MUGENと共に   作:アキ山

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 待っていて下さった方、お待たせしました。
 今回は難産でした。
 他のキャラの一人称がこんなに難しいとは。
 いたらない点もあるかと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。


4話

こんにちわ、幼女に戻ったリーア姉の所為で、寝不足の美朱です。

 自業自得? 言うな。

 1日の授業全てを睡眠学習に当てたお陰で何とか体調も回復したけど、眠気が抜けない。ホント、世話のかかる姉貴分を持つと苦労するよ。こみ上げる欠伸を噛み殺しながら、帰る準備をしていると、ミニミニ美朱ちゃんを通じてミッちゃんから連絡があった。 

 レイナーレがアーシア姉の神器(セイグリッド・ギア)を抜き取る儀式の決行を今夜に決めたとの事。

 なんでも、昼間アーシア姉が脱走して転生悪魔と会っていた事から、グレモリー家が動くことを懸念して予定を早めたらしい。

 まったく、部下も部下なら上司も空気が読めないのか。

 予定外なのは、ドーナシークとミッちゃんにリーア姉達の足止めを依頼してきた点。

 ミッちゃんは断ると言っていたが、保険は掛けておくべきだ。

 まあ、悪魔になったイッセー先輩は微妙だけど、昨日のここの住人への殺傷行為は、日本神話の監査官として動くには十分すぎるから、連絡が一度で済んで好都合と考えよっと。

『美朱、どうしたの?』

「昨日話したはぐれ堕天使側にいる内通者から、連絡があったんだけど、今夜、例のシスターから神器を取り出すらしいんだ。それで、今から助けに行くから、リーア姉達は動かないでほしいの」

『……何故かしら。ここはグレモリー領内よ。其処で生きる者に無法を働いた輩を、領主の私が見逃す訳にはいかない事くらい、わかっているでしょう?』

 数回のコール音を置いて、電話越しに出たリーア姉に、自身の要求を突きつけると、やはり返ってきた声音は不機嫌さを帯びていた。

 リーア姉、それ勘違いしてるから。ここは原則日本の領土、グレモリー家は管理を任されてるだけ。

「リーア姉、ここは日本神話の領土だよ。あと、昨日のお得意様の男性を殺害した時点で、私達が動く理由には十分。それにリーア姉達が堕天使と揉めたら、戦争の火種になるかもしれないじゃん」

 ポンポンと理由を述べていくと、電話越しにリーア姉が押し黙るのがわかった。

 あ~、論破とか私のキャラじゃないのになぁ……。 

 でも、ここでリーア姉の動きを止めとかないと、ヘタに揉めたら主戦派のジイさま達がイラン事しそうだし。

 まったく、十五の乙女が悩むことじゃないよね、これ。

 数百年前に起きた天使、悪魔、堕天使の三つどもえの戦争。

 各陣営共大きく数を減らした為、種の存続を考えて現在は休戦状態になっているが、そんな状態でも戦争を望む輩が各陣営に存在する。

 そういった奴らは、小さな小競り合いも見逃さずに、事ある毎に過去の栄光だの、種族の優劣だのと主戦論を騒ぎ立てるのだ。

 非戦派のアザゼルのおっちゃんやシェムさんからしてみれば、鬱陶しい事この上ない。

『む……。確かに、私達が堕天使と戦えば戦争再開の切欠になるかもしれない。でも、悪魔として、グレモリー家次期当主として、管理してる土地で勝手な事をされて黙ってるわけにはいかないわ』

「それは今回の事の処理が終わったら、シェムハザさんから謝罪してもらうように伝えるつもりだよ。グリゴリのNo2からの謝罪なら、面子は保てるでしょ」

『それならこちらから文句はないけど……。貴女と慎だけで大丈夫なの? 堕天使が相手だと、さすがに心配だわ』

「大丈夫、大丈夫。私はともかく、慎兄はアザゼルのおっちゃん並みに強いから」

 渋るリーア姉に言葉を返すと、電話の向こうから、諦めの籠もった溜め息が漏れてきた。

 なんか洟をすするような音もしたのだが、それは言わぬが華だろう。

 ……何を想像したんだ、この豆腐メンタルめ。

『……わかったわ。今回の件では動かないであげる。その代わり、二人共、怪我無く帰ってくること。いい?』

「ありがとう、リーア姉。それと、無いようにするけど、もしかしたらそっちの足止めに、下級堕天使が行くかもしれないんだ。それで、その中にゴスロリ衣装を着た10代前半の娘がいたら、その子が内通者だから攻撃しないであげてね」

