岩の塊
鉄の味
ドーモ、ミナ=サン。メイコです。
さっきちらっと外をみたらちょうど日の出だったから現在時刻は午前五時ってところです。
「・・・誰に言ってんだか。」
ブールがたまに実況してるのよね。本人に自覚は無いだろうけど。
「さて、どうやって起こすか。」
サンヨウシティでは急降下ダイブを鳩尾にぶち当てて起こしたんだけど、今は寝袋にくるまってるから顔面にしかダメージが与えられない。
「『おしゃべり』?…生ぬるいわね。そもそもブールに『おしゃべり』は効きにくいし。」
ブールは特性が『マイペース』だから混乱しないのよね。と、なると。
「残りは『ばくおんぱ』『はねやすめ』『そらをとぶ』。…『そらをとぶ』は前回とかぶるし、『はねやすめ』は攻撃技じゃないから…」
・・・流石に可哀想だよなぁ。
「
「あら、ダンゴロ。」
未だに不思議なのよね、この鳴き声の意味が分かるのが。
「あ、良いこと思い付いた。ねぇ、ちょっといい?」
「
「起きろォォォ!」
「ぐはぁっ!!!!!」
~○~○~○~○~○~
ドーモ、ミナ=サン。まさかダンゴロを落としてくるとは思わなかったブールです。
「ゴロゴーロ?」
「だ、大丈夫だよ。って君はあの時の!」
「あら、知り合い?」
「うん。ドロボー達のアジトまで案内してくれたんだ。改めて、ありがとう!」
「ゴロ!」
寝袋をしまう。と、隣の寝袋がもぞもぞ動き出す。
「ふあぁ~。あ、もう二人とも起きてたの?」
「あ、Nさん。おはようございます。」
「おはよう、寝ぼすけお坊っちゃん。」
「ん~、あ、そのダンゴロ、君と友達になりたいって言ってるよ。ふわぁー。」
「ゴッゴロ!?ゴロゴーロゴロゴロ!ゴッゴッゴロロ!」
成る程わからん。
「メイコさん。」
「通訳はしないわよ。」
「あー、うん。ちょっと待って。」
ダンゴロに『へんしん』する。
「はい。」
「だからなんで私に変身するのよ。」
「おんなじ姿じゃないと何言ってるのか分からないんだよ。」
「はあ!?なに、障害者なの!?」
「いや、そういう訳じゃないけど…。」
「あ、そう。そういえば、私のアドバイスは役に立った?」
「あー…うん。おかげさまでかなり楽だったよ。」
「リーダー強かったでしょ。」
「・・・アニキの使い方が悪くてね。」
だって技何使った?『じしん』と『パワージェム』だけだよな?『じしん』はサザンドラに乗ってかわしたし、『パワージェム』は『まもる』でかわしたし。
「正直、そうでも・・・。」
「ああ、あのギガイアスのこと?あれはねぇ。ギガイアス自身は強いんだろうけどねぇ。あたしだったらもっと上手く使えたけどねぇ。」
「む、ぐぐぐ。なら!私が強くなってあなたたちを倒します!」ダダダダダ
あ、行っちゃった。
「あれ?君の手持ちに入れるんじゃなかったの?あの子にはその気があったと思うんだけど。」
「フラグは折るものよ。」
・・・え、フラグ!?フラグたってたの!?
「まあ、いまのところ
「あ、捕まえるつもりではあるんだ。」
「当然よ。『がんじょう』持ちは強いのよ。あ、今日はブールとNをしごくから。」
「「え?」」
~○~○~○~○~○~
ご飯を食べてから外にあったちっちゃい原っぱに移動。
「まずは普通にバトルよ。お互いに全力で戦う事。」
「分かったよ。行け、チョロネコ!」
「にゃん!」
「ハッサン!お願い!」
「ババゥ!」
「では、ブール対N!試合開始!」
「チョロネコ、『いちゃもん』!」
「ハッサン、『ふるいたてる』!」
チョロネコがにゃんにゃん叫び、ハッサンが赤みを帯びる。
うーん、『いちゃもん』か。面倒だな。
「なら、『とっしん』!」
「『すなかけ』だ!」
ハッサンが勢い良く飛びかかるがチョロネコは足元の砂をハッサンの目に向けてかける。
「バゥッ!」
む、目に入っちゃったか。『とっしん』が外れる。
「よし、『みだれひっかき』!」
「『まもる』!その後『とっしん』!」
チョロネコが爪を伸ばして襲いかかるが、ハッサンが張った緑のバリアに弾かれる。そしてがら空きのボディーにハッサンが『とっしん』する。
ドガッ!
