迷子になった赤毛のアン   作:春の雪舞い散る

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 いきなり見知った顔が現れ 『 こちら、うちの事務所の社長さん 』 って、ナンですか? この笑えない展開は…


まさかスカウトナンですか?

 

 

8月10日金曜日

 

 「 えっと… 金城さんでしたよね? なんで ( 貴女がここに居るんですか )… 」

 

 明石のお嬢様のチームメイトで現役のモデルさんの金城さんがモーニングを頼まれました

 

 「 こちら、うちの事務所の社長さんでアンをうちの事務所に誘いに来ました 」

 

 そんな事を言われた私は

 

 「 そばっかすで、ちんちくりんの牛乳瓶底の私をですか? 」

 

 ジト目で睨む私に

 

 「 コンタクトにすれば良いのに… 」

 

 そう言って溜め息を吐く金城さんは私の頭を撫でながらそう言って笑う社長さんは

 

 「 東京に来ませんか? 全寮制の学校に… 」

 

 そう言われたから

 

 「 学費は? 父さんに借り… 甘えたくないんですしそもそも私の学力じゃどう足掻いても入れそうにないと思うんですけど? 」

 

 私のその言葉に再び溜め息を吐いて

 

 「 何故? お父さんなんでしょ? 」

 

 そう社長さんに聞かれた私は

 

 「 父さんは… あの人は私の本当のお父さんじゃないの知ってますから… 」

 

 私がそう答えると多分そこまでの事情を知らされていないんだろう社長さんが

 

 「 そんな事いったい誰が… 」

 

 私の言葉に戸惑う社長に

 

 「 血の繋がりは有ります… 父さんにしたら姪、波瑠君と彩希から見たら私は二人の従姉なんですから全くの他人って訳じゃありませんから… 」

 

 そう答える私に

 

 「 なら… 「 ホントのお父さんじゃないし従姉妹なんですよ? 波瑠君と彩希くんは…

 

 二人ともサッカーが上手だからこれからもっとお金掛かるのに…

 

 どうせ行くだけ無駄な私が寮に入ってまで学校にいく理由なんか少しもありません 」」

 

 何か言いたそうな社長の言葉を遮って私がそう答えると金城さんが

 

 「 さすがにその辺りは明石さんの予想の範囲内ですね 」

 

 若干呆れ気味に言ってから

 

 「「 明石さんからの伝言ですからよく聞きなさい

 

 『 進学の意思が無いのでしたら私の所でメイドになりなさい

 

 中学卒業したら働いてもらいますから、新学期から住み込みで学校に通い放課後はメイドの修行をしてもらいますから 』

 

 …との事です 」

 

 一分くらいの静寂の後に

 

 「 は? 」

 

 「 え? 」

 

 変な声をあげる私と社長に

 

 「 家を出たい貴女と家事能力が高い貴方を手元に置きたい明石さんの思惑は一致すると思うのですけど? 」

 

 そう言われたけど勿論既に私には話についていなくて頭から湯気が出そうな状態になってます

 

 出演依頼の交渉役は番組のメインパーソナリティーの森田氏で大ファンの浜河内のおばさん大興奮で喜び私の出演は

 

 「 アンちゃんは私が責任をもって説得しますからお任せくださいっ! あっ、浜河内志津子でお願いしますねっ♪ 」

 

 と、言ってちゃっかりサインを貰ってますよね? おばさん… そう思ってたら

 

 「 その日の収録は私もゲストに呼ばれてますからしっかりエスコートしますからよろしくします、杜屋氏

 

 勿論、当日は私がスタジオにエスコートしますしコーディネーター役もお任せください 」

 

 そう勝手に話を進める金城さんだけど頭のイタイ私はもう何もゆー気もありませんでした

 

 なんにしろ、そんな大人達に付き合いきれない私はいい加減うんざりしてきたので雑音を無視してプリンを作り始める私でしたけど

 

 「 お店のデザートに出したいから一杯作ってねっ♪ 」

 

 そう言われた私は、そのリクエストに応えて大量に作りましたけど… その代わりに、私の分の材料費は無料になるので明日の分も余分に作りました


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