ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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さんさんと
太陽の(もと)
倒れ伏す



厨ポケパーティー~ゲームとリアルの違い~

あの後、俺自身がNさんの残りのポケモンとバトルしました。

辛かった…よ…。

 

既に強化されているギギギアルを『キノコのほうし』で寝かせてから『だいもんじ』三回当てて倒したんだけど、次に出てきたデスカーンがなぁ。

 

『シャドーボール』投げつけたら『ナイトバースト』撃ってきたんだよ。

 

デスカーン、もといゾロアークは『わるだくみ』を積んで『ナイトバースト』を連射してきたんだよね。お陰で近づけ無いから遠くから『どくどく』投げつけて『まもる』したり『あなをほる』で逃げたりしてなんとか倒したよ。

 

…最後のデスカーンは…考えたくもないよ…。

技は『どくどく』『おにび』『まもる』『たたりめ』。

後は…分かるね…?

 

ミスって『どくどく』触れちゃった時は負けたと思ったよ…。

 

「死にかけてるわね~。思考がダダ漏れよ?」

「そんな事よりポケモンセンターに連れていかないと!」

「正直、引き返したくないのよ。でも…仕方無いか。戻るわよ。今回はあたしが雑魚共を倒していくわ。」

 

お願いします。

 

~○~○~○~○~○~

 

いやー!スッキリ!ジョーイさんは有能だね!

 

「ウフフ、また来てね。」

「そんな毎日来なきゃ行けなくなるほど、あたしらは弱くないわよ。」

「フフフ。それもそうね。」

 

…せいぜい三回しか来てないんだけどなー。

 

「あ、そうそう。シッポウシティの前に強いトレーナーが居て初心者狩りをしているみたいなの。あなたたちなら大丈夫だと思うけど、気を付けてね。」

 

「分かったよ、ジョーイさん!」

「それは酷いことをしますね。灸を据えないと。」

「はん、どうせガキでしょ。どうにでもなるわよ。」

 

「…ええと、気を付けてね?」

 

~○~○~○~○~○~

 

「おい!お前ら!バッチはいくつだ!」

 

あ、あれが例の初心者狩りかな?見事な短パン小僧だ。

 

「僕は持って無いよ。」

「俺は…一つだけ。」

「俺?あんたその一人称はバトルの時に使うんじゃ無いの?」

「Nさんと被るから変えた。というかそんな分け方してないよ。」

 

「ふん。ゼロと一個か。まあいいや。そこの一個野郎!俺と勝負だ!」

「ええ~。」

「俺が勝ったらお前のバッチをいただく!」

「はぁー?」

 

どうやら金めあてではなく、ライバルを減らしたいだけのようだ。…とはいえ。

 

「やりたくないなー。 」

「何アホなこと言ってんのよ。こんなガキ、あっさりボコして身ぐるみ剥ぐわよ。」

「メイコく…ちゃん。身ぐるみ剥ぐはやり過ぎだよ。せいぜいトレーナーカードの没収ぐらいにしないと。」

 

「あーもう!勝負するのか、しないのか!しないんならバッチを置いてとっとと行きやがれ!」

 

あー。こういうジャイアンタイプは嫌いだな。

 

「分かったよ、やるよ。行けっハッサン。」

「バウッ!」

 

「そうこなくちゃ!行けっ!ギルガルド!」

「ギルリン!」

 

うえっ!?ギルガルド!?

 

「見たこと無いポケモンだね。…ブール君は知ってるのかい?」

「はい、Nさん。めんどくさい相手です。」

 

特性『バトルスイッチ』のフォームチェンジが厄介なポケモンです。

 

「うわー!そのポケモン格好いいわねー!」

「へ?」

 

メイコさん!?何してんの!?

 

「凄い凄ーい!剣と盾ね!!」

「フッフッフ。そうだろう!俺のポケモンは格好よくて強いんだ!」

「へー!じゃあこのポケモンのどこが強いの!?」

 

メ…メイコさんが…壊れた!?

