迷子になった赤毛のアン   作:春の雪舞い散る

19 / 49
小さな約束、ピンキーリング

 

 

9月9日日曜日

 

 今日は、特にする事はありませんので私は自室でイラストを書きながらCDを聞いてます

 

 まぁ強いて言えば、お昼過ぎに食材を買いに商店街に行くくらいしか予定もありませんからのんびり過ごすつもりだったのに

 

 何故かチラチラと私の様子を盗み見ている人が、いますけど何のつもりかわからないせいかとても不快で鬱陶しいです

 

 お昼ご飯は父さんが好きなブタキム丼と、かき玉スープに春雨のサラダと海老焼売(市販品です)を用意しました

 

 午後からは、父さんが運転する車で町のショッピングモールに出掛けることになりまして…

 

 別に買って欲しいものとか有りませんし、気になるものがあるわけでも有りませんからから

 

 食材買う以外の目的が無いんですよね、ハッキリ言っちゃえば… ですけど

 

 

 

 

9月10日月曜日

 

 今日は波瑠君と放課後デートです…

 

 次の機会なんてあるのかとか、今度はいつ会えるのかすらわからないけど… 初めての二人でのお出掛けです

 

 波瑠君と… いいえ、男の子と二人っきりなんて多分生まれて初めての事だと思います

 

 放課後になり私の留守中の食料を買いにいくと言う名聞のもとにショッピングセンターに行くにした私達

 

 その割には、最初に回ったのはCDショップだったりもしますけど何故かCD見ていたら例のお姉さん達がいました

 

 ここ最近限定で言えば、かなりのエンカウント率と言えるでしょうね

 

 同じ中学に通いながら顔を合わせた事ない人なんか珍しいことなんかじゃないってことを考えるとですね

 

 「 おや、今日は色男とデートなのかい? リトルマーメイド」

 

そう言われて、波瑠君の左腕に抱きつくように掴まっていることに気が付いた私は顔を赤くして離れようとしたけど

 

 「 はい、もうすぐ遠距離恋愛になっちゃいますけどね… 」

 

 そう言って肩を竦めて見せた後私の肩を抱く波瑠君を見て

 

 「 ふーん…覚悟はもうちゃんとできてるんだ? 」

 

 そう言われて

 

 「 えぇ、告白したのは最近ですけど小さい頃からずっと好きでしたからね… 」

 

 そう言われて顔を真っ赤に染めて俯私でした

 

 

 「 波瑠君これこれ… 」

 

 私がそう言って波瑠君に手渡したのはお揃いのミサンガで遠い約束が叶いますように…

 

 って願いを込めて買ったんですがそしたら波瑠君が

 

 「 じゃあ僕も… 」

 

 と、言って渡してくれたピンキーリングだけど私は素直に受け取らずに

 

 「 は、波瑠君に着けてほ、欲しいな… そしたらな、何かエンゲージリングっぽいよね?

 

 だ、だめかな?我が儘かな… 重い女かな?イヤだったら諦めるけど… 波瑠君に嫌われたくないから… 」

 

 拒絶が怖くて… 嫌われるのが怖くて震えている私の頭に手を置いて

 

 「 ちゃんと迎えに行くから待ってて、杏子が好きだから… 」

 

 そう言われた私は俯いたまま

 

 「 うん、迎えに来てくれるのを……… 待ってるから… 私の夢と憧れ…

 

 いつか私の王子様が私を迎えに来てくれるって… その王子様が波瑠君だったら良いなって思ってたんだよ? 」

 

 そう言って涙を流す私の左の小指にリングをはめてくれました…

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。