それよりも、魔戒烈伝の最終回はマジで熱過ぎだろ!
あの人の登場を期待はしてたけど、本当に来るとは思ってなかったから、出た瞬間夜中なのに「キター!!」と思わず叫んでしまった(笑)
魔戒烈伝の最終回はマジで最高でした!
話は逸れましたが、今回はアニメけいおん!一期のライブハウス回になります。
統夜たちのライブハウスでのライブはどうなるのか?
それでは、第34話をどうぞ!
「ライブハウス?」
年末が近づいてきている12月のある日、律がこのような話を切り出した。
「そう。中学の時の友達がさぁ、一緒に出ないかって誘ってくれたんだ」
律はライブハウスで行なわれるライブのチラシを全員に見せていた。
「でもこれ、大晦日って書いてあるけど……。あと10日しかないぞ?」
「何にも用意してませんよ?」
「えぇ?でもなんだか楽しそう!私出てみたいなぁ♪」
「だろぉ?」
「うん♪」
唯と律はライブハウスでのライブに出てみたいという意見だった。
「でも……。また大勢の人の前に出るのは……」
澪はその恥ずかしがり屋な性格ゆえ、前向きな意見を出すことが出来なかった。
「澪!そんなこと言ってたらいつまでたっても成長出来ないぞぉ!」
『そこは律の言う通りだな。度胸試しにはちょうどいいんじゃないか?』
「い、イルバまで……」
「ベースを弾いてるみおちゃん、凄く格好いいよ!」
唯が目をキラキラさせながらこう言っていた。
唯はお世辞を言えるタイプではないので、これが本音だということはすぐに察することが出来た。
「……」
「……?澪?」
「そ、それじゃあ、多数決で決めよ?……今回パスの人……」
澪は今回のライブに出るかどうか多数決で決めようと提案し、今回の出場に反対の人を聞いていた。
それに手をあげたのは、澪と梓だけだった。
「……律先輩、唯先輩。ごめんなさい!」
「こしゃくな梓!それじゃあ出たい人!」
律はこう言うと力強く手をあげていた。
「はい!はい!はいぃ!!」
唯もそれに続いて手をあげた。
そして……。
「はい!」
紬も手をあげていた。
「む、ムギ先輩!?」
「ムギは、年末年始は旅行じゃなかったのか?」
澪の言う通り、紬は年末年始に家族と旅行に行く予定だった。
「うん。でも、こんな機会は滅多にないでしょ?それに……今年最後の日にみんなで演奏出来るなんて凄く幸せなんじゃないかなぁって」
「ムギ……」
紬の言葉を聞いた澪と梓は考え込んでいた。
「ところで、統夜はどっちなんだよぉ!どっちにも手をあげてなかっただろ?」
律は統夜がどちらの意見にも手をあげていないことを見逃さずに追求していた。
「俺はどっちでもいいと思ってたから手をあげなかったんだよ。俺はみんなの決定に従うさ」
『よく言うぜ。心の中では出たいと思ってるくせに』
「あっ!イルバ、バラすなよ!」
自分の本音をイルバに見透かされ、統夜は唇を尖らせていた。
「まったく……それなら参加って素直に言えよなぁ」
「やーくん、素直じゃないねぇ♪」
「うっ、うるさいよ!」
統夜は顔を赤らめてそっぽを向いた。
「あの……」