『わかったわ。朱乃にも伝えておく』

「うん、よろしく」

 伝える事は全て伝えたので、電話を切る。

 後は、悪魔祓いの動きが気になるけど、リーア姉と一緒に網を広げて虱潰しにすれば、何とかなるだろう。

 特製の手提げカバンから取り出した忍具を制服の下に身に着け、慎兄に事情を説明すると今から教会に乗り込むことになった。

 これで不測の事態でも無い限り、リーア姉は今回の件で動く事はない。

 生粋の貴族である彼女は、その血筋に誇りを持ち矜持を重んじているが、情愛の一族と言われるグレモリー家の中でも殊更にその傾向が強いが故に、身内を失う事をひどく恐れる。

 だからこそ日本神話に就職しても、私達をいつも心配してるし、今回のように私達が日本神話として動くのも、快く思っていないはずだ。

 冥界にいた頃、朱乃姉を眷属にした彼女は私達も強く勧誘していた。

 初めての眷属の身内というのもあったのだろうが、ミリキャス君という甥っ子がいても末っ子であった彼女にとって、自身を姉と慕っていた私たちが可愛くて仕方なかったのだろう。

 だからこそ眷属悪魔という確かな絆を欲したのだ、私達が他の悪魔や堕天使の元に行ってしまわない様に。

 普段は淑女で眷属の王を気取っている癖に、その中身はと言えば意地っ張りで恋に憧れる乙女。庶民の常識に疎いせいでどこか抜けていて、寂しがり屋で泣き虫なうえ、泣いたら幼児に戻る残念美人。

 そんな愉快で可愛い私のもう一人のお姉ちゃん。リーア姉だからこそ放っとけないのだ。

 まあ、あの無駄に豊かな胸部装甲をひけらかすのは絶許だが。

 見てろ、同盟仲間の小猫といつか、あの乳をもいでやる!

 

 春の日の入りは思ったより早い。

 学校を出た時は斜陽が辺りを赤く染めていたのに、教会に着く頃には夜の帳が降り始めていた。

 市街地から離れた林の中に建てられた廃教会は、周辺に照明設備が無い為に濃さを増した闇に覆われていた。光源と呼べるのは教会の窓から洩れるオレンジ色の薄明りのみだ。

 敷地内には見張りはいなかったので、薄闇に紛れて侵入し、閉じられた入り口に手を当てて気配を窺う。

 感じる気配は14人。それも一人、また一人と徐々に下へ移動している。

 なる程、儀式とやらは地下で行うようだ。

 背後で周囲を警戒している慎兄に目配せすると、小さくハンドサインを送る。

『地下に潜入するんで、陽動よろしく』

『1階で暴れればいいんだな』

『うぃ。慎兄が暴れてるのに紛れて、地下へのルートを確保するから』

『了解』

 私に代わって入り口の前に立った慎兄は、無造作にドアを蹴りつける。

 大して力も入っていないように見えた蹴りに、木製の重厚な扉は蝶番の部品を撒き散らしながら吹き飛んだ。

 燭台に灯された蝋燭に薄く照らされた礼拝堂に屯しているのは、10人ほどのカソック姿の怪しい男達。

 そのいずれも、突然の侵入者に狼狽している。

 侵入者を前にして武装もしないとはとんだ素人だ。そして、私の兄はそんな隙を見逃すほど甘くは無い。

「阿呆……」 

 呟きは、疾風に流れ去った。男達が上げる誰何の声に応えずに突っ込んだ慎兄は、まだ動けずにいた手近な男に狙いを付ける。

 消えたと錯覚する様な踏み込みで懐に飛び込まれた男は、跳ね上がった右足刀にその喉を抉られ大きく宙を舞った。

 ベンチをなぎ倒して吹き飛ぶ同朋に、男達が懐から得物を取り出すが、遅すぎる。

 一人は手にした武器を向ける事もできずに、一足で間合いを消し去った慎兄の体当たり気味の肘を腹に喰らい、くの字に身体が折れ曲がって下がった顎を蒼い氣炎が籠もった掌で打ち抜かれ、血反吐を撒き散らしながら床を転がっていく。

