牙狼×けいおん 白銀の刃   作:ナック・G

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今回は統夜の過去編その2になります。

修練場に通う統夜の話です。

今回の話は牙狼 makaisenki の15話をかなり参考にしています。

似てる部分はけっこうありますが、かなり変えています。

それでは第11話をお楽しみに!



第11話 「同胞」

統夜は唯たちに自分がいかにして魔戒騎士になったのかという話を話した。

 

その話を聞かせた後、統夜は今まで以上に唯たちのことを守りたいと思うようになっていた。

 

統夜が自分の過去を話した後は練習どころではなくなってしまい、この日は解散になった。

 

この日の夜、番犬所からの指令はなかったが、統夜はホラー捜索のために町を歩き回っていた。

 

数時間町を歩き回り、もう帰ろうかなと考えていたその時だった。

 

『……統夜、上だ!』

 

上空からホラーが飛び出してきて、統夜はホラーの奇襲攻撃をかわした。

 

統夜は魔戒剣を抜くと、ホラーを睨みつけながら構えた。

 

そのホラーは巨大なワニのようなホラーだった。

 

統夜はそのホラーを目視すると、さらに視線が鋭くなっていた。

 

『統夜。このホラーはヴィアル』

 

「あぁ、そうだな。……こいつは……こいつだけは忘れたことはないさ……」

 

ホラーヴィアルは統夜にとって忘れることの出来ないホラーだった。

 

統夜は魔戒剣の柄を力強く握りしめ、精神を集中させていた。

 

そして、ヴィアルの牙が統夜に迫ってきた。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

統夜は力強く叫ぶと、魔戒剣を高く突き上げ、円を描いた。

 

そこから放たれた光に包まれると、統夜は奏狼の鎧を身に纏った。

 

その直後にヴィアルの牙が奏狼の鎧に触れたのだが、ソウルメタルで出来た鎧に牙は耐えられず、牙は砕け、ヴィアルは吹き飛ばされた。

 

「ヴィアル……。貴様は、貴様だけはこの俺が斬る!」

 

(!そうか。統夜、このホラーは……)

 

イルバは統夜がなぜヴィアルにここまで憎悪のような感情を持っているのかを理解していた。

 

統夜はヴィアルに突撃すると、皇輝剣を一閃し、ヴィアルの口元を真っ二つに斬り裂いた。

 

ヴィアルは痛みで断末魔を上げるが、統夜の攻撃はまだ終わらなかった。

 

さらに統夜は皇輝剣をヴィアルに突き刺した。

 

その状態でもヴィアルは苦しんでいたが、統夜はその状態から皇輝剣を斬りあげ、ヴィアルを真っ二つに斬り裂いた。

 

真っ二つに斬り裂かれたヴィアルの体は爆発し、その肉体は陰我とともに消滅した。

 

怒涛の攻撃でヴィアルを討滅した統夜は鎧を解除した。

 

皇輝剣は魔戒剣に戻ったのだが、統夜は魔戒剣を鞘に納めることはせず、しばらくの間、そこに立ち尽くしていた。

 

(……シロ……アオ……ヤマブキ……)

 

立ち尽くしていた統夜は悲痛な面持ちをしていた。

 

 

 

 

 

〜統夜 side〜

 

俺はこの手でずっと討伐したいと思っていたホラーヴィアルを討伐することが出来た。

 

あいつは……あのホラーだけは一時も忘れたことはなかった。

 

魔戒騎士になったら絶対にこの手で討伐してやる。ずっとそう思っていたからだ。

 

これで……みんなの無念は晴らせたのかな……?

 

翌日の放課後、俺は音楽準備室に入ると誰も来ていなかった。

 

俺は学生鞄を長椅子に置くと、ギターケースからギターを取り出し、長椅子に座った。

 

そして俺はチューニングを済ませるとギターの演奏を始め、歌った。

 

あの時、みんなと共に歌ったあの曲を……。

 

「♪〜〜〜〜〜〜♪」

 

なぁ……シロ……アオ……ヤマブキ……。

 

俺、魔戒騎士になったんだぜ。こんなに早く魔戒騎士になれたなんて知ったらみんな驚くよな……。

 

そして普通の人間と同じ高校に通いながら魔戒騎士をやってるなんてみんなが知ったら笑うかな?それとも怒るかな?

 

だけど、俺は高校に入ったおかげで守りし者とは何なのか。それがわかったんだよ。

 

こんな俺だけど、見守っててくれよな……。

 

俺は今でも思い出すよ、あの日々を……。

 

修行は辛かったけど、本当に楽しかった……。

 

みんなだって……そうだよな……?

