とある木原の確率操作   作:々々

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ここからオリジナル要素を増やしていきたいですねー。

ではどうぞ!!


病院のとある2コマ目

 インデックスを無事救うことが出来た次の日。いつもの病院の個室に二人の入院患者が居た。右手を包帯でぐるぐる巻にされ、なんとも言えない表情で隣の男子を見るツンツン頭。本来ならば既に()()()()()筈だが、木原によってその未来が変わった。

 

 そして彼の視線の先では……、

 

 

 

 

木原が女の子にあーんをされていた。

 

 

 

 

 時はお昼を過ぎているが、その女の子は面談時間前の7時からこの病室に来て、木原にご飯を食べ続けさせている。30分おきに彼女と同じ制服の女子が新たな食料を運んでくる。その彼女、食蜂と上条は木原経由で一応は知り合いだ。しかし食蜂はただ木原にご飯を食べさせてあげることに集中しており、一度も上条と話をしていないのだが…。

 

 午前中は彼らの学校の先生や、どこから聞きつけたのかクラスメイト達がお見舞いに来ていた。もちろん食蜂は能力を使って彼らが疑問に思わないようにしてそのままご飯を食べさせ続けていた。

 

 その集団が去ったあとは、インデックスや神裂、ステイルの魔術師たちがやって来た。流石にその時ばかりは木原も食事を止め、食蜂はインデックスと戯れていた。その際、事の顛末やこれからのインデックスのこと、そして木原の魔術についての話があったが、アホな上条や無関係な食蜂には話が分からなかった。インデックスは二人との話が終わったらまた戻ってくる。

 

 三人が去ったあとは上条と食事をしながら器用に話す木原との会話がずっと続いていた。今の話題は『上城さんではなく、どうして分数さんが女子中学生にあーんをしてもらってるか』という、不満だだもれの物だった。

 

「さっきインデックス達につたえたじゃねーか。インデックスのアレを受けたお前なら分かるが、あれは粒子一つ一つが別もんだったろ?」

 

 アレとは自動書記状態のインデックスが放った『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』のことだ。

 

「確かに、幻想殺しが消すよりも早く他のが来て押し負けてたな」

 

「それ全ての式を読み取って、数値を変えたんだぜ。いくら消費魔力が少ないからって、塵も積もれば山となるだ」

 

 ご飯を食べさせてもらいながら返答する。

 

「だからってどうして食蜂に食べさせてもらってるのか…」

 

「魔力ってのは元を辿れば生命力に繋がる。日頃から魔力を蓄えてたら何の影響も無いが、今回はそれを使い切っちまった。それでも魔力を使う場合は、さっき言った通り、その場で生命力を魔力に変える。HPをMPに変える感じだ、これなら分かるだろ?」

 

「はい」

 

「そうやって瀕死寸前で生命力を糧にしちゃったから、操祈が能力使って起こしてくれなかったら一ヶ月は寝っぱなしだったしな」

 

「…っ!!」

 

「能力で頭部だけは動けるようにしてもらって飯を食ってるんだが、食事ってのは馬鹿にできなくてな。噛むタイミグや回数、飲み込むタイミングとかで魔力や体力を回復できる。それに呼吸とかでさらなる補助をかけてやれば、一日もあれば回復できるさ」

 

「一日ってことはまだ半分も言ってないってこと…」

 

「流石に前回までとは行かないさ。操祈は完全下校時間までには帰ってもらうさ。レベル5だからって女の子は女の子だからな。ちょっ、不機嫌になって箸のスピードはやくなってんだけど!!」

 

 なんて事をしながら談笑していると、扉が開いた。

 

「ただいまなんだよ!!」

 

 インデックスが帰ってきた。その表情に曇りはなく、二人ときちんと話ができたのだなと三人は思った。

 

「「おかえり」」

 

「おかえりぃ、インちゃん!!」

 

 仲のいい食蜂はインデックスのことを愛称で呼んだ。彼女は未だ扉の前から中に入ってこない。

 

「ん?どうしたインデックス」

 

「あのね、受付で分数の病室を尋ねてた人がいたから連れてきたんだけど、入れていいかな?」

 

「何人組だ?」

 

 様々なことに手を貸している(出している)ため知り合いが多い木原は、誰が来たのか予想がつけられなかった。

 

「四人組なんだよ。たぶん私と同じくらいかも」

 

 四人組でインデックスと同い年だと一組しか思いつかなかった。ただの四人組だったらアイテムも思いつくのだが。彼女らはこんな明るい所にはこないだろう。

 

「いれていいぞー」

 

「だって!!入って入って!!」

 

 その一声で四人が入ってくる。「おじゃましまーす!」と佐天が大きな声で言ったあと三人が続ける。そんな中、食蜂と仲がいいとは言えない御坂が声を漏らす。

 

「ゲッ!食蜂操祈」

 

「あらあら御坂さん、ちゃんと挨拶ができないのかしらぁ」

 

「あんたねぇ…」

 

「おいお前ら、病院でドンパチを始めようとするな。それに、ついていけてない四人がポカーンとしてるぞ」

 

 常盤台の三人と木原以外がポカーンとしていた。

 

「分数先輩、分数先輩。彼女たちは一体どなたでしょう、もしかして先輩の…」

 

「4人ともそれだったら俺はどんだけゲスなんだよ。右から順に御坂美琴、白井黒子、初春飾利、佐天涙子だ

超電磁砲以外は中一で、黒子と飾利はジャッジメントの後輩だ」

 

 目線を変え、四人組を見る。

 

「そんでお前らに説明すると、隣のつんつん頭の奴が俺の後輩の上条当麻。案内してくれたのがインデックス、本名は長いから本人に後で聞いてくれ。俺と当麻の知り合いの子でイギリスからやって来た。んで、今飯を食わせてくれてるのが食蜂操祈。超電磁砲と同じ、常盤台のレベル5だ。ってあれ?どうしたの?」

 

「れ、レベル5!!!どうしよう初春、私こんな短期間でレベル5の二人に会ったちゃったよ!!」

 

「おおお、落ち着いてください佐天さん!!こ、こういう時は素数を数えればいいってネットに書いてありました!!」

 

「ええーーーー!!みさきってれべる5だったの!!」

 

「あら、言ってなかったかしら」

 

 活気あふれる病室の中、男子二人は姦しさに当てられていた。

 

 




ってな感じで病室での会話は次回に持ち越しですね。

どのくらいの長さが良いんでしょうかね。2500文字前後で丁度話題が変わりそうなので切ってるんですが、もっと長い方がいいんですかね…。

これからは本当に重い話以外は軽めに行きたいと思います。会話とか笑いとか、そういうのが上手くなりたいですね。

感想等々待ってまーす!ヒロインアンケートもやってまーす!

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