牙狼×けいおん 白銀の刃   作:ナック・G

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お待たせしました!第61話になります!

今回は前回の続きであり、統夜たちが魔戒騎士狩りを阻止するために奔走します。

統夜たちは魔戒騎士狩りを阻止することは出来るのか?

それでは、第61話をどうぞ!




第61話 「強襲」

現在、各地で腕自慢の魔戒騎士がホラーに破れて捕食されるか、命を落としてしまう、魔戒騎士狩りが行われていた。

 

それを阻止するため、各地の番犬所の魔戒騎士や魔戒法師が動き始めていた。

 

そんな中、翡翠の番犬所に所属する魔戒騎士、如月奏夜が先輩騎士と共にホラー狩りを行っている途中に、超音波のようなものを聞いた影響で、何故か魔戒剣が持てなくなってしまった。

 

この超音波こそ魔戒騎士狩りに使われたものと確信した先輩騎士は、命を賭けて奏夜を逃し、番犬所へと向かわせた。

 

その先輩騎士はホラーに捕食されてしまったのだが、奏夜は番犬所へ向かった。

 

その途中、ホラー、ヘラクスに襲われるが、偶然翡翠の番犬所に向かっていた布道レオに救われ、2人は翡翠の番犬所で魔戒騎士狩りの時に用いられたと思われる超音波のようなものの存在を報告した。

 

翡翠の番犬所の神官であるロデルは、奏夜とレオの報告を受け、各番犬所や元老院にその情報を流した。

 

そして、その情報を受け、番犬所から呼び出しを受けた統夜とアキトは、番犬所へと戻った。

 

2人が番犬所に戻ると、既に戒人と大輝は戻ってきており、2人を待っていた。

 

「みんな、揃いましたね」

 

「イレス様、もしかして魔戒騎士狩りの手がかりが見つかったのですか?」

 

統夜の言葉に、イレスは無言で頷いた。

 

「翡翠の番犬所の神官であるロデルから少し前に報告がありました」

 

「翡翠の番犬所ですか……」

 

翡翠の番犬所は、東京の秋葉原、神田、神保町あたりを管轄にしている番犬所である。

 

統夜とアキトは、かつて人間を滅ぼそうとしていた古の魔導具である阿号や、古のホラー、グレゴルと交戦したのだが、それは翡翠の番犬所の管轄内だった。

 

翡翠の番犬所という名前を聞き、統夜とアキトはその時のことを思い出していた。

 

「それで、翡翠の番犬所は何を掴んだというのだ?」

 

統夜とアキトが翡翠の番犬所のことを思い出すなか、大輝が肝心の本題をイレスから聞き出そうとしていた。

 

「えぇ。これは、翡翠の番犬所にいる魔戒騎士になったばかりの少年の話なのですが、ホラーを追い詰めた時、超音波のような音が聞こえたそうなのです」

 

「超音波……ですか?」

 

「それで、その超音波を聞いた瞬間、何故か魔戒剣が持てなくなったとのことなのです」

 

イレスが話した魔戒剣が持てなくなったという言葉に、統夜たちは驚きを隠せなかった。

 

そんな中、アキトはうーんと何かを考えていた。

 

「超音波……。もしかして、それは、魔戒騎士にだけ聞こえる特殊な波長の超音波で、それを聞いた瞬間、ソウルメタルの性質が変容し、扱うことが出来なくなったのか……?」

 

アキトは魔戒騎士狩りに用いられた超音波のようなものの正体をこのように分析していた。

 

「流石ですね、アキト。レオも貴方と全く同じ推理をしていたみたいですよ?」

 

イレスはレオと同じ推理をしたアキトに関心していた。

 

「え?師匠が?もしかして、師匠は翡翠の番犬所にいるのか?」

 

「えぇ。偶然翡翠の番犬所の管轄内でそのような推理をし、例の魔戒騎士になったばかりの少年と共にロデルに報告したそうです」

 

「なるほど、師匠がそのような推理をしてるなら、その超音波のシステムはそれで間違いなさそうだ!」

 

アキトは、自分が師匠であるレオと全く同じ推理をしたことが嬉しかった。

 

「システムがわかったのは良いのですが、1番の問題であるその超音波の発生場所が未だに掴めないのです」

 

魔戒騎士狩りがどのように行われたのかを知ったのは大きな収穫であったが、肝心なその超音波の発生源は未だに特定出来ずにいた。

 

「なぁ、その魔戒騎士狩りっていうのはあちこちで行われているんだろ?二箇所以上同時に起こったりはしてないのかな?」

 

「恐らく、それはないと思います。二箇所以上で同時に魔戒騎士がホラーに捕食されたという報告はありませんから」

 

イレスから魔戒騎士狩りについての情報を聞くと、再びうーんと考え事をしていた。

 

