観客席がザワついてる…。
それを言ったら何時でもザワついてるけど、今日の
理由は簡単。今回のチャレンジャーが有名だから。
公認ポケモントレーナーとして旅するドーブルの『ブール』。
その子と共に居る『赤い騒害』こと、ペラップの『メイコ』。
マスコミの事だから、きっと一時的な熱狂だろうけど…。
「
「オラオラオラーーー!これからジム戦なのよドケーーー!」
朝から飛ばすメイコさん格好いい!へいへい皆さん、ブールだよ。
今日はジム戦。なんだけど、ポケモンセンターを出た途端マスコミに囲まれたんだよちくしょう。
だから今回出番が無い(筈の)メイコさんが朝っぱらからマスコミを追い払ってます。
「取材したいならあたしを倒してみろーーー!!!」
それはどうかと。
~○~○~○~○~○~
メイコさんやべー。
真に受けた馬鹿なマスコミがだしたシママやバチュルを『ばくおんぱ』で一掃したよ。
そして一喝。
「その程度で取材しようなんて十年速いのよ!」
そしてボソッと「その頃にはもっと強くなってるけどね」。
こえー。
さ て 。
「カミツレさん!宜しくお願いします!」
「元気で良いわね!ビリビリにしてあげる!」
ジム戦だよ!
ルールは三対三の勝ち抜きバトル、こっちだけ交代可。
「行きなさい、エモンガ!」
「エーモッ!」
『おおーっと!?我らがカミツレ、最初っからベストパートナーだ!』
おお!実況だ!流石はライモンジム、豪勢だ!
「負けませんよ!行けっ!ハッサン!」
「バウバウッ!」
『対するチャレンジャー、初手はハーデリア!そんなポケモンで勝てるのかぁ!?』
「グルルゥ!バウッ!」
「落ち着いて、ハッサン!」
「ブール。まずは流れを掴みなさい。度肝を抜くのは後からでも出来るわ。」
頭の上からメイコさんのアドバイスが降ってくる。
「先手必勝!エモンガ、『エレキボール』!」
「ハッサン『まもる』からの『ふるいたてる』!」
エモンガの尻尾から電気の塊が飛ばされるが、ハッサンの緑のバリアに当たり爆発する。
おお、煙い煙い。けどうっすらと赤みがかかったハッサンが見える。
「エモンガ『ほうでん』!」
「『まもる』!『ふるいたてる』!」
エモンガが電気をばらまくが、ハッサンの緑の(ry
「バウバウッ!」
「良いぞ!その調子だ!」
『カミツレの猛攻!チャレンジャーは手も足も出ない!守ってばかりでは勝てないぞぉ!?』
「……ウザいわね。」
「エモンガ、『でんこうせっか』!」
「『とっしん』で迎え撃て!」
エモンガとハッサンがぶつかり合う。
お互いに弾き飛ばされる。
「エモンガ!大丈夫!?」
「ハッサン、『とっておき』だ!」
エモンガが体制を建て直す前に倒す!
空中に居た筈のハッサンが消え、エモンガの上に現れる。
「エモッ!?」
「バウアァッ!」
地面に叩き付ける。
「エモンガ!?」
「エモンガ戦闘不能!ハーデリアの勝ち!」
『おおーっと!?エモンガ戦闘不能!?得意の『ボルトチェンジ』を見せずに散ったぁ~!』
「くっ。戻りなさい。…行きなさい!ゼブライカ!」
「ゼビヒィ!」
ゼブライカか。…あの四人組どうなったんだっけ?
「まあいいか。ハッサン!『ふるいたてる』だ!」
「ゼブライカ、『でんじは』!」
あ、やべ。麻痺った。
ハッサンの赤みが増すが、『でんじは』をまともに喰らう。
「フフフ。これで貴方のポケモンは自由に動けないわ!ゼブライカ『ニトロチャージ』!」
「くそっ!『まもる』だ!」
ハッサンが緑のバリアに包まれ…た!
ゼブライカがバリアにぶつかる。
「今こそ『とっておき』!」
「『でんげきは』よ!」
ハッサンが消え…無い。体が痺れたか!
『でんげきは』がハッサンに当たる。
「バフゥ!」
…よしっ!耐えた!
