その結果…巡りめぐった一通の手紙は草むらに捨てられた……。
ジョーイさんにお礼を言って、部屋へ。
あぁ、本当に良かった。これが安堵ってやつなんだね。ブールです。
「そうだ、ノボリさんとクダリさんにも報告しないと。」
「流石にそれぐらいジョーイさんがやってくれるでしょ。」
それもそうか。まあ、どっちにせよ今日は一日休憩に使えとジョーイさんに言われてるしね。
「そうそう、あのクソジジイから特権を貰ったわ。」
「へ?…ああ、成る程。」
寝たときとかたまに出てくるしね、あの神様。死にかけたのなら会えるんだろう。
そこまでして会いたくはないけどね!
「それで、どんな特権なの?」
「アイテムの全解放及び持ち物無限、らしいわよ。」
「何そのチート。」
「言うほどチートじゃ無いでしょ。」
「まあ、そうだけど。」
俺の中では『アイテム無限=チート』だから。
というかチート関係の本で分かりやすく乗ってるのって大抵アイテム無限が出てるよね。
「んじゃあ、お披露目。こい!バッグ!」
メイコさんが高らかに叫ぶ。
……何も起こらない。
「あれ?」
「ここここれはああああれよ、あのあのあのちょっとテンション上がってたっていうか実はどうすれば良いのか知らないとかそそそそういう訳じゃ無いのよ!ええええええっとおおおお!」
「お、落ち着いて!落ち着いてメイコさん!」
~○~○~○~○~○~
「ふぅ、取り乱したわ。何だったのかしらあのテンション。」
「そ、そう…。」
「ペァギュアア…。」
ハッサンとペティに手伝ってもらって暴れるメイコさんを落ち着かせました。
「バウバウ!」
「あ?やんのか犬ジジイ。」
「喧嘩は駄目だって!ただでさえまだ本調子じゃないんだから!」
「バウッ!」
「はん、いい子ぶりやがって。」
「メイコさんキャラがぶれてる!」
「ペァギュアア。」
とにかくこれ以上ゴタゴタにならないようにハッサンをボールに戻す。
「メイコさんは疲れてるんだよ、ね?」
「ペァギュアアアアァ。」
「五月蝿いわねぇ。さっきまで寝てたんだから疲れるも何も無いでしょ。」
「そうだけどさ…。」
「ペァギュ、ペァギュアア?」
「ん?んー。ああ、確かに。そうかも。」
「ペァギュアア。」
「え、え?」
何だ?何を言ってるんだ?
「えーと…。」
「あ、ブール。あんた男でしょ?外に行ってなさい。」
「え!?」
「ほらさっさと出る!」
「ペァギュアア!」
ペティに押されて部屋を追い出される。ご丁寧に鍵まで掛けられた。
「…何なの?」
やることも無いので外へ。
幸い、マスコミは見当たらない。じゃあ、バトルサブウェイに行くかな。
さっきメイコさんはああ言ってたけど、一応報告に…ん?町の入り口が騒がしいぞ?行ってみるか。
~○~○~○~○~○~
なんか凄いガヤガヤしてるなぁ。人混みの後ろの方に居たお爺さんに声をかける。
「すいませんちょっと良いですか?」
「ん、なんだ坊主?」
「これ、中心で何をしてるんですか?」
「うむ。ここからじゃ良く見えんが、要するにやけに強いギガイアスが攻めて来たらしいんじゃ。今はそれをカミツレ様が撃退しようとしている、と。」
「へぇー。ありがとうございます。」
ギガイアスかぁ。…そうだ、あとでジュンサーさん探しだしてあの四人組について聞こうっと。
今はそれよりもポケモンバトルを観なきゃ。
……とはいえ、俺の身長だと人混みのせいで観れないな。
うーん。……あ、そうだ。飛ぼう、うん。
近くの家の影に隠れ、『へんしん』を溶く。
尻尾のインクの色は白。
「メイコさんの『そらをとぶ』。」
背中に翼を描く。羽ばたかせ、文字通り空を飛ぶ。
「上からなら~♪自由に観れる~♪っと。」
お、カミツレさんがギガイアスと戦ってる。
使ってるポケモンは…エモンガかな?
ギガイアスの…何だあれ?……あ、『うちおとす』かな?をかわしている。
あ、当たった。
んー、カミツレさんじゃ流石にギガイアスは倒せないんじゃ?
確かギガイアスのタイプって岩、地面だよね。
あ、エモンガの『ボルトチェンジ』。
ん?普通に喰らってる。次に出てきたのはデンチュラだ。
……タイプ、岩単体だったよ。駄目だなぁ、細かいとこまで覚えてないや。あんなに必死になって覚えてきたのに。
あ、岩がこっちに飛んできてる…えぇ!?
「ドブフッ!」
顔面にクリーンヒット。ついでに背中の翼が掻き消える。
こ、これは。
「
1734文字です。
もう少し書いても良かった…。
次回、バトル!