「……ということは、その超音波のようなものを出す兵器は1つしかなくて、各地に移動をしながら魔戒騎士を狩っているという訳か……?」

 

アキトは魔戒騎士狩りに使われた兵器は複数ではなく、1つしかなく、各地に移動しながら魔戒騎士を狩るために使われているのではないかと推理していた。

 

「そうだとすれば、今は翡翠の番犬所の管轄内にある可能性が高いという訳か」

 

『そうだな。俺様もそう思うぜ』

 

『じゃが、こうしているうちにもその兵器とやらが移動する可能性もありそうじゃのぉ』

 

統夜とイルバは魔戒騎士狩りに用いられた兵器が翡翠の番犬所の管轄内にあるとニラんでいたが、戒人の相棒であるトルバは、その兵器が移動しているのではないかと推理をしていた。

 

「ということは、次はどこに来るのか……」

 

「この街に来る可能性も否定は出来ないだろうな」

 

大輝は、この桜ヶ丘にも魔戒騎士狩りの魔の手が来るかもしれないことを危惧していた。

 

「その可能性は大いにありそうですね。皆さん、だからこそ、今後のホラー討伐の際はその兵器の存在に警戒して下さい」

 

イレスがこのような通達を聞いた統夜たちは無言で頷いていた。

 

「さて、今日はもう遅いです。今のところはホラーの出現報告もありませんから、今日は解散とします。明日からは今まで以上に気を引き締めて下さい」

 

イレスの言葉でこの日は解散となり、統夜たちは番犬所を後にすると、それぞれの家へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

翌日、統夜はいつものようにエレメントの浄化を行っていた。

 

黒の指令書の指令を行っている途中であるものの、イレスが許可を出していたので、統夜はいつも通り学校に通い、授業を受けていた。

 

統夜が授業を受けている間に、戒人、大輝、アキトの3人は、街の見回りを行いながら、引き続き魔戒騎士狩りに用いられた兵器の調査を行っていた。

 

そして放課後になると、統夜はそのままアキトと合流することになった。

 

「……あれ?やーくん、帰るの?」

 

統夜が帰り支度をしていたのを見た唯が、こう統夜に訪ねていた。

 

「あぁ。例の仕事がまだ片付いてないからな」

 

魔戒騎士やホラーなどの単語を出す訳にはいかなかったので、統夜は仕事とだけ答えていた。

 

「そっかぁ……。やーくん、無茶はしないでね!」

 

「おう、ありがとな!それじゃあ」

 

帰り支度を整えた統夜は唯に挨拶をすると、教室を後にして、そのまま学校も後にした。

 

すると……。

 

「……お、統夜。待ってたぜ」

 

「……アキト、来てたのか」

 

学校が終わった後に合流予定だったアキトが、学校の入り口で統夜のことを待っていた。

 

「あぁ。ここで待ってた方が早いと思ってな」

 

アキトはどこかで待ち合わせるより、学校の入り口にいた方が確実に統夜に会えると考え、学校の入り口で待っていた。

 

「そっか……。ところで例の兵器は見つかったのか?」

 

「いや、全く手がかりなしだ。やっぱりホラーが現れた時にその兵器は現れるんじゃないのか?」

 

「そうかもしれないな。とりあえず、また街の見回りをしながら何か手がかりがないか探そう」

 

「あぁ、そうだな」

 

統夜とアキトは移動を開始すると、街の見回りを行いながら、魔戒騎士狩りに用いられた兵器の捜索を開始した。

 

 

 

 

 

長い事街を歩き回った2人だったが、何も足取りを掴むことが出来ないまま、夜になってしまった。

 

「……くそ、もう夜になっちまった」

 

「結局何の手がかりも掴めなかったな……」

 

「あぁ……。戒人と大輝さんも成果なしみたいだし……」

 

戒人と大輝はエレメントの浄化を行いながら調査を行っていたのだが、2人も大きな手がかりを得る事は出来なかった。

 

「もう夜になったんだ。ホラーがそろそろ現れそうだよな……」

 

「そうだな……。イルバ、ホラーの気配はどうだ?」

 

『どうやら、お前らの予想はドンピシャみたいだ!ホラーの気配を感じるぜ!しかもこの邪気……ただ者じゃなさそうだ!』

 

イルバは普段探知しているホラーの邪気以上に大きな邪気を探知し、手強いホラーの気配を探知していた。

 

「イルバ、ホラーはどこだ!」

 

『……!統夜!アキト!来るぞ!」

 

イルバがこう宣言すると、統夜とアキトの目の前に、カブトムシのような姿をしたホラーが現れた。

 

「……赤いコートの魔戒騎士……。どうやらお前が“あいつ”の言っていた魔戒騎士みたいだな……」

 

