迷子になった赤毛のアン   作:春の雪舞い散る

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えっと夏休みだったはずなのに寒いし汐の香りもしないんですけど?
私の不思議な冒険が今幕を…(ちょっ、ちょっと幕が開かないよ、どうすんのさっ!?)…本文が始まるまでには多分幕は開けてるでしょう…


何故かアンズは異界にいる

 

 

② アンズですから

 

 目が覚めた私は一言

 

 「うん、やっぱり見知らぬ天井だね…」

 

 私の呟きで私が目を覚ましたことに気付き

 

 「目を覚ましたか…アプリコット?」

そう声を掛けてきたから

 

 「白井杏子、アンズですのでまちがわないでください…まぁ意味は一緒なんですけどね」

 

 そう答える私に

 

 「そうなのか?まぁ良い、アタシはターナだ…よろしく頼むな、アンズ…で、身体の調子はどうなんだ?動けるのか?」

 

 そう言われて取り敢えず身体を起こしてみたら軽いめまいがして立ち上がろとしたら右足首が痛くて立てずに又抱き止められました…はぁーっ、ホント情けないですね…

 

 「無理しないの、案内するからおとなしくしてなさい」

 

 そう言って私の身体をお姫様だっこすると

 

 「アンタと話したいって人がいるからその人のところへ案内する」

 

 そう言って寝かされていた部屋を後にしてその私に会いたいってゆー物好きな人に会いに行く行くことになりました

 

 

 案内された部屋は

 

 「はじめまして、白井杏子ですがアンズって呼ばれてますからそう呼んでいただいて構いません」

 

 そう挨拶するとその人は立ち上がり頭を下げると

 

 ー私はウンディーネ、この地に水の恵みをもたらすもの…アンズ…貴女の力をお貸しくださいー

 

 (えーっと…今この人って喋ってないよね?)

 

 その事実に気付いた私が不思議に思っていたら

 

 ー私は貴女の脳に直接話しかけてまいるからですー

 

 (す、スゴく便利なんですね?まぁ私には使いこなせそうにないけどね)

 

 私の質問に答えてくれたウンディーネに苦笑いを浮かべてそう答えると

 

 「お、おい…何二人で顔を見合わせて笑ってるんだよっ!?」

 

 癇癪を起こして唸るその人に

 

 ーすいません、そう言えば貴女はテレパシーが苦手でしたねー

 

 そう言ってウンディーネが笑うと

 

 「わ、笑うなよ…じゃあアンズの奴はどうなんです?全然力を感じないってゆーのにさっ!」

 

 ーアンズ様は力の使い方をご存じないだけですから私からの呼び掛けには答えることができるのですー

 

 そう説明されて

 

 「じゃあその内に力を取り戻すと?」

 

 私にはわからない話をする二人のことは気にならなったんだけど二人のお腹の虫が鳴いたのは気になったので

 

 「私の事は気にしないでお食事になさってはどうですか?」

 

 そう声を掛けると苦笑いを浮かべて

 

 「その…今ちょっと食べるものを切らしてまして…」

 

 そう聞いた私は呆れて

 

 「食材も何もないんですか?」

 

 私がそう聞くと

 

 「いいえ、食材はありますが…調理する者が出払ってまして……」

 

 そのなんとも歯切れの悪い言い訳じみた言い方に

 

 「わかりました、もとの世界に戻れず当面私にできそうなことがわかりませんからお手伝いしてます、キッチンに案内してください」

 

 そう答えると二人は驚いて

 

 「あ、アプリコットが料理だと?そんな馬鹿なっ!?」

 

 「(ムカッ!)アプリコットじゃないし可愛いお嫁さんになるのが夢ですから家事全般頑張って修行中なんです

 

 お料理だって美味しいって「男がいるのか?」彼はいないけど家族や知り合いは美味しいって言ってくれます…」

 

 思わぬ突っ込みに尻すぼみになった私に

 

 ー私も人の事は言えませんが男っ気のない貴女がそれを聞きますか?ー

 

 そう言って笑うウンディーネを見て笑う私と不機嫌そうに睨むターナは悔し紛れに

 

 「足は大丈夫なのか…未だ痛むんじゃないのか?」

 

そう言って私の左の足首に触れ

 

