前回ロンドンの地に降り立った統夜たちですが、これから統夜たちはどのように過ごすのか?
ここからはロンドンのため、英語が出てくる機会が多いです。
ですが、僕の英語力は皆無なため、間違った文法が出てくるかもですが、そこは暖かい目で見ていただければと思います(笑)
それでは、第107話をどうぞ!
ついに卒業旅行当日を迎えた統夜たちは、朝早くに待ち合わせて、紬の最寄り駅の近くから出ているバスに乗り込み、某国際空港へと向かった。
空港に到着した後、搭乗手続きやキャリーバッグなどを預かってもらい、その後は搭乗口近くの待合室で時間を潰していた。
搭乗開始になると、統夜たちは他の乗客と共に飛行機に乗り込んだ。
そして飛行機は離陸し、長いフライトが始まったのである。
約12時間のフライトで、飛行機はようやくロンドンの某空港に到着した。
その後、入国審査や荷物受け取りで多少のトラブルはあったものの、統夜たちは無事にロンドンの地へ降り立ったのであった。
外に出た統夜たちであったが、冷たい風が吹きつけてきた。
「さ、寒い!」
「ロンドンの寒さだ」
「わぁ♪」
統夜たちのいるロンドンの寒さは、昨日までいた桜ヶ丘とそれほど変わりはないのだが、ロンドンにいるという理由だけで、それが新鮮に感じていた。
「そうか?ロンドンも桜ヶ丘もそんなに変わらないと思うけどな」
「まったく、せっかくのロンドンなのに、冷めたことを言うなよな」
「そうだよ、やーくん!いくらそのコートがあったかいって言ったって!ちょっとしたことでも感動しなきゃ!」
「はいはい……」
唯の言う通り、統夜の羽織っている魔法衣は夏は涼しく冬は暖かくと、季節に合った温度になっているため、どの季節にも対応しているのである。
律と唯が冷めた態度の統夜を注意していたのだが、統夜は呆れ気味に返事をしていた。
「……あっ!ロンドンの空!」
唯はとある方向へ指差すと、澪が反射的にカメラを取り出し、唯が指した場所を撮影していた。
「ロンドンのタクシー!」
唯は続いてタクシーを指差すと、澪は唯が指したタクシーを撮影した。
「ロンドンの英語!」
次いで唯が指したのは、近くにある英語で書かれた看板であり、澪はすかさずその看板を撮影していた。
『おいおい。英語なんてあちこちにあるんだから珍しくもないだろう』
イルバは英語で書かれているという理由だけで看板を撮影する澪に呆れていた。
「そして、ロンドンにいる、私たち!」
最後に唯と澪はツーショットで自撮り写真を撮影していた。
「「……おい」」
『やれやれだぜ……』
ツーショットで自撮り写真を撮影している唯と澪に、統夜、律、イルバは呆れ気味だった。
撮影を終えた唯と澪が満足したところで、近くにあったタクシーに乗り込むことになった。
「タクシー、タクシー」
タクシーの前には、運転手であると思われる50代くらいの壮年の男性が出迎えてくれた。
統夜たちはタクシーのドアの前に立ったのだが……。
「お父さんがね、ロンドンのタクシーは自分で開けなきゃいけないんだよって言ってたよ!」
「へぇ、そうなのか」
唯の説明通り、ロンドンのタクシーは日本のタクシーとは違って自動ドアではないため、自分でドアを開けなければならないのであった。
唯はさっそく実践するのだが、あるべきところにあるはずの取っ手がなく、困惑していた。
「あれ?……あれ?」
しばらく開かないドアに悪戦苦闘していると、運転手の男性がドアを開けてくれた。
ロンドンのタクシーのドアの取っ手は、日本のタクシーのドアの取っ手の反対方向にあるため、唯は気が付かなかったのであった。
運転手の男性はドアはここだぜ!と言いたげに茶目っ気のあるウインクをしていた。
「……あぁ、そうそう。こっちこっち」
唯はドアの場所に気付かなかったが、あたかも知ってる風に装って強がっていた。