2人の前に現れたホラー……ヘラクスは、統夜のことを探していたのだが、目の前の赤いコートを着ているのが統夜だと認識していた。

 

「お前、何者だ!それに、あいつって一体誰なんだ!!」

 

統夜はヘラクスを睨みつけると、気になったことをヘラクスにぶつけた。

 

「俺はこの通りホラーさ。見てわかるだろ?それに……。そんな大事なことを俺が話すとでも思ったか?」

 

「だったら!力ずくでも聞いてやるさ!」

 

統夜は魔戒剣を取り出すと、魔戒剣を抜いた。

 

「やれやれ……。魔戒騎士の直食いは俺の趣味じゃないんだがな……。まぁ、クライアントの依頼となれば話は別だな……」

 

ヘラクスはホラー喰いのホラーであるため、人間や魔戒騎士の直食いは嫌いなのだが、今回は協力関係にあるとある男の頼みがあったため、自らが動くしかなかった。

 

「……行くぞ!!」

 

統夜はヘラクス目掛けて突撃した。

 

「おい、統夜!!……仕方ない、援護する!」

 

アキトは魔戒銃を取り出すと、援護射撃の体制に入った。

 

「愚かな……。魔戒剣は封じられているとわかっているハズなのに……」

 

ヘラクスはこのように呟くと、パチン!と指を鳴らした。

 

『!?統夜、魔戒剣を離せ!来るぞ!!』

 

「!!」

 

統夜はイルバに言われて魔戒剣を離そうとするが、その時には手遅れであり、統夜の手にある魔戒剣はそのまま地面に叩きつけられた。

 

統夜は魔戒剣を持ち上げようとするが、持ち上げることが出来なかった。

 

「……!こ、これが……例の超音波って奴か……」

 

統夜の耳に超音波のような音がはっきりと聞こえており、その音を聞いた直後に魔戒剣を持ち上げることが出来なくなっていた。

 

「フン、愚かだな。わかっていて対策もせぬとは!」

 

ヘラクスはどこからか剣を取り出すと、その剣を手に、統夜に襲いかかった。

 

統夜は現在丸腰なのだが、ヘラクスの攻撃をかわしながらこの状況をどう打破すべきか考えていた。

 

「統夜!……とりあえず、こいつで!!」

 

アキトは魔導筆を取り出すと、魔戒銃の銃口に術を放った。

 

力が収束されている状態でアキトは魔戒銃を発砲し、その弾丸がヘラクスに着弾した瞬間、爆発がおきて、ヘラクスを吹き飛ばした。

 

「統夜!俺に考えがある」

 

アキトはヘラクスが起き上がる前にこの状況を打破する作戦を統夜に説明した。

 

アキトの考えた大胆な作戦に統夜は驚くのだが……。

 

「……まぁ、これしか策はなさそうだな」

 

統夜はアキトの考えた作戦で戦うことを決めた。

 

2人の作戦会議が終わったところで、ヘラクスは起き上がった。

 

「……ククク、やるじゃないか!久しぶりに本気になれそうだ!」

 

ヘラクスは先ほどのアキトの攻撃で闘争心に火がついていた。

 

「アキト……手筈通りに行くぞ!」

 

「あぁ、そうだな。とりあえずここは……」

 

アキトは魔戒銃と魔導筆を手に臨戦態勢に入っていたのだが……。

 

「……にーげるんだよぉ!!」

 

回れ右をして、アキトは急に逃げ出してしまった。

 

「ちょ!?おい!作戦はどうしたんだよ!!」

 

統夜は本気で慌てる素振りをするのだが、これこそがアキトの考えた作戦だった。

 

統夜を見捨てて逃げるフリをして、謎の超音波を発した兵器を探すという作戦である。

 

これは、アキトが統夜の実力を信じた上で立てた作戦であった。

 

統夜ほどの実力者であれば、強大な力を持つヘラクス相手でも、しばらくは持ち堪えることが出来ると判断したからである。

 

「ククク……。魔戒法師は尻尾を巻いて逃げ出したか。仲間に見捨てられるとは、哀れな奴だな!」

 

「クソッ!アキトの奴……!裏切りやがって!」

 

ヘラクスはこれが作戦だとは全く思っていないのか、高笑いをしていた。

 

統夜がアキトに対して怒り狂う素振りを見せたのも、ヘラクスに本気でアキトが逃げたと信じさせるためだった。

 

そんな統夜の名演技もあってか、ヘラクスはアキトが逃げたのは作戦だと全く気付いていなかった。

 

(……さーて、アキトにはさっさと仕事をこなしてもらわないとな)

 

《統夜!気を引き締めろよ!どうやら相手は元魔戒騎士みたいだぜ!》

 

(やっぱりそうなのか?そんなオーラを感じたからな……)

