ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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タイトルに
深い意味は
ありません
ジョーイさんが
活躍しますよ


キングクリムゾン!~時はとんで…~

んあ?…こ、これは…。

 

「見知らぬ天井だ…。」

「何言ってんのよアホ。」

「あ、メイコさん。あれ?なんで僕は寝てるの?確か、サンヨウシティまで走って、ジュンサーさんを見つけて…それで…」

「疲労でぶっ倒れてポケセンへ連れていかれたのよ、アホ。ここはポケセンの介護室。」

 

マジか…。確かに考えてみればこっちに来てから…三日!?三日しか経ってないの!?

 

「あー、そりゃ倒れもするわ。あ、ドロボー達は?」

「めでたく刑務所送りよ。捕まってたポケモンたちも皆解放されたわ。今は奴らの取引ルートを探っているそうよ。」

「ふーん。良かったね。」

「バカじゃねーの?今の自分の姿をよく見なよ。」

 

え?あっドーブルの姿だ。

 

「町に行くまでに『へんしん』したのは偉いけど、倒れた時に『へんしん』が溶けちゃ意味無いじゃない。」

「でも、それがどうしたの?」

「はぁー。あんたはマスゴミの恐ろしさを知らないの?そこのドアの隙間から外を見てみなさい。」

「うん。」

 

白いベッドから飛び降りて言われた通りにしてみる。

 

「本当に…!…ポケモン…!!」

「…!人が…!!」

「あの泥棒を…!」

「皆さん!落ち着いて下さい!」

 

うわあ。怒鳴り声のせいで上手く聞き取れないけど、これは…。

 

「何?僕有名人なの?」

「そーよ。新聞でも、「他地方のポケモンがポケモン泥棒を退治!」「メタモン以外が『へんしん』か?」「ポケモンがトレーナー、許されるのか」…まだまだあるわ。あ、顔写真。」

「うわぁ凄い。」

 

何が凄いって情報が伝わる速さがヤバイ。

 

「ああ、そう言えばあんたが倒れてから二日たってるわよ。」

「アイエェェェ!?二日!?二日ナンデ!?」

「あたしに聞くな!さて、どうする?何故かあのbba、あんた(ドーブル)がトレーナーだと発表しやがったし、ここでのある意味英雄だしで、マスゴミがあんたを逃がすとは思えないけど?」

 

うーん。こっそり逃げ出すか…。

 

「あ、ハッサンとリュックはそこに置いてあるわ。」

「え、リュック?…ああ!置きっぱだったっけ。」

 

メイコさんが捕まってそれどころじゃ無かったしね。

 

「じゃあ荷物は全部あるのか。…窓は?」

「有るけど、小さいし高いとこにあるし、あたししか通れないわ。」

「じゃあメイコさん、ポケセンの前にもマスゴミが居るか見てきて!じゃなくて見てきて下さい。」

「はいよ。ちょっと待ってな。」

 

~○~○~○~○~○~

 

「ヤバイわね。どっから湧いてきたってぐらい居るわ。」

「うーん。そうか…どうしよ。」

 

結局夜になるまで何も出来なかったよ。

 

「…あの窓の外にマスゴミは?」

「さっきは居なかったけど、めざとい奴ならあたしが出入りしたのを見てるでしょうね。」

 

これで窓から脱出は出来なくなったと。

…やらかしたな。

 

「メイコさんは何か良い案は無いの?」

「そうねぇ。『おしゃべり』か『ばくおんぱ』でマスゴミを潰す?」

「却下です。」

「でしょうね。」

 

ガチャ

 

「あら、起きたのなら教えてくれたら良いのに。」

「あ、ジョーイさん。お疲れ様です。」

「あのマスゴミ達は?」

「なんとかポケセンの中から追い出したわ。流石に営業妨害だしね。」

 

ポケセンの中にマスゴミは居ない…か。なら、今しかない!

 

「それにしても、本当に喋れるのね。この地方にはそんなポケモンは居ないから珍しいのよ。」

「ジョーイさん!少し手伝ってください!」

「え?」

 

~○~○~○~○~○~

 

「こちら、サンヨウシティポケモンセンター前です。こちらにあのポケモントレーナーのドーブルが居るとの情報が入っています。」

 

似たようなことを延々と繰り返す報道陣がポケモンセンターを囲んでいる。

普通のポケモントレーナーのためにポケモンセンターに入る為の道は空けているが、入る人は顔を覚えられ、出てきた人にはキャスターが質問責めにするという、マスゴミの補食の道と成り果てていた。

 

「あ、おい!あいつだ!あいつ(とくダネ)が出てきたぞ!」

 

そんな補食の道に敢えて身を晒すドーブル。ポケセンから出てきた彼女に報道陣が殺到する。

 

「貴方が泥棒を退治したんですか!」「トレーナーカードを見せてもらっても宜しいですか!」「本当に喋れるんですか!」

 

と、ドーブルの体が溶け出す。

 

「う、うわ!?」「な、なんなんだ!?」「ど、どうなってんだよ、おい!」

 

ドーブルの中から出てきたのはジョーイさんだった。

 

「皆さん!落ち着いて聞いてください!見ての通り、あのポケモンは他人を『へんしん』させることが出来ます!私は、部屋に入った時にあのポケモンに襲われてあんな姿にされてしまいました!そして、あのポケモンは、すぐに外に出て行きました!」

 

「「「なんだとーーー!!!」」」

 

「探せ!奴は近くにいるはずだ!」「せっかく捕まえた特ダネなんだ!」

 

「いや、あいつは『へんしん』出来る!きっとここの誰かに『へんしん』しているぞ!」

 

「お、お前!ポケモン(特ダネ)だろ!」「んなわけねーだろ!!!そういうてめえこそポケモン(特ダネ)なんじゃねーのか!?」「女だからって可能性が無いわけじゃねーんだよ、特ダネ(ポケモン)!」「だから違うって言ってんでしょこの脳筋!どうせあんたが特ダネ(ポケモン)なんでしょ!」「お、おい!お前は…違うよな…?」「あ、ああ、違う!お、お前こそ…違うよな?」「ち、違うに決まっているだろう!!!」

 

~○~○~○~○~○~

 

「うわぁ。こ れ は ヒ ド イ 。」

「何言ってんのよ、あんたが考えた案でしょ。」

 

実は未だにポケセンの中に居ます。あ、ジョーイさん帰ってきた。敬礼でお出迎え。

 

「お疲れ様です!」

「フフフ。楽しかったわ。こんなに興奮したの久しぶり!これでも小さいときは演劇をしておこづかいを稼いでいたのよ?」

「さ、さいですか。」

 

なんて凄いことしてるんだ、この人は!

 

「これでいつも通りに『へんしん』してここを出るだけなのよね?」

「うん。ちょうどあのトレーナーさんが手伝ってくれるらしいしね。」

 

どうみてもNさんだけど。

 

「おねがいします。」

「いやいや、こんな面白い物を見せてくれたお礼だよ。さあ、そろそろ良い頃だろう、行こうか。」

「ジョーイさん、お騒がせしました。」

 

ペコリ。

 

「フフフ。ベストウィッシュ、よい旅を。」




2507文字です。

実際には他人を『へんしん』なんて出来ません。ただし、()()()()()()()()()()()ことは出来るようです。

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