とある木原の確率操作   作:々々

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これにて幻想御手編の本編終了です。まだ、後日談とか佐天さんとのお話とかがありますが、本編はこれで終わりとなります。

それとルーキー日刊で26位でした!やったね!

それではどうぞ!


とある異界の幻想猛獣

 支部に向かって歩いている途中に白井から連絡をもらった木原は、先日白井のところに行ったように能力を使って初春の所に移動した。道路はボロボロとなり、高架の下では御坂と木山の戦いがちょうど終わっていた。木原は初春を探すことにした。

 

「かーざーりー、どこだーーー!!先輩が迎えに来てやったぞ」

 

 その場の雰囲気に合わない発言をする。すると、高架下の木山に異変が生じたのか、頭を押さえて苦しんでいる。次の瞬間、木山から胎児のような謎の生命体が生じる。

 

「あーあ、起きちゃったか。飾利を探す前にまずはあっちの処理だな、大きくなる前にやっとかないと大変なことになるし」

 

 初春探しから下に降りる階段探しへと変えることにした分数、その彼は疑うべき光景を目にした。

 

「まじかよ…」

 

 御坂が謎の生命体、幻想猛獣(AIMバースト)に電撃を放ったのだ。受けた傷を治すべく幻想御手使用者からのAIM拡散力場を吸収する。しかし生まれたばかりの幻想猛獣には加減が分からず、必要以上のAIM拡散力場を吸収してしまう。またAIM拡散力場と共に感情も吸い上げたたため制御が効かず暴走し始めた。

 

「あのバカ中学生、なに知らない奴に攻撃しかけてんだよ。まずっ、止めないと!!!」

 

 目の前の動けない警備員に向かって幻想猛獣が攻撃を振るう。その間に体を入れ、手でそっと撫でる。それだけで幻想猛獣の触手が上に反れ、被害は出なかった。

 

「分数じゃん。こんなところにどうしたじゃん?」

 

 分数が助けたのはボロボロになった黄泉川愛穂だった。分数の通うとある高校で教師をしており、風紀委員と警備員という事で交流があった。

 

「風紀委員本部からのお達しでこの騒動を収めに来たんですが、なんかまた新たな敵が出てきちゃいましたね」

 

「そいつの事なんだが、どうしてお前はその触手を反らしたじゃん?お前の能力じゃできないじゃん」

 

「俺が色んな研究をしてるのは知ってますよね。その研究の中で同じようなことをやってたんで。っと、ここまで来れば一安心ですかね」

 

 黄泉川に肩を貸し遠くまで移動しながら、嘘を告げる。

 

「って事で俺は一旦下に下りますが、すぐ戻ってくるので安心してください」

 

「待つじゃん!分数!」

 

「待たないじゃん!!愛穂せんせー」

 

 静止している幻想猛獣に飛びかかる、それに反応していくつもの触手が飛んでくるが全てを先ほどと同じように反らす。

 

―――キチンと俺の力が効いてるな。ミサカネットワークに真似て作られてるから、少し性質が混ざったものかと思ったが純度100%『虚数学区・五行機関』の物だ。やっぱり脳波だけでこれを創りだすのは困難だな、感情が乗っちまってこちらの思惑通りに動いてくれない。まぁ、そうやってこちらの手から離れた時ように俺がいるんだがな。

 

 触手を上手く活用し下まで降りると、先ほどの二人の他に初春もいた。どうやら三人共何をすべきか考えて行動しようとしていたところに分数が到着した形になる。

 

「よーっす三人共。げんき?」

 

「ふふ。相変わらず君は空気が読めてるんだか、読めてないんだかその場に合わない事をするな」

 

「分数!!」 「分数さん!!」

 

「まぁまぁこんな時だから挨拶は良いからさ、お前らやる事が有るんだろ?それに取り掛かれよ」

 

 その言葉を聞いて御坂は幻想猛獣の元へ向かい、初春は上に向かった。分数はと言えば、木山に肩を貸そうとしていた。

 

「ん?なんだね?」

 

「見りゃ分かるでしょ、肩を貸そうと思ったんだが。下にいても危険なだけだし、飾利が上に行く際に触手に襲われないようにしたいし」

 

「そうだったか、貸してもらうよ」

 

 木山は立ち上がり、分数とともに階段へ向かう。そんな二人に気づいてか初春は階段と前で止まっていた。

 

「飾利!俺達の事は良いから先に行け!そのプログラムを流さなきゃアレはとまらねぇからな!!」

 

 その言葉に頷き階段を登る。その時だ、数本の触手が初春へと向かう。初春は背を向け、プログラムが入ったメモリをかばうように屈む。

 しかし、衝撃は来なかった。初春は恐る恐る振り向くと、触手が全て止まっていた。何故かは分からなかったが助かったと思い、急いで上へ行く。

 

「君の能力は『確率を観測し変化させる』ものじゃなかったか?」

 

「そうですが?だから『飾利に向かっていった触手が行動をする確率』を失くしました。あぁ、どうして誰も言ってないのにそれが出来たんだ、とか思ってる顔ですね。それは企業秘密なので教えてあげられませんよ?もし聞きたいならば、俺がすでに準備してあるアナタの収容期間を短くする手続きを破棄する事と交換で教えますが」

 

「いやいい、ここまで来て最後の機会を失うわけには行かないさ」

 

「良かったです、これでアナタが交換で聞いてきたら俺は失望していたでしょうしね」

 

 いくつか初春に襲いかかってきた触手を止めながら木原と木山は上に辿り着いた。それと同時に解除ブログラムが流れ幻想猛獣は弱体化され、御坂によって倒された。今回の出来事で得を得たのは、ようやく能力を使うという感覚を手に入れられた無能力者と目的を達成でき次のための布石を張ることが出来た木山、そしてプランの短縮が出来たと笑う木山とアレイスターだった。

 

 




次はまた禁書目録の方に移って、1巻を2話程で終わらせます。その後は色々と内容が変わるであろう3巻をやって、5巻の一方通行編をやって、6巻へと繋げていく予定です。
えっ?2巻?姫神さん?彼女は好きですが、無理やり分数を出してまでやる必要が無い気が…。

とりあえずその6巻の内容が終わるまで第一回ヒロインアンケートをして、その中からヒロインを選ぶ形で第二回ヒロインアンケートをするつもりです。


追記:『6巻分まで』ではなく『GW前まで』に変更させていただきます!


ということで、感想・批評・誤字脱字報告・評価待ってます!!
昨日、初めて高評価が来てテンション上がってます!!

ヒロインアンケートもよろしくね♪

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