 剣を構えることができたもう一人も、振るう間も無く上段蹴りで弾き上げられ、反動で飛び上がり独楽の様に回転した慎兄の竜巻を思わせる連続蹴りに巻き込まれた。

 漸く、残された悪魔祓い達が光弾を放つが、それらが目標を捉える事はない。

 下方からの攻撃に気付いた慎兄は、力無く宙に浮かんでいた蹴りの犠牲者を踏み台にする事でそれを回避。

 その反動で宙を駆けながら光弾の群をかいくぐり、奴等が最も密集している場所へ落下のスピードをそのままに氣炎を纏った両手を床に叩きつける。

 瞬間、荒れ狂う氣の奔流が衝撃波となり、床や調度品ごと周囲の悪魔祓いを薙ぎ払った。

「……竜巻剛螺旋はともかく、どうも邪影拳がハードエッジみたいになるな。まだまだ修行が足りんかな、これは」

 微塵に砕かれた破片とズタボロになった悪魔祓いが降る中、基礎が剥き出しになった床の上で自身のダメ出しをする慎兄。

 うむ、相変わらずの化け物っぷりである。ここにいた悪魔祓いを蹴散らすのに20秒かかってない。

 慎兄が強すぎて、陽動の意味が無くなったでござる。

 まったく、あの兄はどこまで強くなるつもりなのだろうか。

 ぶっ壊れた身体能力とそこから繰り出される達人級の体術。握力測定で1500kgfなんて数値、どうやったら出せるというのか。

 それに加え、全方位技の『レイジング・ストーム』を覚えたせいで、対多数の殲滅力が馬鹿上がりだ。

 信じられるか、あの威力で本人は「練りが足らん」とか言って、不満に思ってるんだぜ?

