ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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カロス地方七番道路。
そこにはバトルシャトーという建物があった。
バトルシャトーはバトルの祭典。
トレーナー達が自らのランクを上げるため、日々ポケモンバトルを行っている。

そこに、一通の手紙。

「これは?」

現グランデューク、つまりシャトー内で最強の一人であるトレーナーが問う。

「ええと、そのですね。宛先が七番道路なんですけど、見てもらえば分かる通り、特殊なんですよ。」

一介の配達員が返答する。

グランデュークが確認すると、確かにおかしい宛先だった。すなわち、

『カロス地方七番道路ドーブルの里宛』

それに加え、

『特別便 宛先をよく読みその通りの場所に送ること』

とも書いてある。

「フム…。成る程、国際便か。」
「そうです。イッシュ地方から届いた物です。」

ぺらぺらと喋る配達員。
普通、グランデュークという肩書きを聴くと大抵の者は恐れおののく。
この配達員は豪胆なのか、それとも世間知らずなのか。

「…ドーブルの里か。そのような場所は知らないな。」
「そうですか…。」
「まあ落ち込むな。ドーブルと言えば絵描きだろう?外に居る絵描きの老人たちに聞いてみたらどうだ?」
「成る程!そうさせてもらいます!ありがとうございました!」

そう言うと、配達員はさっさと外に出ていった。



VS.ノボリ~シングルトレイン~

 

「ダストダス!『どくびし』です!」

「ハッサン、『ふるいたてる』!」

 

「ダスダッ!」

「アオーンッ!」

 

ダストダスが毒々しいトゲトゲを撒き散らす。

その間にハッサンが吠え、赤みを増す。

 

「『ダストシュート』!」

「『まもる』!からの『とっしん』!」

 

ハッサンは投げつけられたゴミを緑のバリアで防ぎ、ダストダスに『とっしん』する。

 

「ガウッ!」

「ダズ~!」

 

直撃。

 

ダストダスの体の一部…つまりゴミが吹き飛び、こっちに飛んできた。

 

「うわぁ!?」

「きゃっ!?あ、危ないわね!」

 

「これは失礼しました。しかしながら私のダストダス、特性は『くだけるよろい』でございます。多少のそれは御容赦頂きたく思います。さて、つまり私のダストダス。殴られる度に素早くなりますよ!」

「ダズァッ!」

 

まじか…、道理で臭くない訳だ。

『くだけるよろい』は物理技を喰らうと防御が下がる代わりに素早さが上がる特性。

そして、ハッサンの『とっしん』も『とっておき』も物理技だ。

 

「ま、速くなる分打たれ弱くなるわけだし。ハッサン!『とっておき』で決めろ!」

「させません!『だいばくはつ』です!」

 

はぁ!?

 

ハッサンがダストダスの上に瞬間移動し、床に叩き付けようとして、

 

爆発。

 

「……っ。」

「お疲れさまです、ダストダス。」

「一瞬光ってたわね…ノーマルジュエルかしら?」

「あーっ、くそっ!戻って、ハッサン!」

 

まだ割りきれない。作戦の一つとして『だいばくはつ』は有用。分かってるけど…。

 

「主力を潰させて頂きました。何、心配は御無用です。私のダストダスは『だいばくはつ』のプロですから。それでは!イワパレス、出発進行!」

「バーースッ!」

 

だが、まだバトル中だ。気を取り直す。

 

(いか)れ、ペティ!」

「ペァギュァ!」

 

ペティを出す。『どくびし』はペティによって潰され、粉になる。

しかし、イワパレスか。つい最近戦ったな。

 

「フム、折角の『どくびし』を消されましたか。まあ良いです。イワパレス、『からをやぶる』のです!」

「ペティ!『どくどく』だ!」

 

イワパレスが岩から飛び出て、自らの殻を剥がし落とす。そこに『どくどく』が直撃。

 

「『メガホーン』!畳み掛けろ!」

「『ストーンエッジ』です!」

 

ペティの角が光り、イワパレスが尖った大岩を作り出し、激突。

 

もうもうと煙がたつ。

 

「これは…。」

「速い方が勝ってるわね。直ぐに分かるわ。」

 

換気扇がガーガー鳴り、煙が外に追い出される。

 

「……。イワパレス、お疲れさまです。」

 

立っていたのは、ペティだった。

 

「ペァギュァアァアァ!」

「よし!良くやった、ペティ!」

 

「素晴らしい!ですが、私の最後のポケモンはそう簡単には負けませんよ!ギギギアル、出発進行!」

「ギアッギアッ!」

 

ギギギアルか……ギギギアル!?

