【 急募】オリ主(ホモ)から逃げるたった一つの方法   作:( ∴)〈名前を入れてください

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フハハハハハハ!酢豚よりも先に生徒会長の登場だァ!


第7話

周りは夕闇の中に包まれた午後、傾きかけた太陽が部活をしている少女達をまるで応援するように照らし出す。様々な部活をしている者達が運動場で汗を流している中少し異端な者達がそこにはいた。

 

「余りにも貧弱!技量に力が追い付いていないッ!それで良いのか。お前には守るべき者がいるのだろう!」

 

「うー…助けてー」

 

「頑張りなさい本音…本当に頑張ってね」

 

「生徒会長の私は高みの見物をさせて貰おうかしらね」

 

運動場のトラックを体操服で走る布仏とどう見てもおかしな格好で走る拳、そしてそれを遠目に見ている少女が2人。彼等の周りには部活をしている者がどう見てもいるとは言えない。何方かと言えば遠巻きに彼等を見ていると言えば良いのだろう。何故ならばヒーヒー言いながら走っている本音の後ろを拳が身体中にこれでもかと言わんばかりに武器を背負って走っているのだ。そんな姿を見れば誰だってドン引きしても可笑しくないだろう。

 

「ふむ、しかし常時手甲の携帯だけは許してくれるとはな…生徒会長殿には感謝をせねばならないな」

 

そんな事を言いながら背負った武器を鳴らして走るフルアーマー拳。背中に背負った六合もある大きな槍に両手につけた鉄の手甲が夕日を浴びてキラリと光る。

腰にはあらん限りのサバイバルナイフを更には自衛隊よろしく防弾チョッキのような物をつけており、この姿を見たら大概の者はそのアンバランスに失笑するか、その身なりでそこまで武装し行動する事が出来る彼の異常なまでの身体能力に絶句するかのどちらかだろう。

 

だがそれを指摘する者はこの場に誰も居ない…と言うより誰も出来ないと言えば良いのだろうか?

 

「どうした布仏疲れを吹き飛ばせ!限界を超えてこそ今ある己の力を超えた物を引き出せるのだ!」

 

「いやー!けんちーが武器を持って追いかけてくるー!」

 

何故ならば拳の笑顔が悪鬼のように歪んでおりその顔で布仏を追いかけているのだからもはや事案どころの話ではない。いくら拳の見た目が幼いとは言ってもこれは通報不可避の状態だ…だがここはIS学園、警察なんぞはここには居ない…いるのは近くで他人の振りを決め込もうとしている生徒会長と己の姉くらいであり他の生徒は彼等の姿を見なかった事にしている。正直妥当な判断である

 

「ねぇ…あの子達こっちに来てない?」

 

「そう…みたいですね」

 

少女2人が高みの見物をしているとそこに布仏と拳が向かって来ているのが見える。そうして彼等の会話を聞いた瞬間その場を2人は全力でその場を離れ始める

 

「だったらかいちょーもおねーちゃんも一緒に巻き込んでよ!」

 

「確かにお前だけを鍛えても効率が悪いか…良し!3人纏めて俺が面倒見てやる!」

 

その言葉と同時に2人は違う方向へと駆け出す。リアル鬼ごっこの開幕、捕まった者は拳流キチガイブートキャンプ入りが約束されている……本音のあの状況を見れば逃げるのは何処も可笑しくは無いだろう

 

「……逃げるわよ虚!」

 

「分かっています!」

 

「逃げたー!捕まえちゃえけんちー!」

 

「フハハハハハハ!この俺から逃げれると思っているのかァ!」

 

逃げた2人を高速で追い掛けていく拳にヤケクソになってそれを応援する本音、運動場には彼等の声が響き渡るがそれも部活をしている少女達の声にかき消されていく……何故このような事になったのか、それは本音と拳がかいちょーと呼ばれる者に会いに行った事から始まった

 

「中々鍛えられているようだが…お前達鍛え方が足りんぞ。もっと武を地肉に馴染みこませろ、力に対する執着という物がまるで感じられん」

 

「いきなり現れたかと思えばこんな罵詈雑言…これには生徒会長も苦笑いをするしか無いわね」

 

「けんちーだから言葉に布を被せる事が出来ないんだよー…」

 

「これはまた…会長とは別ジャンルの濃いキャラが現れましたね」

 

俺が布仏に連れられて入った部屋で見たのは自分が学園最強と言う少女にそのお付の者であった。彼女達を見て思ったのはただ一つ

 

「(この者達は光る原石そのもの…一夏と同じく才能に満ち溢れた者だ!)」

 

