この小説もようやく第100話に到達しました。
投稿当初はここまで長くなるとは思っていなかったので、驚いています。
これからもこの小説をよろしくお願いします。
話は変わりますが、今日はポケモンサンムーンの発売日。皆さんはポケモンは買いますか?
ちなみに僕はムーンを買う予定です。
それはともかくとして、今回は年末年始の話になります。
統夜は年末年始をどのように過ごすのか?
それでは、第100話をどうぞ!
統夜にとって様々な思い出が出来た2学期が終了し、冬休みに突入した。
冬休み初日であるクリスマスは、梓と2人で過ごした。
恋人同士とした楽しい時間を過ごした2人であった。
クリスマスが終わると、統夜は魔戒騎士としての使命に追われていた。
唯たち4人は図書館で受験勉強に勤しみ、梓は憂や純と遊んだり、統夜と会ったりして過ごしていた。
魔戒騎士の使命があるといっても暇な時間がない訳ではないため、統夜はちょっと暇な時間があれば、梓と連絡を取り合い、梓と会っていた。
そんな感じで冬休みは過ぎていき、気が付けば12月31日になっていた。
統夜たちは朝と昼は魔戒騎士の使命だったり受験勉強したりとそれぞれの時間を過ごしていた。
そして、夜は唯の家に集まり、鍋を囲みながら共に新年を迎えようという話になっていた。
統夜は指令が来る可能性を懸念していたが、とりあえず夜は唯の家でのんびりと過ごし、万が一指令が来た場合は、速やかにホラーを討伐し、唯の家に戻ろうと考えていた。
こうして、朝と昼はそれぞれの時間を過ごした統夜たちは、夕方になると、唯の家に集まった。
唯の家に集まった統夜たちは、憂手作りの鍋を囲みながら、談笑しながらテレビを見ていた。
デデーン!
◯◯……out!!
スパーン!
『あー!!』
「アハハ!!この番組面白いね!」
唯は鍋を頬張りながらテレビを見てゲラゲラと笑っていた。
今統夜たちが見てるのは、数年前から毎年やっている「笑ってはいけない」という企画であり、もし笑えばその場できつい罰が待っているというものだった。
「そうだなぁ。やっぱり年越しっていったらこれだよなぁ!」
律は唯の面白いという言葉に同意しており、律は年末といえばこの番組だと思っていた。
「確かに面白いけど、私は紅白見てカウントダウンライブを見る感じかな?」
「あっ、私もそうです!」
澪と梓もこの番組は毎年見ているものの、それは録画したやつを見ており、普段は紅白歌合戦を見て、その後はカウントダウンライブを見て年を越すというパターンが多かった。
「私は……。年越しは海外ってこともあるから第九かしら?それにしても、この番組、面白いわね♪」
紬は家の都合で海外で年を越すことは多く、第九の生演奏を聴いて年を越すことも多かった。
そのためこのようなバラエティはあまり見ないため、紬は楽しみながらテレビを見ていた。
「統夜先輩はどうなんですか?」
「うーん……。そうだなぁ……。俺、大晦日はだいたい街の見回りをしているうちに年を越してそのまま初詣だからなぁ……」
統夜は大晦日も魔戒騎士として過ごすというのがここ数年のパターンであり、テレビは見ないで外で年を越すことが多かった。
その後は帰る前に初詣に行くというのも定番だったが、唯たちと初詣に行くようになってからは年を越したらそのまま帰宅していた。
「……テレビを見るにしても、俺は格闘技を見るかな?」
「アハハ……。そっちですか……」
統夜が格闘技を見ているとは思わなかったのか、梓は苦笑いをしていた。
「格闘技か!確かに格闘技もいいよな!」
澪は統夜が格闘技を見ると聞いて食いついてきた。
「アハハ……。澪って痛そうなのは苦手なのに格闘技とかも好きなんだよな……」
澪は元々スポーツ観戦が好きなのだが、格闘技を見るのも好きだった。
そのことを知っている律はこのように説明をすると、苦笑いをしていた。
「あぁ。不思議と格闘技とかは見てても平気なんだよな」
「俺は格闘技を見て戦い方の参考にしてるんだよな」
統夜は格闘技を見るのが純粋に好きなところもあるが、格闘家の動きを見て魔戒騎士としての戦い方の参考にしたりもしていた。
「アハハ……。統夜先輩、勉強熱心ですね……」
格闘家の動きさえも戦いに活かそうとしている統夜に梓は苦笑いをしていた。
統夜たちは大晦日に見る番組についての話をしながら「笑ってはいけない」を見て、笑いながら鍋をつついていた。
「皆さん、年越しそばもありますよ」
台所で色々と料理の仕込みをしていた憂は、年越しそばを統夜たちのところへと持ってきた。
「おぉ!今年の年越しそばもうまそー!!」
律は憂の年越しそばにキラキラと目を輝かせていた。
「憂ちゃん、今年も大人数で押しかけて色々やってもらってごめんな」