 

なぁ……。シロ……アオ……ヤマブキ……。俺、みんなに会いたいよ……。

 

会って、俺は魔戒騎士になったんだぞって伝えたい……。

 

みんなの想いを胸に俺はあの曲を最後まで演奏した。

 

「……やーくん……」

 

……あれ?みんな、いつの間に来てたんだ?

 

演奏に集中してたから気付かなかったよ……。

 

「よう、みんな来てたんだな」

 

「統夜先輩……。泣いてた……んですか?」

 

「え?」

 

本当だ……。俺、いつの間に泣いてたんだ……?

 

「アハハ……。なんで俺、泣いてるんだよ……。わけわかんないよな……」

 

俺は涙を拭くと、わざとこう言っておどけてみた。

 

「統夜君……。強がらなくてもいいのよ」

 

「えっ?別に、強がってなんか……」

 

「統夜。だったら今の曲、なんで悲しそうに歌うんだ?」

 

「悲しそう?」

 

「はい。私もそう思いました。統夜先輩の歌から悲しいって気持ちが伝わってきたんです」

 

「………」

 

まったく……。みんなにはお見通しって訳かよ……。

 

「悲しいか……。もしかしたらそうなのかもしれないな……」

 

「やーくん……」

 

「みんなには話さないとな……。今の曲のことを……」

 

俺はギターをしまい、みんな席につくと、ムギがティータイムの準備を始め、その準備が終わったところで俺は語り始めた。

 

「俺さ……。母さんが死んでから本格的に魔戒騎士の準備を始めたんだけど、小6の夏休みに、修練場の訓練に参加したんだ」

 

「「「「「修練場?」」」」」

 

「あぁ、魔戒騎士を目指す子供たちが10日間寝食を共にしながら修行をするんだ。さっきの曲は修行の時に仲間たちと歌った曲なんだ」

 

「へぇ、やーくんにも年の近い仲間がいたんだね」

 

「あぁ。4人1組のチームだったんだ。その時チームを組んだ3人は掛け替えのない仲間だったよ」

 

「統夜先輩。その人たちは今どうしてるんですか?」

 

「…………」

 

「……?統夜先輩?」

 

「あ、あぁ……。そこも合わせて話すから聞いてほしい。俺の修練場での日々をさ……」

 

俺はゆっくりと語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜過去編〜

 

統夜は母を失ってから、イルバと共に修行を積んできた。

 

しかし、師匠と呼べる者がいなかったため、成長には限界があった。

 

統夜は小学6年生の夏休み、自分と同世代の魔戒騎士の卵たちが集まって修行を行う修練場というものの存在を知った。

 

統夜としては効率的な修行が出来るのは大歓迎だったので、統夜は修練場による修行の申し込みを行い、参加することになった。

 

当日、統夜は修練場の会場に到着すると、10日間寝食を共にするチームが組まれた。

 

その時、鉢巻を渡されたのだが、統夜の鉢巻の色は赤だった。

 

修練場の特徴として、修練場で修行をする子供たちは渡された鉢巻の色で呼び合うことになっている。

 

それはここで修行を積んでも魔戒騎士になれるものとなれないものが出てくるため、本名や家柄は明かしてはならないという決まりがあった。

 

チームも決まり、鉢巻の色も決まり、最初に行われたのは人間バルチャスの駒になることだった。

 

バルチャスというのはチェスに良く似た魔戒ゲームである。

 

自陣の駒を敵陣の駒に重ねて立てる。

 

続いて両者は念を込め、思念により戦闘を行う。

 

負けた方の駒は破壊という形でゲームから取り除かれる。

 

以上を繰り返し、最終的に全ての駒を破壊したプレイヤーの勝利となる。

 

バルチャスが強い者は、駒になっても強いと言われており、「バルチャスを制する者は最強の魔戒騎士の資質あり」との格言も存在している。

 

統夜はシロ組と呼ばれる白い鉢巻をつけた少年がリーダーのチームに所属していた。

 

統夜たちシロ組の出番はまだ先だったので、他の組が行っているバルチャスの見学を行っていた。

 

「……やっぱり強いな……」

 

「え?何がだよ、シロ」

 

シロが呟いた言葉を山吹色の鉢巻をつけたヤマブキが訪ねていた。

 

「クロ組だよ。この修練場って黒の鉢巻をつけたやつは強いって聞いたことがあるけど、本当だったみたいだ」

 

シロはそう言ってバルチャスの様子を見ているとクロと呼ばれる少年が戦闘を行っていた少年を圧倒していた。

 

「うん、やっぱりクロは強いよ……。あいつは俺が倒してやる……!」

 

「お、アカ。やる気満々だね♪」

 

青い鉢巻をした少年アオがこう統夜に言葉をかけていた。

 

統夜は赤い鉢巻なので、アカと呼ばれている。

 

「うん、まぁね」

 

統夜はそれだけ言うとバルチャスの様子を眺めていた。

 

