光の束に
飲み込まれ
彼は倒れ
彼女が怒鳴る
「ふげぶっ!?」
ブールに『ソーラービーム』が直撃した。
「はぁ!?」
「えぇ!?」
「
「
「なにしてんのよ!」
こ、こいつ!何時もあたしの予想を斜め上に覆しやがる!
あ、あたしが今!出来る事は!
『へんしん』の溶けたブールの肩を掴み浮かばせる。
操り人形ブール!ブールの声を真似る。
「ペティ!気にせず『ベノムショック』!」
ブールがさりげなく命令した『どくどく』はハハコモリに当たっている。
確か『ベノムショック』は毒状態の相手には倍の威力になる技。
しかもハハコモリは草タイプが入っているから弱点二倍!
「
ペティの二本の角の間に紫のプラズマが走る。
「はっ!ハハコモリ、避け…」「遅い!」
プラズマ状の『ベノムショック』がハハコモリに当たる。
「
うわ、きも。
「ハ…ババ…リ。」
あ、倒れた。
……勝った!第三部、完!
あー、いや、まあ、その…。
「悪い…わね?」
「あ…うん。えっと…審判!」
「うぇ!?……はい!えー、このバトル、ジムリーダーのポケモンが三匹倒されました。よって通常ならばチャレンジャーの勝利となります!しかし、チャレンジャー自身が戦闘不能となっております。なので協会の規定により、このバトルは無効となります!」
無効試合。つまりジムバッチは貰えない…ん?
「ちょっと審判!」
「何でしょうか?」
「ジムバッチは貰えるわよね?」
「え?無効試合ですが…あっ。」
「うん。その通りだねメイコちゃん。ボクは既にブール君を認め、ジムバッチを渡す権利をあげた。無効試合となって残念だよ。」
あのひょろひょろ、見た目に似合わず良いジムリーダーね。
試合の結果によらず約束を守れる人間性がある。
…まあ、それぐらい出来ないとジムリーダーとして認めて貰えないでしょうけど。
「無効試合ねぇ。あたしも残念よ。」
「おお?じゃあ、俺とやるか?ジャローダが疼くぜ?」
ひょろひょろの横に立ってたBWの男主人公がけしかけてくる。
てか何が『ジャローダが疼くぜ?』よ。厨二病なの?
「はぁ。これだからバトルジャンキーの黒帽子は。」
「何だと騒音!バトルジャンキーなんかじゃねぇよ!」
「やんの?」
「ああ、やってやる!」
「はいバトルジャンキー確定。ざまあみろ。」
「へ?…あ。い、いやそれは誘導尋問って奴だ!狡いぞ!」
「口喧嘩であたしに勝とうなんざ二百年早いわ。」
さぁてと。
「じゃあ、後でブールが起きてからまたバッチを貰いに来るわ。N!」
「ちょっと待ってメイコちゃん!今行く!」
Nが二階の視聴者席から飛び降りる。
「ふーん?やるじゃない、N。マスコミの眼が釘付けよ。」
「そんなつもり無いんだけどな。あ、ブール君は僕が運ぶよ。」
「ええ。そのつもりで呼んだのよ。あたしじゃブールをポケモンセンターまで運びきれないわよ。と、言うわけで!また明日ね、ひょろひょろ!」
「ボクの名前はアーティーだよ!」
さーて、ブールが起きたらどうしてやろうかしら。
1275文字です。
前回のバトル描写で全力を使い果たした感。