アブソリュート・デュオ〜銀狼伝〜   作:クロバット一世

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悠斗に苦難勃発


3話 ラッキーすけべ

俺たちは今、危機に瀕している。

 

学園の強大な陰謀によって俺たちは居場所を失いかけているのだ。俺たちは我が身を守るため、仲間に救いを求める…しかし人生とは、残酷だ。なぜなら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「男なら覚悟を決めて行ってこい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな残酷な言葉で俺たちを女子と同じ部屋に向かわせようとしているのだから。

 

 

「男だからいけないんだろうが!?」

 

「もうあんただけが頼りなんだよトラさん!!!」

 

「喧しい!!!もう消灯時間だ!!!」

バタンッ!!

 

そんな音と共にドアは閉められてしまった。

 

 

 

 

 

「…透流、お前の友達って冷たいな」

 

「奇遇だな。俺もそう思っていたよ」

 

そう言うと俺たちはため息を吐いた。

 

「はあ…腹をくくるしかないか」

 

「…そうだな」

 

「そんじゃ部屋に戻るか…」

 

「だな。そんじゃ俺はこっちだからじゃーな。」

 

「おやすみ」

 

そう言うと俺たちはそれぞれの部屋に向かっていった。

 

 

 

俺は部屋に着くとなんとも言えない緊張感に包まれた。

 

「さて、どうしたものか…いや、変に考えても無駄だ。ここは俺の部屋でもあるんだからな。堂々と入るか」

 

そう言うと俺は部屋のドアを力強く開いた。

するとそこには…

 

 

 

 

 

バスタオルを巻いただけの格好の俺のルームメイト穂高みやびがそこにいた。

 

 

「…え?」

 

「あっ…」

 

 

一瞬何が起こったか分からず静寂が空間を包む。そして…

 

 

 

 

 

「キャァァァァ!!!」

 

 

彼女の悲鳴が周囲に響いた。その時、

 

つるん

 

そんな音と共に彼女は足を滑らせ後ろに倒れていった。

 

「危ねぇ!!!」

 

そう言って手を掴むもバランスを崩し俺も倒れてしまった。すると

 

 

 

 

むにゅん

 

 

 

 

俺の手に柔らかいナニカがあった。

 

 

「うわぁぁぁぁ!!!ゴメン!!!」

 

俺は慌てて瞬時に飛び起き、彼女に謝った。

 

「ううん、こっちこそゴメンね。助けてくれたのに」

 

みやびはそう言うと、顔を真っ赤にして縮こまってしまった。

 

「…ごめん、私中学まで女子校だったから今まで男の人と接したことなくて」

 

その後、可愛らしいパジャマを着たみやびとジャージ姿になった俺が部屋で向かい合っていた。

 

「いや、気にすんな。俺も悪かった。」

 

俺はそう言うと

 

「そ、そんな天峰君は何にも悪くないよ。私が…」

 

 

そこまで言うとみやびは再び顔を真っ赤にしてアレを思い出してしまってた。

そんな穂高を見て、俺も顔が真っ赤になった。

 

「と、とにかく今日はもう遅いし寝るか」

 

「えっ、あっうんそうだね。おやすみ」

 

「おやすみな」

 

そう言うと俺たちはそれぞれのベッドに入っていった。

 

「すぅ…」

 

すると、みやびは疲れていたらしくすぐに眠ってしまっていた。

 

「…さて、報告は明日でも良いか」

 

俺もすぐに眠ることにした。

 

 

 

 

次の日、俺たちは朝食の為、食堂にいた。食堂はビュッフェ形式で多くの料理が並んでいた。

 

「んじゃ食べるとするか…」

俺たちはそう言いながら食事をとり、席に着いた。

すると、

 

「おはよう悠斗。そっちは昨日大丈夫だったか?」

 

「…透流か。それに関してはあまり言わないでくれ」

 

俺たちの会話の隣でみやびは顔を真っ赤にしていた。

 

するとさらに

 

「相席良いだろうか?」

 

そんな声が聞こえ、そっちを見ると

 

「ええと、確か…誰だっけ?」

 

「橘巴だ。そしてこっちがルームメイトの不知火梓(しらぬい あずさ)だ」

 

「…よろしくお願いします」

 

