とある木原の確率操作   作:々々

23 / 27
何とか日曜日に間に合いました。
遅れたのはごちうさが無料になったり、fate/goのイベントが悪いんだ…。

これから操祈ちゃんヒロイン化計画を進めていきます。




それでは本編どうぞ!

(戦闘シーンは作者の文才のせいでカットです)


ハッピーエンドまでの序奏/とある乙女の恋心1

 

 

 崩れ落ちる建物を背にし、木原と布束を乗せた車は目的地に向かっていた。車内には二人の他に3人おり、一人は運転を、他の二人は木原の手の治療をしていた。車内であるため応急処置程度しかしていない。

 

 数分車を走らせて、とある路地の前に着いた。ここで布束は木原には妹達回収の仕事がある事を思い出した。運転手が布束を車から降ろす。木原は先程とは違うグローブを装着して路地に進んでいく。

 

 鉄のような匂いを布束は感じた。もう少し歩みを進めると、赤色が目に飛び込んできた。目線を動かすと、片腕を無くし肩から血が出ている妹達と、それを見下している白い少年がいた。

 

「どうして裏方がここに来てンだァ」

 

 学園都市最強一方通行。分数と同じ木原によって開発を受け『ベクトル操作』という能力を手にした。誰も彼に触れることは出来ず、負けたことは無い。そして、妹達を20000体殺戮することで、レベル6になろうとしている。布束の認識はこんな感じだった。

 

「あっちゃー、少し時間をミスっちまったか。クソ野郎と会いたくなかったんだがな」

 

 女性や後輩に向ける目付きとは違う、冷徹な眼。直接向けられていない布束ですら鳥肌が立った。

 

「やる気か?」

 

「邪魔、どけろ」

 

 回収対象である妹達の間にいる一方通行を押しのけようと、木原が一方通行に触れようとした。何してるの、と声を荒らげようとした。普通ならば反射によって木原が怪我をするかもしれないからだ。

 

 

 しかしそうならなかった。

 

 

 クローブをはめた手で一方通行の体に触れ、そのまま押し、妹達への道を作った。

 

「あァ!?てめェ、なにしやがった」

 

「何ってやられたお前の方が分からないわけないだろ。お前の『反射膜』に触れて、お前を退かしただけだ。やっぱり邪魔だわ、()()()()()()()()()

 

 確率操作で『一方通行が存在する場所』を変え、一方通行を他の所に飛ばした。既に動かなくなった妹達に触れる。心臓は止まり、体は冷たくなっていた。布束は目を伏せ、唇を噛む。

 

 どうしてここに連れて来たのか。彼女たちの死を見せつけて彼は何をしたいのか。何故、何故、何故…。

 

「…い、おい!」

 

 耳元で叫ばれ、意識を外に向ける。

 

「ここから先は俺はついていかねぇから、こいつらの指示に従え。アイツのことを保護者に伝えに行かなきゃいけなくなった。俺から言えるのは、俺が関係している限りはハッピーエンドがそれなりに多いって事だ。そこそこ期待して、待ってな」

 

 布束を乗せた車、患者が生きている限り必ず救う医者がいる病院と、その地下にある巨大な地下都市へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ」

 

 朝とお昼の丁度中間ほど、食蜂は一人カフェため息をついた。

 

 

 木原と会えていない。

 

 

 理由はこれだけだ。

 

 それまでは良くドリーや警策と一緒に買い物をしたりお話をしたり。最近ではそこにインデックスも交わっていたりする。

 

 それ以外にも街で偶然あったり、前もって決めたりして二人でお出かけをしていたがここ十日間、街で会うこともなければ携帯も全く通じていなかった。

 

「はぁ、どうしてあえないのかしらぁ」

 

 脚をパタパタさせ気を紛らわせる。

 

 そういえばここまで長い間会えなかったのは初めてかもしれないと思った。木原は基本女性に優しいためお願いとあらば殆ど聞いたり、ジャッジメントの見回りで良く会ったりしていた為だ。

 

 この感情が何なのか全くわからない。

 

 おそらくその場に派閥の側近がいれば驚くようなまで、不機嫌な顔で飲み物を飲む。

 

「こんな普通の店に一人でいるなんて珍しいわね」

 

 ふと声をかけられた。能力は基本オフにしているため、顔を見るまで誰か分からなかった。

 

「そうかしらぁ、私は良く来るんだけど。そして、麦野さんと会うのは久しぶりなんだゾ☆」

 

 食蜂に声をかけたのは、深夜仕事を終わらせ睡眠を取った後、いつものファミレスに行く途中だった麦野だ。第四位と第五位、有名人がいたがそこまで表の人には顔を知られていなかったため騒がれることは無かった。

 

「相変わらずキャピキャピしてるわね。これならまだ第三位のガキの方がましか」

 

「あらぁ、御坂さんに会ったのかしら?」

 

「分数のやつに頼まれて一戦したのよ。一戦って言っても、私の能力向上の為だからそこまで本気じゃなかっ……。なんて顔してるのよ」

 

 木原の名前が出てから、睨むように麦野を見ていた。

 

「別に何でもないわぁ」

 

「嘘ね。分数と会えなくて悲しかったりするの?」

 

「うっ…」

 

「図星すら出来てないじゃない。けど、アイツと一緒にいるってのは疲れるわよ」

 

 食蜂は?を浮かべる。

 

「一応アイツの付き合いはアンタより長いから言えるけど、きっとアンタの感情には気づいてると思うわよ」

 

 更に?を浮かべる。

 

「何よその顔は」

 

「私の感情ってなんのことなのかしらぁ」

 

 その時麦野は思った。この子まだ自分が分数に惚れていると気付いていないのではないか、と。正直言って傍から見たら誰でも分かるほどなのだ。それを本人が気付けていない。

 

「そうねぇ、少し時間もあるし、アンタの知らないアイツの事を教えてあげようかしら」

 

 店員に飲み物を頼み、食蜂と同じ席に座る。

 

 

 これから語るのは、木原分数が木原不足だった頃の話。

 

 

 完全に壊れ、完全に足りなかった子供

 

 人間としてあらゆるものが不足していた頃の彼の話。

 

 




次は木原の過去編になる流れですがそんなに長くならないつもりです。

個人的にはさっさと二人をくっつけさせ、イチャこらさせてもいいのですが。そうなると、何だか軽くなってしまう気がするので、それまでは悶々とした感じになるかもしれません。

この小説の終わりが明確じゃないので、そこを第一の区切りとしたいですね。


それで今のところ『旧約』までを書こうと思ってます。新約は話が複雑だし、何より話もそこまでおぼえてませんし(旧約も後半あたりはあやふやですが)

ここらへんは意見を聞きたいですね。



でも、新約のキャラは何人か出していきますよ!服が痴女なロリとか戦闘狂とか。


(他にも書きたい原作があるのは内緒。更新が遅れるから書かないが)




それでは、感想と評価待ってまーーす!!

それと、感想や評価してくれた方ありがとうございます!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告