すると、運転手の男性が統夜たちがどこに行きたいのかを英語で聞いていた。
「……どこに行きたいのか聞いているみたいだぞ」
統夜は男性の言っている言葉を通訳して唯たちに伝えていた。
「えっと……ホテルアイビス、プリーズ」
梓は宿泊の予約を入れている「ホテルアイビス」へ行って欲しいと男性に伝えた。
それを聞いた運転手の男性はそのホテルの場所を聞いていた。
「……どこのホテルアイビスだと聞いているぞ」
統夜は再び男性の言葉を通訳して唯たちに伝えていた。
「どこって、ロンドンに決まってるじゃん!」
「ロンドンジョーク?」
ホテルはロンドンにあるのは当たり前だと感じていた唯と律は、ニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「いやいや。この場合はそういうことじゃなくてな……」
唯と律はどうやら男性の言葉の意味を理解していないようで、統夜はそんな2人に呆れていた。
「……London City?」
運転手の男性は、ロンドンという言葉を聞き取り、ロンドンシティーにあるホテルアイビスか?と確認を取っていた。
「「イェース!!」」
「ちょっ!?おまっ!?」
唯と律が何の確認もしないで、ロンドンシティーでOKと答え、統夜は焦っていた。
このままロンドンシティーのホテルアイビスに向かって良いものかわからなかったので、統夜はとある行動を取った。
それは……。
「……Wait a minute!(ちょっと待って!)」
統夜は英語でちょっと待ってと言って、男性の動きを止めた。
それを聞いた運転手の男性は、何だろうと言いたげな感じで首を傾げていた。
「……?統夜先輩?」
「梓。ホテルの予約の紙があったろ?それを見せてくれないか?」
「……あっ、はい」
梓は統夜の行動の意図が読み取れず、困惑しながらもホテルの予約確認の紙を取り出して、統夜に手渡した。
統夜はその紙に書かれたホテルアイビスの住所を確認するのだが……。
「……やっぱり……」
「?統夜君?どうしたの?」
統夜が急にホテルの住所を調べだしたことに、紬は首を傾げていた。
それは唯たちも同様であったが、そんなことはおかまいなしに統夜はホテルの予約確認の紙を運転手に見せて、この住所のホテルアイビスへ行って欲しいと英語で伝えていた。
「「「「「……」」」」」
統夜の現地顔負けの流暢な英語に、唯たちは驚きのあまり絶句していた。
「……OK!Earls Court?」
運転手の男性はアールズコートだね?と確認を取ると、統夜はそうだと英語で返していた。
統夜の流暢な英語に男性も驚いており、「兄ちゃん、英語上手いね」と統夜に話しかけた。
統夜は「少し喋れるだけです」と謙遜気味に英語で返していた。
こうして、タクシーの目的地を正確に伝えたところで、運転手の男性は統夜たちのキャリーバッグをトランクに積み込み始めた。
「……梓、ありがとな」
統夜は梓に予約の紙を返した。
「い、いえ……。それより統夜先輩。今のやり取りは?」
「あぁ。ホテルアイビスってのはロンドンシティーだけじゃなくてあちこちにあるみたいなんだ。住所を調べたら俺たちが予約したホテルはアールズコートってところにあるから、そこのホテルアイビスまで連れてってくれって説明したって訳」
「え、そうなの!?」
「そ、それじゃあ、あのままタクシーに乗り込んでたら……?」
「予約の取れてないホテルアイビスに向かうことになり、後々面倒なことになっただろうな」
「「「「「……」」」」」
統夜が確認してくれなかったらどうなったかを想像した唯たちは、顔を真っ青にしていた。
「あ、ありがとうございます!統夜先輩!」
「やーくん、すっごく頼りになるよぉ!」
「ふふん♪まぁな♪」
統夜は「ふんす!」と気合を入れるとドヤ顔をしていた。
《おいおい、ドヤ顔するなよな……》
