ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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彼のため
無力な僕に
出来ること
勝てよ勝てよと
祈るばかり


ヒウンジム戦~圧倒的相性の悪さ~

「イワパレス、『いわなだれ』!」

「ハッサン避けつつ『とっしん』!」

 

ハッサンが軽やかなステップで岩をかわす。

そして、イワパレスの顔面めがけて『とっしん』を繰り出すが、寸前で岩に(こも)られる。

 

「バウアッ!」

 

タイプ相性的にも当たった場所的にも全くダメージが通ってない。

 

「『がんせきほう』だよ!」

「横に回り込んで『ふるいたてる』二回!」

 

ハッサンは『がんせきほう』を紙一重でかわし、イワパレスの真横で吠える。

 

「アオーンッ!バォーーン!!」

 

「赤み増し増し!『とっしん』!」

「振り向き『きりさく』!」

「やっぱ『まもる』!」

 

流石に遅いか。

 

ハッサンの『とっしん』がイワパレスの側面に炸裂する。

が、イワパレスには効いてない上に強い反動で動きが止まる。

そして、イワパレスの『きりさく』がハッサンに当た…らない。

直前に緑のバリアがハッサンを包む。

 

「ナーイスハッサン!一端下がって!」

「無茶させるわね。」

 

良いんです。無茶しなきゃ勝てない相手だし。

 

「う~ん。ブール君。君のハーデリアは強いねぇ。でも!ボクも負けるつもりは無いからね!イワパレス!『からをやぶる』だ!」

「バーーーーー!」

 

イワパレスが岩から飛び出て、赤く光る。

なんか皮膚?がパラパラ剥がれ落ちる。

 

「イワパレス!『がんせきほう』で決めろ!」

 

かなりの大きさの岩が現れる。イワパレスが両手で岩を持ち、投げつけてくる。

 

「ハッサン『まもる』。」

「バウッ!」

 

ハッサンが緑のバリア以下略。

 

「ハッサン!『とっておき』を見せてやれ!」

「バウアッ!」

 

ハッサンがイワパレスを地面に叩き付け、押し付ける。

 

「イワパレス!」

 

アーティーさんが叫ぶ。

 

「ハッサン全力で『ふるいたてる』!」

「イッパ「アオーンッ!」

 

イワパレスの声をハッサンの『ふるいたてる』でかき消す。

(ずる)い?勝てばよかろうなのだ!

 

「イワパレス!『いわなだれ』だ!」

「バーーー!」

 

ありゃ、失敗。まあ良いや。

岩が何処からかワープされ、上の方から落ち始める。

 

「ハッサン、『とっておき』!岩より上からやれ!」

 

ハッサンが消える。イワパレスは自らの『いわなだれ』を必死になってかわす事になる。

 

「パッパッパッ!」

 

「よくもまぁかわせるわね。」

「『からをやぶる』のお蔭だよ。」

 

『いわなだれ』が止まる。イワパレスがほっとしたところでハッサンが上空から『とっておき』をぶちかます。

 

「バゥアァッ!」

「イッパーー!?」

 

今度こそイワパレスが倒れる。

 

「イワパレス戦闘不能!ハーデリアの勝ち!」

 

「戻れ、イワパレス。お疲れさまだよ。…まさかこっちの技を逆手に取るなんて、やるねえ。」

「いえ、偶然ですよ。」

 

狙ったけどさ。押さえ付けられてて『きりさく』は当たらないし、『からをやぶる』は…危険過ぎる。ゼロ距離『とっしん』が有るしね。

後、『がんせきほう』。これは賭けになったけど、こっちに『まもる』の選択肢があるから反動で動けなくなる『がんせきほう』をうつ可能性は低い。

それに、ジムリーダーは勝つためなら自分のポケモンさえも犠牲にするからね。

 

まあ、後から考えた結果だけど。

 

「そうかい。さあ、ブール君。これで君はボクのバッチを獲得する権利を貰った訳だ。それでもまだやるかい?」

「当然です!やるなら最後まで!」

「そうかい!良い返事だ!よし、行け!アイアント!」

 

「アリッリャリッ!」

 

ア、アイアント!?いや、確かに虫タイプだけどさ!