「畳み掛けるわよ!『ニトロ…』」
「待った!戻って、ハッサン!」
『ふるいたてる』が勿体無いけどハッサンをボールに戻す。
『チャレンジャー、ここでポケモン交代だぁ!次はどんなポケモンを出すのか!?』
そんなの一匹しか居ない。
「ペティ!」
「ペァギュアアア!」
『おおーっと、ペンドラーだ!チャレンジャーの二匹目はペンドラーだ!』
と、メイコさんが話しかけてくる。
「ねぇ、ブール。最初だけあたしが指示してもいい?」
「え?まあ良いですけど。」
何するんだろう?
「ペンドラーね?でも私のゼブライカには敵わないわよ!」
「じゃ、メイコさん。指示どうぞ。」
「えぇ?」
メイコさんはすぅっと息を吸い込み、
「ペティ!実況者の所に『どくどく』!」
「ペァギュッ!」
毒の塊が実況者の所に飛んでいく。
防護ガラスのお陰で実況者には当たらなかったけど毒まみれで中を見る事は不可能だ。逆もまたしかり。
『うわっ!な、何しやがる!』
「ハッハッハー!あんたの実況詰まんないのよ!全然実況してないくせにでかい顔してんじゃないわよ!」
『何だと!こちとらもう何年も実況してるんだぞ!』
「何年も実況しててその程度なの?だったら実況者失格ね!田舎に帰ってヨーテリーと戯れてろこのガキ!」
『何ぃ!やんのかこの野郎!』
「あたしの性別はメスよ盲目!野郎なんて言っちゃって実況者として恥ずかしくないの?ポケモンの性別を見分けられない実況者ここに現る!アハハハハ!」
『~~っ!』
「図星すぎて何も言えないの?それでも実況者?ポケモン実況界隈のレベルの低さが見えるようだわ!」
ガンッ!と音がしてマイクが途切れる。
「ふぅ~。あ、ご免なさいね。バトル中に。」
「え、いえ。…私のライモンジムに居る実況者があの程度だとは思わなかったわ。それを指摘してくれてありがとう。
「ヒヒーーーン!」
ゼブライカが走り始める。
「ほれ、ブール!」
「分かってます!ペティ、『どくどく』を
「ペァギュアアア!」
ペティが『どくどく』を撒く。が、当たらない。
ちっ、速いな。ランダムに飛んでくる『どくどく』も、地面に溜まっている『どくどく』も全部かわしてる。
「ヒヒーーーン!」
「『どくどく』止め!『メガホーン』でカウンターを狙え!」
「ペァギュア!」
激突。
「ヒ、ヒヒィ…。」
「ペァ…ギュア…。」
お互いに倒れず、ふらつく。
「『どくどく』!」
「『でんじは』よ!」
ほぼ同時に指示が飛ぶ。
先に動いたのは……ペティだ。
「ペァギュア!」
「ヒヒィ!?」
やっと『どくどく』がゼブライカに当たる。
「ヒ、ヒヒィーーン!」
「ペァギュア!」
が、ゼブライカの『でんじは』もペティに当たる。
よけれないししょうがないね。
「『ベノムショック』だ!」
「『ニトロチャージ』よ!」
ペティのが速い。特性『かそく』のお陰だね。
ペティの角から紫に輝くプラズマの様なものが放出され、ゼブライカの体を駆け巡る。
「ヒ、ヒヒィ、ン。」
ゼブライカはそれでも『ニトロチャージ』をしようと足を踏み鳴らしたが、倒れた。
「ゼブライカ戦闘不能!ペンドラーの勝ち!」
「ありがとう、ゼブライカ。やるわね…
「勝つために来たから、この程度当然です!もっとビリビリさせてあげますよ!」
「言うわね?ならさせてみなさい!行って!デンチュラ!」
「ヂュイッヂュイッ!」
デンチュラか。良かった、マッギョとかギギギアルじゃ無くて。
「ペティ、行ける?」
「ペァギュア!ペァギュアアア!」
おお!ヤル気満々!
