とある木原の確率操作   作:々々

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なんとか連日投稿できました!!

見てくれてる人が多いってのは嬉しいですね。ちなみに、お気に入り数がチラシ裏のと同じになりました!!

だからといって何も無いですけどね(笑)


それではどうぞ


『確率操作』のとある暗躍

 とある暗部御用達のプールにて優雅に暇を弄んでいた。プールサイドに置いてある携帯が鳴る。プールから出て体をタオルで拭きながら電話に出る。

 

「もしもーし、こちらは『確率操作』の電話でーす。あなたは誰で、どんな用事か言ってくださーい春生さん」

 

「なんだ誰が電話をしたのか分かってるではないか」

 

 ビーチチェアに座り、テーブルにあるトロピカルジュースを飲む。

 

「声の感じとかでわかっちゃいましたしー。それで何かあったんですか?」

 

「今日は随分と軽いな。……例のアレがそろそろ風紀委員や警備員に見つかりそうなんだが」

 

幻想御手(レベルアッパー)ね」

 

 「ふむ」と言った後、演算を開始する。具体的ではなくある程度の幅を付け『数日以内に真相がバレる確率』を求める。

 

「『確率操作』によればバレるかバレないかは五分五分ってところですね。俺のかわいい後輩たちが頑張って解決しようとしてるのが原因でしょうね。もしも()()を起こすのなら早めにやっておくことをオススメしますよ」

 

「仮に、もしも仮に、私が君に『真相がバレない』確率を100%にしてくれと頼んだらやってくれるか?」

 

「バカな事言ってんじゃねぇぞ春生ぃ」

 

 電話越しでも分かるほど雰囲気が変わった。

 

「俺がテメェに付き合ってやってんのは只の科学者としてだぜ?『確率観測(オブザーバー)』位ならやってはやるが『確率操作』はやってやらないさ。そこんとこ分かってんのか?」

 

 木山からの返答は無い。トロピカルジュースを全て飲み干し、再び口を開く。

 

「『確率』を司ってた俺としては、なんでも0%や100%に収束する物ほどクソつまらねえ物は無いしな。それくらいドキドキ感がある方が俺は良いと思うがな」

 

「いや、これは私の方が悪い。元々『確率操作』は使わないという契約だったのだしな」

 

「まっ、敵の本拠地に乗り込むときは声をかけてくれ。木原幻生のやり方は気に入らねえからな」

 

「ああ、その時は頼むよ」

 

 通話が切れたのを確認する。

 

「『春生さんが無事に目的を達成できる確率は』0%ね。あーぁ、つまんねーな。0.01%でも有れば手伝ってやったんだが」

 

 トロピカルジュースに口を付けるが喉に流れてこない。

 

「さっき飲み干しちまったか……。沈利ちゃーーんおかわり持ってきてーー」

 

 麦野が入り口から入ってくる。その後ろにはフレンダもいる。

 

「なんでいるのが分かったのよ……。フレンダ持って来なさい」

 

「えっ!?なんで私が」

 

「ほら早く持ってきてよ。俺の喉乾いたんだけどー」

 

「やっぱり私がこき使われる運命にある訳よーー!!!」

 

「フレンダが超高速で走って行ったんですけど何かあったんですか?」

 

「あっ、ぶそくだ」

 

「よっす、最愛に理后!」

 

 自分で聞いたにも関わらずその質問に全く興味を持たなかった絹旗と、そもそもフレンダを気にしていなかった滝壺は二人してプールに入っていった。

 

「はぁ、はぁ、持ってきたって、訳よ」

 

 息を切らしながらフレンダが戻ってきた。

 

「ありがとな。お礼に鯖の…」

 

「鯖の!!」

 

「鯖の贈り物をしよう。喜べ、一年分だ!!」

 

「缶詰?」

 

「いんや、生。一日三匹として360✕3匹、明日まとめて送っとくからな。ほれ、さっさとプールに行ってこい」

 

「理不尽な訳よーーーー!!!!!」

 

 おしりを蹴られてプールに入っていく不遇な女フレンダ。彼女の未来に上半身と下半身はくっついているのだろうか。持ってきてもらった(持ってこさせた)ジュースに口をつける。

 

「ぬるいな。フレンダの手の熱がうつったか」

 

「フレンダと漫才をする前に私の質問に答えてもらいたかったんだけど」

 

 麦野は隣のビーチチェアに座り分数に問いかける。

 

「『アイテムが今日ここに来る確率』が80%、『今日来た場合いつ来るか』の確率が最も高かったのがたった今、『一番先にくる確率』が最も高かったのが沈利だった。ただそれだけさ、『確率観測』を使ったに過ぎない」

 

「いつもどおりの返答がありがとう。だけど本当にいいの?」

 

「何が?」

 

「さっきの電話。またアンタが首を突っ込んだ実験の話じゃ無かったの?こんなくだらない事に能力使って、必要な所に使わないのって自分勝手過ぎないかしら」

 

 分数はビーチチェアから立ち上がり、プールに飛び込むために屈伸をし始めた。

 

「いいんだよ。これは俺が俺のために開発した能力だ。俺がどう使おうといいだろ?」

 

「はいはいそうね。それならさっさと大能力者から超能力者になりなさいよ」

 

「ヤダね。これは決定事項だが、俺が超能力者になればどんな『確率』だって思いのままに『操作』する事ができる」 

 

 屈伸を止め、麦野に向かい合う。

 

「でもね、そんな事をしても面白みが無いだろ?さっきの話を聞いてたら分かるだろうが、分かりきってる物ほどつまらない物は無いのさ。そのつまらなさは俺が木原として『優等生』だった時に身をもって知ったさ。それに、俺が超能力者になったところで順位は()()()さ。どこの誰かが一位になれるとか推測している様だが、俺の研究はどこの誰にも渡すつもりはないからよ!!」

 

 最後の言葉を言うと同時にプールに飛び込む。それを見届けた麦野が愚痴を零す。 

 

「ほんっと、アンタの能力の原理が分からないのよね。超能力者にしても、第六位や第七位を除けばキチンと説明出来るのに、アンタの能力は()()()()()()()()()()のよ。でも『木原だから』って言葉で片付けられるのが嫌ね、『木原を捨てて』もアンタはやっぱり『木原』よ」

 

 




一話が『表』としたら、三話は『裏』です。

彼が本気を出せばどんな事でもすぐに終わりますが彼は善人では無いので、自分に枷をつけたり、好き勝手やっちゃいます。

恥ずかしい話ですが、分数の自分で付けた読みを忘れることが多々あります。みなさんは覚えてますか?『ぶそく』ですよ?



引き続き、誤字報告や感想待ってまーす。
ヒロインアンケートもやってるので気軽に書いて行って下さい。
(登場する女性キャラが多くて、票がばらけるかなっと思っている々々だったりします)

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