腰まで届く黒髪の凛とした女子と黒のセミロングの髪と赤い縁の眼鏡が特徴的な女子がいた。

そして席に着くと俺と透流の皿の料理を見て

 

「なぜ君たちの料理はそんなに偏っているのだ?」

 

「…肉好きなもので」

「右に同じ」

 

「それはダメだ。いくらビュッフェだからってバランスをとらないと。私の野菜を分けてやる」

 

そう言うと橘は俺たちの皿にどんどん嫌いなセロリと茄子を乗せてきた。

 

「それでは雑談も適当なところで、そろそろ食事にしよう」

 

「そうだな、食べるか」

 

そう言うと俺たちは食事を始めた。

 

「ときにユリエ、みやび。その……こういう言い方は九重と天峰を前にして申し訳無いが、週末までとはいえ同居生活は大丈夫そうか?」

「ヤー。大丈夫です」

「えっあ…あの」

 

ユリエは問題なさそうだがみやびはあんなことがあったからな…

 

「九重、天峰、今ので気分を害したらすまない。大きなお世話だとは思ったが、やはりキミたちは年頃の男女であるわけで何事か問題が起こらないかが心配でな……」

 

こほんと咳払いしつつ、その問題とやらを想像してか頬を僅かに赤らめる巴。

 

 

「いや、いいさ。そう思うのも無理はないしな」

 

「それなら……。しかし、もし困ったことがあったらいつでも言ってくれ。必要とあれば内密に私たちの部屋で過ごして貰っても構わないぞ。なぁ梓」

 

「はい、私達は二人とも大歓迎です。」

 

「お気遣い感謝します。……ですが本当に大丈夫です。トールは優しい人ですので」

 

「わ、私も…」

 

「みやび、無理はしなくて良いぞ」

 

「う、ううん。私は大丈夫。昨日は、ビックリしただけだから。」

 

「そうか。ならいいんだが」

 

(意外だな。みやびなら橘達に頼むと思ったんだが)

 

そんなことを考えてると。

 

「昨晩も、トールは先に眠ってしまった私を優しく抱いてくれましたから」

 

「「「「ぶーっ!?」」」」

 

透流と巴が味噌汁、みやびが牛乳、悠斗がコーヒーを吹いた。

そしてなぜか梓だけは平然としていた。

 

「ユリエ!?」

「なっ、ななっなっ!?」

「ユユユ、ユリエちゃん!?」

「透流、お前!?」

「ーー?」

 

激しく動揺する四人に対し、鈴の音を響かせてユリエが小首を傾げる。

つーか透流お前そんなキャラだっけ?

 

「橘、穂高、悠斗!今のはーー」

「こ、九重!!ななっ、なんということをしているんだ!!しかもっ、ねっ、眠っている相手にだと!?そんな破廉恥な男とこれっこれ以上同席しているなど不愉快だ!!私はこれで失礼する!!」

 

ユリエの発言を「そういう方向」に受け取った巴は激昂したまま食堂を出て行った。

 

「いやーん九重君のえっちー」

 

すると無表情の梓が棒読みでそんなことを言いながら巴の後を追っていった。

一方悠斗は一度激しく動揺したもののすぐ冷静さを取り戻し、ユリエがまだ時差に適応しきれずベッド以外で寝てしまい、透流がユリエを抱き上げてベッドに運んだ可能性を導き出した為、担任に突き出すのは詳しい事情を聞いてからでも遅くないと判断していた。

 

 

「……騒々しい。何をしているんだ、貴様たちは」

「ちょっとな……」

 

 

そこに現れた葵に、厄介なことになったもんだと思いつつ透流は溜息を吐いていた。

詳しい事情を聞き、自身の予測があっていた事を確認すると、食事を摂り始めたばかりの葵と彼に付き合う気の透流とユリエに先に行くと伝えて、悠斗とみやびはは食堂を後にした。

 

 




オリキャラ登場ー!!!
今回は若干短いですがこの辺までとします。
次回は特訓、その次は早ければ絆双刃の決定までやりたいと思っています。
果たして悠斗の絆双刃は誰に…(本当は決定してるしみんなわかってると思うけど。)

これからも更新できる限り早めにします。




それと感想書いて欲しいな…

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