イルバは、ドヤ顔をしている統夜を、ジト目で見ていた。
「まぁ、とりあえず目的地は伝えたし、さっそくタクシーに乗り込もうぜ!」
統夜たちが話をしている間に荷物の積み込みは終わったようであり、統夜たちはタクシーに乗り込んだ。
タクシーの席順は以下の通りである。
助手席 運転手
澪、律、唯
統夜、梓、紬
統夜が最後に乗り込み、ドアを閉めたその時、タクシーは即発進していた。
急発進の衝撃で、唯は前に倒れこむのだが、紬の太ももがクッションとなったため、大事には至らなかった。
「ゆ、唯先輩!大丈夫ですか!?」
「す、すまん!唯!俺がいきなり閉めちまったから……」
「エヘヘ……。大丈夫大丈夫。ムギちゃんが柔らかくて助かったよ」
「そう?良かった♪」
「いやぁ、それにしても驚いたよぉ」
「いやいや。それはこっちのセリフだって!」
唯は急発進の衝撃で前に倒れ込んだことに驚いていたが、それは周りの全員が同じことを思っており、律が代表して代弁していた。
こうしてタクシーは、アールズコートにある「ホテルアイビス」に向かって走り出した。
澪は窓から見える景色を写真に撮っており、統夜、梓、紬の3人は、窓から見える景色を楽しんでいた。
そして、唯と律の2人は今この瞬間がとても楽しいのか、楽しげに歌を歌っていた。
※※※
車で走ることおよそ15分。統夜たちを乗せたタクシーは、無事にホテルアイビスへと到着した。
統夜がタクシー代とチップを支払い、統夜たちはタクシーを降りて、荷物を回収した。
後はフロントに向かって予約の確認を取ってからチェックインをするのだが……。
「うぷ……。酔っちゃった……」
あまり乗り物に強くない唯は乗り物酔いをしてしまい、顔は真っ青になっていた。
「唯ちゃん、大丈夫?」
「う、うん……。へーきへーき。ちょっと休めば良くなると思うから……」
唯は吐き気を催してるのか、手で口元を押さえていた。
「したら唯はそこで休んでてくれ。俺と梓でチェックインの手続きを済ませてくるから」
「はい!」
「あっ、私も行くわ!」
統夜、梓、紬の3人がチェックインの手続きを行うためにフロントへ向かい、残りのメンバーは、入り口近くのソファに座り、ひと休みをしていた。
統夜がタクシーに乗り込む前に確認をしたおかげか、しっかりと予約は確認されており、チェックインは問題なく行われた。
チェックインを終えた統夜たちは、前もって割り振られた部屋にそれぞれ移動し、荷物を置いたらロンドンの街を見て回るため、部屋の前で集合することになった。
統夜たちの部屋は3人ずつの2部屋で割り振られており、隣り合っているため、入り口で集合することにしたのであった。
「はぁぁ……。やっと落ち着けたねぇ……」
「そうですね……」
統夜は、唯と梓の2人と相部屋であり、部屋に入るなり、力無い感じで梓に抱きついていた。
「やっと2人きりになれたねぇ、あずにゃん……」
「へ?」
「おいおい、俺がいることを忘れるなよ……」
「はっ!そうだった!」
唯は梓だけではなく、統夜とも相部屋であることを思い出し、先ほどまで抱きついていた梓から離れていた。
『やれやれ……。せっかく統夜と梓が2人同じ部屋になれたんだ。唯、あまり邪魔するんじゃないぞ』
「ちょっ!!?////」
「お、おい!イルバ!?////」
イルバの唐突な発言に、統夜と梓の顔は真っ赤になっていた。
「むぅぅ、それはわかってるよぉ。イルイル」
『おい!お前さんはロンドンでも俺様を変なあだ名で呼ぶな!』
ロンドンに来ても相変わらず唯はイルバのことをイルイルと呼んでおり、唯とイルバはいつものやり取りをしていた。
「そ、それに……。唯先輩がいたら……ゴニョゴニョ……////」
イルバの言葉を聞いて、あらぬ妄想をしていた梓はさらに顔を真っ赤にしていた。
「と、とにかく!さっさと荷物を置いてみんなと合流するぞ!////」