 

「不味いわね…。有効打が『メガホーン』しか無いわよ?」ヒソヒソ

「うん…けど、とりあえず『かそく』のお陰で二段階速くなってるから。」ヒソヒソ

 

『おいうち』は…うん。辛いね。

あれ?でも鋼に悪って半減無かったよね…?

逆に虫は鋼で半減喰らう…。

 

「作戦会議は終わりましたか?それでは行きますよ!」

「あー、もうっ!ペティ!タイプは気にするなよ!?」

「ペァギュァ!」

 

「『ギアチェンジ』です!」

「『おいうち』!」

 

ギギギアルがガチャガチャ音をたてる。

そこにペティが突っ込む。

 

「ペァギュアアァ!」

「おや?『おいうち』、ですか。『ギアチェンジ』!」

「何か問題でも!?『おいうち』!」

 

ガチャガチャガツーンッ

 

「いえいえ、何も。ではそろそろ!ギギギアル!『かみなり』です!」

「動きが止まった!『メガホーン』!」

「ギギギギギ…」

「ペァッギュアッ!」

 

ギギギアルは溜めた後、強力な『かみなり』を放つ。

ペティはそれを、飛んでかわす…おぉ!

 

「ペァギュァアァアァ!」

 

光る角を叩き付け…床に傷を付ける。

 

「な、外した!?」

「今ですギギギアル!もう一度『かみなり』です!」

「ギギギギギ…ギギ…」

 

ギギギアルが電気を溜め始め、

 

「ペティィ!『おいうち』だぁ!」

 

放たれる、直前。

 

「ペァギュァアァアァ!!!」

 

ペティの『おいうち』がギギギアルの急所に…チビギアに当たる。

 

「ギギィ!?」

 

チビギアが外れる。

 

 

 

 

 

話がそれるが、本来『かみなり』は身に余る量の電気を任意の方向に放出する技だ。

 

ギギギアルは電気を放つ方向付けを自らの回転で調節している。

 

回転の為にはギギギアルを構成するチビギア、チュウギア、レッドコアの三つが必要不可欠。

 

さて、『かみなり』を溜めている最中にチビギアが外れるとどうなるか。

 

 

 

 

答えは、『かみなり』の暴発。

 

 

 

 

「ギギギィァッ!」

 

「ペァギュァ!?」

「むぅっ!」

「うわぁっ!?」

「あぶ、あぶなっ!きゃっ!」

 

『かみなり』が無作為に襲いかかる。

 

「ギアッ!ギギィア!」

 

幸いだったのは、このギギギアルはサブウェイマスターが使えるほど鍛え上げられていた事か。

ギギギアルは直ぐにチビギアを呼び戻し、『かみなり』の制御を取り戻し、電気の放出を止めた。

 

 

 

 

 

 

 

「…ふぅ、まさか『かみなり』が暴走するとは。御客様に御迷惑をお掛けして、誠に申し訳御座いません。」

「いえ、僕は大丈夫ですし、ちょっとした事故ですし、わざとじゃ無いんですから、謝らなくても…。」

 

……あれ?メイコさんがぎゃんぎゃん騒がないぞ?

 

「メイコさん?」

 

頭の上に手を伸ばす。…あれ?メイコさんが居ないぞ?

右見て、左見て、見つからないのを確認して、後ろを見る。

 

メイコさんが、ぐったりと、倒れていた。

 

「メイコさん!!!???」




2217文字です。
きっとこれでUA10000行くぞ…!

メイコさん…ヤムチャしやがって…。

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