 その内「俺より強い奴に会いに行く」とか言って武者修行の旅にでも出るのではないだろうか。

 ゴキゴキと首を鳴らしている我が兄に呆れの混じった視線を向けていると、十字架の下にあった演台が弾け飛んだ。

 木片となった演台に紛れて飛び出した影は、光を固めた刀身を煌めかせて慎兄に躍りかかる。

 だが、それに気づかない我が兄ではない。

 踏み込みながら振り下ろされる光の剣を捌き、宙にいる影の襟とズボンの裾を捕えると、飛び掛かった勢いそのままに頭からコンクリートに叩き付けた。

 ア・テ・ミ・投ゲ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 見事な・・・・・・。

 っと、ネタに走っている場合じゃなかった。

「いってえぇぇぇぇぇ!? 今の完全に不意を突いた場面ですよねぇ! ギリギリ躱すならまだしも、カウンターで地面に投げ落とすとかどうなってるの、オタク!?」

 頭を押さえながらも間合いを取った影は、フリードとかいう変態神父だった。叩き付けられた時に割ったのであろう、白いはずの髪の毛は頭頂部から赤に染まっている。

「あれだけの『意』を放ってるのに気付くなっていう方が無理だろ、ドアホ」

「『意』!? なんですか、その『意』って! 僕チャンそんな愉快なモノ出した覚えないよ!?」

「『意』ってのは人間が行動を起こそうとする前に出る意思の事だ。それを読むのがとある武術の基本でな。『意』を消すか、それより疾く動かないと俺の不意は突けんぜ」

「はぁっ!? どうやったらそんなもん感じ取れるんだよ!? 馬鹿なの、死ぬの!? 正直ドン引きだよ!?」

 うん、その叫びには全く同感である。

 家の兄はまたしても人外に近づいたらしい。

 喚き散らしながらも、落とさずに済んだ剣と逆の手に拳銃を構え、慎兄と相対するフリード。その様子を見るに私に気づいてはいないようだ。

 触台の光が届かない闇の中を駆け、演台があった場所を調べると、やはり地下に続く階段があった。

 地下に降りる階段を降りながら、慎兄の方を一瞥する。ほんの少し不安が籠った視線に、慎兄はこちらが辛うじて分かる位の苦笑を浮かべる。

 む……なにその「仕方ないな」って顔。その程度の相手に負けるとは思ってないけど、実戦なんだから心配するのは当然じゃん。

 はいはい、わかったよ。余計な心配しないで、美朱ちゃんはとっとと自分の仕事をしてきますよっと。

 慎兄達に背を向けて、舗装もされていない土がむき出しの階段を下る。随分と雑な造りだ、人間の拵えたものじゃない。例の中級堕天使の仕業だろう。

 階段を降りきり半開きになっている扉から中の様子を除くと、礼拝堂と同程度の空間に数十名の悪魔祓いが集まっているのが見えた。そして奥に設置された十字架付の祭壇周辺では、アーシア姉を抱えたミッちゃんが堕天使の男女と空中戦を繰り広げている。

「ミッテルト! まさかお前が裏切るとはね!」

「ウチはこんなザルな計画には最初から反対だったすよ! それをあんたが無理やり協力させたんじゃん!」

「時流も読めん愚か者め! レイナーレ様が至高の堕天使に至る計画の邪魔をするとは!」

「何が時流っすか、このボケ親父! 今回の件はシェムハザ様に報告済みっす! あんた達は命令無視と独断行動でグリゴリへ損害を与えた事で、除籍処分になってるっすよ!!」

「なんですって!? 嘘よ! 聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を手に入れて至高の堕天使になる私を、アザゼル様達が切り捨てる筈がないわ!」

聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)なんて慎様からデータを粗方取ってるから、アザゼル様は必要としてないっつーの! そんなもんの為に悪魔領で問題起こしたら切り捨てられて当然っすよ!!」

 口論と共にドッグファイトを繰り広げる3名。アーシア姉を連れて脱出しようとするミッちゃんをレイナーレとドーナシーク、そして地上の悪魔祓いが阻止する形になっている。

 実力で劣る上にアーシア姉を抱えたミッちゃんが保っているのは、レイナーレ達がアーシア姉に当てない様に加減しているのもあるが、アーシア姉の手の上で槍や光弾を弾いているミニ美朱達の存在が大きい。

 とはいえ状況は不利の一言、早急な支援が必要だ。

「ミッちゃん、聞こえる?」

『え、美朱ちゃん?』

 口寄せの術でミニ美朱を通して通信を試みると、返ってきたのはアーシア姉の声だった。

「うん、私。ミッちゃんに繋いでもらえるかな?」

『はい。ミッテルト様、美朱ちゃんから連絡です』

『え、マジッすか!?』

『マジだよ。ミッちゃん、これから二人の脱出を支援するから、煙幕が発生したらそのまま出口の方に飛んでほしいの。できる?」

『悪魔祓いを黙らせてくれるなら、できるっす』

「わかった、そっちは任せて。それじゃ、よろしく」

『はいっす!』

 通信を終えると私は腰のポーチから拳大の玉と、ベルトに吊っていた1ℓペットボトルを手に取る。玉の方は衝撃で発動する煙玉、もう一つは今回の為に特別に調合したカクテルだ。

 素早く扉を潜った私は、皆の視線が宙を向いている隙を付いて左手の煙玉を悪魔祓いの真ん中に落ちるように投げる。軽い炸裂音と共にもうもうと上がる煙に混乱する悪魔祓い達の声を聴きながら、今度は気配が密集する場所へキャップにつけた信管から落ちるように、ペットボトルを投擲する。