今行われているバルチャスはクロ組の圧勝であった。

 

「よし、次は俺たちだな」

 

「あぁ、みんな、頑張ろうぜ」

 

「「おう!」」

 

統夜たちシロ組のみんなは立ち上がり、気合十分でバルチャスに挑んだ。

 

その結果は……。

 

「よっしゃあ!勝ったぜ!」

 

辛うじてシロ組の勝利であった。

 

「だけどアカがいなかったら俺たち負けてたよな……」

 

「アカってバルチャスの才能あるんだな」

 

シロとアオが統夜のことをベタ褒めしていた。

 

「そ、そんなことはないよ。たまたま運が良かっただけだって」

 

「謙遜すんなってお前は本当に良くやったよ」

 

ヤマブキがこう言いながら統夜の肩を組んでいた。

 

「これで負けてたら鬼みたいに怖い教官が指導者になってたんだぜ」

 

「鬼みたいな教官か……。俺はむしろそっちの方がいいけどな」

 

「マジかよ!?」

 

「アカのその向上心の高さは俺たちも見習わないとな」

 

アオ、シロ、ヤマブキは統夜の向上心の高さに関心していた。

 

「ほぉ、ここまで向上心の高い小僧がいるとは驚きだな」

 

統夜たちの会話に1人の男が乱入してきた。

 

「あ、あなたは?」

 

「整列!」

 

整列という言葉を聞いた統夜たちは彼が何者なのかすぐに理解出来た。

 

それ故統夜たちは男の言葉を聞いてすぐ整列した。

 

「俺の名は四十万ワタル。俺がお前たちを指導する。今日から10日間、お前たちは寝食を共にしながら騎士になるための修行を行う」

 

統夜たちの前に現れた男……ワタルは統夜たちの指導を担当する男である。

 

ワタルは魔戒騎士の中でもベテランであり、その実力に一目置いている魔戒騎士や魔戒法師は多い。

 

「……訓練は厳しい。騎士の家に生まれたから必ず騎士になれると思うな。力のないものには人間を守ることは出来ない。騎士の資質はない」

 

「「「「………」」」」

 

統夜たちはワタルの容赦ない言葉に言葉を失っていた。

 

そんな中、ワタルは統夜のことを睨みつけていた。

 

「お前のように負けん気の強い小僧は大勢いるが修行に耐えられない奴も多い。小僧、修行はきついぞ。帰るなら今だ」

 

「俺、帰りません!絶対に」

 

統夜の意思は固く、逆にワタルを睨みつけていた。

 

「フン、その威勢が最後まで持つといいがな。……何か質問があるやつはいるか?」

 

こうワタルが訪ねると、アオが手を挙げた。

 

「あの、どうしてみんな色の名前で呼ぶんですか?」

 

「お前たちは騎士になれる者となれない者に分かれる。なれない者に騎士の名前を明かす訳にはいかない。……以上だ」

 

こうして修練場での修行が始まった。

 

まず行われたのは全員で行われる合同訓練であった。

 

ここでは基本的な剣の素振りや体術のトレーニングが行われた。

 

続いては組ごとの訓練が行われた。

 

最下位の組には鬼のように怖い教官が指導につくと言われていたが、ワタルは教官の中でも相当厳しい教官だった。

 

最初に腕立て伏せを行ったのだが……。

 

「おい、どうした?お前らそんなもんか!?」

 

アオとヤマブキがそれぞれ統夜とシロの足をつかみ、統夜とシロが腕立て伏せをしていたが、ワタルからの叱責が入った。

 

「息を止めるな!!吐け!!」

 

統夜たちなワタルの叱責に耐えながら必死に訓練についていった。

 

続いての体術の訓練でもワタルは容赦はなかった。

 

しかし、統夜たちは泣き言を言うことはなく、どうにかついていった。

 

続いて行われたのは川の水を2つのお椀に汲み、遠く離れた壺に水を入れていくという訓練だった。

 

川から壺まではかなりの距離があり、アオやヤマブキは転んで汲んだ水をかなり減らしてしまっていた。

 

統夜とシロもどうにか頑張るのだが、転ぶまではいかなくても、壺にたどり着いた頃には水の量は三分の一まで減っていた。

 

そこでワタルから叱責が飛ぶが、統夜たちは修行を繰り返していた。

 

次の修行は思念の中で行われる訓練だった。

 

「ここでは恐怖や雑念がお前たちを襲う。心を静めてそれに打ち勝て」

 

思念の中で統夜たちは十字の天秤のそれぞれ端っこに立っていた。

 

シロ、アオ、ヤマブキはそれぞれ自分の一番怖いものと戦っていた。

 

そんな中、統夜は……。

 

『月影くん!』

 

『月影くん、遊ぼうぜ!』

 

「…………」

 

統夜の目の前に自分が通っている小学校のクラスメイトが現れ、統夜を誘惑するが、統夜は動じていなかった。

 

『月影くんが好きそうなゲームがあるからさ、一緒にやろうよ』

 

(!だ、ダメだ!誘惑に負けたら……!)