 

統夜はかつて元魔戒騎士だったホラーというのを見たことがあり、交戦したこともあったので、目の前にいるヘラクスが元魔戒騎士だとイルバに聞いて、納得していた。

 

「くそっ!魔戒剣が使えなくたって!やってやるよ!!」

 

統夜は格闘戦の構えをすると、ヘラクスを睨みつけた。

 

「愚かな……!じっくり痛めつけてから喰らってやるよ!」

 

こうして、丸腰の統夜はヘラクスに立ち向かい、時間稼ぎを開始した。

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、作戦で逃げ出したアキトは、統夜とヘラクスが見えないところまで移動していた。

 

「……やれやれ。作戦とはいえ、統夜には悪いことをしたかな?」

 

統夜の実力を信じてるとはいえ、アキトは統夜に対して申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。

 

「……それよりも……」

 

アキトは魔針盤という魔戒法師がよく使う魔導具を取り出すと、魔導筆で術を放って、周囲の地図を展開させた。

 

すると……。

 

「……ん?何だ?この反応……」

 

統夜とヘラクスが交戦している場所からおよそ1キロ先のところで、今まで見たことのない反応を示していた。

 

「こいつは……ビンゴか?とりあえず急いで向かうか」

 

アキトは魔針盤が示した場所へと移動を開始した。

 

そして、その場所に辿り着いたのだが……。

 

「……?どうなってるんだ?」

 

その場所には、怪しいと思われるものが一切なかったのである。

 

「おかしいなぁ……。ここだと思うんだけど……」

 

アキトは魔針盤を見ながら周囲を見渡していた。

 

魔針盤は確実に反応はしているのだが、アキトの周囲には怪しいと思えるものはやはりなかった。

 

「くそっ、早く超音波を出してる兵器を見つけないと、統夜が……」

 

アキトは焦っていた。

 

急いで超音波を出してる兵器を破壊し、魔戒剣を扱えるようにしなければ、統夜が危険だからである。

 

アキトが焦りながらも周囲の捜索を行っていたその時だった。

 

「……アキト?どうしてこんな所に?」

 

偶然近くを捜索していた戒人と大輝がこちらにやって来た。

 

「戒人……大輝のおっさん。どうしてここに?」

 

「トルバがこの辺から妙な気配を感じるというから調査に来たんだよ」

 

「それに、お前はどうしてここに?それに、統夜は一緒じゃないのか?」

 

「実は……」

 

アキトは、ホラー、ヘラクスが現れたことや魔戒騎士狩りに用いられた超音波が作動したこと、さらに、作戦として、統夜が囮となってその間に超音波を発している兵器の捜索、破壊をしていることを2人に告げた。

 

「なるほど……。道理でさっきから耳障りな音が聞こえてきている訳か……」

 

戒人はこの場所を訪れてからずっと聞こえている耳障りな音を聞くことで、アキトの説明に納得していた。

 

「だが、統夜の奴は大丈夫なのか?魔戒剣は使えない状態なのだろう?」

 

「急いで戻らないとやばいかもしれない。だが、まずは超音波を出している兵器を見つけないと……」

 

急いで統夜の救援に行かなければいけないのは間違いないのだが、魔戒騎士狩りを阻止するためにも、超音波を発する兵器を見つけ出して破壊することも最優先事項だった。

 

「……俺が統夜の救援に行く。アキトと戒人は、例の兵器の捜索と破壊を頼む」

 

誰かが統夜の救援に行かなければいけない状況で、大輝が統夜の救援に向かうことになった。

 

「……わかった。無茶はするなよ、大輝のおっさん」

 

「……だからおっさんはやめろ」

 

アキトのおっさん発言に呆れながら、大輝は統夜の救援へと向かった。

 

「……さて、急がないとな」

 

「トルバ、この周辺に何か怪しいものはないか?」

 

『うむ、探ってみよう』

 

「頼む」

 

トルバは周囲に怪しいものはないか、調査を始めた。

 

しばらく気配を探知していると……。

 

『戒人、お主から見て正面にある柱の辺りから怪しい気配を感じるぞい』

 

トルバは怪しい気配を探知したのだが、トルバの示した柱の周辺には怪しいものはおろか、物など置かれてはいなかった。

 

「……?トルバ、柱の周辺には何もないぞ?」

 

柱の周辺には何もないので、戒人は首を傾げていた。

 

しかし、アキトは……。

 

「いや、魔導輪であるトルバが言ってんだ。間違いないだろ」

 

トルバの勘を信じていたアキトは、魔導筆を構えた。

 

『アキト!その柱周辺に向かって術を放つのじゃ!』

 

「了解した!」

 

アキトはトルバの指示通り、指定された柱の周辺目掛けて法術を放った。

 

すると……。

 

ドカァァァァン!!

