とある木原の確率操作   作:々々

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本格的な戦闘描写は次の話になりますが、上手くかける気がしませんね…


とある夜戦 その1

 そろそろ日付が変わろうとする頃、これから仕事だというのに締まりの無い集団がいた。

 

「俺が薦めたいのは、金持ちがただの自己満足のために多額の金を出して作らせたという、C級どころかD級の映画だ。当然権力で無理やり上映させたり、販売させたがヒットするわけもなく。その人の屋敷に山積みになっていて、今では絶対手に入らないものだ。欲しいか?」

 

「超ほしいです!」

 

 目をランランとさせ絹旗がねだる。そこにフレンダがやって来る。

 

「おーフレンダ、準備終わったか?」

 

「なんでアンタがいるわけよ」

 

「昼間の紙に書いてあったろ?もしかして見てないのか?」

 

「そういえば、報酬を超見たあとは一回も見てませんでしたね」

 

 じっーと見てくる二人の視線に耐えられなくなるフレンダ。

 

「まっ、俺がいようといまいとお前らのやる事は変わらないならな」

 

「結局私と絹旗で侵入者が来たら撃退すればいいわけ?」

 

「2つあるうち片方に戦力を偏らせたのも、超確率観測の結果ですよね」

 

 絹旗はアイテムの主力である麦野と、対能力者として優良である滝壺がまとめられている事をそう解釈した。

 

「いんや、ちがうよ?」

 

「「へ?」」

 

 絹旗の話を聞き、それに納得していたフレンダも声を上げる。

 

「今回は確率観測なんて使ってなくて、ただのプロファイリングの結果で、犯人はこっちに来るよ。どうしてって思ってるよな。理由は簡単さ」

 

 昼間に沈利から聞いてるよな、という前ふりをして告げる。昼間の事とは木原のこと、特に能力開発について指す。

 

「沈利も俺が開発したうちの一人だからさ、やるなら最後まで能力を伸ばしてやるさ。それが今回、初っ端からぶつけてもつまらないしな。相手が死物狂いで襲ってくる中で戦闘させないと意味がない。沈利とか、レベル5まで行くとそれ以上の変化ってのはそうそうに起こらないものだからな」

 

 木原は腕時計に目をやる。

 

「そろそろ時間だな。それじゃよろしく頼む、沈利と理后が来る前にどっちかが倒されそうになったらちゃんと手伝いに入るからよ」

 

 離れる白衣姿に二人はいつもの彼とは違う()()を感じ取った。

 

 

 

 

 

 時は加速し、先ほどの研究所に侵入した御坂はフレンダと対決していた。とはいってもすでにフレンダは敗北しており、御坂に彼女らアイテムのことを教えるように脅されている。フレンダは情報を教えてこの場をなんとかして逃れようとするが、御坂の電気で舌がしびれ思うように喋れない。もう終わりだ、フレンダが思った瞬間部屋の壁が爆発した。

 

「思ったより追い込めなかったようだな、フレンダ」

 

 壁に空いた穴から出てきたのは木原だった。両手を白衣のポケットに入れている。

 

「木原、分数…」

 

「やぁ超電磁砲。学園都市の闇を見た感想はどうだぁ?」

 

「資料にあんたの名前があった時は何かの間違いだと思ったんだけど、あんたも随分真っ黒なのね」

 

 御坂が木原に電撃を放つ。しかし、木原に当たる前に霧散する。

 

「テレスティーナの時に分かったもんだと思ってたが、随分とあまちゃんだな。俺はこっちの方出身だぜ?」

 

「…あんた、何やったのよ」

 

「今から戦う奴に手の内を教えるわけがねぇだろうが。フレンダ、痺れが切れたならこの部屋から出てアイツに連絡しろ」

 

「分かったわけよ!!」

 

「行かせるかっ!!!」

 

 先ほどと同じようにフレンダに当たる前に霧散する。

 

「ここからしばらくはちょっとした休憩タイムだ。お前が本気を出せるように、上手く調節してやる」

 

「っ!」

 

 離れていた木原が一瞬にして御坂の前へ移動する。確率操作以外の攻撃を知らないため、一先ず磁力で体を無理やり移動させ距離を取る。

 

「あんたの確率操作じゃ私には勝てっこないわよ」

 

「それは無い。確率操作を使えばテメェなんて一発さ。でも、今は俺はジャッジメントの分数でも、確率操作でもなく、科学者の木原分数としてここにいるからそれは使わない。といっても、お前が勝てる確率なんて零だがな」

 

 幾度となく襲い掛かってくる電撃を霧散させる。いくらやっても意味が無いため、御坂は先ほど木原が壊した金属の壁を操り、木原を挟めるために動かす。

 

 ポケットに手を入れたままただ立っていた木原が、初めてアクションを起こした。御坂の思考や、磁場の観測によって安全地帯を見つけ、体を倒れるように潜り込ませる。

 

「甘いわよっ!!」

 

 木原が逃げ込んだところに、金属板を落とす。

 

「ちっ」

 

 木原の舌打ちとともに、金属板が宙に弾け飛ぶ。その時木原はポケットから右手を出していた。

 

「さっきから私の電撃が面白いように消えてたのもそれが原因ね」

 

 右手には黒い機械感あふれるグローブが嵌められていた。

 

「これの存在がばれたところで、攻略されたわけじゃないさ」

 

 




数多と同じような感じのクローブだと思ってください。

運命/零のキャスターとして分数を出すという妄想が最近捗ってますね。まぁ、それとは別に書く時間が全く取れなくてキツイですね。

まだ先ですが、10000UAとかお気に入り〇〇突破記念話とかやってみたいですね。


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