ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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その手紙は海を越え、遥か遠くのカロス地方に到達した。
『カロス地方七番道路ドーブルの里宛』
『特別便 宛先をよく読みその通りの場所に送ること』

その手紙を見た職員は困った。
確かに七番道路にはドーブルが出てくる。
しかし、ドーブルの里?そのようなものは聞いたこともない。
だが、これは仕事だ。それも特別便。届ける義務がある。



……そもそも、届けるのは自分ではないのだ。



電車と双子~上る?下る?~

「元気になった?ペティ、ハッサン。」

「ババゥ!」

「ペァギュァ…。」

 

あれ?ペティが元気ないな。あ、ブールです。

 

「ペティどうしたの?」

「ペァギュアアァ…。」

「えっと…。」

 

多分ジム戦の事なんだろうけど…言葉が分からない。

 

「『負けて悔しい。力に成れなくて残念』だそうよ。全くあんたは乙女心が分かって無いわね。」

「あ、メイコさんありがとうございます。そっか、昨日のジム戦で負けた事を気にしてるんだね?」

「ペァギュ。」

 

ペティが頷く。

 

「あれは僕の指示ミスだし気にしなくて良いよ。炎タイプの『ニトロチャージ』に突っ込ませたのは失敗だったね。」

「全くよ。とはいえあのタイミングじゃあ他の方法は……避けれるほどゼブライカは遅く無かったし、『どくどく』は蒸発しちゃうし、『おいうち』も使えないし、『ベノムショック』で停まるようには見えなかったし…どうしようもないわね。」

「バウバウ。」

「要するに相性の問題だよ。ペティが弱い訳じゃないから安心してよ。」

 

三人がかりでペティを慰める。

実際ペンドラーって第五世代では普通に強いポケモンに入ってるし、ペティの特性は『かそく』だし、使いやすいんだよね。

 

「この世界に努力値とか無いから…強くなりたいならやっぱり技ね。『おいうち』を使いやすい他の技にする必要があるわ。」

「そうだね…でもウロコマニアに渡すハートのウロコなんて持ってないよ?そもそもあの人フキヨセまで行かなきゃ駄目だし。」

「何言ってんのよ。もっと楽な物あるでしょ?」

 

メイコさんが何処からかディスク状の物体を取り出す。

 

「ま、まさか!それは!」

「ふっふっふ。メイコ様の足下にひざまずけ!技マシンNo.39『がんせきふうじ』!リゾートデザートで偶然偶々(たまたま)拾ったのよ!これが目に入らぬか!」

 

「は、ははぁ~。」「ペァギュア~。」「バウ~。」

 

思わずひざまずく。

これは良いね!『おいうち』が『がんせきふうじ』になるだけで戦略が大幅に変わるよ!

 

「でもあげない。」

「ええ!?」「ペァギュ!?」「バウバウ!?」

「だって明日、バトルサブウェイに行くんでしょ?電車の中じゃ『がんせきふうじ』は辛いわよ?」

「言われてみれば…。」

 

ゲームじゃそんなこと気にしなくても良かったけど、現実は非情だなぁ。

 

「それじゃあ今日は修行よ。みっちりね。」

 

現実より非情なメイコさんだったとさ。

 

~○~○~○~○~○~

 

昨日は修行と称してマスコミをぼこぼこにしました。

マスコミ二人対ペティ、ハッサンのダブルバトル。

ルビサファを思い出したよ。カメラマンのバクオングとキャスターのレアコイル。

まあ、ここではバチュルとかギアルとかだったけど。

 

「よーし、あたしの計画通り。鬱陶しいマスコミは昨日の修行のお陰でやってこない。あたしたちは安全かつ静かに真のポケモンバトルを出来るって寸法よ!」

「成る程そこまで考えてるなんて流石です。」

「ま、本当は単にマスコミをぼこぼこにしたかっただけだけど。」

「台無しですよ…。」

 

メイコさんらしいけどさ。

それにしてもバトルサブウェイ(こ  こ)、広いなぁ。

 

「てか電車大きすぎない?」

「そうね。」

 

なにあれ。学校?標高5m?

 

「「それはですね、ポケモンバトル用の列車だからですよ。」」

「うひゃあ!」

 

後ろから急に話し掛けられたってかエコーがかってたよ!?

 

「おっと、これは失礼。驚かせてしまいましたね。」

「僕達はバトルサブウェイの管理人。」

「兼、車掌を勤めさせていただいてます。」

「僕はクダリ。」

「私はノボリ。」

「「どうぞお見知り置きを。」」

 

「ど、どうも…ブールです。よろしく、です。」

 

なんか息の合った双子の独特の雰囲気に呑まれそう。

 

「なにどもってんのよ。あたしはメイコ。見ての通りペラップよ。メイコ様…いや、メイコちゃんと呼びなさい。」

 

ちょwメイコさんwちゃんってwww

 

「分かったよ、メイコちゃん。」

「何を言っているのですクダリ。御客様にちゃん付けなど、車掌として恥ずかしく無いのですか。」

「でもその御客様にちゃん付けしてくれと言われているんだよ、兄さん?」

「む…確かにそうですが…。」

 

メイコさんが双子独特の雰囲気を崩した!?

 

「で、なんでこんな無駄にでかい車両があるのよ?」

 

「それはですね。」

「ポケモンにはびっくりするほど大きい個体が居ますから。」

「例えばホエルオーのような巨大なポケモンですね。」

「そのようなポケモンを使っても大丈夫なようにですね。」

「巨大な車両にする必要が有るのですよ。」

「ふーん。まあそんな気はしてたけど。」

 

じゃあ聴かなくても良いじゃん。

 

「挑戦させて貰うけど?」

 

「ええ。待ってますよ。」

「電車の中で七人倒したら僕達と戦えるよ。」

「お待ちしております。」

 

そう言って、ノボリさんとクダリさんは何処かに行った。




1936文字です。
あれ?ポケモンバトルは?

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