 

爆発が起こると、アキトと戒人の目に浮かび上がってきたのは、スピーカーのようなものの破片だった。

 

「……こいつは……」

 

「どうやら、これが魔戒騎士狩りに使われた超音波の発信源って訳だ」

 

「!それなら!」

 

「あぁ!普通に魔戒剣を扱えるはずだぜ!」

 

超音波を発していたスピーカーは破壊したため、今後は普通に魔戒剣を扱うことが可能となった。

 

「……統夜!聞こえるか!?例の兵器の破壊に成功した!魔戒剣が使えるはずだ!」

 

戒人はトルバを通して、統夜に連絡を入れていた。

 

魔戒剣さえ扱えれば、反撃を行うことが可能だからである。

 

すると……。

 

『……!!了解した!』

 

統夜から簡潔な返事が返ってきたのだが、それ以上の返事は返って来なかった。

 

「……アキト!俺は統夜や大輝さんの応援に向かう!」

 

「任せたぜ!俺はこいつを持ち帰ってこいつの分析をするよ」

 

戒人は既にヘラクスと戦っている統夜と大輝の援護に向かい、アキトはスピーカーの破片を持ち帰り、そのスピーカーの分析を行うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

アキトが逃げたフリをしながら魔戒騎士狩りに用いられた超音波を発している兵器の捜索を行っていた頃、統夜は丸腰の状態でヘラクスに戦いを挑み、どうにか善戦していた。

 

しかし、元魔戒騎士であるヘラクス相手に丸腰では決定打を与えることは出来ず、統夜は徐々に追い詰められていった。

 

「……くっ、やっぱり強えな、こいつ……」

 

統夜は元魔戒騎士であるヘラクスの実力を素直に認めていた。

 

「ほぉ、剣も使わずにここまでやるとはな……。正直お前がここまでやるとは思っていなかったぞ」

 

「へへ……そりゃどうも!」

 

統夜はヘラクスに追い詰められていたのだが、まだ減らず口を叩く余裕はあった。

 

「だが、これ以上は無駄な抵抗だ。大人しく俺の餌になるんだな」

 

「へっ、冗談だろ!?」

 

統夜はヘラクス目掛けてパンチを放つが、それはヘラクスに軽々と受け止められてしまった。

 

「……っ!」

 

統夜はすかさず蹴りを放とうとするが、その前にヘラクスは、統夜を近くの壁目掛けて投げとばし、統夜はそのまま壁に叩きつけられた。

 

「……くっ!」

 

統夜の受けたダメージはかなりのものだったが、統夜はどうにか立ち上がった。

 

「ほぉ、あれだけやられてまだ立ち上がるか……。その丈夫さはなかなかじゃないか」

 

「当たり前だろ……?俺は、こんな所で死ぬ訳にはいかないんだからな!!」

 

唯たちを悲しませないために、こんな所で死ねない。

 

その思いが統夜を突き動かしていた。

 

しかし、ヘラクスに圧倒され、統夜はとうに限界を越えていた。

 

「やれやれ……。俺もそろそろお前を痛ぶるのも飽きたのでな。そろそろ引導を渡すとしよう」

 

ヘラクスは統夜がここまで耐えたことに驚きながらも、統夜にトドメを刺そうとしていた、

 

(……諦めてたまるか!アキトが必ず例の兵器を破壊してくれる!それまでは持ち堪えるんだ!)

 

統夜はアキトのことを信じていたので、自分はまだ持ち堪えて、時間を稼ぐ。その事を考えていた。

 

「……フン、これでトドメだ!」

 

ヘラクスが統夜目掛けて突撃し、絶体絶命の状態になったその時だった。

 

「させるかぁ!!」

 

統夜とヘラクスの前に大輝が現れると、大輝は蹴りを放ち、ヘラクスを吹き飛ばした。

 

「大輝……さん?」

 

「統夜、大丈夫か?」

 

「えぇ、何とか」

 

統夜はこう答えるが、顔を含めて統夜はボロボロだった。

 

「ふっ、ずいぶんとイケメンになったじゃないか。これはあいつらへの言い訳が大変そうだな」

 

「……ですね。それは、ホラーとの戦いよりきついですからね」

 

こんなボロボロになったのを唯たちに見られたらどれだけ問い詰められるか。それを考えただけで統夜はゾッとしていた。

 

それと同時に、先ほどまでの激痛が嘘のように和らいでいた。

 

「……ま、魔戒騎士がもう1人か……。だが、数が増えただけでは結果は変わらん!」

 

「ふっ、それはどうかな!」

 

大輝は格闘戦の構えをして、ヘラクスを睨みつけるのだが、その様子は数々の死地を乗り越えてきた歴戦の勇士だった。

 

