迷子になった赤毛のアン   作:春の雪舞い散る

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どじっ子アンズ

① 悪夢は過去から忍び寄る

 

 

9月18日水曜日

 

 『 今日からこの部屋が貴女の部屋です 』

 

 そう言われたのは昨日の話で私は私にあてがわれた部屋のベッドで目を覚ましたところです

 

 使用人の部屋らしくシンプル且つ機能性重視の内装でベッドの下に机がありハンガー掛けには前の学校のセーラー服

 

 新しい学校のボレロとジャンパースカートの制服に通学用のダッフルコートにプライベート用のセーラーカラーのワンピースとロングコートにメイド服が吊り下がってますが…

 

 後、はローテーブルとアニマルクッションにローテーブルの上にはノートパソコンが置いてありスケジュールチェックできるようになってますね

 

 それ以外の目ぼしいものは冷蔵庫、保温ポット、電子レンジでしょうか?

 

 ここ、私の新しい住居になった部屋は明石のお嬢様の所有するシェアハウスで住人はお嬢様、金城さんに李と畔柳で最後は私の五人ですけどつい先日までは住み込みのメイドさんの部屋だったそうです

 

 昨日の今日でいきなりですけど今日から新しい学校に通学しますのでまずは皆さんの朝食とお弁当の支度から始めましょうか…

 

 そう言われて用意された制服はまるでAKB48が着てるみたいな可愛いデザインで私が今回の話を受け入れた要因のひとつです

 

 真新しい制服に袖を通し髪型を整え学校に行く支度が終わりお嬢様と共に学校へと向かいます、送り迎えのリムジンで

 

 職員室に挨拶しに行くとさすがは明石のお嬢様の威光?まるでVIPのような待遇にひきぎみの私

 

 職員室で担任、副担の先生を紹介されてホームルームで一足先に入りクラスの人達に編入生があることを告げ

 

 『 入りなさい 』

 

 そう呼ばれ副担の先生と共に教室に入り担任の先生の隣に立つと

 

 「白井杏子、知っている者もいると思うが近々アイドルデビューのため東京に来たばかりだから友達はいないので仲良くしてやってくれ」

 

 そう紹介されたので

 

 「 ただいまご紹介いただいた白井杏子ですがはっきり言って頭は残念すぎて高校進学を諦めるしかないレベルです

 

 趣味はお菓子作りで基本アホの娘と呼ばれてますから残念な発言や失言は悪気がないと言うか自覚がありませんので生温かい目で見守ってやってください…

 

 そんな私ですけどどうかよろしくお願いします 」

 

 そう言って頭を下げると、先生が空席を指差して

 

 「 あそこが白井の席だ、行って腰掛けなさい 」

 

 そう言われ

 

 「 わかりました 」

 

 そう答えた私は颯爽と教壇から降りる…はずでしたがものの見事に踏み外して尻餅つきました

 お陰で涙目で始まる新生活になり編入初日のインパクト大?おしりいたい…

 

 お昼になり皆さんは購買なり学食なりに行き、私は一人教室でお弁当の蓋を開けて食べてました

 

 

 暫くすると購買組の人たちが戻ってきてそれぞれの席で食べ始め私の前にも一人の女子生徒が来て

 

 「 白井さんって親元離れていらっしゃっるんでしたよね? そのお弁当はどうなさったのかしら? 」

 

 いかにもお嬢様っぽい人にそう聞かれた私は

 

 「 自分で作りましたよ?朝食の支度とお弁当を用意するのは私の担当ですからお嬢様のは勿論シェアハウスの皆さんの朝食とお弁当も一緒に…

 

 私の担当で、中学卒業したらメイドとして雇っていただける約束の証しにメイドの修行をさせていただきますからね 」

 

 私がそう答えると

 

 「 貴女、アイドル目指すんじゃありませんでしたの? 」

 

 そう言って驚いた表情でそう聞いてきましたから

 

 「 私がアイドルとかそんな妄想に付き合うほど酔狂じゃありませんから…

 

 私が人気アイドルとかになれるなんて宝くじで一等当たるよりあり得ない事をあてにするよう夢を見れる性格はしてませんから

 

 残念ながらそんな発想は、私の趣味はありませんので地道に生きる道を探します…

 

 将来の事だってちゃんと明石のお嬢様の元でお勤めして適当な歳になったらお見合いして結婚するってプランたててますからお構い無く 」

 

 そう言って食べ終えたお弁当箱を片付けるとお嬢様から渡されたスケジュール帳に目を通していると

 

 「 な、何かものすごい過密スケジュールだね?あ、私は藍さんの事務所の後輩で飯田詩音で芸名紫園です…よろしくネ、アンズさんっ♪ 」

 

 そう言われて正直戸惑いを感じる私は

 

 「 え、あ、は、はい、よろひゅくおねがひひましゅ… ( 噛んだ、盛大に噛んじゃいましたよ…私ってば )」

 

 「 ………ぷっ、先輩達が貴女の事をやたら可愛いって連呼してたのが直接会ってやっとわかりましたよっ♪ 」

 

 そう言われて、更に顔を赤くする私は不本意ながら多く( 特に男子生徒 ) の視線を集めていました

 

 放課後になり、迎えに来てくれた車に乗り込むとお嬢様と金城さんが既に乗っていらっしゃって

 

 今日から土曜日までの放課後と日、月の連休はドクモと、宣材(用語については金城さんの解説)用の写真の撮影にプロモーションビデオの作成のお仕事ですけど荷が重いです…

 

 私…素人なんですよ?全く何も知らないのに撮影の仕事とかっていきなり過ぎませんか?

 

 今日は前の中学の制服と体操服を着たり制服エプロンでカレーライスを料理したりの撮影でした


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