 

統夜は必死に目の前の誘惑と戦っていた。

 

そんな中、ヤマブキが目の前の恐怖に耐えられず、天秤が崩れて4人はそのまま落ちてしまった。

 

そのため、4人は正座で精神集中していたが、4人とも体勢が崩れてしまった。

 

「惑わされるな!」

 

ワタルは叱責と共に木の板でパチン!と4人の肩を叩いていた。

 

この日の訓練はここで終わり、訓練2日目になった。

 

全員で行なわれる合同訓練の後、続いて行われたのはソウルメタルを操る訓練である。

 

「ソウルメタルを操るためには力や技だけではダメだ。想像力で持て」

 

ワタルは鎧を召還した状態でこう告げると、自らの剣で巨大な岩の一部を軽々と切り取った。

 

ワタルは統夜たちにお手本を見せただけで鎧を解除した。

 

「お前たちもソウルメタルであの岩を切れ」

 

「「「「はい!!」」」」

 

ワタルは4人にソウルメタルの短剣を渡すが……。

 

統夜以外の3人は思うようにソウルメタルの短剣を持ち上げることができなかったか。

 

「どうすれば持ち上がるか……。自分の心の中で思い描け!」

 

「「「「はい!!」」」」

 

3人が苦戦する中、統夜だけが軽々とソウルメタルの短剣を操っていた。

 

「おぉ……」

 

「すげぇ……」

 

「関心してる場合か!お前たちもあれぐらい持ち上げられるようになれ!」

 

「「「はい!」」」

 

3人は再びソウルメタルの短剣と格闘していた。

 

その間に統夜はソウルメタルの短剣を岩に突き刺し、岩の一部を切り取った。

 

しかし、ワタルが切ったものと比べると遥かに切ったサイズは小さかった。

 

「ほぉ、ソウルメタルはそこそこ操れるか……。だが、慢心はするな!もっと自由に剣を操るんだ!」

 

「はい!」

 

統夜は3人より先にソウルメタルの短剣を操れたにも関わらずワタルから叱責を受けていた。

 

しかし統夜は嫌な顔一つせず、真摯に訓練に向き合っていた。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

修練場での修行は日に日に激しさを増していた。

 

毎日同じようなトレーニングの積み重ねだったが、それは想像を遥かに超える程過酷であった。

 

他の組の人間の中には修行に耐えられず脱落した者も存在していた。

 

修練場での修行に耐えられず脱落した者は魔戒騎士になることは出来ず、一般人として生きることを強いられてしまう。

 

それほどこの修練場での訓練は厳しいものであった。

 

そんな中、統夜たちは素振りを行っていたのだが……。

 

「……もう無理……。俺、もう帰りたいよ……」

 

あまりにもきつい訓練にヤマブキが弱音を吐いていた。

 

「帰ったらだめだよ。ヤマブキが帰ったら、「鐘斬り」は3人で戦うことになるんだよ?」

 

シロの言う「鐘斬り」とは、修練場の修行の後半で行われる実践形式の訓練である。

 

四人一組のチームで戦い、中央に置かれた剣を用いて敵陣の鐘をその剣で鳴らすか、相手チームを全員倒せば勝利となる。

 

この鐘斬りという訓練は今までの訓練やチームワークが問われるものである。

 

鐘斬りは四人一組のチームなので、1人欠けてしまうとそれだけ試合は不利になってしまう。

 

「俺なんていてもいなくても一緒だろ?」

 

「そんなことないよ」

 

「そうそう、諦めちゃだめだ!」

 

統夜たちはどうにかヤマブキを励まそうとしていた。

 

「アカはいいよ。ソウルメタルは自由に操れるし、戦闘のセンスはあるし」

 

ヤマブキは統夜の持つ才能に嫉妬していた。

 

「そんなことはないよ。俺だってまだまだなんだ……」

 

「アカ?」

 

「とりあえずさ、頑張ろうぜ。お前だってあのクロ組にあっと言わせたいだろ?」

 

「……確かに、あいつらには勝ちたいよな」

 

弱音を吐いて統夜に嫉妬していたヤマブキであったが、再びやる気になったみたいだった。

 

「よっしゃあ!やろうぜ、みんな!」

 

「「「おう!!」」」

 

リーダーであるシロの号令に3人が答えていた。

 

ワタルはそんな4人の様子を見ながら笑みを浮かべていた。

 

4人の結束は固まり、最初の鐘斬りの試合が行われようとしていた。

 

