

 

こうげきを下げられるのはもういい。特殊技で攻めればいい。

 

「ガアッ!」

「キョッ!」

 

『パワージェム』が直撃する。

 

「隙を見せるな!『うちおとす』!」

「堪えて!『フェザーダンス』!」

 

うぅ、『うちおとす』で決められなかった。

 

「ここは『パワージェム』だ!」

「『エアカッター』!」

 

空気の刃に光るエネルギー弾がぶつかる。

 

「ギィカ『パワージェム』! 撃て撃て撃てぇ!」

「全部全部全部『エアカッター』で迎撃して!」

 

「ギッガッガッガッガッ!」

「キョッキョッキョッキョッ!」

 

炸裂。爆発。粉砕。

 

「『うちおとす』に変更! まだまだ撃て!」

「くっ、避けて、ケンホロウ!」

 

よしっ!

 

「ギィカ、メイコさん落としだ!」

 

「ギッガアァァァァ!」

 

『うちおとす』と『パワージェム』が走り回るケンホロウを追い詰める。

 

「っ! 当たった!」

 

『パワージェム』がケンホロウに当たった!

 

「今だ!」

 

……あれ? 『パワージェム』も『うちおとす』も飛んでかない。

 

「ガッ、ガアッ、ガアッ!」

「……!」

 

ギィカがすごく疲れてる!?

 

「『エアカッター』!」

「ごめんギィカ、『じしん』!」

 

『エアカッター』がギィカに当たる。

恐らく急所に当たったと思う。

 

 

が、ギィカは地面を揺らす。

 

「えぇっ!?」

 

フウロさんは驚きのあまり指示を出せない!

そりゃあ、確実に倒した筈の相手が行動したら驚くよね。

 

でも。

 

「……ケンホロウ、ギガイアス、共に戦闘不能!」

 

「はぁ。ごめんね、ギィカ。」

「す、凄いね。凄く凄いよ、ブール君のポケモンたちは。」

「僕もそう思います。」

 

やられたのに意地で『じしん』を放つだなんて。

 

「絶対に勝つから、ギィカ。……ペティ!」

「ペァギュアァァァァ!」

 

「私は最後の一体だね。行って、ウォーグル!」

「ピィーーーッ!」

 

甲高い声。よし、少し狡いけど()()()()()

 

「ウォーグル、『つばめがえし』!」

「『どくどく』。」

 

圧倒的な速度でウォーグルが迫る。

ペティは焦らずに『どくどく』をウォーグルに叩きつけ、『つばめがえし』を受ける。

 

「うんうん、良いね! こうでなくっちゃ!『エアスラッシュ』!」

「『ベノムショック』!」

 

紫電がウォーグルを包むが、ウォーグルは怯まずに風の刃を放つ。

 

「ペンドラー、戦闘不能!」

 

「……あれ? あっさりだね。」

 

「行って、ハッサン。」

「グルルルル……!」

 

さて、ここからだ。

 

「むぅ、雰囲気が全然違う……『ブレイククロー』!」

「『まもる』。」

 

ハッサンが 緑のシールドに包まれ、ウォーグルの攻撃を受け流す。

 

「む、そう言うこと? もう一回『ブレイククロー』!」

「『まもる』。」

 

またもウォーグルの攻撃はハッサンには届かない。

 

「『ふるいたてる』、『まもる』。」

「『きりさく』!…… って速い!?」

 

一瞬で『ふるいたてる』ハッサン。そして結構ギリギリで『まもる』。

 

「くっ、『ブレイククロー』!」

「『とっしん』で吹き飛ばして。」

「バウッ!」

「ピュィッ!?」

 

余りに近付き過ぎたウォーグルの腹に、ハッサンが全力で『とっしん』する。

その勢いでウォーグルとハッサンの間が開く。

 

「なら『エアスラッシュ』だよ!」

「『まもる』。」

 

またも防ぐ。

 

「ま、不味い不味い不味い! ウォーグル、『エアスラッシュ』! 攻めて!」

「ピィーーーッ!!!」

 

風の刃が大量に迫ってくる。

 

「これが『とっておき』だよ。」

 

「バフッ!」

「ピィッ!?」

 

ハッサンがウォーグルの真上に瞬間移動。地面に叩きつける。

 

「えぇっ!?」

「これで終わりだね。」

 

 

猛毒がウォーグルの体に廻りきった。

 

 

 

 

「ウォ、ウォーグル、戦闘不能! よってチャレンジャー、ブールの勝ち!」




4857文字です。
長い。やったね!



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