けどけどけど、ちゃんとここまで書きましたよ!
レナさんの故郷へ向けて南下していく。あれ、そう言えばサザナミタウンの下って……。
「その、レナさんの故郷ってどんな所なの?」
「えっとですね。ビルやマンションが建ち並んでいて―――」
あー、ブラックシティか。
「大きな木が絡み付いてます」
「へーそっか……ちょっと訳が分からないかな」
「ですよね」
え、待ってブラックシティじゃないの? 『巨大なビルが建ち並んでいる』っていうのはブラックシティの特徴だけど……『大きな木』っていうのはホワイトフォレストの特徴だし……。
「どーゆー名前よ、あんたの故郷」
メイコさんが尋ねる。あぁ、たまにメイコさんのそういう無遠慮なところが格好よく見える。
「グレールインズです」
「ふーん。ブール、お仕置きね」
「え? ふぎゃっ!」
頭をつつかれた……痛いな……。
~○~○~○~○~○~
歩くことかなり。いやまあ、歩いた距離自体はそんなでも無かったんだけど、なんかトレーナーたちとのポケモンバトルに時間がかかったんだよね。
イッシュに居ないポケモンも繰り出してきたけど、これぐらいはまあ何とか出来ないとね。
「ここ、この先です」
いつもは一歩下がっているレナさんも、少し興奮したように前を歩く。まあ、そりゃ、故郷に帰るんだし当然か。
「うーわ、ボロい看板ね」
「あはは……森に囲まれてる秘境みたいな町ですからね」
ボロボロの木の看板。なになに……『この先グレ――インズ。途――ってくるヤ―――ノや―――ン―に注意!!』
ボロボロすぎて所々読めない。途……なんだろう。あんとか『ヤなんたらノ』とか『なんとかン』に注意しろって書いてあるけど……。
「レナさん。これってどういう事?」
「それはですね、ちょっと育ちすぎちゃった野生のポケモンに気をつけてくださいって事です。基本的に皆優しいんですけど中には気性が荒いポケモンも居ますから」
「ふーん」
ま、大抵のポケモンなら大丈夫でしょ。
~○~○~○~○~○~
「うおわっ! ペティ『いわなだれ』!」
「ペァギュアッ!」
ペティが鳴くと、宙に大量の岩が現れる。
「グォォオォッ!」
重力に従って落ち、ボーマンダが一匹埋もれた。
―――けど残り三匹もいる!
「あーもうなんでボーマンダが群れで襲ってくるの!? ペティ戻れ! レイカ!」
「ナットゥ!」
しまった、『かえんほうしゃ』は来ないよね!?
「ゴォウッ!」
「よっし『りゅうのいぶき』! レイカ、『やどりぎのたね』!」
「ナッナッナッ……!」
よーし、二匹は縛れた。残り一匹。
「グォォオォッ!」
残った一匹はオーラを纏って突撃してくる。『ドラゴンダイブ』かな。
「なら『ステルスロック』だ!」
「ナ……ットゥ!」
レイカにボーマンダがぶつかる。が、レイカは気にせず触手を地面に叩き付け、とがった岩を作り出す。
とがった岩が、硬いヘルメットにぶつかったボーマンダに刺さった。痛そう。
「ブールさん! 大丈夫ですか!?」
「なんとか……レナさんこそ大丈夫?」
「はい! 戻って、ツービー」
それじゃあボーマンダたちが復活しないうちに逃げようか。
「メイコさん、これにこりたらあんまり暴れないでよ?」
「え、なんで?」
「メイコさんが寝てるボーマンダにちょっかい出すから襲われたんだよね? 分かってるよね?」
「ペラップ~♪」
とぼけないでよ!? 危うく食べられる所だったんだから!
「あ、ブールさんこっちです!」
「え?――――うわぁ……凄い幻想的……」
窓が割れている黒い四角いビルに、真っ白な幹の木が巻き付いている。鳥ポケモンたちの巣もある。
ここの住人と思われるおばちゃんが二人、コリンクとウソハチを連れて歩いている。
ピロンッ
『グレールインズ―――つまり、灰色の廃墟。略すと灰墟』
1490文字です。
ホワイトフォレストとブラックシティのどちらにしようか迷った結果、二つを融合させた新しい町が作られてしまいました。
……大丈夫かなぁ、グレーキュレム出した辺りからちょっとなんていうか、オリジナル要素が増えてきてるんだよなぁ。怒られそう。