「これより、シロ組とヒイラギ組の試合を始める!」

 

統夜たちと対戦相手のヒイラギ組のメンバーがそれぞれ対峙していた。

 

「それでは、始めっ!!」

 

審判の号令が聞こえると、オフェンス担当の統夜とヤマブキが鐘を鳴らすための剣めがけて駆け出した。

 

しかし、ヒイラギ組のオフェンス担当の少年たちが立ちはだかった。

 

ヤマブキは剣の近くでヒイラギ組の少年と戦い、統夜はその近くでもう一人と戦っていた。

 

統夜たちは修行で身につけた体術で相手を攻撃していた。

 

そんな中、クロ組の少年たちが真剣な眼差しで試合を見ていた。

 

「やっぱり警戒すべきはシロ組だよね」

 

「バルチャスはそれ程でもなかったけど」

 

「あれは単純だよ。倒すのは簡単」

 

「そうだよな」

 

「なぁ、クロはどう思う?」

 

「俺はアカと戦いたい」

 

「アカ?確かにあいつはシロ組の中では一番かもしれないけど……」

 

「あいつは強い。だからこそ倒したいんだ」

 

クロは鋭い眼差しで統夜のことを見ていた。

 

そんな中、ヤマブキは相手に押され苦戦していた。

 

「!ヤマブキ!」

 

統夜は回し蹴りで相手を吹き飛ばすと、ヤマブキを救うために動くが……。

 

「アカ!俺に構わず剣を抜け!」

 

「っ!だけど……!」

 

統夜は戸惑っていた。ヤマブキを見捨てて勝ちに行くのは本当に良いのだろうか?

 

その甘さがここでは命取りだった。

 

ヤマブキを押していた少年が一瞬の隙をついて剣を抜き、シロ組の鐘めがけて駆け出した。

 

「しまった!」

 

統夜は自分の甘さのせいで相手にチャンスを作ってしまったことを悔やんだ。

 

ヒイラギ組の少年がシロ組の鐘に迫り、ディフェンス担当のアオとシロが木で出来た剣を構えた。

 

シロはヒイラギ組の少年の一閃をかわすと、反撃で少年の胴に叩き込んだ。

 

「1本!」

 

ヒイラギ組の少年は1本取られてダウンしてしまい、シロが剣を奪い取った。

 

そこに統夜が駆けつけた。

 

「アカ!お前が決めて来い!」

 

シロは統夜に剣を投げ渡すと、統夜は剣を受け取り、ヒイラギ組の鐘めがけて駆け出した。

 

「アカ!援護するぜ!さっきの失敗、取り戻せよ」

 

ヤマブキも統夜の援護のため駆け出し、シロとアオは鐘の防衛に専念した。

 

統夜が鐘に迫り、ディフェンス担当の2人の少年が統夜を迎えうった。

 

1人はヤマブキが体当たりを仕掛けて狙いを統夜からそらした。

 

統夜は無駄のない動きで対峙する少年から1本を取ると、ギャラリーから歓声があがっていた。

 

「これで決める!」

 

統夜はそのまま鐘めがけて剣を叩き込んだ。

 

そしてその一撃は見事に決まり……。

 

「そこまで!シロ組の勝ち!」

 

「よっしゃあ!やったな、アカ!」

 

「あぁ。だけどごめん、ヤマブキ。せっかくのチャンスを無駄にしちゃった」

 

「何言ってるんだよ。……それにしてもさ、アカって以外と甘いところがあるんだな」

 

「ハハ……。そうかもしれない」

 

「だけど、俺はアカのそういうところ、嫌いじゃないぜ」

 

「ヤマブキ……」

 

「アカ!」

 

「ヤマブキ!」

 

シロとアオが統夜とヤマブキに駆け寄り、4人は勝利したことを喜んでいた。

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

鐘斬りの初戦を見事制した統夜たちであったが、彼らの修行は終わってはいなかった。

 

毎日行っていた修行のメニューも日を増すごとにその精度も増していった。

 

修練場の訓練も9日が経っており、この頃にはシロ、アオ、ヤマブキの3人はソウルメタルの短剣を自在に操ることが出来るようになっていた。

 

さらに川の水をお椀に汲んで遠く離れた壺に入れる修行でもすべての壺に水わ入れることが出来た。

 

そして9日目の夜、統夜たちは自分たちの部屋で休んでいた。

 

「俺、本当に魔戒騎士になれるかなぁ……」

 

統夜たちが部屋で休んでいると、アオがこう呟いた。

 

「俺は絶対になるよ。それも最強の魔戒騎士に」

 

シロは自信満々にこう言い放っていた。

 

「最強の魔戒騎士は牙狼だろ?」

 

「そういえばさ、今牙狼の称号を継いだ人もこの修行に参加していたって噂だよ」

 

