ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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帽子描き
耳描き顔を
描きまして
あっという間に
ドーブルだ
~よくある『あっ』の間に細かく描く絵描き歌by五七五~



父の右手~大事件のお話~

ブ「う、うまい…!」

シ「そう?ふふ、ブールも速く食べないとクルがぜーんぶ食べちゃうわよ?」

ク「………ムシャムシャ…おかわり。」

ブ「はや!?」

ケ「うわ、ぼくこのキノコ苦手…。キリ姉ちゃん、食べる?」

キ「何でわたしがあんたのぶんを食べなきゃいけないのよ。クルにでもあげれば?」

そ「こら、ケン。好き嫌いはいかんぞ。お母さんが作ったキノコシチューなんだ。どのキノコもうまいに決まってる。」

 

一家団らんとはこのことだね。楽しい夕飯だよ。

お母さんが作ったキノコシチューは凄くおいしくていくらでも食べられそう。

 

ケ「あ、お父さん、こぼしたよ。」

そ「おっと。イヤー左手での食事も馴れたはずなんだがな?たまに失敗しちまうんだ。」

ク「……ムシャムシャ」ジー

そ「クル、そんな目で見ないでくれ。気を付けるから。」

 

そういえばお父さんの右肘から先無いんだった。うまく隠してるから忘れがちなんだよね。…でも、

ブ「お父さん、その右肘ミュウツーにやられたって聞いたけど。」

カ「え、ミュウツー?私そんなの初耳だけど。」

そ「ん、お前たちには話してなかったかな?」

ケ「うん、『昔、ちょっとな。』としかいわれてないよ。」

 

ほえ?お父さん、あなた俺にだけひーきしてるのかな?かな?

 

シ「あなた、話してあげたら?私とあなたの出会いの話を。」

そ「そんなこっぱずかしいもんじゃあねえよ。長くなるからシチューを食い終わってからな。」

キ「わかったわ!!クル、あなたの全力を見せるのよ!」ビシッ

ク「わかった…」バクバク

 

クルお兄ちゃんの活躍により、米俵二個分の量のキノコシチューは二十分後には無くなった。

 

~○~○~○~○~○~

 

おれたち兄弟とお父さん(そういちろう)は食器をすべて片付けた机を囲むように座った。

そ「それじゃあ、話すか。あれは、二、三年前のことだな。

あの頃はとある理由で各地を旅していたんだが、そう、あのときはたまたま近くに来たから寄っただけだったんだ。」

 

 

――数年前 そういちろうの家――

 

「ふー。まさか顔を出したら教師にされるとは。長老め、覚えとけよ…!

…しかしなんだかんだでここも故郷なんだな。すごく落ち着く。」

 

その時ドーンだかバーンだか、音が聴こえたんだ。

 

「ん、何か騒がしいな?……なんだ?嫌な予感がプンプンするぞ?これは急いだ方がいいな。音は…広場のほうか…?」

 

全力で走ったね。こういうときの『嫌な予感』ってのはよく当たるんだ。最悪なことにな、、、

 

~○~○~○~○~○~

 

「な、なんなんだ、これは…?」

 

そこにあったのは…荒れ果てた広場だった。今はないが、真ん中の神木も倒れて…いや、倒されていた。

倒れた神木の上にピンク色で、俺たち(ドーブル)と同じかそれより長い尻尾を持った人が、いや人型のポケモンが 浮いていた。()()()の両手両足と首にはまるで拘束具のような機械をつけていた。目は血走っていて他のどんなポケモンよりも恐ろしい目つきをしていた。

()()()の周りには力自慢の仲間たちが()()倒れ伏していた。ただ、戦う(すべ)を持たない女子供たちが()()()の放つ強大な『プレッシャー』の前に逃げることもできず、ただ震えていた。

()()()は今にも一人のドーブルを襲おうとしていた。俺は飛び出していたよ。

幸いなことに俺は……特技のようなものを持っていて、戦いが始まってから二十秒の間は、その、…無敵なんだ。――なんだその目は。本当のことだぞ?じゃなければ、俺は()()()に…ミュウツーにころされていただろう。それも、近づくことこともできずに、な。

 

「ウオオオオオ‼‼」

 