「さあ!痺れる花が最後に見せる心意義!喰らいなさい!『10まんボルト』よ!」
「ヂュイ~ッ!」
「ペティ、『どくどく』だ!」
ペティが動かない。麻痺のせいか。
『10まんボルト』が直撃する。
「耐えろよ!?『どくどく』!」
「ペ、ペァ、ペァギュアアア!」
上出来!
ペティが放った『どくどく』がデンチュラの『10まんボルト』を押し返していき、爆発。
「もう一回『どくどく』だ!当たったら『メガホーン』!」
「ペァギュア!」
「『どくどく』は『きりさく』!隙を見て『エレキネット』よ!」
「ヂュイッヂュイッヂュイッ!」
凄い応酬だ。
ペティは『どくどく』を飛ばす。
デンチュラはそれを『きりさく』で一刀両断していく。
デンチュラペティが麻痺る一瞬の隙を見て『エレキネット』をフィールドに張っていく。
ペティはそれを踏まないように動き回る。
もう一度言う。凄い応酬だ。
だけど千日手。いや、じり貧だ。
そのうち『どくどく』のPPが切れるかフィールド全体に『エレキネット』が張られて動けなくなるかの二択。
…なら。
「ペティ!もういい!『ベノムショック』だ!」
「ペァ!ギュア!ペァギュアアァ!」
威力は低いけど恐らく確実に当たる技を選ぶ。
動き回るペティから紫に輝くプラズマが放出される。
「な!ならデンチュラ!『むしのさざめき』よ!」
「ヂュイッ!ヂュヂュヂュヂュ……」
プラズマはデンチュラに触れ、チビチビと確実に体力を削っていく。
デンチュラが全身を揺すって出す音はフィールド全体に広がりペティの体力を削っていく。
技の応酬から削り合いになる。
「ペァギュアアア!」
「ヂュヂュヂュヂュ…」
そして、終わりの時が来る。
「ペァ、ギュア…。」
「ん!今よ!『きりさく』!」
「ヂュイッ!」
ペティが先に倒れた。敗因は恐らく確実にゼブライカの『ニトロチャージ』だろう。
「ペンドラー、戦闘不能!デンチュラの勝ち!」
「ありがとう、ペティ!良くやったよ!ゆっくり休んでいってね!」
ボールに戻す。
「フフ。ビリビリしたかしら?」
「まだまだ!ビリビリされるだけじゃ終わらないですよ!?」
「ブール、最後よ。一撃で終わらせなさい。流石に飽きてきたわ。」
「実況者を残して置けば良かったのに…。ハッサン!行って!」
「バ、ババゥ!」
痺れが残ってるけど、相手はもう虫の息だ。蜘蛛だけに。
「あら?ハーデリアなの?…まあ良いわ。デンチュラ、『10まんボルト』!」
「『とっておき』!決めて!」
「ヂュイイッ!」
「バゥバゥ!」
『10まんボルト』が飛んでくるが、ハッサンは消える。
プチッ とでも鳴りそうな踏み方でデンチュラは潰された。
「……負け、ね。」
「デンチュラ戦闘不能!ハーデリアの勝ち!よって勝者、チャレンジャーのブール!」
勝った!けっこうギリギリの戦いになったな。
「フフフ、ビリビリしちゃったわ。はい、これ。ボルトバッヂよ。受け取ってちょうだい。」
「ありがとうございます!」
「ねえ、結局ハーデリアとペンドラーしか出さなかったけど、三匹目は何だったの?」
「う、えーと。」
「ってペラップちゃんに決まってるか。ゴメンね、変なこと聞いて。」
早口!待って待ってまだ行かないで。
「いえ、違います。メイコさんは今回出せません。」
「え?」
「電気タイプのジムに飛行タイプのポケモンは辛いですし。ハッサンが倒されたら僕が出るつもりでした。」
「…そう。ほんと、
そうだ!バトルサブウェイに行きなさいそうしなさい!彼処なら貴方もボロボロになるでしょ!」
「はい!?」
「フフフ!貴方の泣き顔見てみたいわ!」
えぇ~~。
カミツレさんの性格が分かんないんだけど。
「そう。なら、今日はゆっくり休んで明日、バトルサブウェイね。」
「う。まあ、行きますけど。」
4349文字です。
…えぇ!?長!
こ、こほん。
さて、次回はバトルサブウェイへ!