メイコさんのお話です!
ポケモン「おしゃべり」の旅~UA5000記念~
あたしは植村 明子。○○高校在学、インターネット部所属の一介のJKです。あたしはいわゆるネットサーファーで、昼夜を問わず2chやnknkを徘徊している。そんなあたしは今
「そこ赤になるか普通!?電車行っちゃうじゃん!」
遅刻してます。あーくそ。昨日の夜、テレビで見逃しちゃった今期のアニメをやってたからって徹夜しなきゃ良かった。ああいうアニメって一度見始めると止められないのよね。
「ああー!信号長い!」
押しボタンをカチカチ。
「車も来ないし、渡っちゃうか?」
そんな事はない。車はいる。ただ、微妙な間隔は空いている。いつもなら安全の為に一人では渡らない。
だが、徹夜明けの頭はGOサインを出した。
「遅刻しちゃうし、良いよね!」
赤信号を渡る。渡りきる。
・・・が、反対側にいた人とぶつかって、転んでしまう。反射的に謝る。
「あたっ!っとスミマセン!急いでるんです!」の「スミマ」のタイミングでトラックにどかん。
~○~○~○~○~○~
気付いたら雲の上に立っていた。
現実味がない。まるで、夢の中みたいだ。
「・・・あれ?あたし、死んだ?」
ここ、どう考えても天国だよね?とはいえ普通は地獄に落ちると思うのだけど。
「しょーじき、今の世の中で天国行ける人なんて居ないと思うのよね。」
にしても、全身が痛い。まるで筋肉痛。
「お主、メイコというのか。すまんかったの。」
「は?何言ってんのじいさん」
あれ?こんなじいさん居た?
「所謂、お約束☆というやつじゃ。」
「あー、つまりあんたのせいであたしは死んじゃったの?」
「そういうことじゃ。信号待ちしてるわしにぶつかってきたお主が悪いと思うのじゃが、そこは規則で決まっておっての。お詫びに、」
「好きな世界に転生させて貰える、と。」
「わ、分かるのか・・・。」
当たり前。ネット市民なめんな。
「それで、何の世界に転生したいかの?」
本当はさっきまで見ていたアニメの世界に行きたい。けどなぁ。ホラーなんだよなぁ。けどスレに転生とか訳分からんし。
「じゃあ、ポケモンの世界で。」
困ったときのポケモン様様。
「あたしのゲームに色違いのぺラップがいるから、その子を頂戴。」
「ぐいぐいくるのぉ。うむ、分かったぞ。お主は色違いのぺラップとポケモンの世界に転生する。これでよいかの?」
「うん。」
「それでは、次に目覚めたらそこはポケモンの世界じゃ。おやすみ。」
目の前が真っ暗になった。
~○~○~○~○~○~
コンコン。
ん?ノックの音?とりあえず返事。
「ハーイ」
ファッ!?声が!どこの外国人だって感じに!
ピシピシッ
ん、聞いた事のある音だ。いつだったか、ニワトリの子供が産まれる瞬間を見たことがあるけど、その時の音にそっくり。・・・嫌な予感が。
ピシッという音と共に、光がさす。
「アラ、ナニコノコ」
「
目の前にいるのは二匹のペラップ。
・・・あれれ~、おかしいぞ~?
自分の体を見てみる。…めっちゃペラップですやん。赤いけど、赤いけど!