俺はまず『マッハパンチ』をうった。ミュウツーは…かわすどころかガード、いや、動くこともしなかったよ。ただ、こっちを()()だけだった。

 

「オワッ!?ットウ!」

 

それだけなのに、俺は吹き飛びかけた。『戦闘モード』で『マッハパンチ』をうってなかったら確実に吹っ飛んでたな。

とにかくミュウツーに『マッハパンチ』は当たった。威力はほとんどなくなってたけど、近づくことが目的だったからまあ、よかった。そこから『10まんボルト』二発を顔面に当てて『インファイト』で追撃、『ブレイズキック』を当てつつ距離をとった。相当相性が悪くない限り、このコンボをくらって耐えた野生のポケモンはいなかった。今回も倒したと思った。それが油断に繋がったんだ。

 

「やったか?……ナニ!?」

 

ミュウツーはいなかった。否、居なくなったように見えた。ミュウツーは、俺が気を緩めたその一瞬で俺の後ろに周っていた。俺は『はどうだん』をくらった。効果は バツグンだった。戦闘を始めて二十一秒のことだった。俺は今度こそぶっ飛んで倒れた神木に叩きつけられた。それだけで動けなくなった。

ミュウツーは動けない俺にも手を抜かなかった。『サイコキネシス』で滅多打ちにしてきた。右足は折れた。左足はあり得ない方向に曲がっていた。右腕は強烈に引き裂かれた。左腕は複雑骨折だ。尻尾が残っているのが不思議だ。

 

「や、やめてぇ‼」

 

襲われそうになっていたドーブルの女の子が俺をかばいにきた。やめろばか、俺のことはいいから逃げろ‼、と言ったんだが、肺がつぶれたせいかそれとも無視したか、その子は逃げなかった。それどころかミュウツーに向かって『やどりぎのタネ』を投げつけたんだ。

ミュウツーは『バリアー』で防ぎつつこちらに歩いてきた。その子は諦めずに『キノコのほうし』を吹き付けた。

ミュウツーは『サイコキネシス』でほうしをすべて跳ね返した。『キノコのほうし』をくらった俺とその子はそのまま寝てしまったんだ。

 

~○~○~○~○~○~

 

「……」

 

目が覚めたときミュウツーはいなかった。代わりにメタモンとボロボロのカビゴンがいた。赤い服を着て、赤い帽子をかぶったポケモントレーナーもいた。ドーブルの仲間たちは広場の修理をしていた。俺は…助かった。あの勇敢な女の子は隣で寝ていた。怪我がないようだった。

 

「……」

 

ドーブルのなかで一番()()だったのは俺だった。重症ですんでよかったとメタモンは、メタやんさんは言った。

何人もの仲間たちが、二度と会えなくなった。

 

~○~○~○~○~○~

 

そ「……これが右肘から先を無くすことになった『ミュウツー襲撃事件』とあらましだ。」

 

「………」

 

シ「ついでにいえば、そのときに助けてもらった女の子は私のことで~す。」

ブ「・・・よくたすかったね。」

キ「ミュウツーってそんなに強いの?」

そ「俺と戦ってみるか?技構成は変えたけどお前らなんかには負けんぞ?」

キ「ムムム。」

 

シ「…あらあら、もうこんな時間。みんなは寝なさい。」

カ「うぅ……、私一人じゃ寝れないよ。」

ク「……」コクコク

ケ「僕達もだよ、カラ姉ちゃん。」

カ「じゃあ一緒に寝よう?キリも一緒に寝る?」

キ「…う。……ふん、わたしはこんな程度じゃ怖く無いわ。一人で寝れるもん‼(震え声)」

ブ「震えてるじゃん。みんなで一緒に寝よう?」

キ「むう、大丈夫だもん!!」

カ「でも私は怖いわ。お願いだから一緒に寝て?」

キ「・・・そこまで言うなら。一緒に寝てもいいわ。」

 

結局、兄弟みんなで寝た。

 

~○~○~○~○~○~

 

シ「今日は寝かさないわ。」

そ「えっ」




シ→シリル=お母さん
そ→そういちろう=お父さん

今回実験的に、セリフを誰が喋っているのかを分かりやすくしてみました。

2933文字です
最後までしっかり読んだ方、飛ばした方、読んでくださりありがとうございます。

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