「ふへー。綺麗だなー。」
「あたしは…苦手ね、ここ。」
「電気石の洞穴…名前通り、電気石がフワフワしてますね。」
電気石の洞穴の中からこんにちは。ブールだよ!
メイコさんが少し元気が無いけど、そっか、メイコさんペラップだから電気が苦手なのか。
「てか、ツインテール。スマホ出してていいの?」
「え? 何でですか?」
「ここ、電気石の洞穴よ? 携帯なんて一瞬で壊れると思うんだけど。」
「・・・だ、だだだ大丈夫ですよ。」
「ふぅん? なら良いけど。」
レナさんがスッ…とスマホをしまう。
そう言えば。
「メイコさん、レナさんの心配したんですか?」
「違……いえ、ま、そうね。なり行きとはいえ一緒に旅する仲間だし。」
「はー。流石メイコさん、仲間思い!」
幻想的な景色の中、三人……あ、二人と一匹かな? 喋りながら先へ進む。
「アララ? そこに見えるはブール君とメイコ様じゃないの?」
何か聞いたことのある声が聴こえてきたよ。
「ブールさん、呼ばれましたよ。」
「ん? メイコさん、今なにか聴こえましたか?」
「いえ。何も聴こえなかったわよ? 空耳じゃない?」
「え?」
「ですよね。気のせい気のせい。」
わースゴく綺麗な洞穴だなー。電気石の洞穴なだけあってギアルとかバチュルとかけっこう居るなー。
「お、おーい。メイコちゃーん。ブールくーん。私よー。」
「ブールさん?」
「ほら、レナ。あたしたちの目的はさっさと先へ進む事よ。」
「そうですよ、レナさん。」
「で、でも…。」
と、後ろから誰かが走ってくる。
「わ~~~~! どいてどいてどいて~~!」
「ブール!」
「はい!」
「え? きゃっ!?」
メイコさんの指示に従い、レナさんの腕を掴み脇に退く。
「ウヒャ~~~~~~~~~」
ドングリみたいな形をした緑の帽子をかぶった女性が、直前まで僕たちが居た場所を通りすぎていった。
「行ったわね、ブール。」
「行きましたね、メイコさん」
「ヘ? エ? な、なんなんですか~!?」
レナさんの叫びが木霊した。
「うっさい!」バシッ
「痛い!」
~○~○~○~○~○~
「要するに、あたしたちはあれの被害者なのよ。」
「少し大げさだけどね。まぁ、そんなところだよ。」
「だから、博士と会いたくないと。」
レナさんが頷く。
いやまあ、別に僕は会っても良いんだけどね? メイコさんがアララギ博士を攻撃する未来が見えたんだよ。『みらいよち』で確定ダメージなんだよ。
それに、ここで捕まっちゃうと面倒な事になりそうだし。ダークトリニティとか。
「んじゃ、先に進みましょう。」
「あ、はい。」
再度歩き始める。
メイコさんは何時も通り僕のベレー帽の上に留まる。
僕は歩く。
レナさんは僕の横を歩く。
だから、レナさんが僕たちと一緒じゃ無かったら、メイコさんとまたはぐれるところだった。
「!? レィシー!『サイコカッター』!」
「ルシャア!」
突然、レナさんがエルレイドを出し、攻撃を指示する。
「え? うわっ!?」
こわっ! 僕の頭の上を『サイコカッター』が通り過ぎる。
「ぷはあっ! ナイスよ、ツインテール!」
「え?え?何?」
「敵は上よ、ブール!」
「上?」
見上げると、数体のテッシードが天井にくっついていた。
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ぜ、ぜ、前回よりは、おおお、多いから・・・!