「アんのクそジジい~!」
これが、あたしの新生活の第一声となった。
~○~○~○~○~○~
三ヶ月がたった。あのジジイ、
「
「なに、お父さん。」
「
「あー、お客さま?」
この三ヶ月で声も元に戻したし、ポケモンバトルにも慣れた。ただ、お父さん以外のペラップはあたしに近付きさえしないけど。
それより、お客さま?またトレーナーかしらね?いつだったか、この森に色違いのペラップが居るって噂が広まったからなぁ。流石にもう下火になったし、ノンビリ暮らせると思ったのに。
「分かった、今行く。」
「トゥートゥー。」
頷いて家に戻る。
「お客さまはどちら様~♪っと。」
そこにいたのは見たことのないポケモンだった。
「ええと、どなた?」
「オイラはフーパ!珍しいポケモンをコレクションしてるの…さ!」
「うわっ!」
投げつけてきたリングをかわす。
「は、な、ナニすんのさ!」
「フフフ、オイラに『おしゃべり』は効かない。大人しく捕まれ!」
フーパが態度を豹変させて襲いかかる。
「そんな事言われて捕まるアホはいない!」
いいつつ、『ばくおんぱ』を放つ。が、全く効いていない。
「オイラに技は効かない!さっき言ったよ?」
「言ってねーよ!!!」
く、技が効かないんじゃ戦って捕まるか、逃げた挙げ句捕まるかの二択じゃない!
おおお落ち着け、もちつけあたし!こういう時こそ、ネットパワーをメテオに!いいですとも!
「残念だったわね。あたしには、ジジイから教わった必殺技がある!」
「なに!?」
「逃~げるんだよ~~!スモ~~キ~~!」
あたしは『そらをとぶ』で逃げ出した。
トゥートゥーという声を置き去りにして。
~○~○~○~○~○~
あいつワープしてくるせいで寝れない!気が抜けない!
「ばぁ~。」
「喰らうかっ!」
背後からの手をかわす。
「下からだぞ~!」
「上から来るぞ!気を付けろ!」
声で惑わしてくるからたちが悪い。
「キャハハハハ☆」
あ~もう!楽しんでやがる!
「ここ~!」
「イザナミだ!」
無理矢理深夜テンションで頑張っているけどそろそろ限界。
「ホレ!」
「うひゃあ!」
あ、危なかった。高速宙返りをしてなかったらやられてた。
「ホラホラホラー!」
「ぐ、ぐぐぐ!」
もうダメ!限界!せめて、下の森に突っ込んでいけばあるいは!
「ありゃりゃー?落ちちゃった。・・・メンドウなことを!!!」
悔しがる顔、いただきました~。
~○~○~○~○~○~
はっ!気を失ってたわ。一瞬か、一週間か。周りを見渡す。辺りに食べ物が散らばり、あれは・・・ドーブルの家族?
「ここは?」
「七番道路のドーブル族の縄張りのなかだ。」
ふと上を見ると見ぃつけたとでも言いそうなニヤケ顔をしたフーパが空にいた。リングを大きくして、ゆっくり下ろしてくる。
ヤバイ。あたしは逃げようとしたけど体から力が抜けたように動けない。ドーブルの家族は気付いて無いみたい。・・・なら、仕方ない。
「ここから逃げて!」
『おしゃべり』を発動する。
「ここから逃げて!」
せめて、捕まるのは自分だけにしようと。
「ここから逃げて!」
なのに、こっちに近づいてくるドーブルがいる。
「ここから逃げて!」
「お前のせいでこっちのテンションがおかしくなるんだよ!!黙れ!!」
殴られた。
「ぐはっ…なんでこっちくんのよ!速くあっちいきなさい!でないと…!」
「 も う 遅 い よ ☆ 」
リングが二匹を包む。
どこに行くのだろうか。この先どうなるのか。あたしには分からない。・・・とりあえず、このガキ、後でつつこう。
世界が歪んだ。
~○~○~○~○~○~
こうしてあたしの旅は始まったのだ。
「私、メイコさん。今あなたの上空5メートル地点にいるの。」
なーんでいまさらこんなことを思い出すのか。
「オンドゥルルラギッタンディスカー!」
まあいい。まだまだ時間はあるのだ。
「
「ぐはぁっ!」
「よっおはよう。」
「も、もっと優しく起こして…ガクッ」
「寝るな!」バシッ
一時は諦めたりしたけど、あたしは元気です。
どうでしたか?
これからもポケモン「絵描き」の旅をよろしくお願いいたします!