8月7日火曜日
ロケ最終日
今朝も一番に目覚めたのは私で、夕べの嵐のように激しく降った雨も止みスッキリと晴れ上がってる
台風じゃないけど台風一過って感じかもしれないけど未だ強い風の残る朝です
大人の人達は皆さん、疲れきった表情で眠りこけてますね
私は一人、雨上がりのちょっと強めな風が吹き付ける濡れた山道をぼんやりと歩いているとプロデューサさんと出会いました
「 お早うございます、白井さん… 今朝も早いですね? 」
そう言われて苦笑いを浮かべた私は
「 その分夜がものすごく弱いですけどね 」
そう返すと
「 貴女のお陰でこの三日間のロケ、楽しかったですよ
夕べもパニックを起こす事なく無事にのりきれましたしね 」
そう言われて照れ臭い私は
「 私の方こそ楽しかったですよ? 最初は全然気が進まなくて嫌々引き受けましたからね…
本音を言っちゃえば、引き受けたくはなかったですけど今は引き受けて良かったって思ってますけどね…
でも、未だロケは終わってませんから最後まで油断禁物ですよ? プロデューサさんっ♪ 」
そう笑ってゆー私に、苦笑いのプロデューサさんだけど
「 カメラ貸してもらえますか? 」
そう言われて、首から下げていたデジカメを手渡すとひまわりを背景にしてシャッターを切ったプロデューサさんに
「 浜河内のおじさんに良いお土産ができました、ありがとうございます 」
そう言って頭を下げると朝食用の野菜を取りに畑に向かう私に
「 キレイに染まっていると良いですね 」
私達はそれぞれに意匠を凝らした絞り染めを浸けて置いた古鍋から取り出すと軽く水洗いして細工を取り払って干すことに
「 天気も良いし風も有るから早く乾きますね? 」
私がそう呟くと
「 乾いたらこのお揃いのシャツ着て記念写真撮りたいね? 」
藍さんが笑ってそう言ました
最終日のイベントのゲームは私と組んだ水鳥さんが番組で用意したお宝を発見して勝利しましたがその他にもビーチに宝箱っぽい漂流物があり海上警察に届けましたがこれか大騒ぎを引き起こす発端になるのはまた別のはなし
夕暮れ近い海岸で浜風を背中で受けながら船の到着を待つ私達
後片付けを終えた私達は朽ちかけた桟橋の近くまで来てます
荷物の整理も終わりいよいよ帰りの刻… 迎えの船が来ます
色々有りましたがお迎えの船が見えてきました…
荷揚げスタッフとして同行したらしい隆君と聡君が手を振っているのが見えて何やら叫んでいるようです
「 いつかまた… 今度はちゃんとキャンプの準備をして楽しみたいね? 」
そう藍さんが言ってくれたから
「 じゃあその時はお料理任せてくださいね、腕を振るいますからっ♪ 」
私もそれに泣き笑いで答えると皆涙を流しながら抱きあってた…
もう少ししたら船に乗って日常に帰る私は後日のオンエア後に巻き込まれる大騒ぎなんか知るはずもなかった
こうして私達は三日間のロケを無事に終え浜河内家に帰ってきました
上陸後ペンションのカフェで開かれた打ち上げは大盛況で、撮影の大成功と無事の連絡を受けた三人の事務所の社長さん達も急遽駆け付けてきた
食べきれなかった魚をもって帰ってきた私達は早速料理してもらいながら私は三人の
「「「 帰ったらふわとろのオムライスが食べたいっ! 」」」
ってリクエストに応えるためにまずはチキンライスから作って…そしてオムライスに仕上げて…
「 ハイ、お待たせしました…ハヤシソース掛けふわとろオムライスですっ♪ 」
そう言って三人に差し出したんだ
勿論三人は笑顔でオムライスを受け取ってくれ美味しそうに食べてくれてます
それを見た女性のスタッフ達が羨んでリクエストの声をあげるのでリクエストに応えるために人数分用意しました
プロデューサさんは浜河内夫妻とナニやら話し合ってるしADさんを始め撮影スタッフの皆さんも久し振の…
と、言っても二晩飲めなかっただけですけどね
仕事上がりの一杯を堪能してます
スタッフさん達人も仲良くなり何人かの人とは連絡先の交換をしました
どちらかと言えば人見知りな私には珍しいことですけど四人の記念写真…
カメラに向かって笑うお揃いのシャツを着た私達が写っているそれはきっと大切な思い出の宝物になるのかもしれません