迷子になった赤毛のアン   作:春の雪舞い散る

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臨海学校初日

 

 最後のイベント

 

9月11日火曜日

 

 今日から三泊四日の臨海学校学校が始まりますけど水城さんとの朝ごはんとお弁当のおにぎりを用意するって話をしていたら

 

 「え~っ!水城さん、それずるくない? そんなの私だって白井さんのおにぎり食べたいよ? 」

 

 同じグループの谷川さんにそう言われて苦笑いする水城さんだけど

 

 「 仕方無いでしょ? 水城さんのおかあさんが遅番からそのまま夜勤になるって連絡あって困ってるんだからお隣さんの私が作らなきゃ可哀想でしょ? 」

 

 私がそう言ったら

 

 「 なら私のおにぎりと交換してもらうとかどう? それなら白石さんの負担になら無いでしょ? そうすれば水城さんは朝ごはん白井さんに用意してもらうんでしょ?」

 

 そんな話をしていたら

 

 「 ズルいなぁ~っ、それなら私も私も仲間にまぜてよ? 同じグループでしょ? 」

 

 と、沢口さんも言い出したら

 

 「 あのぉ~っ、俺も同じグループなんだけど… 男はダメかな? 」

 

 そう竹垣君に上目使いで言われて何でこんな事になるんだろうか? 解せぬ…

 

 そう思って溜め息を吐いてたら担任が

 

 「 二日目のお弁当のおにぎりも自分達で握るんだからお前ら少し落ち着けっ! あ、俺も頼んで良いか?」 

 

 そう言って生徒全員のひんしゅくを買ってましたからね…… 先生ナニやってるんですか? 全く…

 

 そんなこんなでただいま朝食中ですが彩希と波瑠君が呆れてますけど食卓には水城さんと水乃さんに湯河原さんと大瀧君に木元君…

 

 同じ社宅に住んでるから集まったんですけどね…

 

 この五人はここで朝食を食べていくのでそれぞれにお弁当のおにぎりを交換して食べるんだそうです

 

 何かよくわからない成行になりましたよ全く…

 

 まぁ仕方無いのでおにぎりは多目に持っていくことにしていつもより早めに起きて多目にご飯を炊いて支度をしましたよ彩希と波瑠君の分もありますから全部で30個握りましたよ

 

 そのお陰で握力ゼロですよ、ええもう箸も握れませんからもうこれ以上は無理ですからね?

 

 彩希と波瑠君に三個ずつ渡して水城さんと水乃さんに湯河原さんは三個ずつに大瀧君と木元君に四個ずつ渡して

 

 残りを大瀧君と木元君に運んでもらうことにしてお昼に交換することにしますけど何でこんな事になっちゃったんでしょうね…

 

 更にはバスに乗ったら乗ったで私がマイク握らされてワンマンショーって…

 

 ガイドさん仕事して下さいよ? 運転手さんも注意しないの?

 

 え?東京バスガールって… 歌えますけど誰もおかしいとは思わないのでしょうか?

 

 え? 私の年で東京バスガールを歌えるのも十分変だって… それこそ余計なお世話ですから放っておいて下さい

 

 そんな事より、今のこの状況がおかしいと思う私が変なんでしょうか… 誰か教えてくれませんか? 何かよくわからなくなってきましたよ

 

 浜河内のおじさんのペンション近くにあるキャンプ場が今回の目的地でバスを降りると有り難くもなくつまらないテンプレなトークがあり

 

 荷物をテントに… え、あれ? 竹垣君、ナンで私の荷物まで…

 

 「 竹垣君、それ私荷物じゃ… 」

 

 そう声を掛けると

 

 「 握力、未だ戻ってないんだろ? なら荷物、俺に任せてよ? テントに運ぶからさ

 

 入り口迄運ぶからさ、後は頼むよA班女子っ! 」

 

 そう竹垣君に声を掛けられて

 

 「 りょーかーいっ! 」

 

 と、明るい返事が返って来ましたがこれで良いのでしょうか?

 

 取り敢えずお弁当タイムになり朝食を食べにきた五人の内大瀧君は担任と交換しましたが… 先生が持ってきたのは

 

 「 コンビニの助六… ですよね? それ 」

 

 思わずそう呟いてしまった私の言葉に

 

 「 これじゃあ、白井さんのおにぎりを欲しがるわけだよね… 」

 

 水城さんが言えば

 

 「 先生がコンビニのレジで支払いしている姿が目に浮かんじゃうよ… 」

 

 水乃さんもそう言い

 

 「 早く奥さん貰えば良いのにね? 」

 

 と、沢口さんのとどめの一言に涙しながらおにぎりを食べてますよ…

 

 皆さん、いくら本当の事でももう少しオブラートに包んで上げないと先生が可哀想ですよ? 」

 

 ん? 先生が地面とお友達になってますけどどうしたんでしょうか…

 

 「 え… さっきの私の呟きが声に出ちゃってたんですか? …… てへっσ( ̄∇ ̄;)

 

 どうやら真にとどめをさしたのは私みたいでしたね?

 

 

 午後からはウォークラリーで楽しくハイキング?

 

 都会と言うか街と言うか… 自然の中に居る私はもしかしてハイスペックかも?

 

 キッチンに居る時に発揮している集中力がずっと発動されてますから見逃しはありませんしそう簡単には転び… 前を向いて歩きましょう

 

 キャンプ場に戻りいよいよカレーライス作り

 

 男子はバーベキューコンロに薪をくべ火を点ける支度して私達女子は野菜をや刻むグループと米を研ぐグループに別れて作業開始

 

 私は取り敢えず皮剥き班でどんどん皮を剥き合間にサラダ用の野菜とおまけの一品、野菜の皮を使った金平の支度を進めてます

 

 男子の活躍でコンロに火が着いて、いよいよご飯を炊いてカレーの肉と野菜を炒めて水を入れ味噌汁の支度を始めました

 

 

 仕上がった私達の夕食を見て先生達が驚いていましたね…

 

 使った材料な同じ ( 一人当たりの量 ) はずなのに一品増えているのを見て

 

 そして楽しい晩ご飯

 

 野菜の皮金平も上々の評価を得ましてよかったです

 

 

 食事の後は理科の野外学習

 

 星空を見ながら理科の先生が星座の解説をしてくれましたが…

 

 トークネタにアニメ ( 聖闘士星矢 ) の話が大半を占めているのはどうかと思いましたが…

 

まぁ、先生も苦労されているんだと思うことにして初日の夜は更けていきました 

  


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