機長「イッシュ地方まで、残り五時間です。」
そういちろう「まだまだか。」
「うぅ…ん。」
「あ、ブールさん! 起きましたか!?」
「あー、えーと。」
確か…ブラックさんとポケモンバトルして…負け…?
「あぁ、これが『目の前が 真っ暗になった!』か。」
「その通りよ、あほ。」バシィ
「あいたっ!」
あ、ああ? まだ…あ、あー。
朝か。
「起きました。おはよう、メイコさん!」
「やっと起きた?」
「うん。…あ、レナさんに、ブラックさん。朝からおはようございます。」
「訂正、まだ起きてないわね。」
~○~○~○~○~○~
ベッドに座り、前後にフラフラと揺れているブールを指差してブラックが聞いてくる。
「なぁ、騒害。」
「あによ、帽子。」
「こいつ、何時もこんな感じなのか?」
「そうよ。あたしがしっかり起こさないと寝惚けるのよ。全く、困ったものだわ。」
「へぇ~そうなんですか。」
話に割り込むな、青髪。
青髪こと、レナがブールの事をジイッと見つめ、ゆっくりとスマホを取り出す。
「こら!」
「ひゃっ!?」
「勝手に写真撮らないこと。あたしが許さないわよ?」
「え、えぇ~!? そんな、酷い! 横暴です!」
「じゃかあしい!」
レナのツインテールをついばみ、引っ張る。
「痛い痛い!」
「要らんツインテールめ! もはや髪型を変えられないあたしに謝れ! 土下座以外許さん!」
「理不尽!」
ひとしきり暴れる。
ふぅ。とあたしが一息つくと、レナとブラックが互いを指差す。
「こいつ、誰だ?」
「この人、誰ですか?」
ほぼ同時に聞かれる。どうしろって言うのよ。
「黒帽子、そっちのツインテールはブー…あたしのファンよ。」
「
「ほぉう?」
「んーで、ツインテール、そっちの黒帽子は……あー……その…帽子よ。」
「それ以外無いのかよ。」
「はあ。立派な帽子ですね。」
「え、はぁ? それ以外無いのか?」
「あ…その…えぇと…」
「マジかよ!?」
ブラックが崩れ落ちる。ふん、良い気味ね。
「んで、今はお昼頃なんだけど。あんたたちはどうすんのよ?」
「私は、出来ればブールさんとお喋りしたいなぁって…。」
「俺は誰かさんのせいで復活草を取りに行かなきゃいけないんでね。」
「ん? 誰かって誰よ。」
「お前ら以外居ないだろ。」
「え、どういう事ですか、ブラックさん。」
やっとこさ起きたわね、ブール。
~○~○~○~○~○~
おはよう、皆! ブールだよ!
挨拶は大事だよね!
それどころじゃ無いけど。
「つまり、僕のギィカのせいって事ですか?」
「そういうことだ。たく、何でお前の尻拭いをしなくちゃあいけないんだよ。」
要するに、ギィカの『じしん』で空洞が崩れて、それに巻き込まれた人がいるって訳で。
「手伝いますか?」
「いんや、そこまで子供じゃねぇよ。と言うか、むしろ中身だけなら大人だ。」
「・・・えぇ?」
「なんだその目は。どっちにしろ、お前よりは大人だようが。」
そうだけど。
「…メイコさん、あの人ブールさんに対して馴れ馴れしくないですか?」ヒソヒソ
「そうよね。帽子の癖に生意気だわ。やっちゃいなさい。」ヒソヒソ
「でも、強いですよね、あの人。」ヒソヒソ
「強いかもね、帽子の癖に。」ヒソヒソ
「聞こえてんだよ!」
ブラックさんが叫ぶ。おー、怖い怖い。
「まあまあ、落ち着きなさいよ大人のブラック君?」
「そうですよ。こっちはか弱い乙女ですよ?」
「ど、こ、が、か弱いんだよ!」
ブラックさんがメイコさんとレナさんに無謀な口喧嘩を挑む。
どうでも良いけど、大人のブラックってなんか格好いいね。
「ぐ、ぎぎぎ。」
「はん、その程度じゃあたしどころかツインテールにさえ勝てないわね。」
「ですね。」
・・・女って怖いね。うん。
と、メイコさんが何処からか薬草を取り出す。
「ほい、これ、復活草よ。」
「…ありがたいが、突然脈絡もなく渡してくるなよな。」
「ふん、土下座して敬いなさい!」
「断る!」
けっこうブラックさんもノリノリだよね。
1555文字です。
ミジカイ
そろそろホドモエシティから出発します。