「私たちも参加で……」
澪と梓はおずおずと手をあげて、反対意見を撤回し、参加する意思を伝えた。
「よーし、参加決定!」
「やったぁ!」
「やるからには優勝だぜぇ!」
『おいおい。このライブはそういうものじゃないだろう?』
暴走気味の律にイルバがツッコミを入れていた。
こうして、統夜たち放課後ティータイムのライブハウス初参戦が決定したのであった。
※※※
ライブハウス参戦を決めた統夜たちは、部活を早々に切り上げ、ライブハウスに行って出演の申し込みをすることになった。
ライブハウスに向かう途中、商店街を歩いていたのだが、外はクリスマス一色であった。
(クリスマスねぇ……。まぁ、どうせ指令があるか、なくても街の見回りだから俺には関係ないな)
魔戒騎士にイベントは関係ないので、統夜にとってもクリスマスは自分に縁のないものだと思っていた。
統夜はそんなことを考えていると、ライブハウスに到着していた。
「……ここがライブハウスかぁ……」
「……なんだか緊張するね」
初めてライブハウスに入るであろう唯と紬は少しだけ緊張していた。
「大丈夫だって」
『律の言う通りだぜ。ほら、さっさと用事を済ませるぞ』
イルバに促され、統夜たちはライブハウスの中に入った。
中に入ると統夜は「すいませーん!」と声をかけて人を呼んだ。
すると、さわ子と同い年くらいの女性が姿を現した。
「あっ、あの……」
部長である律が話を切り出そうとするが、律は恥ずかしそうにしていた。
「出演の申し込みに来たんですけど……。名前は、放課後ティータイムです」
「あぁ、話は聞いてるわ。「ラブクライシス」のマキちゃんの紹介ね」
(ラブクライシス?あぁ、律の友達のバンドの名前か。けっこう格好いい名前じゃないか)
唯もそのことが気になっていたのか、律に放課後ティータイムという名前がほわわんとし過ぎではないか?と耳打ちしていた。
「放課後ティータイムなんて、何だか可愛いバンド名ね!」
バンド名を褒められて、唯と律の表情がぱぁっと明るくなった。
出演申し込みにあたり、そのバンドの実力を知るために、統夜たちはあらかじめ録音してあった「ふわふわ時間」の演奏を聴かせた。
「……こ、こんな感じなんですけど……」
「……はい。それじゃあ、参加申込書を書いてくれる?」
統夜たち放課後ティータイムの実力を認めてもらったところで受付の女性は参加申込書を律に手渡した。
「えっと……。当日、出演者は13時入りね」
「結構早いんですね」
「リハをやるからね。各バンド15分で。それで、15時からミーティング。客入れは16時。開演が17時ね」
律はテンパりながら話を聞いていたのだが、統夜は慌てることなく、スケジュールをしっかりとメモしていた。
(おぉ!統夜!ありがてぇ!)
冷静に話を聞きながらメモを取る統夜に、律は助けられていた。
その後も統夜は当日のスケジュールの話をしっかりと聞きながらメモを取っていた。
《やれやれ。これじゃあどっちが部長かわからないぜ》
(まぁ、そう言うなって。律はこういうの苦手だろうし、俺がやるしかないだろ?)
