インフィニット・ストラトス ワールド・オブ・イフ   作:ラ・ピュセル

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第3話

「ここから、本題の話に移りましょう。私が使っていた機体が何なのか。何故ここに来たのかということについて」

 

そう、一番の疑問はそこだ。この人が何をしようとしていたのかは、大まかにだが理解できた。だけど、何故そこから自分達のいるIS学園に来たことに繋がるのか?

 

 

 

「あの機体の名は黄金獅子《こがねじし》、セラフプロジェクトで作ったシステムを行使する為の機体です。先程、セラフプロジェクトの内容はお話しましたね」

 

「自分のいる世界に他の世界の事象が適用できるかというものですよね」

 

「はい。実際には、条件を指定し該当する平行世界を絞り込みます。そして平行世界へ向かい情報を集めるという計画です」

 

箒が手を挙げる。

 

「つまり、あの機体は平行世界への移動手段ということでしょうか?」

 

「ほぼ正解と言いましょう。確かに黄金獅子は他世界への移動手段です。そして移動後の防衛手段でもあるのです」

 

ラウラが頷きながら答える。

 

「当然だな。初めて足を踏み入れる場所では、何が起こるか予想出来ない。身を守る手段を持たないで行くなど、あまりに危険すぎる」

 

「その通りです。あの機体には、あらゆる状況下でも活動できるように一通りの生命維持機能と、光によるエネルギー確保が可能なシステムを組み込んでいます」

 

シャルが質問をする。

「もし行った先が、光の全く無い世界だとどうするんですか?」

 

「人類が生存する上で、空気・水・光が無くては生存できません。よって、検索の段階でこの条件を満たしていない世界は除外してあります。そして、30分のチャージで半日は連続稼働が可能な計算です」

 

「かなりエネルギー効率が高いですわね。私達のISを優に越えていますし、箒さんの紅椿の『絢爛舞踏』よりもエネルギー生成の方法の点で、上回っておりますわ」

 

セシリアが冷静に分析をしている。

 

成る程、自分達のISは確かにエネルギー効率も重要だが戦闘を目的として設計されている。しかし黄金獅子はあくまで、情報収集・その間の動力源の確保が重要になっている。元になる目的が変わると、ここまで仕様が違ってくるのか。

 

 

 

「一つ確認しておきたい。その黄金獅子とやらは、私達の扱っているISと同じものか?コアの反応は無かったが」

 

千冬が問いただす。

 

「皆さんの様子からすると、黄金獅子は皆さんの言うISに酷似したもののようですね。実際に比べてみないとわかりませんが、恐らくシステムが違うくらいでしょうね。黄金獅子にもコアが…、忘れてた!あの、猫いませんでしたか!?白い毛並みの!」

 

い、いきなりでびっくりした!

 

「今、別の部屋で山田先生にみてもらってる。連絡して連れてきてもらうとするか」

 

あの猫、それほど大事なのか?


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