インフィニット・ストラトス ワールド・オブ・イフ   作:ラ・ピュセル

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第18話

ヴィクターと箒の模擬戦から一夜が明けた今日、クラスの話題はヴィクターについての話で盛り上がっていた。

 

「昨日の模擬戦、凄かったね!篠ノ之さんが追い詰めたと思ったら、すぐに形成逆転して反撃に入るんだもん」

 

「ねぇねぇ、更識会長とどっちが強いかな?」

 

「流石に会長の方が上じゃない?」

 

「私はヴィクターさんだと思うなぁ」

 

「私もー!」

 

こんな調子で会話が聞こえてくる。

 

「すっかり有名人になったな、ヴィクター」

 

俺がそう言うとヴィクターは、

 

「あんまり目立つのは本意じゃないんだけどなぁ」

 

と、ぼやきながら頬を掻いている。

 

「何を言っている。強いというので恥を掻くことなどないだろう。もっと素直に喜んだらどうだ」

 

不思議そうな顔をしながら、ラウラがそう言ってきた。

 

「私は目立つのが嫌いなんだよ。この状況が仕方ないものだとしても。一度痛い目をみているからね」

 

「?それって、お前のいた世界のことか?」

 

俺がそう聞くと、ヴィクターは慌てたように言葉を返す。

 

「え?ああいや、気にしないでくれ」

 

あまり他人に聞かせたくない話なのだろう。これ以上は突っ込んだ話はやめておこう。

 

「ところで一夏、明日の予定は決まっているのか?」

 

ここで箒が俺に話しかけてきた。そういえば明日は土曜で休日か。必要な用事や、どこかに行きたいというのも無いため、特に予定はないな。

 

「俺は予定ないなぁ。特に用事とかもないしな。ヴィクターはどうだ?」

 

「いや、私の方も特に用事はない。せいぜい本屋に行くか、フランの散歩に付き合おうかと思っていたくらいだ」

 

それを聞いてふと思ったことがある。

 

「なあヴィクター、お前って服あれしかなかったよな」

 

そう、今着ているIS学園の制服ではなく、ヴィクター自前の服のことである。

 

「ああ、あれが2着だけど、それが何か?」

 

「明日、一緒にショッピングモールまで行かないか?お前の私服買いにさ」

 

ヴィクターがここにやってきた日に、必要なものは買っていたが、生活必需品ということで私服に関しては考えていなかった。だから明日買いに行こうと考えたのである。

 

「成る程、確かにあの服で出歩くのは少々目立つな。今後のことも考えて、買っておいた方がいいだろうな」

 

確かにあの時は、だいぶ人の目が集まっていた。その点でも早めに買った方がいいだろう。

 

「よし、決まりだな。そういえば、他の皆は予定が決まってるのか?」

 

そう言っていつものの面子の方を向く。何故か箒が少し悔しそうにしているがどうしたのだろうか。

 

「僕も用事はないんだけど、一夏達について行ってもいいかな?」

 

「おう、むしろ来てくれると助かる。言い出したくせに服に関しては疎い方だからな」

 

するとシャルの発言を皮切りに、一斉に詰め寄ってきた。

 

「じ、じゃあ私もついて行くとしよう。元々、用事がなければどこかに行こうと誘うつもりだったしな!」

 

「私も行きますわ。いいお店を知ってますの」

 

「アタシも!服選び手伝ってあげるわ!」

 

「無論、私も行くぞ。私の嫁の用事に付き合うのは当然だからな」

 

こうして明日は、ヴィクターの私服コーディネートをするために、皆でショッピングモールへ行く事となった。


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