俺も修練の身に置いているがこの者達は恐らくそこまで武と言うものを重要視していない…勿体無い。鍛えたい……強くしたい

そんな事を思い投げ掛けた俺の言葉は彼女達に通じなかったのか皆して苦笑いをしてこちらを見てくる。

 

「まぁこの話は後でじっくりとするとしよう…先ずは本題からだ。生徒会長殿単刀直入に言わしてもらう…俺に武器の携帯を許してくれ!」

 

「却下、超人に持たせる武器は無いわね」

 

俺の懇願は一発で限り伏せられる…何故だ。これは何かの間違いだと思いもう1度頼み込む

 

「そこを何とか!」

 

「貴方に武器を持たせるくらいなら一夏君に武器を携帯させた方がナンボかマシよ!と言うか貴方から一夏君に武器の携帯をするよう促してくれないかしら?」

 

「一夏は今の話には関係ないだろう!?」

 

「喧しいこの全身凶器!自分の経歴を見直して来ることね!…まぁ武器を携帯したければ専用機の一つや2つ手に入れてから」

 

むっ…その理論は可笑しいぞ

 

「ならば何故専用機を持っていない布仏が仕込みナイフと拳銃を常日頃携帯しているのだ?可笑しいだろう?」

 

「……何で知ってるの?もしかして本音が教えちゃったり?」

 

「知らない間にけんちーにバレてた…」

 

「まっ…まぁ生徒会長たる私が認めてるから本音は良いのよ本音はね」

 

俺の言葉に生徒会長殿は驚いたような顔をして俺と布仏を見詰めるとコホンッと一つ息をついて何事も無かった様に話始める…生徒会長殿が俺を認めてくれれば携帯を許してくれるのだな……閃いた

 

「つまり…俺を認めてくれたら良いのだな?ならば俺のこの姿を見て考え直すんだな!」

 

俺のこの溢れんばかりの誠意を見るが良いっ!

 

「…格好良い事を言いながらも土下座外交して勝利を勝ち取ろうとする姿勢は私は好きよ」

 

「目の前で土下座されるのはちょっと…」

 

「けんちーかっこ悪い……」

 

どうやら生徒会長殿の好感は得たようだな…だが他の2人からは引かれているみたいだがまぁ良いこのまま突き進むッ!

 

「まぁ何をしても駄目なものは駄目なんだけどね」

 

「なん…だと……」

 

「寧ろ何で許されると思ったのよ貴方…本音はちゃんとした目的があって携帯してるから良いのよ」

 

「目的…それは一体……」

 

む…それは覚えているぞ。確か前世の記憶では布仏は生徒会長殿の妹の護衛だったか?だから武器を携帯する事を許可しているのか?

 

「そういう事よ。分かったなら諦め」

 

「生徒会長殿よ、布仏が本当に護衛対象たる妹殿を守る事が出来る程の技量があると言うのか?」

 

俺の言葉に3人ともが驚いたように俺を見つめてくる…何か可笑しい事を言ったか?

 

「……本音?」

 

「言ってないよ!私はその事をけんちーや他の人にも話した覚えはないからね!?」

 

「……驚いたわね。一体何処でそれを知ったのか出来れば教えて欲しいのだかけど?」

 

生徒会長の言葉に拳は立ち上がり不敵に笑う。正確にはまたドヤ顔をかましているだけなのだが……その溢れんばかりの自信に満ち溢れた笑みに3人共が少し引いたような反応を取る

 

「フフフフフ…知りたいか?」

 

「…出来れば教えて欲しいわね」

 

そのまま拳は生徒会長の目の前までゆっくりと歩いていく。そうして目の前にまで近づいた拳は何も言わずに生徒会長を見つめる勿論ドヤ顔で

 

暫くの間部屋の中を沈黙が支配する。本来ならば知る筈の無い事を知っている拳を警戒する生徒会長に不安そうに見つめる2人。今空気の流れを支配しているのは拳でありその拳が沈黙している事により3人は沈黙をせざるを得ない

どれだけの時間がたっただろうか。彼女達にとっては1時間に感じたかもしれないし一分くらいにも感じたかも知れない

そんな中漸く拳が言葉を発する

 

「それは……」

 

「「…それは?」」

 

「それは…俺だからだ!」

 

その言葉を聞いた瞬間部屋の中を脱力した雰囲気が包み込む。あれだけ雰囲気を出していたのに結果はこれ、最早詐欺の部類である。

やはり拳にシリアス展開なんてものは不可能だったのだ(諦め)

 

「で…どうやって知ったのかしら?」

 

「うん?産まれる前から知っていたぞ?」

 

「はいはい、ワロスワロス」

 