《まぁ、お前さんがスケジュールを把握していれば問題はないか》
統夜はテレパシーでイルバと会話をしながら当日のスケジュールの話を聞いてメモを取った。
その後、受付の女性……川上がライブハウスの中を案内してくれた。
最初に案内されたのは、出演者専用の楽屋だった。
唯は初めて見る楽屋にキラキラと目を輝かせていた。
それは紬も同様だったようで……。
「あのっ、暖簾をかけてもいいですか?」
このような素っ頓狂な事を言い出していた。
「いやいやいや……ダメに決まってるだろ」
統夜がすかさずツッコミを入れると、川上は苦笑いしていた。
続いて案内されたのは、実際自分たちが立つステージだった。
統夜たちは初めて立つステージに興奮していた。
「演奏中の照明プランとかも考えておいてね」
「わかりました」
「もう、グルッグルのキラッキラのピカッピカで!」
「おいおい……。それじゃわからんだろうが」
統夜はジト目で唯にツッコミを入れていた。
「……ここで演奏するんですね♪」
「ドキドキするわね♪」
梓と紬は楽しげな表情を浮かべていたのだが……。
__プシュウ!
澪が頭から煙を出して固まっていた。
「おいおい、燃え尽きるのは早過ぎだぞ」
統夜は澪にツッコミを入れると、苦笑いをしていた。
こうしてライブハウスで行なわれるライブの参加申込みと、中の見学は終了した。
※※※
統夜たちはライブハウスを後にして、唯の家でライブの打ち合わせをすることになったのだが、統夜は番犬所に呼び出されてしまった。
打ち合わせは唯たちに任せることにして、統夜は番犬所へと向かった。
統夜は番犬所の中に入ると、イレスに挨拶をして、狼の像の口に魔戒剣を突き刺し、剣の浄化を行った。
剣の浄化を終えた統夜は魔戒剣を青い鞘に納めた。
「統夜、さっそくですが、指令です」
イレスがこう宣言すると、イレスの付き人の秘書官が統夜に赤の指令書を渡した。
統夜は指令書を受け取ると、魔導ライターを取り出し、赤の指令書を燃やした。
すると、魔戒語で書かれた文字が浮かび上がり、統夜は指令の内容を確認した。
統夜が指令内容を音読すると、魔戒語で書かれた文字は消滅した。
「……わかりました!ただちにホラーを見つけて、掃討します」
「頼みましたよ、統夜」
統夜はイレスに一礼すると、番犬所を後にして、ホラーの捜索を開始した。
統夜が番犬所を出る頃には、外はすっかり暗くなっていた。
統夜はイルバのナビゲーションを頼りにしながら移動を始めた。
ちょうどその頃、ベースを抱えた少女が夜の街を歩いていた。
彼女は自分が所属しているバンドの練習を行っていたのだが、練習に熱が入ってしまい、気が付けば遅い時間になってしまった。
(遅くなっちゃったな……。早く帰らないと……)
少女は早足で家に向かっていた。
(今日の練習も熱が入ってたよね。もうすぐライブもあるし、それも仕方ないか)
少女はとあるバンドに所属しているが、もうじきライブが行われるので、練習にも熱が入っていた。
家の近くの駐車場に差し掛かったのだが、そこで怪しい物体を発見した。
「……?これ、何だろう?」
少女が見かけたのは、巨大な黒い球体のようなものだった。
少女は訝しげにその球体のようなものを見ていたが、好奇心からかそれがどのようなものかを確かめたくてゆっくりと近づいていった。
そしてその球体のようなものに手を伸ばそうとしたその時だった。
「それに触らない方がいいよ!」
「え?」
誰かの声が聞こえて来たので、少女は手を止めて声の方を見ると、声をかけてきたのは、赤いコートを着た自分と同じくらいの歳の少年だった。
「あっ、あの……」
少女は赤いコートの少年……統夜を見ると困惑していた。
そんなことはお構いなしに統夜は続けた。
「あと、一刻も早くその場から離れた方がいいよ。死にたくなかったらね」
「え?」
統夜の発言に少女はさらに戸惑うが、少女の近くにある黒い球体のようなものに変化が起こった。
ガタガタガタと球体が動き始めると、その形が変形し始めた。
「ひっ!?何?何なの!?」
少女は恐怖のあまり、統夜のそばに駆け寄ると、黒い球体のようなものは最終的にこの世のものとは思えない人型の何かに変化していた。
