「……もう行くのね?」
「はい。この一週間お世話になりました」
深々と頭を下げる。シロナさんには本当にお世話になったよ。毎日のようにポケモンバトルに付き合ってもらって、何処がおかしいとかこういう時にはこんな指示が良いとか、色々な事を教えてもらった。
……結局、シロナさんのポケモン一匹を倒すのに精一杯だったけど。
「袖すり合うも多少の
「ほーんと、あれは疲れたわ。よくもまぁあそこまで汚せたものね」
「メ、メイコさん……言い過ぎですよ」
「いーのよレナ。こう言うのはグサグサ心に突き刺さる程度がちょうど良いのよ」
そ、そうなの?―――というかメイコさん鳥なのに掃除出来たの?
「あ、あはは……ま、まあこれからはちゃんとするわ」
「どーだか」
「そ、それじゃあ、さよなら! 今度会った時は勝ちますからね!」
「ふふ、待ってるわ」
さあ、もう振り返らない。向かうはセイガイハシティ!
~○~○~○~○~○~
と、意気込んだのは良いんだけど。
「えーと……ブールさん。どうするんですか?」
「うん……うーん」
目の前には海。マリンチューブは……建設途中だって。
つまり、セイガイハシティに行くには海を渡るか山を越えるかしなくちゃいけない。いけないんだけど……。
「あたしは嫌よ。飛ぶなら自力で飛んでちょーだい」
「それか……海を渡る方法を考えますか?」
とはいっても海を渡れるポケモンは居ない。ハッサンには少しばかり荷が重いし、ギィカは無理。ペティは泳げないだろうし、レイカは……溺れるよね。はがねタイプだし。
「となると飛ぶ? 僕は普通に『そらをとぶ』して、レナさんはサナの『サイコキネシス』で浮かんで」
「ところで、セイガイハにジムがある前提でこれまで話してきたけど、本当にあるの?」
―――メイコさんそれ今までの話あらかた
ピロンッ
『セイガイハシティにポケモンジムは存在します』
あ、二番さん久し振り。ここぞと言ったタイミングで出てくるね。
「えーと、ジムはあるらしいね」
ピロンッ
『ただし、田舎すぎて今のところチャレンジャーが居ません』
「……」
「ほ、ほらブールさん! ブールさんが最初のチャレンジャーになれるかもしれないって事ですよ!」
レナさん……その前向きさに救われるよ。
「うん……じゃあ、まずは船を誰かに借りよっか」
「それが妥当ね」
とはいっても、そんな都合よく船なんて無いし……。
「それなら。その……私の両親に頼みますか?」
「え?」
「私の家が隣町にあるんです。私のお母さんは顔が広いから、もしかしたら……」
ふーん。レナさんの両親かぁ……どんな人たちなんだろ。
「うん、他に案は無いしそうしよっか!」
1125文字です。
メイコさんはブールの手持ちポケモンという訳では無いのでスキップ。ついでにブールとシロナさんのバトルもスキップ。どうせどうあがいてもシロナさんの圧勝だし。
ちなみに、ブールの手持ちポケモンたちの技が少し変わりました。が、お披露目は次のポケモンバトルの時までお預けで!