追求する生徒会長に拳のサラリと言った爆弾発言は流される。拳は一切嘘を言っていないのだが悲しい事にいってる事がムー大陸もビックリの眉唾もの事でありマトモに取り合ってくれる訳が無いのである。誰が一体産まれる前から知っている等と預言者もビックリな事を信じれると言うのだろうか、まぁ拳の事を知っている一夏達がこの場にいるのならば結果は変わっていたのかもしれない

 

「俺が思うに布仏には才能がある。だが訓練を怠っているせいでその才能は鈍化している…そんな事では到底護衛対象を守れるとは思えん」

 

「いや…そこら辺は大丈夫よ。本音も1流とは言えないけどそこら辺の悪漢如きに負けるようには鍛えられてないもの」

 

「言っておくが俺が会ってきた者達の中には悪漢と呼ばれる者は山程いたがそのどれもが技術を極めた猛者ばかりだ。そんな者達に布仏が勝てるとでも思っているのか?」

 

「貴方基準の悪漢で考えないでくれない!?」

 

「解せぬ」

 

当然の正論である。拳の中の悪漢のイメージは世紀末にいる猛者のような筋骨隆々で武術の達人みたいな者達の事であり餓〇伝やスト〇ァイや北斗〇拳に出て来る猛者ばかりでありそんなのがいるのはアングラな闘技場くらいであり表にはいるわけが無い。いたら正直ドン引きである。

 

「まぁそれは良いのだ。俺が言いたいのはもしもそんな猛者が来た時に布仏では対処が出来ないというだけの話だ」

 

「だったら…武器の携帯を許す代わりにその役目を請け負ってくれるとでも言うのかしら?」

 

「いや?その様な事はせん。俺がその時に備えて纏めて鍛えてやるから武器の携帯を許してはくれんか?」

 

「交換条件って訳ね……」

 

当然拳の経歴を調べあげてる故に生徒会長は心底悩む。生身でのISの制圧にアングラな闘技場での化物並の戦績、そしてそれらを成せた彼の実力。正直世界中が喉から手が出る程の逸材…そんな男が武器の携帯を許しただけで自分の部下を鍛えてくれると言う案件、正直得しかない

拳との繋がりを手に入れ部下の強化にもなる…あれ?これ100年に1度の好条件?

 

「えー…もう修行したくないー」

 

「しょーがないわねー!ほんっとーに仕方無いんだけどその条件を受けてあげようかしら!」

 

「よし来た!それでこそ人を束ねる者と言うだけの事があるな!」

 

本音の言葉をかき消しながらその条件を了承する…本音には犠牲に鳴ってもらいましょう。それに鍛え直してもらえればその怠け癖も少しは抜ける事でしょうし

 

「だったら契約成立だな。知ってるだろうが俺の名前は一堂拳だ」

 

「私の名前は更識楯無。これからも宜しくね一堂君?」

 

…と言うことがあり拳は見事武器の携帯を許され、本音を鍛え上げる為後ろから武器を大量に持ち追い掛けていたのだ。

だが常時携帯を許されたのは手甲くらいだった所に生徒会長の手腕があると言っただろう。正直この男に好きなだけ携帯させたら録な事にならない間違いなく何処ぞの大佐状態になる。

 

「フハハハハハハ!契約は契約だ!お前達を纏めて鍛え上げてやる!」

 

「ちょっとぉ!話が違うわよ!?」

 

「何処も可笑しくは無い!纏めて鍛え上げてやると言っただろうが!」

 

「…諦めましょう。間違い無く拳君は人の話を全く聞かないタイプです」

 

逃げた2人をズルズルと引きずって行く拳、この男やると言ったら絶対にやる男彼女達はあの契約をした時点で諦めて拳流ブートキャンプに入るしか道は無かったのであった

 

「かいちょーもおねーちゃんも一緒に頑張ろ?」

 

そう語る本音の目は座っており彼女達を逃がさぬとその目は語っていた。

 

「い、いやー私は生徒会長だし仕事あるし?したくても出来ないかなーって?」

 

「かいちょーは何時も仕事サボッてるよね?」

 

「だったら私は仕事に戻らせて……」

 

「おねーちゃんは確か今日はやることが無いからさっきまでここにいたんだよね?」

 

「「うっ……」」

 

本音の言葉に2人して墓穴を掘ったような顔をする。拳はその言葉を聞いて満足したように頷づき彼女達にとって恐怖の宣言を放つ

 

「ではこれより拳流ブートキャンプを開始する!安心しろ、死んでも無理矢理現世に叩き戻してやるからな!」

 

「いえーい!」

 

「「イヤァァァァァッ!」」

 

この先の事は余りにも彼女達が可哀想なので筆をおかしてもらおう。だが一言だけ言うならばこの日彼女達は昔の修行が毛程にも思えない程の濃厚な地獄を味わったと語っている。

 




拳流ブートキャンプ(Lv50)

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