久しぶりですね、ポケモンバトル。
ブールは勝てるのだろうか。
だがジム戦ではない。
「いや~、悪かったわね。」
「いやいや。一人ぐらい逃がしてもなんの問題も無いよ。だってもっといっぱい捕まえたからね。」
「そう、なら良かったわ。」
「・・・。」
「…。」
え~と、ブールです。時刻は夕方、アーティーさんたちもプラズマ団を見つけられずに戻っていました。
まあ、アーティーさんの言う通り他にも捕まったプラズマ団は沢山居るし、大丈夫だよね。
問題は。
「Nさん、こちらブラックさん。少し口は悪いけどいい人だよ。多分。」
「おいこら多分ってなんだ。」
「ブラックさん、こちらNさん。」
「・・・。」
Nさんが何も喋らない事。というか、Nさんとブラックさんの仲が悪そう。初対面なのに、何でだ?
「あのなぁ、そもそも俺とこいつは既に顔見知りだぞ?ポケモンバトルもした仲だ。」
「ありゃま。」
知り合いだったか。…まあ、良く考えなくても主人公とNさんが会ったことが無いなんておかしいのか。
ん?あれ、でもBWの主人公とNさんはライバル的な関係だった気がする。
「ああ、だから。」
「何だ?」
「Nさん、もしかしてブラックさんにボッコボコにされたんですね?」
「・・・うん。そうだよ、ブール君。」
「だからブラックさんと会うのが気まずいと。」
「まあ、そう…だね。」
「じゃあもう一回ポケモンバトルすれば良いじゃないですか。」
「「え?」」
あれ?なんかおかしな事言ったっけ?
「だってポケモン関係の気まずさだから、ポケモンバトルで解決出来るでしょ?」
「いや、その、もう少し深いというか…大人の事情というか…」
「ク…クク…アハハハ!そうだな!おい、N!こっち来い!ポケモンバトルするぞ!あの時より強くなってるよな!?」
「あ、え?あの、ちょっと…」
Nさんがブラックさんに連れて行かれる。
仲が良くて何よりだね!
「ブール、一週間後にジムに挑戦するわよ。」
「え、一週間後?何で?」
「今回のジムバトルは手伝わないからよ。」
「え?つまり?」
「だーかーらー!あたしは!今回!あんたのポケモンとして!バトルは!しないって!言ってるの!」
「痛い痛い!区切り毎につつかないで!」
禿げる、禿げちゃう!…あ、俺ポケモンだから禿げないか。
「でも、なんで手伝わないの?」
「何時までもあたしに頼ってばっかだとあんたが成長しないから」
「む、成る程。」
「って言うのは建前。本当はプラズマ団を逃がしたあたしへの罰。あっちにそのつもりは無いだろうけどね。」
「えぇー。それってつまり自業自得じゃん。」
「うるさいわね。今回は失敗したけど、上手くいってれば表彰ものの発想なのよ?」
「あーはいはい。明日からハッサンのレベル上げ頑張るよ。」
「新しいポケモンって選択肢は?」
「忘れがちだけど僕もポケモンだよ。」
「あー。」
そもそもポケモンがポケモンを使役するのはおかしいと思うからね。
え?ハッサン?彼は別だよ。
「なんだ、強いポケモン持ってるじゃないか!この前は手加減したってか?」
「いや、あの時はあれしか持って無かったんだよ。」
あ、Nさんたちも戻ってきた。
~○~○~○~○~○~
次の日。
さて。ヤグルマの森に戻って来ましたブールです。
メイコさんとNさんは別行動なんです…けど。
「なんでブラックさんが着いてきてるんですか?」
「あ?別に良いだろ。面白そうだし、もし仮にお前が倒れっちまった時に連れて帰る奴が必要だろ?」
「まあ、そうですね。」
昨日寝る前にテレビを見たんだけど、ニュースで俺が出てきた時は焦ったね。いやー、恥ずかしいね。
後、ジョーイさんがついでにと持ってきてくれたビデオも見たけど・・・アララギ博士、何してくれてんですか。
いや、あのサンヨウシティの騒ぎでアララギ博士が『ポケモンがポケモントレーナーになりましたー』的な発表をしたことは知ってたけど。
「お前がポケモンだったとはなぁ。昨日の夜アーティーさんが教えてくれたぜ。」
「って事はブラックさんはテレビとか全く見ないんですか?」
「ああ。というか、旅する男にテレビを常に見ろなんて無茶言うなよ。」
「いや、そうは言ってないですけど。」
あ、草が揺れてる。
「あれは…おっ、ヒヤップか。」