「いいんです。だって、今年もお姉ちゃんのあの笑顔を見れて幸せですから♪」
「う〜ま〜♪」
唯は憂お手製の年越しそばを食べて満面の笑みを浮かべていたのだが、それを見て満足そうな表情をしていた。
「アハハ……。そっか……」
澪は唯の笑顔を見て幸せそうな表情をしている憂を見て苦笑いをしていた。
「だけど、憂ちゃん、ごめんな。これだけのことを1人でさせちゃって。俺も手伝いたかったんだけどさ」
「いえ、気にしないでください。私は皆さんが楽しんでいただけたらそれだけでも幸せですので♪」
「アハハ……。相変わらず出来た子だよな……」
『やれやれ。お前さんのその姿勢は立派だが、働き過ぎて無理はするんじゃないぞ』
「フフ、ありがとう、イルバ♪」
イルバは働き者の憂を気遣う言葉をかけていたのだが、それを聞いて憂は笑みを浮かべていた。
イルバが普通の人間を気遣うことなど珍しいことだったので、統夜は驚いていた。
こうして統夜たちも憂お手製の年越しそばに舌鼓を打っていた。
鍋とそばを食べ終えた統夜たちは、紬の持ってきた「人生当てもんゲーム」というボードゲームをしながら笑ってはいけないを見ていた。
紬の持参したボードゲームは予想以上に白熱したゲームとなり、ゲームを終えた頃には気が付けば新年になっていた。
人生当てもんゲームが終わった頃には唯たちは眠くなったのか、みんな揃って眠りについていた。
※※※
それから数時間後、統夜は目を覚ました。
目を覚ました統夜はくっついて眠る梓と唯を起こさないように離すと、ソファに置いてあった魔法衣を羽織り、唯の家を出た。
統夜は唯の家の前に誰もいないことを確認すると、魔戒剣を取り出して、剣の素振りを行った。
『統夜、新年早々精が出るじゃないか』
「まぁな。昨日の夜はだらだらし過ぎたからその分体を動かさないと……」
統夜は唯たちと鍋を囲みながらだらだらとした時間を過ごしていたため、その分、体を動かそうとしていたのである。
『確かに、そうかもしれないな。素振りをするのはいいが、うるさくして唯たちを起こすなよ』
「わかってるって」
統夜はこうして素振りを開始した。
1時間ほど素振りを行い、統夜は唯の家に戻ったのだが、まだ唯たちは眠っていたため、また少しだけ眠って体を休めることにした。
それからおよそ2時間後……。
「……くん!やーくん!起きて!」
眠っていた統夜を唯が起こし、統夜は目を覚ました。
「んあ……?ちょっと寝てたか……」
統夜が目を覚ますと、既に朝になっており、テレビではお笑い芸人がネタを披露していた。
「今から初詣に行こうよ!」
「あぁ、そういえば起きたら初詣に行って解散って話をしてたもんな」
統夜たちは大晦日に唯の家に集まって鍋をしようと話した時にこの日はみんなで唯の家に泊まって初日の出は見ないで初詣に行き、解散しようという話になっていた。
「そうだよ。みんなも起きてるし、さっそく行こうよ!」
こうして統夜たちは桜ヶ丘神社に向かい、初詣を行うことにした。
統夜たちが神社に到着した頃には既に多くの人で賑わっていた。
「……凄い人だねぇ……」
「この時間だからな。こんだけ混んでても仕方ないよな」
「そうだよなぁ……。とりあえずお参りに行こうぜ!」
統夜たちはさっそくお参りをするために移動を開始した。
今日は元旦ということもあり、境内は人が多く、お参りをする人の行列が出来ていた。
統夜たちはその行列に並び、自分たちの順番が来るのを待っていた。
「ねぇねぇ、みんなは何をお願いするつもりなの?」
「おいおい。それを今言っちゃったらつまらないだろ?」
唯の問いかけに澪がもっともなツッコミをいれると、唯はぷぅっと頬を膨らませていた。
「それにしても……凄い行列ですね……」
「確かにな……。ま、別に急ぐわけじゃないし、こうやってみんなとのんびりしながら待つっていうのも一興じゃないか?」
「そうねぇ♪しばらくはみんなとのんびりも出来ないものね♪」
唯たち4人は受験が迫っているため、このようにみんなでのんびり出来るのは今のうちなのであった。
「そうですね……。私も皆さんとちょっとでものんびりしたいです!」
「あれぇ?梓の場合は“皆さん”とじゃなくて“統夜先輩”とじゃないのか?」
「にゃ!?へ、変なこと言わないでください!」
律がニヤニヤしながら梓のことをからかっていたため、梓はぷぅっと頬を膨らませながらムキになっていた。
「まぁまぁ、落ち着けって」
統夜はそんな梓をなだめようと頭を優しく撫でていた。
「ふ、ふにゃあ……////」
梓は統夜に撫でられて嬉しかったのか、頬を赤らめながら幸せそうな表情になっていた。
「早くも機嫌が直ってる……」
「統夜は唯よりも梓の扱いがわかってるな」