「にゃ!」
オッケー、当たった!
「チョロネコ戦闘不能!」
「うん。よく頑張ったね。お疲れ様。」
Nさんがチョロネコをモンスターボールに戻す。
「マメパト、行ってくれ!」
「パット~♪」
マメパトか。飛ばれると厄介だね。
「『でんこうせっか』!」
「『ふるいたてる』!耐えてくれ!」
マメパトがハッサンにぶつかる。ハッサンは耐えきり、赤みを増す。
「よし!『とっておき』を見せてやれ!」
「『エアカッター』だ!」
マメパトが『エアカッター』を放つが、そこにいたはずのハッサンは既にマメパトの
「な、瞬間移動!?どう言うことだ!?」
「そのままぶち落とせ!!!」
「ババゥ!」
「ボヒュウ!」
「ん、マメパト戦闘不能!N、ポケモンはまだいる?」
「あと四匹いるよ。…このともだちは強いけど、良いの?」
「あたしの言葉聞いてた?『全力で戦う事』って言ったはずよ。」
「…行け、ギギギアル。」
「ギアギアギア」
「バゥッ!」
ギギギアルか。鋼の身体はハッサンの技を通しにくい。
「ギギギアル、『ギアチェンジ』。」
「ハッサン、『ふるいたてる』!」
「ギギギ」ガチャ,ガチャン
「バフッ!」アカイー
むぅ、ここで『いちゃもん』が効いてくるな。
個人的には『ふるいたてる』で限界まで攻撃を上げたいんだけど、いちいち間に他の技を挟まないといけない。
「もう一度『ギアチェンジ』。」
「あーくそ!『とっしん』!その後『ふるいたてる』!」
「ガガガ」ガチャ,ガチャン
「ババゥッ!」
あ、『とっしん』外れた。けど着地と同時に『ふるいたてる』してる。やっぱバトルセンスあるね。
「『じゅうでん』。」
「『とっしん』!」
今度は当たったけど、あんまり効いてないな。
しかし、淡々と技を出していくNさんは怖いな。
「ハッサン、『まもる』だ!」
「ならもう一度『じゅうでん』。」
ハッサンの周りに緑のバリアが張られるがギギギアルは電気を溜めて攻撃はしない。
しまった、テンポを崩された。
「『チャージビーム』。」
「だけど『まもる』!あっ!」
『いちゃもん』忘れてた!
ハッサンはバリアを張れず、『チャージビーム』をもろにくらう。
「ハッサン!」
「バ…ウ…。」
「ハッサン戦闘不能!Nの勝ち!」
「負けた~!お疲れ様!ハッサン!」
「君のともだちは強いね。」
「はい。正直、僕に不釣り合いなほど強いですよね。」
「ったく、『いちゃもん』忘れて『まもる』連発とかダメダメね。…まあ、他のポケモンがいればもうちょっといけただろうけど」
「おっしゃる通りで。」
あそこは『とっておき』のが良かったかな。…緊急回避にも使えるし、押さえつけも出来るし、『とっておき』強くね?
「Nはチョロネコの『すなかけ』と『いちゃもん』は流石だったわ。ノーマルタイプが効きにくいギギギアルを出したのもグッド。ただ、マメパトが微妙ね。技は?」
「ええと、『エアカッター』『でんこうせっか』『かぜおこし』『はねやすめ』だよ。」
「ふーん。なら『エアカッター』のあとは『でんこうせっか』でハッサンの『とっておき』をかわしてから攻撃って感じのが良かったわね。」
「成る程。」
やっぱりメイコさんはすごいなぁー!
流石メイコさん!年季が違うね!
2994文字です。
微妙な所で話を区切っちゃったなぁ。