 「どうやら足首を捻っているようだぞ?」

 

 そう言われて

 

 「私自身は申し訳ありませんが椅子に腰掛けさていただいてその状態でもできることと指示を出しますから誰か手伝っていただける方がいれば良いです」

 

 そう答えると目を丸くして驚く二人に

 

 「何かおかしな事を言いましたか?」

 

そう聞いたら

 

 ーいいえ、私達にはそのような発想がありませんから驚いていたのですが…宜しければ料理を習いたい娘にやらせご指導願えませんか?ー

 

 そう言って頭を下げられた私は

 

 「良いですよ、私も小さい頃から色んな人に教えていただいてきてますから…私の知ってる範囲内でしたら頑張りますよ」

 

 そう答えると

 

 ー貴女の厚意に感謝します、クランベル聞こえますか?聞こえたら私の部屋に来てくださいー

 

 そうウンディーネさんがクランベルってを呼び出すと暫くすると長身で細身の人が部屋に現れたんですけど

 

 

 「背、高いんですね…」

 

 ぽつりと思わず漏れ出た私の本音に

 

 ーそんなに気になるんですか?その身長が…ー

 

 「皆さんにはわからないでしょうね…羨ましいくらいの長身とプロポーションに加えて眩しいくらいの美貌の持ち主である貴女達になんか私の気持ちがわかるはずないです…」

 

 多分私のハイライトは消えてるんでしょうね…

 

 「えぇ、わかりませんよ?確かにね…です貴女からしたら背の高い私ですけど戦鬼と呼ばれる私達の一族の中じゃ小さい方なんですから全くわからなくもないですよ」

 

 そう言われて

 

 「そんな事言われたって全然慰めになりませんくけど…まぁやっぱり私って小さいよね?ってオチを再認識したところで私の事はアンズって呼んでください」

そう自己紹介したら

 

 「私はソウカです、よろしく」

 

 そう言って互いの手を握り合い

 

 「で、私は何をすれば?」

 

 そう聞かれた私はウンディーネを見ると彼女も頷いたから

 

  「料理を作る私のサポート…特に今ちょっと足を捻ってますから申し訳ないのですけど色々と顎で使うような形になってしまいます

 

 その代わりにと言ってはなんですけど私の知ってるもので良ければお料理をお教えしますけど?」

 

 そう提案すると

 

 「それは本当ですかっ!?」

 

 ってものスゴい勢いで食い付いて来たからたじろいでたら

 

 おい、お前ら入ってこいっ!どうやらまともな飯にありつけるようになりそうだぞぉ~っ!」

 

 って叫んだら私とあまり変わらない背の変わらない子達が部屋に入ってきて

 

 「なぁなぁちび助のお前が料理を作るってゆーのかよ?」

 

 ってハッキリ言って私よりちびな男の子にそんなこと言われて

 

 「ふん、こう見えたってカフェで私の作った料理お客さんに食べてもらってますからねっ!」

 

 って語尾をあげて言う私に

 

 「うっそでぇーっ、んな事信じられっかよ?」

 

 って言われた私はマジ切れして…

 

 「なら食べなきゃ良いでしょ?別に好き嫌いを言うお子様の矯正は頼まれてませんから食べたくない人に無理して食べてもらわなきゃいけない理由はありませんからねっ!ふんっ」

 

 そう言って鼻を鳴らして

 

「そろそろ始めましょうか?」

 

 そう言って調理場に案内してもらい

 

 「大体でいいので人数と好き嫌いを教えてください、あとこちらの味付けを知りませんから調味料を確かめながら調理しますから」

 

 そう言ってまず食材と調味料に調理器具を見せてもらいメニューは…肉じゃがとこれ…味噌だよね?

 

 うん、味噌汁にこのほうれん草みたいなののお浸しかな?

