ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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幾千の
滴が僕を
打ちのめし
濡れぬ場所など
あんまりない!
~雨が一番嫌いな天気です。~


嵐の前のなんとやら~流石メイコさ(ry~

ヒウンシティ。イッシュ地方で1、2位を争うほど巨大な都市だ。

ここにはあの有名なゲームを作成している大手の会社がある。

惜しむらくは少し辺鄙(へんぴ)な土地にあること、急速に発展したせいで必要以上に混み合っていることか。

 

「・・・!メイコちゃん、こっち。」

「何?」

「あそこの船、よく見て。」

「ん~?…あの服は、プラズマ団ね。」

 

僕たちはブール君を探していた。のだけど、メイコちゃん曰く『事件あるところ、ブールあり』だそうで、その事件を探していたんだけど…。

 

「本当に事件が起きてるとは。」

「言ったでしょ?ビリジオンが動くんだからそれなりの理由があるのよ。」

「それが、これかい?」

「そう。どうせ人のポケモンを盗んでどっかに行こうってんでしょ。」

「そうだね。じゃあ、」

「まだよ。待ってれば所謂(いわゆる)、主人公って奴が解決に来るはずよ。そこにブールもくっついて来る…はず。あたしたちがでしゃばるのはその主人公たちが来なかった時よ。」

「…分かった。」

 

もどかしいけど、幸い今すぐに出発するようでは無いみたいだし、そもそもの目的はブール君との合流だから…ここは我慢だ。

 

~○~○~○~○~○~

 

「アーティーさん。助けてくれてありがとうございます。」

「いやいや、困った時はお互い様。これ、ボクがジムリーダーとしてやっていけてる秘訣だよ!」

「は、はあ。」

 

あ、皆さんどうもこんにちは。人とドーブルの間で揺れてるブールです。

あの人だかりの中からアーティーさんに助けて貰ったのはいいんだけど、今の状態は…。

 

「ええと、なんで、そのぅ…。」

「マスコミに囲まれながら話し合っているか?」

「はい。」

「それは君が有名だからだよ。…嫉妬しちゃうネ!」

 

ウィンクと茶目っ気のある笑顔が似合う人だなぁ。

ちょっとカメラのフラッシュがまぶしい。…訂正、かなりまぶしい。

 

「いや、まあ。」

「うーん?そんなに緊張しなくても良いよ?周りはイシツブテとでも思って、リラックスしてよ!」

「そ、そこまで割りきれないですよ。」

「そうかい?まあ、初めてなら仕方無いよ。そのうち慣れるさ。」

「いや、こんなことに慣れたくは無いです。」

 

アーティーさんが真面目な顔になる。

 

「こんなこと、ねぇ。あの伝説のポケモンであるビリジオンに乗って颯爽と現れしトレーナー!その正体はなんとドーブルというポケモン!…残念ながら、マスコミはずっと…場合によっては一生ついて回るよ。」

「う。そんな気はしてますけど。」

「ハハハ!分かってるなら良いんだよ!嫌でも慣れる!さあ、今のボクはジムリーダーのアーティーじゃなくて、芸術家のアーティーだ!ブール君、ちょっとモデルに成ってくれるかい?」

「え?」

 

~○~○~○~○~○~

 

連れてこられたのはアーティーさんのアトリエ。

マスコミたちは外で待ってもらってる。

にしても、うわ~。これ、全部アーティーさんが描いた絵なのかな?軽く五十以上はあるぞ!?

 

「ふぅ~。やっと二人きりになれたよ。」

「あれ?アーティーさんも疲れるんですか?」

「人間だしね。疲れないなんてこと無いんだよ。特にマスコミはね~。下手なこと言ったらすぐにすっぱ抜かれる。油断出来ないよ。」

 

うん。なんとなくだけど、これからの教訓にしよう。『マスコミに隙を見せるな』。

 

「さて、実はブール君に頼みがある。」

「はい。…何に『へんしん』すれば良いですか?」

「あぁ、いや。モデルに成ってっていうのは二人きりになる口実だよ。後で描くけど。」

 

あ、描くには描くんだ。

 

「じゃあ、頼みってなんですか?」

「それがねぇ。あ、プラズマ団って知ってるかい?」

「…はい。」

 

ゾンビカイリューの姿がフラッシュバックする。

 

「プラズマ団がまた何か?」

「人のポケモンを盗んでいるらしいんだ。」

「は?」

「しかも堂々とヒウンの船着き場から逃げ出そうとしている。」

「…。」

「手伝ってくれるかい?ボクも行くし、他にも一人、手伝いはいる。」

「行きます。あいつらは…許しません。」

「…いい顔だ。」サラサラ…

 

アーティーさんが小さい画板に絵を描く。

 

「うーん。今はここまで。ブラック君も待たせてるしね。」

 

~○~○~○~○~○~

 

「あ、ブール。やっと来たわね。」

「うん。…!?何で、彼が!?」

「どうしたの?」

「…いや、むしろ当然か。それに、彼と一緒なら安全…。」

「なんなのよ!」ガスッ

「痛っ。つ、つつかないでよ。」

「急に驚いてブツブツ愚痴るほうが悪い。で、なんなの?」

「前に話したよね、僕がポケモンバトルで負けたこと。」

「ええ、あの洞穴でね。」

「…その彼が、ブール君とヒウンジムのジムリーダー、アーティーさんと一緒に居た。」

「ふーん。じゃあ、そろそろ突撃しますか。」

「…話聞いてた?」

 




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