「ふーん。確かにこの修行に参加してたとしても不思議はないよな」

 

アオが牙狼の称号を継いだ者が修練場の修行に参加していたという噂は魔戒騎士の卵たちの間で広まっていた。

 

しかし、その時修行を受けていた生徒の大半がホラーに喰われてしまったとの噂も広まっていたが、その噂を信じているものはいなかった。

 

もし訓練中にホラーが出てきても教官である魔戒騎士が退治してくれると信じているからだ。

 

「そういえば、クロってさ、どこの家の子供なんだろうな」

 

「確かにあれだけ強いんだもん。きっと有名な騎士の子供なんだろうな」

 

「……クロがどこの子かなんて関係ないよ」

 

「アカ?」

 

「クロは……俺が倒す」

 

統夜はクロのことをライバル視していたため、クロに勝ちたいと思っていた。

 

「よし、明日は絶対にクロ組に勝とうぜ!」

 

「「「おう!!」」」

 

4人は明日の鐘斬りでクロ組に勝とうと気合を入れていた。

 

そして翌日……。

 

「これより、決勝戦を行う」

 

この日は修練場の修行の最終日であり、鐘斬りの決勝戦がこの修行最後のメニューであった。

 

「シロ組。クロ組」

 

統夜たちシロ組とクロ組がそれぞれ対峙していた。

 

「それでは……始めっ!!」

 

こうして鐘斬りの決勝戦は始まった。

 

鐘を鳴らす剣を取るために統夜が向かうが、そこにクロが立ちはだかった。

 

2人は修行の成果を見せながらぶつかり合っていた。

 

「アカ……!俺はお前を倒す!」

 

「いや、クロ。俺はお前には負けない!」

 

統夜とクロは互いに意地をぶつけ合っていた。

 

その頃、オフェンス担当のヤマブキは回し蹴りで相手を吹き飛ばした。

 

「ヤマブキ!クロは俺が抑えるから今のうちに剣を!」

 

「任せろ!」

 

ヤマブキは鐘を鳴らすための剣を取るために剣に向かっていった。

 

クロはどうにかそれを妨害しようとするが、統夜が立ちはだかり、ヤマブキの妨害が出来なかった。

 

ヤマブキは剣を手に取ると、クロ組の鐘めがけて駆け出した。

 

それを見ていたシロは……。

 

「アオ、お前はヤマブキの応援に行ってくれ。ここは俺が守るから」

 

「え?でもそれじゃあ防御が……」

 

「アカがクロを抑えてくれているから大丈夫だよ。俺を信じてくれ」

 

シロはクロ組に勝つというビジョンが見えていた。

 

それ故にアオにヤマブキの応援を頼んだのである。

 

「わかった。信じてるぜ、シロ」

 

そう言うとアオはディフェンスの人が持っている木の剣を抜くと、ヤマブキの応援に向かった。

 

ヤマブキはクロ組の鐘を目指すが、ディフェンス担当の2人に阻まれ、苦戦していた。

 

「くそっ!やっぱり2対1はきついか……」

 

ヤマブキはこうぼやきながら戦うが、後ろからクロ組のオフェンス担当のもう1人がヤマブキに迫っていた。

 

「ヤマブキ、危ない!」

 

アオがヤマブキの危機を伝え、剣を一閃するとオフェンス担当の少年を倒した。

 

「1本!」

 

クロ組のオフェンス担当が1人脱落し、クロ組のオフェンス担当はクロだけになってしまった。

 

「!やばい!」

 

クロは統夜を吹き飛ばして仲間の援護に向かおうとするが、すぐさま統夜が立ちはだかった。

 

「くそっ!」

 

「クロ、お前の相手は俺だろ?」

 

統夜はクロの動きを抑えるという仕事を確実に抑えていた。

 

「……今ならいける!」

 

シロは木の剣を抜くと、アオとヤマブキの援護に向かった。

 

これではシロ組の防御はガラ空きなのだが、今ならクロ組に勝てる。

 

シロは勝算があったために動いたのだ。

 

その頃アオとヤマブキはディフェンス担当の2人に阻まれ、鐘に辿り着くことが出来ずにいた。

 

「くそっ、このままじゃ……」

 

アオとヤマブキはクロ組の2人に追い詰められていた。

 

クロ組の2人は予想以上の奮闘ぶりを見せていた。

 

このままではせっかくの優勢も駄目になってしまう。

 

そう思っていたその時だった。

 

「アオ!ヤマブキ!」

 

シロがアオとヤマブキを救うために駆け出してきた。

 

「シロ!?どうして?」

 

「今なら勝機があるとと思ったからだよ。アカがクロを抑えてくれている。みんなが他の2人を抑えてくれてるから、このままいけば俺たちの勝ちだ!」

 