統夜はキャリーバッグを置くと、逃げるように部屋から出て行った。
「あっ!やーくん!待ってよぉ〜!!」
「統夜先輩!待ってください!」
唯と梓も、慌てて統夜を追いかけていった。
3人は荷物を置いて部屋を出ると、既に隣の部屋の3人は部屋の前で待っていた。
「3人とも遅いぞぉ!!」
「悪い悪い。待たせたな」
部屋に荷物を置くだけなのに少々時間がかかってしまい、統夜は素直に謝っていた。
「まぁまぁ♪みんな揃ったことだし、早く街を見て回りましょう♪」
「そうですね。行きましょうか」
こうして、このままホテルを出て、街を見て回ろうとしたのだが……。
「ちょっと待った」
統夜が全員を呼び止め、みんなは足を止めた。
「?どうしたんだよ、統夜」
「1つ、気になることがあってな」
「気になること?」
統夜の言葉に紬は首を傾げるのだが、そんなことはおかまいなしに統夜は梓の靴を見ていた。
「?私の靴がどうしました?」
「梓、その靴、オシャレでいいとは思うんだが、少し歩きにくくないか?」
統夜は、この旅行を始めた時から、梓の靴が気になっていた。
「は、はい……。せっかくの旅行だからと思って新しい靴を用意したんですけど、実はちょっと歩きにくくて……」
どうやら梓もこの靴が歩きにくいことを自覚していたようであった。
「梓、足は痛くないか?」
「はい、大丈夫です」
「だったら良かった。靴擦れを起こしたら痛くてせっかくの旅行が台無しだからな」
「統夜先輩……」
梓は、自分のことを考えてくれている統夜の言葉が何よりも嬉しかった。
「なぁ、みんな。このホテルの近くに靴屋もあるし、ロックっぽい服が売ってる店もあるみたいなんだけど、行ってみないか?」
「統夜。それってここだろ?私も行ってみたいと思ってたんだよ!」
澪はガイドブックを開くと、とある洋服店を指差すと、その洋服店が気になっていることを伝えた。
「よし、それじゃあ、まずはそこで買い物しようぜ!」
「え?で、でも……」
「俺たちも買い物したいんだから、遠慮はなしだぜ」
「そ、それじゃあ……」
こうして統夜たちはホテルを後にすると、梓の靴や、服を見て回るため、アールズコートにあるその店まで移動を開始した。
統夜たちは歩きながら周囲の景色や人々を見ていたのだが、とてもオシャレな人が多く、驚いていた。
まず最初に梓の靴を買うために靴屋へと立ち寄った。
そこでは、歩きやすい靴を見繕い、統夜もロンドンへ来た記念と言って靴を見繕っていた。
「どうだ?梓」
「うんうん。これなら大丈夫そうだね!あずにゃん!」
「は、はい。これなら大丈夫そうです」
「似合ってるわよ♪梓ちゃん♪」
「あっ、ありがとうございます」
梓の買った靴は、動きやすい靴であるため、靴擦れを起こす心配はなさそうだった。
「あっ!あそこ写真撮りたい!」
統夜たちはこの後服屋に移動する予定だったのだが、その前に唯が気になった風景があったのか、デジカメを取り出し、その風景を写真に収めようとしていた。
しかし、手には少し前に買ったドリンクの入ったプラスチックのコップが握られており、上手く写真を撮ることが出来なかった。
それを見かねた紬が……。
「唯ちゃん。荷物あずキャットくよ」
「ありがとぉ、ムギちゃん♪」
「えぇ!?」
紬が唐突にあずキャットという言葉を使って新しい言葉を作っており、梓は驚いていた。
唯は紬に荷物をあずキャットいて……もとい、預かってもらい、写真を撮影していた。
唯の撮影が終わったところで、統夜たちは靴屋のすぐ近くにあった服屋へと向かった。
この服屋にはロックっぽい服が多く販売されており、統夜と澪はこの店に行きたいと思っていた。
それが叶ったからか、統夜と澪はロックっぽい服を見て、キラキラと目を輝かせていた。
しばらく服を物色していた統夜たちであったのだが、統夜は気になった服を片っ端から購入しようとしていた。
