「くっ、どけぇ!」
「す、ストップお父さん!」
駄目だ、聞こえてない。お父さんの周りに灰色の爆弾が浮かぶ。
「『マグネットボム』!」
「ハッサン……あ!」
腰に手を伸ばすけど、ボールがない!
「うぎゃあ!」
もろに喰らっちゃった。ぐぐぐ。
「悪いな!」
「待ってって!」
俺を踏んづけて走って行こうとしたお父さんの足を掴む。
「うおっ!」
「このこのこのこのこの!」
ブン回す。ぐるぐるぐるぐるぐる。
「ドブドブドブドブ!」
「ていやっ!」
「がふっ!」
地面に叩き付ける。……あ、地面、コンクリートなんだった。痛そう。
「おいてめえ!」
「そいつは俺たちが見つけたポケモンだぞ!」
「バチュル、もう一度『でんじは』だ。」
「バチュッ!」
問答無用ってか!? お父さんごめん!
「ドーブルバリアァ!」
「ドブフゥッ!?」
「なっ! ポケモンを盾にしやがった!」
「効率的だ。効率的だが……。」
「なんて非人道的な行動なんだ!」
「人間じゃなくて悪かったね!」
逃げ出す。『へんしん』溶く暇も無いしね。
~○~○~○~○~○~
走る走る。
「『でんじは』!」
「ドーブルバリア!」「ドブゥッ!」
まだまだ!
走る走る走る。
「ドリュウズ、『ドリルライナー』!」
「当たるかぁ!」
くそっ、しつこい!
走る走る走る走る走る。
よし居た!
「レナさん! ヘルプ! たすけて!」
「っ! ごめんなさい!」
ちょっ、なんで逃げるの!? 今それどころじゃない!
「あーもうっ! 怒った!」
逃げるのをやめる。『へんしん』を溶く。よし、周りは安全だね。
「おうっ!? こいつポケモンなのかよ!」
「これはつまり、」
「二匹も捕まえられるのか。」
「
相手はドリュウズとバチュル、スワンナ。
あぁ、スワンナで空から追ってたのか。どうりで振り切れない訳だよ。
「スワンナ、『アクアリング』!」
「バチュル『でんじは』。」
「ドリュウズ、『ドリルライナー』だ!」
ここは取り合えず『まもる』。インクのバリアが全ての技を防ぐ。
敵は水飛行、電気、地面鋼。だったらまずは面倒なバチュルから潰す。
インクの色は茶色!
「『ロックブラスト』だ!」
尻尾の先から、岩のようになったインクの塊が連射される。
「バチュル『エレキネット』だ。」
「スワンナ『そらをとぶ』!」
「ドリュウズ、『ドリルライナー』で突っ切れ!」
うわ、見事に無効化された。
インクを弾きながら突進してきたドリュウズを避ける。
バチュルは『エレキネット』でインクを絡め取っちゃったし、スワンナは空高く飛び上がって避けてる。
くそっ、やってられない。
だけど!
インクの色は黄色!
「必中の『かみなり』だぁ!」
尻尾を振り上げる。インクが雷となって空へ逆行し、今まさにこちらに向かって落ちてくるスワンナに直撃する。
「スワンナ!?」
「今だバチュル『でんじは』。」
「ドリュウズ、溜めろ!」
く、『でんじは』喰らっちゃった。
でも取り合えずスワンナだけでも倒せたし、後は二匹。
「戻れバチュル。」
「『じわれ』!」
「
慌てて『そらをとぶ』。白いインクで描かれた翼ではばたく。
立っていた場所に亀裂が走る。
あ、危なかった。あと少しであの亀裂の中に埋もれるところだった。
「おまっ、スワンナ! 戻れ!」
「あ、すまんわりぃ!」
「一匹落ちてる。」
「「はぁ?」」
え、あ、お父さんが落ちてるぅ!!!
くそっ、間に合わない!
「サナ!」
「サァ~。」
お父さんが急激に上昇してくる。
「レナさん!!!」
「サナ、そのドーブルはこっちに。レィシー、ヤって!」
「レラァッ!」
レィシーが出てきた瞬間に『サイコカッター』をドリュウズに飛ばす。
「ドリュウズ!」
「ブールさん! こっちです!」
「分かった!」
レナさんに着いていく。
三人組は、流石に追ってこなかった。
1533文字です。
はぶいちゃってるけど、ブールは『へんしん』溶いてたからレナさんには「ドブドブ!」としか聞こえてないです。 ドブドブ。