そんな大輝の放つオーラに統夜だけではなく、ヘラクスもたじろいでいた。

 

「ふ、フン!称号を持たぬ者がほざくな!」

 

ヘラクスは大輝に突撃し、攻撃を仕掛けるのだが、大輝はヘラクスの攻撃をすべてかわし、逆に反撃でパンチやキックを連続でヘラクスに叩き込んだ。

 

ダメージはなくても、ヘラクスを怯ませるのと、精神的ダメージを与えるには十分だった。

 

そんなヘラクスの隙を大輝は見逃さず、大輝は蹴りを放ってヘラクスを吹き飛ばした。

 

「……すげぇ……」

 

統夜は大輝の戦いをたくさん見てきたが、今日の大輝の戦いぶりはまるで鬼神のようだった。

 

「大事なのは称号ではない!本気で人を守ろうと考える……騎士の心だ!」

 

このように語る大輝の表情はとても凛々しいものだった。

 

「騎士の心……」

 

絶体絶命な戦いの中で、統夜はまた1つ魔戒騎士とは何なのかということを学んでいた。

 

「生意気な……!良かろう、まずは貴様から始末してやる!」

 

ヘラクスは再び大輝目掛けて突撃した。

 

大輝もヘラクスを迎撃する体制に入ると、ヘラクスと互角の格闘戦を繰り広げていた。

 

そんな大輝であったが、やはり丸腰の状態で戦うのには限界があった。

 

「くっ……!やはりずっと格闘戦はきついな……!」

 

一時は格闘戦でヘラクスを圧倒した大輝であったが、体力を消耗しているからか徐々にヘラクスに追い詰められていた。

 

「くらえ!」

 

大輝はヘラクス目掛けてパンチを放つものの、それを軽々とかわされてしまった。

 

その後、ヘラクスは反撃といわんばかりに蹴りを放つと、大輝を吹き飛ばした。

 

「くぅ……!」

 

「大輝さん!」

 

「問題ない。まだやれる!」

 

先ほどのヘラクスの蹴りを受けた大輝であったが、戦いを継続するのに支障がないレベルのダメージだった。

 

「ずいぶんと手こずらせてくれたな。……だが、これで終わりだ!2人揃って俺の餌にしてやるよ!」

 

ヘラクスは今度こそ統夜と大輝にトドメを刺そうとしていた。

 

そして、ヘラクスが2人目掛けて向かっていったその時だった。

 

「……!何か体が軽いような……」

 

超音波の影響でずっと感じていた違和感が急に消えたのである。

 

そして……。

 

『……統夜!聞こえるか!?例の兵器の破壊に成功した!魔戒剣が使えるはずだ!』

 

イルバを通して、戒人の声が聞こえてきた。

 

それによると、魔戒騎士狩りに用いられた超音波のような兵器の破壊に成功したとのことであった。

 

「……!!了解した!」

 

これは、統夜にとって、待ちに待った瞬間だった。

 

「大輝さん!」

 

「!承知!」

 

大輝は魔法衣から魔戒剣を取り出すのだが、魔戒剣を手にしても何の異常はなかった。

 

それを好機とみた大輝は、魔戒剣を抜くと、そのままヘラクスに向かっていった。

 

そして統夜は、その隙に地面に放置されている魔戒剣の回収に向かった。

 

「……!!馬鹿な!?あの兵器を破壊したというのか!?」

 

ヘラクスは、予想外の展開に焦りを見せていた。

 

「……あぁ、そうだ!俺たちの連携を甘くみたようだな!」

 

大輝は笑みを浮かべながら魔戒剣を一閃すると、ヘラクスはそれを剣で防いでいた。

 

それと同時に、統夜は自分の魔戒剣を回収した。

 

「!ま、まさか!あの魔戒法師は貴様を見捨てて逃げた訳じゃないのか!?」

 

ヘラクスはこの瞬間、アキトが敵前逃亡をしたのが作戦であることを知ったのである。

 

「その通りだ!あいつが俺を見捨てる訳がないからな!」

 

統夜とアキトの作戦が見事成功したため、統夜はドヤ顔をしていた。

 

「おのれ……!この俺をコケにするとは、絶対に許さんぞ!」

 

統夜とアキトの作戦に嵌められたヘラクスは怒りのあまり激昂すると、衝撃波を放った。

 

ヘラクスと距離が近かった大輝はその攻撃を受けて吹き飛んでしまった。

 

統夜はヘラクスと距離が遠かったので、衝撃波をかわすことができた。

 

「あれが壊された以上、貴様らは生かしておかん!ここで殺してやる!」

 

ヘラクスはこの場で統夜と大輝を殺そうとしていた。

 

ヘラクスが臨戦態勢に入ったその時だった。

 

「……統夜!大輝さん!」

 