 

「メイコさ」

「しっ。ブール君、ストップ。」

「え、なんで。」

「メイコ君の作戦だよ。今はメイコ君に任せて。」

「…分かりました。」

 

Nさんにそんな事言われたら信じるしか無いか。

 

「…今の内だよ。」

「え?」

 

~○~○~○~○~○~

 

「・・・と言うことだ!分かったか?」

「成る程~!そんな面白い特性を持ってるのね!」

「話が分かるペラップだな!色違いだし、どうだ?あんな奴らじゃなくて俺と一緒に来ないか?」

「ん~。どうしよっかな~。」

「俺のがお前を上手く使ってやれるぞ!」

 

 

「そうね~。・・・あんたみたいなクソガキについていく訳ないでしょ。」

 

「は?」

 

「自分のポケモンの状態さえ分からないあんたよりも、あたしの考えを尊重するあいつらのがよっぽど強いわよ、バーカ。」

 

「ギルァ…ガリ…」

「はーい。『おしゃべり』だけでギルガルド、戦闘不能!バッカよね~!ギャハハハハ!!」

 

「なんだと!?」

 

成る程、それを狙ってたのか!流石メイコさん、年季が違う!

 

「卑怯だぞ!」

「君!!!」

「な、なんだよ。」

 

うわ、Nさんが怒ってる。

 

「君のポケモンの心配はしないのかい?」

 

「なんでだよ。俺のポケモンは強いんだぞ?心配することなんてないさ。」

 

「…君のギルガルドは君の事を信用していたから『おしゃべり』を耐えていたんだ。せめて、『ありがとう』とか『ごめん』とか、声をかけてあげたらどうだい?」

 

「はぁ?戦ってさえないのに『ありがとう』なんて言う必要は無いし、俺が謝る筋合いは無いね。」

 

 

 

「・・・そうか。ブール君、本気でやってくれるかい?」

「勿論ですよ。あんなトレーナー、いや、人間として失格な奴はこのブール様が直々に、ぶちのめす!」

 

「あんたなんかに『様』なんてつける奴居ないわよ、アホ。ハッサンじぁギルガルドにダメージ入れらんないからわざわざあたしが出張ったのよ?あたしは疲れたから、後は自分で頑張りなさいよ?」

 

言われてみれば。ありがとうございます、メイコさん。

 

「ちっ。戻れ、ギルガルド。もう手加減はしないぞ!」

 

「手加減もなにも、戦いにすらなってないじゃん。」

 

「うるさい!行けっ!ガルーラ!」

「ガルッシャア!」

 

ガルーラか…ガルーラ?いやまさか。

 

「ハッハッハ!見せてやる!ガルーラ、メガ進化!」

 

うっそだろ。不味すぎる。

 

ガルーラの袋の中にいた子供が成長する。

 

「な、何なんだ!あの進化は!?」

「メガ進化よ。カロス地方での研究によって新たに見つかった『ポケモンの可能性』。…さてはあいつ、転生者ね?」

 

「くっそ、ハッサン!『まもる』!」

「『ねこだまし』だ!」

 

パシパシーン!

 

『ねこだまし』が緑のバリアに弾かれる。よし、『ねこだまし』は出てきた瞬間じゃないと効果が無いから、技を一つ潰したのと同じだ!

 

「『まもる』持ちか!だが『グロウパンチ』!」

「『とっしん』でかわせ!」

 

()()()()()()()()ハッサンが『とっしん』の勢いでガルーラの『グロウパンチ』をかわす。が、子ガルーラの『グロウパンチ』にあたってしまう。

 

「ハッサン!!!」

「バ…ババウ!」

 

よ、よかった…。『ねこだまし』が当たってたら負けてた。ただ、次に何か…それこそ一番道路のミネズミに『たいあたり』されただけでも倒れるな。

だけど、これで!