統夜は梓と付き合うようになってから梓の扱い方を熟知するようになっていた。
「むぅ……。私の時には見せない顔をしてるよ。あずにゃん……」
唯は梓が自分には見せない表情をしているのが悔しいのか、再びぷぅっと頬を膨らませていた。
「あらあら。ウフフ♪」
紬はそんな統夜たちの様子を笑みを浮かべながら眺めていた。
このようなやり取りをしているうちに統夜たちの順番が来たので、統夜たちは一列に並んで、それぞれお賽銭を入れた。
そして、ジャラジャラと鈴を鳴らし、手を合わせてお参りをした。
「……みんなは何をお願いしたんだ?」
お参りを終えて、移動をしながら統夜は唯たちにお願いしたことを聞いていた。
「あたしは……。志望校に受かりますように……かな?」
「私も……」
「私もそうかな?」
「私もそうだよぉ!」
どうやら受験を控えている4人は志望校に受かるようお祈りをしていた。
「そういうやーくんは?」
「そうだなぁ……。これからも梓と仲良くやっていけますように……かな?」
「あっ……。私も同じようなことをお願いしました……////」
「まったく……2人揃ってのろけやがって……」
律は2人揃って仲睦まじいお願いをしていたことに呆れ気味だった。
「それだけじゃないぞ」
どうやら統夜は他にもお願いをしていたようだった。
「お前たちが4人揃って志望校に合格しますようにってお願いもしたぞ」
「やーくん……」
唯たち4人が揃って志望校へ行く。それは統夜の願いでもあった。
「それに……」
統夜はまだまだ願いがあったらしく、こう前置きをして話を続けた。
「卒業しても……。みんなずっと仲良くいられますように……ってな」
「「統夜……」」
「統夜君……」
「やーくん……!」
「統夜先輩……」
唯たちは統夜の最後のお願いが何よりも嬉しかったのか、笑みを浮かべていた。
「そうだな!あたしだって卒業してもみんなと仲良くしたいって思ってるよ!」
「私もだ!卒業したって私たちは仲間なんだからな!」
「えぇ。みんなとの日々はとても楽しかったもの。そう簡単に忘れるなんて出来ないわ」
「そうだよ!私だって卒業してもみんなともっともっと仲良くなりたい!」
「はい!私もです!私も先輩たちとずっと仲良くしたいです!」
どうやら唯たちも統夜と同じ気持ちであった。
軽音部でかけがえのない時間を過ごした統夜たちの絆はとても大きく、そう簡単に断ち切れるものではなかった。
《統夜。そのお前さんの願いを無駄にしないためにも魔戒騎士として励むんだな》
(わかってるよ。俺は魔戒騎士で、守りし者なんだから……)
統夜はお祈りをしたことで、守りし者としてさらに精進しようと決意していた。
「それじゃあ、最後におみくじ引いて帰ろうよ!」
「おっ、そうだな!」
こうして統夜たちは帰る前におみくじを引くことにした。
おみくじを引いて、それぞれの運勢を確認すると、それを結び、それが終わったところで帰ることにした。
「さて、おみくじも終わったし、そろそろ帰ろうか」
「そうだな。私は帰ってさっそく勉強しないと……」
「そうね……。ここからが正念場だもの……」
「わ、わかってるよ!」
「うん!私も頑張らなきゃ!」
唯たちは家に帰ったらそのまま受験勉強を頑張ろうと決意していた。
「先輩方、頑張ってくださいね!」
梓も受験生である唯たちにエールを送っていた。
「それじゃあ今日のところは解散しようか。だけど、その前に1つやることがある」
「「「「「やること?」」」」」
統夜のいうやることという言葉の意味がわからず、首を傾げていた。
「……あけましておめでとう!今年もよろしくな!」
「あぁ!よろしくな!」
「あけましておめでとう!」
「えぇ!今年もよろしくね!」
「みんな、よろしくね!」
「はい!今年もよろしくお願いします!」
統夜のいうやることというのは、まだ行っていない新年の挨拶だった。
それを聞いた唯たちも同様に新年の挨拶を返していた。
「さて……。それじゃあ帰ろうか」
こうして新年の挨拶を終えた統夜たちは解散し、それぞれ帰路についた。
こうして新年を迎えた統夜たちだったが、新年早々に暗雲が立ち込め、統夜にとって最大の試練が訪れるのだが、統夜はそれを知る由はなかった……。
……続く。
今回は年末年始の話なので、短めになっております。
ちなみに皆さんは大晦日には何を見ますか?
僕の場合は笑ってはいけないを録画して、紅白を見ています。
前書きにも書きましたが、この小説は第100話を迎えることが出来ました。
活動報告にも書きましたが、次回は100話到達記念の番外編を投稿する予定です。
「牙狼 炎の刻印」と、「牙狼 紅蓮ノ月」の鍋回のような感じでこの小説を振り返っていきたいと考えています。
それでは、次回をお楽しみに!