アキトと一緒にいた戒人が、統夜と大輝に合流した。

 

「戒人!あれを壊してくれてありがとな!……ところで、アキトは?」

 

「あぁ、アキトなら例の兵器の破片を持ち帰って分析をすると言っていたよ」

 

アキトがどうしているかを説明した戒人は、そのまま魔戒剣を取り出すと、魔戒剣を抜いた。

 

「そっか……。それじゃあ、ここから反撃開始だな!」

 

「おう!」

 

「承知!」

 

統夜の反撃開始宣言に大輝と戒人が応じていた。

 

「おのれ……!魔戒騎士ども!」

 

狩る対象であった魔戒騎士の反撃に、ヘラクスは怒っていた。

 

そんな中、統夜、大輝、戒人の3人は、同時に魔戒剣を突き上げ、円を描いた。

 

そこから放たれる光に包まれると、3人はそれぞれの鎧を身を纏った。

 

大輝は、銅の輝きを放つ、「鋼」の鎧を身に纏った。

 

戒人は、紫の輝きを放つ、ガイアの鎧を身に纏った。

 

そして統夜は、白銀の輝きを放つ、奏狼の鎧を身に纏った。

 

こうして、ヘラクスの目の前には、狼をモチーフにした三騎が姿を現していた。

 

「フン、相手が何体だろうと関係ない!みんな蹴散らしてやる!」

 

ヘラクスは、統夜たち3人が相手でも、怯むことはなかった。

 

「行こう!戒人!大輝さん!」

 

「「承知!」」

 

戒人と大輝は同時にヘラクス目掛けて突撃した。

 

戒人と大輝がそれぞれ剣を振るうが、ヘラクスはその剣の攻撃を剣で受け止めていた。

 

「統夜!今だ!」

 

「ぶちかませ!」

 

「あぁ!散々やられたんだ!倍にして返してやる!」

 

統夜は大輝と戒人が作ってくれた隙を活かすため、ヘラクス目掛けて突撃した。

 

ヘラクスは慌てて剣を振るって大輝と戒人を吹き飛ばすが、既に手遅れだった。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

統夜は全力で皇輝剣を振るった。

 

ヘラクスはどうにか攻撃を受け止めるのだが、統夜は続けてパンチを繰り出すと、ヘラクスを吹き飛ばした。

 

「ぐぅ……!奴は既に限界なハズなのに、その力はどこから!?」

 

「当たり前だ!俺には守りたい人がいる!その思いがある限り、俺は絶対折れたりはしない!」

 

統夜はボロボロではあったが、守りし者としての強い思いが統夜を突き動かしていた。

 

「だから俺はお前を倒す!そして、みんなのところに帰るんだ!」

 

統夜は皇輝剣を力強く握りしめると、再びヘラクス目掛けて突撃した。

 

「これで……終わりだぁぁぁぁ!!」

 

統夜はヘラクスに接近し、皇輝剣を一閃した。

 

これが決まれば確実にヘラクスを斬り裂くことが出来た。

 

しかし……。

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかから法術が放たれると、統夜はヘラクスにトドメを刺す前に吹き飛ばされてしまい、その衝撃で鎧が解除されてしまった。

 

「「統夜!!」」

 

戒人と大輝は慌てて統夜に駆け寄るのだが、鎧の制限時間が迫っていたため、鎧を解除した。

 

「……っ!何者だ!」

 

統夜は法術が飛んできた方角を睨みつけると、統夜たちやヘラクスの前に、マントを羽織った男が現れた。

 

男の手には魔導筆が握られており、魔戒法師であるということはわかった。

 

「……どうやら、あの音波を破ったようだな。そこは流石だと言っておこう」

 

謎の男は冷静であるが、殺意に満ちた目で統夜たちを睨みつけていた。

 

「お前……魔戒法師か!?それに、魔戒騎士狩りの首謀者はお前なのか!」

 

統夜は今回の事件の真の首謀者が魔戒法師とわかり、怒りに満ちた目で謎の男を睨みつけていた。

 

「まぁ、そんなところだ。あの音波を破壊されたことは予想外だったがな。それに、このホラーは私の実験に協力してくれた協力者だ。こんなところで死なせる訳にはいかないんだよ」

 

「へっ、今回ばかりはあんたに感謝するぜ!」

 

謎の男の助けがなければ、確実に統夜に倒されていたので、ヘラクスは謎の男に心から感謝していた。

 

「貴様は、何者なんだ!それに、魔戒法師だというなら、どうして魔戒騎士を殺そうとするんだ!」

 

謎の男の正体が魔戒法師であるならば、同志である魔戒騎士を狩りのように殺していくことを企むなど統夜たちには信じられなかった。

 

「……これだから、魔戒騎士という連中は……。俺は魔戒騎士を心から憎んでいる。全ての魔戒騎士を滅ぼしたいくらいにな!」

 