 

「ハッサン、いける?」

「バウッ!」

「そっか。なら最初から飛ばすよ!『ふるいたてる』!」

「アオーンッ!」

 

これで四回。

 

「アイアント、『てっぺき』だよ。」

「アイッリャイッ」

 

うげ。不味い。こっちのポケモンはハッサンとペティの二匹。ハッサンは半減する物理技しかないし、ペティは『おいうち』か半減の『メガホーン』しかない。

 

……詰んだ。負けそう。

 

「ええい!『とっておき』だ!」

「アイアント、『あなをほる』でかわすんだ!」

 

アイアントが地面に消える方がハッサンが押さえ付けるより速かった。

 

「くっ。」

「どうだい?これがジムリーダーの本気だよ。」

「ハッサン、『まもる』準備!」

 

相手の声に耳を貸さない。今は勝つことだけを考える。

 

「……。っ! 今だ!」

「バウッ!」

 

良いね。何とか『まもる』が成功した。

 

「逃がすな!『とっしん』!」

「『アイアンヘッド』!からの『あなをほる』!」

 

ハッサンとアイアントの頭がぶつかり合う。

くっ、ハッサンが衝撃でクラクラしてるうちにアイアントは『あなをほる』をしてしまった。

 

「ハッサン!大丈夫か!?」

「バウッ!」

 

まだ行ける、と。

 

「よし!なら…ジャンプ!からの『とっておき』!」

「ババウッ!」

「アイッ!?リャグッ!」

 

ジャンプで『あなをほる』をかわす。アイアントが周りの確認をするタイミングで『とっておき』がやっと当たる。

 

だが半減だ。

 

「アイアント!『ギガインパクト』!」

「はぁ!?『まもる』!間に合え!」

 

どうなったか確認出来ずに爆発が起きる。

煙い。けど、『まもる』が間に合ったなら…!

 

「ハッサン!『とっしん』だ!」

 

 

「バァオォォーン!!!」

 

ドカァッ!

 

煙が晴れる。

 

そこには、倒れるハッサンとまだ立っているアイアントが居た。

 

「ハーデリア、戦闘不能!アイアントの勝ち!」

 

ダメだったか…。多分倒れた理由は『とっしん』による反動ダメージだ。

 

「戻って、ハッサン。無茶させてごめんな。ありがとう。行けっ、ペティ!タイプの差を覆せ!」

「ペァギュアギュギュアァ!」

 

アイアントは反動で動けない。動く前に倒す!

 

「ほぅ、ペンドラーか。強いぞ?」

「ブラック君、ボクは今まで一度も相手を見下した事は無い。強くても、弱くても、全力で倒すよ。」

 

「ハッサンの敵討ちだ!『メガホーン』!当たれぇ!」

 

ペティの角が光り、上体を仰け反らせ…仰け反らせ…タメが長いな。

アイアントが逃げ出そうとする。

 

しかし、ペティの『メガホーン』が放たれる。

 

ズドガアァァアァン…!

 

う、うわぁ。

 

「一撃…かよ…。」

 

ブラックさんの呟きが大きく聞こえる。

 

フィールドには巨大なクレーターが出来ている。

アイアントはクレーターの中央に埋まっている。

 

「…審判!」

「はっ!あ、アイアント、戦闘不能!ペンドラーの勝ち!」

 

「ブール君。」

「なんですか?アーティーさん。」

「そのペンドラー、この前は持って無かったよね?」

「はい。一昨日(おととい)捕まえました。」

「そうか…。戻れ、アイアント。お疲れさま。」

 

アーティーさんはアイアントをボールに戻す。

 

「そのペンドラー、前に一度会った事がある。…久しぶりだね、森の主。」

「ペァギュアァ!」

 

へー、知り合いでしたか。これはあれだ、運命ってやつだね。

 

()しくも、あの時と同じ対面だ。行け!ハハコモリ!」

「コモーリー。」

 

ペティとハハコモリの間に火花が散った…様に見えた。

 

「あの時は遅れをとった。けど、今回はそうはいかないよ!ハハコモリ、『にほんばれ』!」

「コーモーラッ!」

 

ハハコモリが強く光る球体を上に放る。

 

ひざしが つよくなった。

 

「やるぞペティ!『どくどく』だ!」

「ペァギュッ!」

 

毒の塊がハハコモリに向かって飛ぶ。

が、かわされる。

 

「な、速!?」

「『ソーラービーム』!」

「かわして『どくどく』!」

 

ペティは紙一重で『ソーラービーム』をかわした。

 

のは良い。素晴らしい。

 

問題は ハハコモリーペティー俺 の順に一直線になっていて『ソーラービーム』はビームでペティがかわしてもすぐには止まらなくてつまり何が言いたいかと言うと

 

「ふげぶっ!?」

 

俺がかわせ無かったら意味無いよね~って。

 

ハハコモリの『ソーラービーム』は、一匹のドーブルの意識を刈り取った。




3063文字です。

イワパレス、『からをやぶる』をしなければ…。
アイアント、強敵でした。
ハハコモリ?強いんじゃね?

てかハッサンとペティじゃアイアントを倒せる訳無いんだよな~。相性が悪すぎる。

ハッサンが削ってたから『メガホーン』で倒せたんだ、ゲームじゃ無いんだよ!(言い訳)

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