シロは自分たちの勝利を信じていた。

 

その思いを汲み取ったヤマブキは相手を回し蹴りで吹き飛ばした。

 

「シロ!」

 

ヤマブキは鐘を鳴らすための剣をシロに投げ渡し、シロは自分が持ってた剣をヤマブキに投げ渡した。

 

鐘を鳴らすための剣を受け取ると、シロは相手チームの鐘に向かっていった。

 

「させるか!」

 

ヤマブキに吹き飛ばされた少年は妨害しようとするが……。

 

「おっと、それはさせないぜ」

 

ヤマブキが少年の動きを抑えていた。

 

「行け……!」

 

「決めてくれ!」

 

「シロ!」

 

統夜、アオ、ヤマブキはそれぞれ相手を抑えながら自分たちの思いをシロに託した。

 

そして……。

 

ガキィン!!

 

シロは相手チームの鐘を鳴らすことに成功した。

 

「勝負あり!シロ組の勝ち!」

 

「よっしゃあ!」

 

「勝ったぁ!!」

 

「勝ったぜ!」

 

「あぁ!」

 

統夜たちは全力を出し尽くして勝利を得ることが出来た。

 

今はその喜びを噛み締めていた。

 

「……負けたよ。さすがだな、アカ」

 

「クロ……」

 

「今回は俺たちの負けだけど、今度は絶対に俺が勝つからな」

 

「あぁ、いつか必ず決着をつけような」

 

統夜とクロは互いの健闘を称え合い、握手をかわしていた。

 

そんな2人の様子を見ていた他の組の子供たちが2人の周りに集まって盛り上がっていた。

 

ワタルはそんな統夜たちの様子を見ながら笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

最後の鐘斬りの試合が終わり、統夜たちシロ組は集まっていた。

 

「本当に勝ったんだな、俺たち」

 

「それもアカが最後までクロを抑えてくれたおかげだよ」

 

「そんな……。俺はただ無我夢中で戦ってただけだから……」

 

「お前ら、よく頑張ったな」

 

統夜たちが勝利の余韻に浸っていると、ワタルが統夜たちのもとに現れた。

 

「整列!」

 

ワタルの整列を聞いた統夜たちはすぐに整列していた。

 

「お前ら、仲間を最後まで信じ切ってよく戦ったな。お前たちの仲間を思う気持ちは魔戒騎士として戦うことだけではない。どんなことがあっても人を信じて守りきる。そんな強い思いにつながっていくんだ」

 

「「「「……」」」」

 

統夜たちはワタルの暖かい言葉に心を打たれていた。

 

「仲間を、最後の最後まで信じるんだ。仲間を信じ、その仲間の身に何かあった時、可能性が少しでもあれば必ず助ける。それが、魔戒騎士だ」

 

こう告げると、ワタルはギターのピックのようなものを統夜たちに渡した。

 

「これは、友情の証だ。お前たちには大事な仲間がいる。今日の思い、絶対に忘れるな」

 

「「「「はい!」」」」

 

ワタルは統夜たち一人一人の頭を撫で、笑みを浮かべていた。

 

 

この日の夜、修練場の修行が終わったことの記念の宴が始まろうとしていた。

 

「お前みたいな負けん気の強い小僧はすぐ脱落すると思っていたが、よく最後まで修行に耐え抜いたな」

 

「俺は小僧じゃないです。それに、俺は絶対に魔戒騎士になるって強い想いがあるんです」

 

「フッ……。そこまで言ったのなら立派な騎士になれよ。再会の時を楽しみにしている」

 

「はい!」

 

ワタルは統夜の頭を優しく撫でた。

 

「おい、アカ!」

 

「あ、みんな!」

 

アオ、ヤマブキ、シロ、クロの4人が統夜のことを呼んでいた。

 

「アカ!」

 

「早く早く!」

 

「もう始ま__」

 

ヤマブキがこう言いかけたその時だった。

 

上空から突如ホラーが現れ、シロとアオを喰らった。

 

「!!」

 

突然の出来事に統夜は息を飲んでいた。

 

突如現れたホラーから逃れるため、クロとヤマブキ。そして他の子供たちもホラーから逃げ回っていた。

 

そんな中、クロがヤマブキを救おうとヤマブキを突き飛ばし、クロはホラーの体当たりを受けて吹き飛ばされてしまった。

 

「クロ!」

 

クロはかなり遠く、さらにすごい衝撃で地面に叩きつけられ、生死はわからなかった。

 

その後もホラーは次々と子供たちや大人を喰らっていた。

 

「貴様ぁ!!」

 

ワタルは鎧を召還し、ホラーめがけて突撃するが、ホラーはワタルに体当たりをしかけ、ワタルを吹き飛ばした。

 

そんな中、ホラーの牙が統夜に迫ろうとしていた。

 

その時だった!