「ひっ!?ば、化け物!?」
「早く逃げろ!」
少女が恐怖に怯える中、統夜はきつめの口調で逃げるよう警告した。
少女は統夜の言葉に無言で頷くと、逃げるようにその場から立ち去った。
「さてと……」
少女の姿が見えなくなったのを確認した統夜は魔法衣の懐から魔戒剣を取り出すと、それを抜いて、構えた。
『統夜、こいつはインバーシュ。腕についてる鉄球に気を付けろよ!』
統夜が対峙しているホラー、インバーシュは、人間より一回り大きいサイズで、筋肉質の体型である。
さらに特徴は右腕についている鉄球である。
インバーシュはいきなり鉄球を統夜めがけて放って来たので、それをかわすと、接近して魔戒剣を一閃した。
しかし……。
「くそっ!やっぱり硬いな、こいつ!」
インバーシュの体は硬く、魔戒剣では傷をつけることが出来なかった。
統夜は後方にジャンプすると、インバーシュと距離を取った。
「こうなったら、一気に決めてやる!……貴様の陰我、俺が断ち切る!」
統夜はインバーシュに向かってこう宣言すると、魔戒剣を高く突き上げ、円を描いた。
そこから放たれる光に包まれると、統夜は奏狼の鎧を身に纏った。
統夜は鎧を召還すると、すかさず魔戒剣が変化した皇輝剣の切っ先に赤い魔導火を纏わせて、烈火炎装の状態となった。
インバーシュは統夜めがけて鉄球を放つが、統夜はそれを回避し、距離を詰めた。
「……ここだ!!」
統夜は絶妙なタイミングで皇輝剣を一閃した。
赤い炎に包まれた刃は、インバーシュの体を真っ二つに斬り裂いた。
炎の刃で切り裂かれたインバーシュは断末魔をあげると、その体は爆発四散した。
インバーシュを討滅したことを確認した統夜は鎧を解除し、元に戻った魔戒剣を青い鞘に納めた。
『さて、仕事も終わったし、帰るぞ、統夜』
「そうなんだけど、その前に……っと」
統夜はポケットから携帯を取り出すと、メールが来てるかチェックしていた。
その理由は、ライブハウスでのライブでやる曲や衣装など、決まったことを律がメールで報告してくれるとのことだったからである。
メールをチェックすると、律からメールが来ていた。
今回のライブは制服で参加することになり、演奏曲は
1.私の恋はホッチキス
2.カレーのちライス
3.ふでペン〜ボールペン〜
4.ふわふわ時間
に決定した。
今回「bright hope」を入れなかったのは、ライブハウスでのライブということで、全曲オリジナルの方がいいという意見があったからである。
(なるほどな……。確かにライブハウスでのライブだから全曲オリジナルの方がいいよな)
統夜は唯たちの話し合いで出た意見は理にかなっていると思っていたので、特に反対することはなく、律にこれで問題ないと思うと返信した。
「さてと、メールも返したし、そろそろ帰ろうか」
『あぁ、そうだな』
ホラーを討滅した統夜はそのまま帰路についた。
※※※
そして時は流れ、クリスマスも過ぎ行き、ライブ当日となった。
統夜たちは全員でライブハウスに向かっていた。
ライブハウスの前に着くと、すでに何人か人が来ていた。
「あっ、お疲れ様でーす!」
「どーもー!」
「ありがとー!」
1人の女性が挨拶をしてくれたので、統夜と律が笑顔で返していた。
「?何だろ?出演バンドの子達かなぁ?」
唯が首を傾げてこう聞いてきた。
「そのファンの子達だな」
「おぉ!すでにファンが!」
唯は驚いていたが、それなりに経験を積んだバンドであれば、ファンがいてもおかしくはない。
統夜はそう思っていた。
統夜たちはライブハウスの中に入った。
「こんにちはー」
「よろしくお願いしま……」
律は途中まで言ったところで言葉を失い、統夜以外の全員が固まっていた。
統夜たちの目に映った少女たちは目付きが鋭かったり、独特な色の髪だったり、独特な雰囲気だったりと明らかに自分たちと違うからである。
「こ……これは皆さん手強そうな……」
澪はこっそり逃げ出そうとするが、すぐさま律に捕まっていた。
(アハハ……。確かにパッと見は怖いかもな。俺はこういうのは慣れっこだけど)
《まぁ、お前さんは普段からあれより怖いものを見ているからな》