 

 そう決めて細長いインディカ米のような米?を炊く支度をして野菜の皮を剥いたり刻んだり味を整えなんとか仕上げて食べてもらいました…

 

 ドキドキしながら感想を待ってたけど誰も何も言ってくれない…

 

 (好みが違うのかな?……誰も何も言ってくれないよ………)

 

 不安になりながら皆の言葉を待つ私に

 

 「お姉ちゃん美味しーっ!」

 

 その言が私の耳に響き思わず涙がこぼれました…嬉しくて

 

 私に向かい憎まれ口を叩いていた男の子も私の顔色を伺っていたから頷いて差し出すと

 

 「悪かったな…ありがとう」

 

 そう言って受け取ってくれたから私も思わず涙がこぼれました

 

 取り敢えず人がどんどん集まり炊き出し状態になってきましたから足りなさそうなので追加料理を作ってますけど

 

 その日から私はウンディーネの信徒達の食事当番になりソウカが私に料理を習うと言う話を聞いたな二人の少女も

 

 「私達にも教えてください、お願いします」

 

 そう言って頭を下げるから

 

 「良いですよ、二人だけじゃ手がたりませんでしたから是非覚えてくださいね」

 

 私は笑顔でそう答えました

 

 

 

②ティファニーで朝食を

 

 そう聞けば何か優雅な響きが有りますけど私の目の前で繰り広げられている食事風景は優雅な雰囲気とは程遠いようですね…

 

 まぁ現実はこんなものなんでしょうけどね、やれやれですよ全く

 

 20人の欠食児童と15人の大ぐらいな大人達が用意した朝食を前に争うように食事してますが呆気にとられてる私を苦笑いして見ているソウカ、サエ、ミルの三人組

 

 静かに賄いを食べながら明日からのお弁当作りについて頭を悩ませいたらソウカが

 

 「アンズ、昨日から一度も着替えてませんが平気ですか?」

 

 そう聞いてきましたから

 

 「気にならなくはありませんけど着替えもありませんからしょうがありません」

 

 そう答えると

 

 「それなら食材の買い足しもありますから貴女の服買いにいきませんか?」

 

 そう言われた私は

 

 「え、でもお金持ってませんから…」

そう言ってやんわりと断ったつもりでいたら

 

 「じゃあアンズのその服を売ってください、ここでは見たことのないデザインですから新しい服を買ってきたらでいいですので」

 

 そう言われ返事に困っていると

 

 「アンズ、アタシにゃわかんないけど結構良い服なんだろ?なら遠慮しなくても良いし少なくともその靴のままじゃ又足を挫くぞ?」

 

 そう言われた私は足元を見て溜め息を吐き

 

 「たしかにそうですけど…」

 

 煮え切らない私を優しく抱き締めて

 

 「そんなに深く考えなくても良いですよ?」

 

 そう言って頭を撫でると

 

 「プレゼントしてもらったものだから躊躇っているのでしょ?

 

 正直に話せばわかってもらえるしその為にも元の世界に無事に帰らなきゃね?」

 

 そう言われた私は頷いて

 

 「ウンディーネさんよろしくお願いします」

 

 そう言って頭を下げました

 

 

 私達はマルシェっぽいとこに来てます

 

 食材は配達してもらうので持ち歩く必要らありませんしその量足るや持って帰れるレベルじゃありませんからね

 

 それらを済ませてから二人でランチタイムをまったりと過ごしてから私個人の買い物です

 

 私の服を買いにいくことになりまずは動きやすいタンクトップと短パンにシンプルなワンピースに寝間着代わりのスエット

 

 エプロンとニーソックスに下着にローファ、バスタオルにタオル

 

 編み棒と毛糸、色はピンクで暇を見つけて編もうと思いました

 

 

 帰ってまず脱いだ服達をウンディーネさんに渡してその後すぐ晩ご飯の支度を始めました

 

 今夜はカレーライス、厳密には食材の都合上カレーと呼んで良いかは微妙ですけど私はカレーと呼びます

 

 付け合わせのスープとサラダに白菜?の一夜漬けを用意しました

 

 一週間もしたら三人も使えるようになりウンディーネさんに

 

 「サポートの三人の腕も上がってきて私にも余裕ができてきましたのて良かったら簡単なおやつでよろしければ私が用意しましょうか?お菓子代もバカになりませんからね」

 

 そう提案すると驚いて

 

 「アンズはそんなことまでできるのですか?」

 

  そう聞いて来ましたから

 

 「料理のスキルは必要だから磨きましたしお菓子作りは作るのも食べるのも好きですから暇を見つけては作ってましたからね」

 

 そう言ってお菓子作りも私の担当になりました




多分本編っはあまり関わりはないはずですが多分無事に帰れるはずです、多分

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