インフィニット・ストラトス ワールド・オブ・イフ   作:ラ・ピュセル

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第10話

食堂での一件の後、俺達は午後の授業を受けていた。ヴィクターは編入手続きやら何やらで、千冬姉、楯無さんと共に別行動をとっている。

ヴィクターは俺と同じ部屋で過ごすことになったため、授業が終わったら寮の説明と部屋の案内をするように言われた。

そういえば、あの寮って猫とか大丈夫だったんだろうか?

 

 

~traveler~

 

 

「さて、お前とはもう少し話がしたい。まだ話していないことがあるのだろう?べらべら喋る馬鹿はいないから聞かせて欲しい」

 

目の前の女性、織斑千冬は開口一番そう言った。今、部屋には千冬、楯無、ヴィクターの3名だけがいた。

 

「気付いてましたか。出来ればあまり、話したくなかった事ですが…。わかりました、話しましょう」

 

 

~roommates~

 

 

今は寮の自室にいた。ヴィクターに部屋の案内をし、近くのショッピングモールに必要なものを買いに行き、帰ってきたところだ。ちなみに寮にペット関係のものがいるのは問題ないらしい。

時計を見ると、時刻は午後6時だった。

 

「よし、そろそろ飯食いに行くか」

 

そう言って立ち上がった時に、ふと気づいた。昼休みのときのように質問攻めになり、ゆっくり食事できないのではないか?

そのことをヴィクターに聞くと、

 

「構わないよ。素性に関わるのは答えられないが、一緒に生活していくなら、出来るだけ自分の事を相手に知ってもらうのが大切だからな」

 

それもそうだ、と相づちをうち、ヴィクターと共に食堂へ向かう。

 

 

 

 

 

 

食堂に来るや否や、女子生徒が俺とヴィクターのもとに殺到する。さすがにヴィクターも困惑するだろうと思った。すると、

 

「ええ、では食事を取りながらお話しましょう。あまり多くは答えられないかもしれませんが、できるだけお答えしましょう」

 

…前言撤回。余裕で対応していた。あの状況でよく冷静でいられるものだ。4つも年が離れていると対応の仕方がこんなにも違うものなのか…。

 

 

今、自分のいるテーブルにはいつもの面子の6人が同席している。ヴィクターはというと、「一夏達がゆっくり食事できないだろう」と言って別のテーブルで質問攻めに答えている。

 

「正直、ヴィクターのことはどう思う?」

 

こう切り出したのはラウラだった。それに対しシャルが答える。

 

「経歴については、包み隠さず話してくれたみたいだけど、まだ気になる部分はあるよね。例えば、いくら戦闘に心得があるって言っても、初見の相手に対してあの強さは異常過ぎるよ。ラウラのAICも、知らなかったはずなのに受けてから一瞬で理解してたし」

 

その言葉に全員が頷いた。

本当に彼は、いったい何者なのだろうか?


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