機動戦士ガンダム00 ~切り拓く明日~   作:ジャスサンド

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初めましてジャスサンドと言います

初めてガンダム作品を書くので文章や展開に妙な点を感じる部分があれば、遠慮なく言ってください。

できれば感想も下されば嬉しいです


MISSION1 変動する世界

幸せは人によって様々だ。

美味しいものを食べれて幸せ、好きなことができて幸せ、愛する人が側にいてくれる幸せ…世界に生きる人の数だけ幸せは存在し価値観も異なる。

 

だが人というのはなかなか傲慢な生き物である。

一度幸せを手にした者はいずれ自分が得た以上の幸せを求むようになり、幸せに恵まれない者は遠くにある幸せを望む。

今よりもっと、他の人間よりもっと幸せになりたい。

そんな飽くなき欲望が人と人を闘争させ、その成れの果てに戦争が生まれる。

愚かでありながら人間の根底に古くから根付いた闘争本能が戦争の…戦いの根源とも言えよう。

 

 

一度始まった戦いを終わらせるには敵対する者たちを全て滅ぼす

 

 

それはあらゆる時代においても変わることはなかった。

 

 

 

 

 

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西暦2037年某日。

AEUの新型モビルスーツイナクトのデモンストレーションの意味合いを兼ねた合同軍事演習が催された基地を未知の青いモビルスーツが襲撃。

AEUの腕利きパイロットパトリック・コーラサワーが搭乗する新型イナクトを赤子扱い同然に一捻りし、無駄のない卓越した動作で四肢を奪い無力化。

その一部始終に立ち会った全ての人間に圧倒的存在感を見せつけ退いて行った。

 

 

『ファーストフェイズ終了、これよりセカンドフェイズかに入る』

 

 

南アフリカAEU軌道エレベーター周辺。

その青いモビルスーツ『ガンダムエクシア』のパイロット、刹那・F・セイエイからの報告を、隆起した岩山に身を隠すように待機している2体のモビルスーツパイロットの耳に届く。

深緑と濃紺のカラーと個性のある機体…巨体に釣り合うスナイパーライフルを備えた『ガンダムデュナメス』と同じ長さを誇る長槍を背に構えた『ガンダムシェーレ』。

 

 

「できればこのまま出番がないほうがいいんだが…」

 

『おいおいそれは無理な話だぜジルウェ。俺たちの戦術予報使の予知能力ぶりは知ってんだろ?』

 

 

シェーレのコックピットで呟いたジルウェ・パラオに通信越しにデュナメスのパイロット、ロックオン・ストラトスが飄々とした口調で返す。

 

『あの人の予報は俺の射撃より当てになるからな。外れたとこなんか見たことねえよ』

 

「ほんとあのレベルまでいったらもう超能力じゃないかって本気で疑うよ」

 

『ロックオンジルウェ、エクシア、カコマレタ、カコマレタ』

 

 

そんなたわいもない会話を遮る形でロックオンの相棒的メカ『ハロ』が言葉を発する。

意識を切り替え2人がモニターを見ると、軌道エレベーターから出撃したヘリオンの群れが群を成してエクシアを包囲している光景を目にした。

目視できる限りでも十数機以上のヘリオンに対しエクシアは単機であるにも関わらず、損傷はなく着々と敵戦力を削っている。

 

 

『お、どうやら出番のようだぜジルウェ。けど俺ら必要ないんじゃねえか?』

 

「そう言うなって速く終わらせるにこしたことはないし刹那でもあの数は億劫だろうから」

 

『了解っ、そんじゃ行きますか。行くぜハロ、ロックオン・ストラトスの初陣だ』

 

「ジルウェ・パラオ、ガンダムシェーレ障害を取り除く」

 

 

 

 

 

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「ええい!何をちんたらしている!たった1機の敵にこんな醜態を晒すとは!」

 

 