統夜とイルバはこのような会話をテレパシーで行っていた。
「おはよー」
「おはよう」
「今日はよろしく」
怖そうな見た目とは裏腹に彼女たちはフランクに挨拶をしてくれた。
そのことに安心した唯たちの表情は明るくなっていた。
すると、サングラスをかけた少女がこちらに駆け寄ってきた。
「りっちゃん!……澪ちゃんも久しぶり!!」
この少女は律と澪と顔見知りのようだった。
「あっ、マキちゃん!……あ、紹介するね。こちら、「ラブクライシス」のドラムのマキちゃん。今回ライブに誘ってくれた」
「よろしくね」
マキはニコっと笑顔で挨拶をしてくれた。
「こちらこそ!りっちゃんがいつもお世話になってます!」
「おいおい、お前は保護者かよ」
唯のまるで保護者のよいな発言に統夜はツッコミを入れていた。
「あ!澪さんだ!」
今度は茶色の髪で、マキと同じような格好の少女がこちらに駆け寄ってきた。
「うちのベースのアヤ。澪ちゃんの大ファンなんだ」
「え?」
「学園祭のライブ……すっごく格好良かったです!」
思いがけない言葉に澪は顔を赤らめて恥ずかしがっていた。
「見に来てくれたんだ♪」
「はいっ!すっごく楽しいライブでした!」
アヤの褒め言葉を聞いた唯は嬉しさのあまりぼぉっとしていた。
「あ、あの……」
「アハハ、ごめんごめん。知らない人にライブを褒めてもらったことあんまりないから……多分……」
「そうなんだ。……って、あれ?」
アヤは何かに気付くと、統夜の顔と赤いコートを凝視していた。
「……?アヤ?どうしたの?」
「?俺の顔に何かついてるか?」
「……」
マキと統夜がアヤに声をかけるが、アヤはしばらくの間、何かを考えながら統夜を凝視した。
そして……。
「あ!!あなた、あの時の!!」
何かを思い出したアヤは統夜に向かってこう言っていた。
「?あの時の?」
アヤの言葉に心あたりのない統夜は首を傾げていた。
《統夜。本当に心あたりがないのか?》
(多分……)
統夜はイルバの問いかけにテレパシーで答えるが、少しだけ見覚えがあった。
「あの……。あの時はありがとうございました!」
「へ?俺、何か礼を言われるようなことしたかな?」
「そうですよ!あの時、駐車場で……」
「……!あ!もしかして、君はあの時の?」
ここで統夜はようやく思い出した。
統夜の目の前にいるアヤこそ、ホラー、インバーシュに襲われそうになったところを助けた少女であった。
「え?君ってりっちゃんから聞いたけど、統夜君……だっけ?アヤのこと知ってるの?」
「あぁ、以前彼女がチャラそうな男にナンパされて困ってたところを偶然助けたんだよ」
統夜はホラーや魔戒騎士といった単語を出すわけにはいかないので、このような嘘をついていた。
「え?あの、あなたは……!」
「悪い、そういうことにしといてくれ。色々訳ありだからさ」
このままだとホラーや魔戒騎士のことがバレそうだったので、アヤにこう耳打ちをして話を合わしてもらうことにした。
「は、はい……」
アヤは納得していないものの、訳ありと聞いて渋々納得してくれた。
「そ、そうなんです!統夜さんが偶然助けてくれて……」
「ふーん、そうだったんだ。統夜君、うちのメンバーを助けてくれてありがとね!」
「気にしなくていいよ。俺は当然のことをしただけだから」
「いやいや、だってナンパされて困ってる女の子なんて普通の人なら助けないし、本当に感謝してるよ!ね、アヤ?」
「はい!本当にありがとうございました!」
アヤはペコリと統夜に一礼した。
「あのっ、もし良かったらアドレスを教えてもらってもいいですか?改めてお礼をしたいので……」
「あっ、私も私も♪」
アヤとマキが統夜の連絡先を聞いてきた。
(まぁ、メアドくらいだったら別にいいか)
統夜はあっさりとアドレスを教えてもいいかなと思っていた。
「あぁ、構わないよ」
「ありがとうございます♪」
統夜、マキ、アヤの3人は携帯を取り出すと、メールアドレスの交換を行っていた。
(おいおい……。こんなにあっさり教えていいのかよ……。統夜のことだから無自覚なんだろうが、唯たちがすごい顔してるぜ……)
あっさりと女の子と連絡先を交換する統夜を見て面白くなかったのか唯たちはドス黒いオーラを放って統夜を睨みつけていた。
