「んむ……」
俺の仲間たち……ハッサン、ペティ、ギィカ、レイカはメイコさんとシロナさんに任せてある。
あのバトルの最後、シロナさんに言われた言葉が頭から離れない。
『一度貴方のポケモンたちとお話した方が良いと思う』――か。
「はむ」
考えてみれば、短い間に色々な事が詰め込まれたなぁ。
この世界に産まれて、その後三日で別の地方に飛ばされて。アララギ博士にトレーナーにさせられて。
ハッサンと出会って、ギィカと出会って、ペティと出会って、レイカと出会って。
短い間だけど、あのNさんと旅したし、レナさんと一緒に旅をしている。お父さんと再開も出来た。
レ、レナさんに、告白された、し。
―――良いことだけじゃ無かったけど。
Nさんと別れた。メイコさんが捕まった時もある。グレーキュレムとのバトルはまだ生々しい記憶だ。
「…………」ゴク
あ、ハッサンは進化したんだから動きが変わってるか。
ギィカは今のままで強いよね。
レイカは技構成を変えてみようかな。そうだな、いわゆる『受け』にしてみる?
……技、か。ペティは『おいうち』を『いわおとし』にしてみる? 多分そっちのが使いやすいし。
つまり、そういうことなのかな? 分からないけど、分からないなりに答えは出た。
「ごちそうさまでしたー。よっし、それじゃあ行くかな」
まずはハッサンの所へ。
~○~○~○~○~○~
「ハッサンー、うわっと」
部屋の扉を開けると、メイコさんが飛んでいった。
んー、なんだ? なんか違和感を感じたけど……いっか。
「ハッサン、元気になった?」
「バフッ」
うん、立派にお爺ちゃんになってるね。威風堂々、みたいな。
「バウッ?」
「んー……その、ハッサンはさ」
あれ、何を言おう? 喋るのってこんなに難しかったっけ。
「その……進化したから、前と同じには動けないよね。どうしたい?」
「バウ? バフッバウバウ」
「え?」
「バウウ」
……あれ、なんとなく言葉が分かる。
「つまり、僕に任せる……って?」
「バウッ!」
そっか。でもそう言われるとなぁ。
「せめて動きたいか動きたくないかくらい教えてよ」
「バウ……バフッバウ」
「速く動くのは難しい?」
「バウ……」
そっか。となると……
「無理じゃない範囲でどこまで動けるか確認しなきゃね。技を変えるかどうかはその後でも大丈夫だよね?」
「バフッ!」
頭を撫でてあげる。あ~毛がフサフサだ~気持ちい~。
「バウッバウッ……バウウ?」
何か心配そうにハッサンが聞いてくる。んっと、えー、ハッサンについて僕がどう思ってるのか、かな?
そんなの決まってる。
「ハッサンは一番の相棒だよ。最初から、ずっとね」
「――――バウッ!」
「うわっあははっ」
ハッサンがのしかかって、顔を舐めてくる。重い。
けど、見た目が変わってもハッサンなんだなぁって思えた。
きっとそれだけで充分なんだろう。……きっとね。
……違ったらどうしよう。大丈夫だよね?
「バウッ!」
1175文字です。
なんか、意味もなく話を長くしているだけな気がしてきた。