ヘリオンのパイロットは僚機に向けて野次に近い暴言を唾を撒き散らして言い放つ。

新型を破壊されたばかりでなく、条約に規定されている以上の戦力を軌道エレベーターに隠していることが露呈された。

その上たかが1機のモビルスーツ相手に複数で挑みかかっておきながら未だに落とせずにいる。

これで苛立ちを覚えるなという方が無理な相談だ。

 

 

「火線を奴に集中させろ!数で押し切れ!」

 

 

そう指示を下した瞬間、僚機のいくつかが下方からのビーム射撃に推進部や翼を破壊され黒煙を帯びて墜落していく。

目の前の青いモビルスーツによるものではない。

-何だ

疑問が頭に浮かんだパイロットにまた後方より別のビームが撃ちかけられる。

シートベルトで固定されていても震動は伝わる。

揺れるコクピットの中で、せめてとパイロットが敵機の顔を見てやろうとモニターを見るもそこにはただ雲と青空があるだけで機体などない。

レーダーに反応しないのは青いモビルスーツも同じであるからさしたる驚きもないが、メインカメラが生きていることから射撃を受けたのは頭部ではないはずなのに敵の機影を映し出せない。

しかもビームが放たれたのは後方。故に下方からの攻撃ではないのは馬鹿でもわかる。

 

 

まるでゴーストにでも射たれたかのような不気味な恐怖がパイロットの心を飲み込む

 

 

 

「な、うわああああああ!?」

 

「おい!くそっ、今度はどこからぐおおっ!」

 

 

立て続けに撃墜されていくヘリオン部隊。

最後に残った1機もエクシアの実体剣GNソードによる損傷を受け戦闘不能に陥る。

これで軌道エレベーター周辺のAEUの戦力を無力化することができた。

 

 

『よし今ので仕舞いだな』

 

『セカンドフェイズ終了』

 

『刹那お前な、もう少し喜ぶなりしてくんねえかな。何てかこう、達成感ってものが感じられねえよ。お前といいティエリアといいどうしてこうも』

 

「刹那とかティエリアに求めるのは酷だと思うぞ。感情の起伏とかそういうの……」

 

 

無機質な刹那に愚痴に近い呆れ言を言うロックオンに穏やかな声色でジルウェは一言そう言うと、片手に一丁のビームライフルを握るシェーレのメインカメラを頭上に仰ぐように上げる。

 

 

「心配はいらないだろうけどそっちも上手くやってくれよ。アレルヤ、ティエリア」

 

 

 

 

 

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人類革新連盟通称人格連。

ユニオン・AEUに並ぶ軍事大国でありそれらの3国が所有する軌道エレベーターの1つ『天柱』。

そこを標的としてテロリストがモビルスーツを用いてテロを仕掛けようとしたが、橙の変形型モビルスーツと紫の砲戦仕様モビルスーツ、『ガンダムキュリオス』と『ガンダムヴァーチェ』の手によって失敗に終わった。

この事件はニュースでも取り上げられ世間の知るところとなった。

謎だらけのモビルスーツに世間が戸惑いを隠せないところに、イオリア・シュヘンベルグなる人物からある声明がマスメディアに届けられた。

以下はその全文である。

 

 

私たちはソレスタルビーイング。機動兵器ガンダムを所有する私設武装組織です。私たち、ソレスタルビーイングの活動目的はこの世界から戦争行為を根絶することにあります。

 

私たちは自らの利益のために行動はしません、戦争根絶という大いなる目的のために私たちは立ち上がったのです。

ただいまをもって全ての人類に向けて宣言します。

領土・宗教・エネルギー、どのような理由があろうとも私たちは全ての戦争行為に対して武力による介入を開始します。

戦争を幇助する国・組織・企業なども我々の武力介入の対象となります…私たちはソレスタルビーイング。

この世界から戦争を根絶させるために創設された武装組織です。

 

 

 

世界が……動きだした

 

 

 


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