旅行用に持ってきたお金は限られているため、イルバや梓に止められてしまい、渋々1番気に入った服のみを購入することになった。
澪も欲しい服が買えたようであり、服屋での買い物を終えた統夜たちは店の外に出た。
「いやぁ……。いい買い物をしたなぁ♪」
澪は欲しい服を買うことが出来て、ご満悦のようであった。
「俺もいい買い物はしたけど、あの服とあの服は買いたかったぜ……」
統夜はまだまだ欲しい服があるため、物足りなさを感じていた。
「ダメですよ!統夜先輩!旅行用のお金は限られてるんですから、もっと計画的に使ってください!」
「まぁ、そうなんだけどさ。金がなくなればお金をおろして、ユーロに替えれば……」
「手間がかかり過ぎるからダメです!!」
『梓の言う通りだぜ!お前さん1人の都合で旅行に支障をきたす訳にもいかんだろう』
「……ま、確かにそうだよな……」
統夜はしょんぼりとしながらも渋々お金を計画的に使うことを了承していた。
「アハハ……。あずにゃん、お母さんみたい……」
「やれやれ。統夜のやつ、梓の尻に敷かれてるな……」
統夜と梓のやり取りを見て、2人の関係性がハッキリとわかり、律は苦笑いをしていた。
すると、統夜の前を1人の男性が通り過ぎていった。
その男は、まるで統夜たち魔戒騎士のような格好をしており、統夜はふとその男の方へ目が行ってしまっていた。
「?統夜先輩、どうしました?」
「あぁ、いや。何でもない!」
梓に声をかけられ、統夜は慌てて男から視線をそらしていた。
『統夜。お前が気になるのもわかるぜ。あの男からただならぬ気配を感じたからな』
「ただならぬ気配?それって……」
「あーっ!!」
統夜とイルバは真剣な話をしていたのだが、唯の大声によってそれは遮られてしまった。
「ったく……。どうしたんだ、唯?」
「ねぇねぇ、見て見て!お寿司屋さんだよ!」
唯は「KAITEN SUSHI」と書かれた看板を発見し、それを指差していた。
「あ、回転寿司ですね?」
「え?回るの?」
「はい!」
「へぇ……」
紬は回転寿司屋に入ったことがないのか、回転寿司という存在に興味津々だった。
「ねぇねぇ、入ってみようよ!」
「え?ロンドンに来てまでお寿司?」
澪はせっかくロンドンに来たのだから、ロンドンっぽい何かを食べたいと考えていた。
しかし……。
「いや、ロンドンだからこそだぜ!」
お米が大好きな律は、あえてロンドンの回転寿司へ行ってみようと提案していた。
「お手並み拝見させてもらおうか……ロンドン!!」
こうして、統夜たちは回転寿司で夕食をとることになり、そのまま回転寿司屋の中へと入っていった。
すると、先ほど統夜たちがすれ違った魔戒騎士のような出で立ちをしている男が、その様子をジッと見つめていた。
「……ほぉ、あの赤いコートのガキ……。あいつはまさか……」
男は統夜の着ていた魔法衣に見覚えがあるようで、フッと笑みを浮かべていた。
統夜とこの男の出会いは、楽しい卒業旅行に1つだけ大きな波乱を与えるものとなることを、統夜たちはまだ知る由もなかった……。
……続く。
__次回予告__
『まさか、ロンドンにまで来て寿司を選ぶとはな。だが、寿司を食うのに一筋縄ではいかないようだぜ!次回、「悪魔」。あの男、一体何者なんだ?』
統夜の英語力が凄すぎる(笑)。
統夜の活躍のおかげで、迷うことなくホテルにたどり着くことが出来ました。
映画版ではあのままタクシーに乗り込んでしまい、本来のホテルにたどり着くまで時間がかかってしまいましたが、今作では状況を変えさせてもらいました。
次回は、統夜たちがロンドンの回転寿司屋に入ります。
そこで、一体どのようなことが起こるのか?
そして、次回は某ゲームのキャラクターが登場します。
そのキャラクターとは一体誰なのか?ヒントは、次回のタイトルです。
それでは、次回をお楽しみに!