迷子になった赤毛のアン   作:春の雪舞い散る

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 根っからの地元の子でない私は天候の変化を読み違えました


ロケ二日目の嵐の夜

 

 

8月6日月曜日

 

 撮影二日目ですが、誰よりも早く起きて朝ご飯の支度を開始…

 

 と、言っても食料は基本的に現地調達なので元畑に自生してたとうもろこしを茹でてトマトをスライスしたものに夕べの鍋を温め直すだけなんですけどね

 

 ただ今、デジカメ首から下げてお散歩中なんです

 

 帰ったらそれを元に風景画を描くのが私の趣味のひとつなので

 

 その後、スタッフさん達と仕掛けを確認しに行き捕れた物を収穫

 

 朝食後、今日の撮影予定の宝探し ( ゲーム ) についてルール説明

 

 午前中は海で魚採りと言うか、水着の披露で食事の後水着に着替えてビーチに向かいました

 

 昼食後は、花摘と花びらをつぶして染料にして無人島絞りを各自の記念品にして持ち帰る予定です

 

 しかし… そこで想定外の事態が起こってしまったんです

 

 日暮れ近くから、ある程度島に慣れている私でも急激にと感じるほどに海がいきなり荒れ始めたので対応が遅れました

 

 もっと早い段階で気付いていたら… そう誰もが悔やみましたけど自然の前では人間の力なんてね…

 

 まさに後悔遅しって感じで空を睨む大人達

 

 台風を思わせる暴風雨に慣れない人達が騒ぐなか

 

 「 この中でこの島を一番知っている白井さんが落ち着いてるんだから皆も落ち着きなさいっ! 」

 

 プロデューサさんに言われスタッフさん達は

 

 「 いくら地元の子だからって、中学生の少女が落ち着いてるのに大人の私達がいつまでもあわてふためいてちゃ情けないですよね? 」

 

 そんな声が上がりそんな声に呼応して気合いを入れあってます

 

 私は寒さと台風並の暴風雨に対する恐怖に震えてる三人を見て、ADさんに毛布を渡すように言いプロデューサさんには

 

 「 企画的にはどうかと思いますけど… コーヒー淹れましょうか? インスタントですけど非情用に持ってきてますから…

 

 アイドルさん達にはココアを飲んでもらって、身体と心を温めてリラックスしてもらおうかって思うんですけどどうでしょうか?」

 

 私にそう聞かれて

 

 「 そうだね… 三人には落ち着いてもらいたいし、何人かは交代で起きててもらいたいですからお願い出来るかな? 」

 

 そう言われた私はまず、お湯を沸かし始めたんだ

 

 先に温かいココアをアイドルさん達に渡してから、スタッフさん達にはコーヒーを渡して一息入れてもらうことにしました

 

 時間的には短い夏の夜だけど体感的には長い夜は始まったばかり…

 

 と、言っても私はもう寝ますとゆーか起きてられませんのですけどね

 

 えぇ、いつでもどこでもどんな時でも眠れる子ですから任せてください

 

 なんせ三大欲求の睡眠欲に特化してますからね、私ときたらねてる君かのび太君か?と言われる位によく寝ますから…/(^;^)

 

 その後、皆さんが眠れぬ夜をどう過ごしたかは知りませんけどコーヒーはかなり減ってましたね

 

 なんせ枕とお友達になっていました私には、知るすべは有りませんからね

 


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