謎の男は、魔戒騎士という存在を恨んでいた。

 

その恨みこそ、今回の魔戒騎士狩りの引き金になったということは統夜たちにも推測出来た。

 

「……今日のところは引かせてもらおう。だが、今度会った時は必ず貴様を殺す!月影統夜!!」

 

謎の男は魔戒騎士を恨んでいるのだが、その中でも、今一番殺したい存在なのは統夜だった。

 

「!貴様、どうして俺の名前を!?」

 

「貴様は有名人だからな!貴様はグォルブとかいう雑魚を倒して調子に乗ってるただの小僧だ!」

 

謎の男は、メシアの腕と呼ばれる程のグォルブを雑魚扱いしていた。

 

「あのグォルブが雑魚……だと!?」

 

統夜と共に戦った大輝はグォルブが雑魚という発言は聞き捨てならなかった。

 

「貴様らにいいことを教えてやろう。布道シグマが遺したあのスクラップを奪ったのはこの俺だ」

 

「「「!!?」」」

 

統夜たちは、謎の男による突然の告白に驚愕していた。

 

統夜たちの目の前にいるこの男こそ、一連の事件の首謀者ということになるからである。

 

「俺はあんなポンコツなんかより強大な魔導具を作る!そしてその力で目障りな魔戒騎士を殺す!せいぜいそれまで短い命を堪能しておくんだな!」

 

「待て!貴様を逃す訳にはいかない!ここで捕まえてやる!」

 

ここでこの男を捕まえれば、一連の事件が一気に解決するため、統夜たちは謎の男をこの場で捕まえようとした。

 

「阿呆が……!そんな状態で俺を捕らえられると思うな!!」

 

謎の男は魔導筆を用いて法術を放つと、統夜、戒人、大輝の3人をまとめて吹き飛ばした。

 

「くぅ……!」

 

戒人と大輝はすぐさま体勢を整えられたが、統夜はヘラクスとの戦いでのダメージが大きく、思うように立ち上がることが出来なかった。

 

「……今日のところはこれで失礼するよ。さらばだ!哀れな魔戒騎士共!!」

 

それだけ言い残すと、謎の男は瞬間移動の法術を放ち、ヘラクスと共にその場から姿を消した。

 

「……くそ!逃げられたか……!」

 

「……」

 

一連の事件の首謀者に逃げられてしまい、戒人と大輝は唇を噛んでいた。

 

「……と、とりあえず……。番犬所に報告しないと……」

 

統夜はかなりボロボロだったからか、歩くのもおぼつかない状態だった。

 

『統夜!無茶するな!そんな状態で番犬所に報告など出来るわけないだろう!』

 

統夜が無理をしようとしていたので、イルバが統夜に叱責していた。

 

「番犬所への報告は明日しよう。あの男のことを調べるのも明日だ。今日はゆっくりと体を休めることにしよう」

 

大輝は、統夜のダメージを考慮して、今日は各自家に帰るよう通達した。

 

そして、番犬所への報告は明日しようと提案したのである。

 

「……!だけど……!」

 

「統夜、休むのも魔戒騎士の勤めだぞ。それに、そんな身も心もボロボロじゃ、あいつらも黙っていないぞ」

 

『確かに、問い詰めるだけで済むかどうか……』

 

統夜がここまでボロボロだと唯たちにバレたら、問い詰められるのは間違いないが、それだけではなく、イルバは自分にまで飛び火が来るのを恐れていた。

 

『統夜、今日のところはゆっくりと休むぞ』

 

「……あぁ、わかったよ」

 

統夜は渋々ではあるものの、今日は家に帰って休むことを了承した。

 

こうして、統夜たちは魔戒騎士狩りに用いられた超音波を放つスピーカーを見事に破壊し、家路についた。

 

統夜たちは謎の男と邂逅したが、それは、これから起こる激闘の始まりだった……。

 

 

 

 

 

 

……続く。

 

 

 

 

 

 

__次回予告__

 

『魔戒騎士狩りを阻止したのはいいが、あの男は一体何者なんだ?相当ヤバそうな奴だったぜ!次回、「調査」。奴の真意は明らかになるのか?』

 




無事に魔戒騎士狩りを阻止した統夜たちでした。

それにしても、元魔戒騎士であるヘラクス相手に長いこと持ち堪えた統夜はやっぱり凄いな。

そんな統夜だからこそ、アキトの作戦が上手くいったと思います。

そして統夜たちの前に現れた謎の男。

強大な魔導具を作って魔戒騎士を滅ぼすと言っていますが、そんな謎の男の正体と真意とは?

次回は、そこら辺の話に触れていこうかなと思っています。

そこも含めて、次回をお楽しみに!


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