「ブールさんたちはまずポケモンセンターに行ってください。ハッサンたちを回復してる間に、私は両親に説明してきますね」
そう言う ことでレナさんとは別行動中。
……ポケモンセンターにまで木が 絡み付いてきてる とは思ってなかったけど、ね。
「こりゃあ、スゴい自然豊かねぇ。こんなとこで生活できんのかしら」
「そりゃあ、生活出来るから、ポケモンセンターがあるんでしょ?」
「あんたねー……ま、良いわ。中、入りましょ」
で、ポケモンセンターに入 ったんだけど……まさかここにまで木が侵入してるとは思わなかったよ。
「ジョーイさん、回復お願いします」
「ええ、お預かりします」
トレーナーやボーマンダたちとのバトルで皆それなりにダメージを 受けてるからね。
回復完了まで、少し ポケモンセンターの中を見回す。
他の建物に 比べたら損壊は少ない。中に侵入している木は天井を埋めつくし、緑色のきのみが ぶら下がっている。一つ取って食べてみた。
「うぇ、まずっ!」
「ん? あー、それ、熟してないチーゴのみね。もっと青くなるまで育たないと、食えたもんじゃないわよ」
「先に、言って欲しかったな……」
まあ、緑色の時点で 美味しいきのみでは無いだろうと思ってたけどさ。
「ブールさん。お待たせしました、ポケモンたちは皆元気になりましたよ」
ジョーイさんから モンスターボールを受け取る。ついでに気になる事 も聞いておこうかな。
「ジョーイさん。この町って、凄く……」
「それはまだよく分かってないの」
まだ! 俺まだ 何も言ってないよ!
「あ、ごめんなさい。ここに来たトレーナーさんたちが皆同じ質問してくるからつい」
「いーのよー。で、よく分かってない、っていうのは、この木のこと?」
「あら……えぇ、そうよ」
一瞬 メイコさんが喋ったことに驚いたみたい だ。この反応、なんだか新鮮だなぁ……。
「切ってもすぐに生えてくるし、燃やしても他の場所から新しく生えてくるのよ。しかも徐々に耐性まで付いてきちゃって」
「た、耐性?」
「そう。例えばこのポケモンセンターの木は、燃えにくい、なかなか切れない、暑さや寒さに強いっていう特徴があるわ」
え、やりすぎじゃない? 頑張りすぎ だよね?
「しかも処理すればするだけ余計に繁殖力が上がっちゃって。お陰で窓ガラスが割れちゃってね……」
「た、大変なんですね」
「まあ、サザナミタウンが近いのもあって観光客には困らないんだけどね」
そう言うと ジョーイさんはウインクした。
流れるような説明、何回も話した んだろうなぁ……。
「ブールさん、メイコさん」
「あ、レナさん。どうだった?」
「えっと、ですね……その……」
うん? なんか様子が 変だね。
「先に! あ、その、準備とかがあるので先にこの町の名産を見せてきなさい、だそうです」
急に怒鳴ってきたから、ちょっと ビックリしちゃった。てへ。
「名産?」
「名産というか観光スポットですね。この町が潰れてない唯一の理由です」
「けっこう、ガンガン言うわね……ジョーイさんの顔が凄いことになってるわよ?」
さっさと出て見に 行こう……じゃないと ジョーイさんに怒られそうだ。おお、こわ。
~○~○~○~○~○~
「じゃーん! ここがグレールインズの中心、『シンギュラーポイント』です!……ブールさん? メイコさん?」
う ……ぐ ……なんだここ 、なん だここ!? 体 の中 心からね じ切られ そう な感覚……!
「っ、ブール! 誰でも、いいから、『まもる』しなさ……うぎゅう……!」
「ハッサン……!」
「バ、バオウッ!」
ハッサンが青 いバリ アを張 る。よ…… くぁ…… きっつい……さっ きより はマシだけ ど。
「今のうち、に。出てきて、皆。交互に、『まもる』だ……!」
「ギッガァッ!」
「ナットゥ……!」
「ペァギュア?」
…… ふと、思った けど俺って全員に『まも る』を覚 えさせ てるんだね。
「なんか、やけに息切れすると、思ってたわよ……! どういうことよ、二番!」
ピロンッ
『原因不明……調査中……』
ピロンッ
『シンギュラーポイントとは、特異点の事。故に元は別世界に住んでいたお二人に何かしらの影響を与えていると判断しました』
つ、つまり… …?
ピロンッ
『即刻この場から離れる事を提案します』
そっ かぁ…… どんなとこ ろか 見ておきたか ったのになぁ。
「じゃあ、離れよ、う……」
「そ……ね……」
あ、メイコ さん が ダウン 寸前だ。結構 まずい。
「レナしゃん……おねぎゃ、い」
あれれ? うまく 舌が 回らない なぁ。
あー これ、あれか。
1810文字です。
何て言うか、全然ストーリーが浮かばなかったんですよ。