「よーし、行けっ!ハッサン!」
「バウバウ!」
ヒヤップはハッサンの特性『いかく』で怯んで…逃げ出した。
「ええ!?」
「ふーん。お前のハーデリアが強すぎるんだな。多分、この先そのハーデリアで苦戦する野生のポケモンはほとんど出てこないだろうな。」
「つまりハッサンは強いと。」
「ババウッ!」
「ああ、強い。けど、その程度の強さではそのうち勝てなくなる。」
「う…まあ、そうですね。」
まあそもそも、ハッサンは後一回進化を残している。ハーデリアのままで勝ち続けられるとは思ってない。
「だから、強くなりたいならトレーナーと戦う必要がある。それも、俺レベルで強いやつ。」
「えぇー。」
「えぇー、じゃないんだよ。そうだ、俺とバトルするか?」
「じゃあ、それで。」
「あのなぁ。」
~○~○~○~○~○~
近くにポケモンが作ったと思われる広場があったのでそこを使う事にした。
でも、あー、なんだ?既視感が…。
「あ!」
「なんだ急に大声だして。」
「あ、いえ。」
そうだった。あのドーブルの縄張りの広場にそっくりなんだ。
「手紙出さなきゃなぁ。」
「ん?何か言ったか?」
「イイエ。さあ、ポケモンバトルですよ!ハッサン、出番だ!」
「バウッ!」
「あー、お前そいつしか持ってないのか?」
「そうですよ。」
「ふーん。行けっ!ジャローダ!」
「ジャルア!」
む…ジャローダか。昨日のあれで強い事は分かる。
「ハッサン、油断するなよ!『ふるいたてる』!」
「ジャローダ、『へびにらみ』!」
ハッサンが『ふるいたてる』より速く、ジャローダがハッサンを強く睨み付ける。
「ジャルァアァ…。」
「バ…バウ…。…ゥバウアッ!」
ハッサンは体が痺れつつも吠え、体に赤みをつける。
とはいえ、麻痺が治る訳じゃない。体の自由が効かないのは不味い。とくに、今回は格上が相手だ。何も出来ずに倒される可能性もある。
「ハッサン、大丈夫!?」
「バゥ!」
「喋ってる場合か?『リーフストーム』だ!」
「『まもる』!」
ハッサンの周りにバリアが…出ない。
草が舞う大竜巻がハッサンを包み込む。
このままだと負ける!
だからこそごり押す!
「ハッサン!」
「こんなもんか…」
「もう一度『まもる』!」
「はあ?」
今度は体が動いたらしく、見えずらいけどバリアが張られたみたいだ。
「よし!いいぞ!」
「そんなことしてもダメージは通ってる!二回目の『まもる』は意味がないだろ!」
「煩い!ハッサン!風が止んだら『とっしん』!」
『リーフストーム』が止まった。
と同時にハッサンが弾丸のようにジャローダにぶつかる。
「ジャルア!?」
「なんだと!?」
「バウアッ!」
「もっと『とっしん』を続けろ!止められるまで!」
「ウガァオーン!!!」
ドガッ!ドガッ!
『とっしん』がジャローダを痛め付ける。
が、四回目は無かった。ハッサンの体がまた痺れたみたいだ。
「くそっ!ジャローダ、『ギガドレイン』だ!」
「ジャルアッ!」
「『まもる』!からの『とっておき』!」
「アオーーン!」
もはや見慣れた緑のバリアが、ハッサンのエネルギーが漏れ出ていくのを防ぐ。
そして、瞬間移動。
「ジャ!?」
「な、どこに」
「ババウアッ!」
「上!?」
ハッサンの全体重を乗せた『とっておき』が、ジャローダの頭を地面に叩きつける。
「ジャグルアッ!」
「ジャローダ!」
「ハッサン、一旦下がって。」
「バウ!ハッ…ハッ…。」
流石に疲労が溜まっているか。傷薬はシッポウシティで補充したから良いんだけど…。
「傷薬使う?」
「…ババウッ!」
断られた。ハッサンはこういう人工の薬が嫌いみたいなんだ。
「くそっ!俺のジャローダは戦闘不能だ!戻れ、ジャローダ!」
「えと、まだやるんですか?ハッサンはもう戦えないから、僕の負けでいいですよ。」
「~っ!いや!これは引き分けだ!ドローゲーム!」
「えっ?なんで。」
「そっちの手持ちは一体でこっちは六体。そんでこっちのポケモンを一匹倒した。けどそっちはもう瀕死間近。こっちの勝ちでも良いが、俺のパートナーを倒した褒美に引き分けにしてやる。ありがたく思え!」
「は、はぁ。」
うん。今回のバトルで分かったこと。
手持ちを増やそう。
3331文字です。
ポケモンバトルの描写を入れると文字数が増えますね。