 

「アカ!!」

 

クロのおかげでホラーから逃れたヤマブキだったが、統夜を救うために統夜を突き飛ばし、ホラーに捕食されてしまった。

 

「ヤマブキ!!」

 

「あ、アカ……。お前なら……一人前の魔戒騎士に……」

 

ヤマブキは最後まで言葉を言い切ることが出来ず、全身を喰われてしまった。

 

「やめろ!!」

 

統夜の叫びが響き渡るが、ホラーは動きを止めようとしなかった。

 

「貴様ぁ!!!」

 

ワタルは怒りの感情を表に出しながら烈火炎装を発動し、攻撃をしかけるが、その攻撃はかわされてしまった。

 

ホラーは大勢の人間を喰らって満足したのかそのまま姿を消した。

 

大事な教え子を喰われるだけ喰われてしまい、ワタルは失意のまま鎧を解除した。

 

「クソッ!俺は、また救えなかったのか……!」

 

ワタルは拳を力強く握りしめ、唇を噛んでいた。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

統夜の慟哭がその場に響き渡っていた。

 

修練場の宴の会場はホラーの出現で無残にも壊されてしまい、そこらじゅうに建物の残骸や人間の残骸が散らばっていた。

 

そんな中、ワタルが統夜たちに渡したピックのようなものだけは奇跡的にも全て残っており、統夜はそれら全てを拾うと、悲しみの感情を抱きながらその場に佇んでいた……。

 

 

 

 

 

 

 

〜現代〜

 

「「「「「………」」」」」

 

統夜の話は終わり、壮絶な話を聞いた唯たちは言葉を失っていた。

 

「………」

 

統夜は悲痛な面持ちをしており、首にかけている紐を取り出した。

 

その紐にはワタルから渡されたピックのようなものが4つぶら下がっていた。

 

統夜はあの修行の後、それをネックレスのようにつけてそれを肌身離さず身につけていた。

 

「……統夜君、それがもしかして……」

 

「あぁ……。みんなの……形見だよ……」

 

「統夜は奇跡的に生き延びることが出来たんだな……」

 

「やーくん……」

 

「統夜先輩……。本当にごめんなさい……。こんな辛い話……したくなかったですよね……」

 

「いや、大丈夫だ……。いつかはこの話もするつもりだったから……」

 

「統夜……」

 

統夜は3人の形見を握りしめていた。

 

悲しげな表情をする統夜を唯たちはどう慰めていいかわからなかった。

 

その時であった。

 

『『『わぁぁぁぁ!!』』』

 

統夜の目の前にアオ、シロ、ヤマブキの幻が現れ、統夜の前を駆けていった。

 

「!アオ……シロ……ヤマブキ……」

 

「?統夜……先輩?」

 

唯たちは統夜の言葉の意味が理解出来ず、首を傾げていた。

 

『アカ!』

 

『『アカ!』』

 

統夜は真っ直ぐ3人の幻を見つめていた。

 

『お前、魔戒騎士になったんだな!』

 

『しかもその若さでかよ!』

 

『すげぇすげぇ!!』

 

こう言ったのはシロ、ヤマブキ、アオの順番だった。

 

『俺たちは魔戒騎士になれなかったけどさ、お前ならいい魔戒騎士になれるよ』

 

『俺たちの分も戦ってくれよな。後は頼んだぞ!』

 

『頼んだぞ!』

 

シロ、ヤマブキ、アオはワタルから渡されたピックのようなものを統夜に見せた。

 

(あぁ。任せとけ!俺はお前たちの想いも継いでやるからな!)

 

統夜はネックレスを握りしめ、うんうんと頷いていた。

 

シロ、ヤマブキ、アオは満面の笑みを浮かべると、その体は消滅した。

 

(シロ……。ヤマブキ……。アオ……。お前たちの仇は取ったぜ……。これからは……。いや、違うな。これからも俺の戦いを、見守っていてくれよな……)

 

統夜は無念のまま散っていった盟友の思いを胸に秘め、これからも戦っていく決意を固めたのであった。

 

 

 

 

……続く。

 

 

 

 

 

__次回予告__

 

『芸術ってやつは己の美を表現出来る素晴らしいものだな。まぁ、俺様は存在自体が芸術だけどな。次回、「絵画」。闇夜に輝く、金色の牙!』

 

 




統夜も鋼牙のように壮絶な人生を歩んでますよね。

母親と仲間を目の前で失っても明るく優しくいられる統夜は何気に凄いなと僕も思います。

次回は予告のタイトルと次回予告を見たら誰が登場するかだいたいわかると思います。

お待たせしました。そう、あのキャラです。

それではそこも合わせて次回をお楽しみに!

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