 

「ガルーラ、もう一度『グロウパンチ』だ!」

「ハッサン!小さい方に『とっておき』だ!」

 

ハッサンが子ガルーラを押さえつける。

そしてすかさずガルーラを威嚇する。

 

「んなっ!?技三つなのか!?」

「違う!ついさっきまで『ふるいたてる』を積んでいたのさ!」

「いつの間に…まさか、あの時!」

 

むしろメイコさんが気を逸らしてくれてた時以外に無いよね。

 

「だが六段階積んだとしても、メガガルーラを倒しきる事は出来ない!ガルーラ!『じしん』だ!」

「ガ…ギュルゥ…。」

「どうした!なんで『じしん』をしない!」

 

どうしてって…。

 

「子供が捕まっているんだよ?」

「それがなんだよ。」

 

あ、こいつ駄目だ。Twitterとかで顔晒しちゃうタイプの人だ。ポケモンに直接話しかけた方が良いか。

 

「ガルーラ、降参すれば子供は開放するよ?どうする?」

「グ…ガルルゥ。」

「は?何言ってんだ!『グロウパンチ』だ!『グロウパンチ』で吹き飛ばせ!」

「グ…ガゥ…。」

 

子ガルーラが元の姿に戻る。

 

「な、おい!」

 

「へぇ。あの進化は自分で解けるんだ。」

「そうよ。ほら、ブール。」

「分かってる。ハッサン、子供を返してあげて。」

「バゥ。」

 

ハッサンが子ガルーラを優しくくわえて、ガルーラの元へ戻す。

 

「ガゥ、ガルルゥガ!」

「…ふざけんなよ!なに勝手にメガ進化解いてんだよ!」ゲシッ

「ガッ!」

 

短パン小僧がガルーラを蹴る。

 

「「「 !!!!」」」

「使えねーな!戻ってろ!」

 

短パン小僧はガルーラをボールに戻して、新しいモンスターボールを取り出す。

 

が、短パン小僧(く そ や ろ う)がボールを投げるより速く、Nさんが殴り飛ばす。

 

「ぐばっ!?な、何しやがる!」

「君みたいな奴が…ともだちを…使う…トレーナー…?だったら…僕は…。」

「がっ!うわっ!やめろ!やめてくれ!」

 

Nさんは短パン小僧(にんげんしっかく)を蹴り続ける。

 

「なんなんだい…君は…生きている…ともだちの…気持ちを…感じたことが…考えたことが…無いのか…?そんな君が…ポケモントレーナーだなんて…認められないよ…。」

「うぐっ!がっ!やめ、やめて!がふぅ!あ、あやま、ぐはっ!謝るから!ぎゃっ!」

 

まずい、Nさんが暴走してる!…でも、止めない方が良い気もしてくる。

 

「…ブール、止めないの?」

「バゥ。」

「…。~~っ!」

 

その質問はずるいです、メイコさん。

 

「Nさん!ストップ!」

「ブール君。止めないで。」

「落ち着いて!僕たちがこの短パン小僧(のうなしやろう)を攻撃しても、何にもならないです!」

「だけど」

「ムカついているのはNさんだけじゃない!」

「・・・分かったよ。」

 

Nさんが短パン小僧(く  ず)から離れる。

 

「がはっ!ふぅー、ふぅー。直接、殴って、来るなんて、ずるいぞ!はー、はー。」

「知ったこっちゃ無いわよ。そんな事言ったら初心者相手にギルガルドとかガルーラとか出してくるな。そっちのがおかしいのよ。」

「なんだと!」

 

 

「そこまで。」

 

誰かが声をかける。

後ろを振り返ると、赤い帽子に赤いジャケットを着た男性が立っていた。・・・いやいやいや、嘘だろ?

 

「揉め事はポケモンバトルで解決。」

 

「君は…いったい…?」

「「レッド!?」」




3937文字です。
長くなった。

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