しかし、統夜はそれに気付かず、イルバは呆れていた。
「……これでOKかな」
「あっ、ありがとうございます!後でメールしますね!」
「あっ、私も私も♪……あと、これなんだけど」
マキは1枚のチラシを統夜に渡した。
「私たち、今度単独ライブをやるんだ。良かったらみんなで見に来てよ!」
マキが統夜に渡したチラシは、ラブクライシス単独ライブのチラシだった。
「凄い……」
ドス黒いオーラを放っていた唯たちはラブクライシスが単独ライブをやると知って我に返っていた。
「あと、CDも。手作りですけど」
アヤは統夜に1枚のCDを手渡した。
「へぇ、凄いなぁ」
「うん!凄いよ!」
自作とはいえ、CDを出していることに統夜だけではなく、唯も驚いていた。
「それじゃあ、また後でね!」
「うん!」
マキとアヤは統夜たちに別れを告げると、自分のバンドのメンバーがいるところへ戻っていった。
「……さてと……」
律たちは一斉に統夜を睨みつけていた。
「な、何だよ!」
「統夜先輩……。私たちが言いたいこと……わかりますよね?」
「?わからないけど」
「おいおい、統夜。お前なぁ」
『お前ら、それはライブが終わってからにするんだな』
イルバが唯たちをなだめた。
少しなら喋っても問題ないと判断したので口を開いたのである。
「ま、まぁ……。確かにそうだな」
ここで唯たちの追求は終わり、統夜は安堵していた。
「そ、それにしても俺たちとは意気込みが違うよな」
「確かにそうだな」
「ねぇねぇ、私たちも何かロゴマークとかあったらいいよね!」
「へ?」
唯はペンを取り出すと、手に何かを書いていた。
「えっとねぇ……こんなのとか!」
唯は出来上がったものをみんなに見せていた。
「「それじゃ温泉だ!」」
統夜と律が同時にツッコミを入れた通り、唯が書いたのは地図記号でよく見かける温泉そのものだった。
「あ、そうだ!ティーカップも書いてみたらどう?」
こう紬が提案すると、唯はその通りに書いてみた。
すると……。
「おぉ!まったりお茶するいい感じ!」
今度はオリジナリティ溢れるデザインとなっていた。
「……出来ました!」
統夜たちは控え室に移動すると、唯は自分のピックに先ほど自分の手に書いたものと同じものを書いた。
「おぉ!これにも書いて書いて!」
律は自分のスティックをテーブルの上に置いた。
「私のキーボードにも!」
「じゃあ、私はこれに……」
「私もピックに……」
統夜以外の全員がそれぞれロゴマークを書いてもらいたいものを取り出した。
「じゃあ俺は魔戒剣に……」
『統夜。さすがにそれはダメだろう!」
イルバにこう叱責され……。
「……じゃあ俺もピックで」
仕方なく自分のピックにロゴマークを書いてもらいことにした。
『魔戒剣にそのロゴを書いたらそれが奏狼の紋章だと勘違いされるだろうが』
「あぁ、そう言われれば確かに」
イルバの指摘に統夜はようやく納得した。
「みんなでお揃いだねぇ♪」
唯はみんなが用意したものにそれぞれロゴマークを書いていた。
「それじゃあミーティングを始めます!」
唯が全部書き終わるタイミングでミーティングの時間となった。
「よっしゃあ!」
「「「「「行っくぞぉ!!」」」」」
統夜たちは気合十分な感じでミーティングに臨んでいた。
こうして、ライブハウスでのライブは始まろうとしていた。
……続く。
__次回予告__
『ようやくライブが始まるな。このライブも何事もなく終わってくれればいいんだがな。次回、「響家 後編」。統夜!このライブ、成功させるぞ!』
こうして統夜たち放課後ティータイムのロゴマークが完成しました!
魔戒剣にロゴマークを書いてもらおうとする統夜(笑)実際書かれたらどんな感じになるのか気になるかもしれない(笑)
今回出てきたホラーは、「CR 牙狼 金色になれ」に登場したインバーシュでした。
パチンコではなかなか倒せない相手でしたが、統夜は難なく撃破しました。
次回は、ライブハウスの後編になります。
本番に向けて準備を進める統夜たちだが、無事にライブを成功させることは出来るのか?
それでは、次回をお楽しみに!