 瞬間、空気を振るわせる轟音と共に、黒煙に包まれた場所へ紅蓮の灼熱地獄が誕生した。

 さっきのペットボトルには発火装置の他にガソリンと特殊な増粘剤を混合した液体が入っていた。分かりやすく言うと簡易ナパーム弾だ。1ℓペットボトルに入る量なので建物を吹っ飛ばすような威力は無いが、このフロアに火の海を発生させるくらいは可能だ。

「なっ、なんだ!?」

 吹きあがった深紅の火柱に行く手を阻まれた堕天使二人が驚愕の声を上げる。狙い通り今の隙でミッちゃん達は扉の向こうに脱出したようだし、あとは堕天使の片割れでも足止めしようか。

 立ち昇る黒煙に身を隠し、両手に氣を集中する。練られた氣と共に身体を紫電が走り、両手に集まった雷は私の意思に従って苦無の形を取る。

 サムライスピリッツの『正義の忍者』ガルフォードから学んだ術、プラズマブレード。

 『雷光』の娘である私と相性がいい上に、無料で創れるという素晴らしい利点があるので愛用の技の一つになっている。

 そこ、ケチ臭いとかいうな。実際に使える忍具なんて全部オーダーメイドだから、すっごく高いんだぞ! 祐斗兄に魔剣創造(ソード・バース)で鍛治を頼んだら朱姉に怒られるし、自分で工面するのは主にお小遣いの面で大変なのだ。

 黒煙の切れ間から覗く標的を見据え、本来の物より一回り小さい紫電の苦無を、男の堕天使……えーとドーナシークだったか、へ放つ。

「ちっ、小癪な真似を!?」

 煙を切り裂いて自身に迫る苦無に気付いたドーナシークは苛立ちを吐き捨てながら、手にした光の槍で弾き飛ばす。

 だが、甘い。

 次の瞬間、全く同じ軌道で飛翔する二本目は右肩を、三本目の苦無が左肩を食い破る。

 苦無から本来の姿を取り戻した紫電に、身体を内部から焼かれたドーナシークは、糸が切れた操り人形の様に落下した。

 今のが私が受け継いだ数少ない香澄の忍術が一つ、『風薙』だ。急所は外しているし、生きてはいるだろう。

「ドーナシーク!? クッ、何者!? 隠れてないで出てきなさい!!」

 空中で激しく視線を巡らせながら、狼狽した声を上げるレイナーレ。当然、そんな言葉に姿を見せる愚など侵さない。悪魔祓いの悲鳴と怒号が響く中、黒煙に紛れて走った私は出口を駆け抜けながら、置き土産としてフロアの中央と入り口の手前に残ったナパーム弾を投げつける。

 再び巻き起こる爆音と悲鳴。これで、アーシア姉とミッちゃんを逃がすだけの時間は稼げるだろう。

 階段の中腹まで戻ると、私を待っていてくれたらしい二人と合流する事ができた。素早く負傷は無いかをチェックし、怪我一つない事に安堵する。

「ありがと、ミッちゃん。アーシア姉を護ってくれたんだね」

「美朱様のお願いっすから。それに護れたのはミニ美朱のお陰だし。ウチ一人じゃとても護れなかったっすよ」

「そっか、役に立ってよかったよ。それで、アーシア姉は怪我とかない?」

「はい、小さい美朱ちゃんが護ってくれましたから。この子達すごかったんですよ! 『りゅーえーじん』ってレイナーレ様の槍を跳ね返したり、叫びながら両手を上げて張ったバリアーでドーナシーク様を弾き飛ばしたり、大活躍でした!」

 目を輝かせながら、ミニ美朱の活躍を語るアーシア姉。その姿はとても可愛いが、それを聞いた私の心境は穏やかではなかった。ギギギ……と油の切れたロボットの様な動きでアーシア姉の手の上でドヤっと胸を張るミニ美朱達に目をむける。

 『流影陣』はまだいい。飛び道具対策であるあれが使える事を計算に入れて、ミッちゃん達の護衛に回したんだから。でも、『闘神翔』はないだろ! 相手を跳ね返す無敵技なら、半蔵正成さんの光龍破でもいいじゃん! というか、私『闘神翔』使えないし! 基本性能改変してまで使うとか、そんなに元になった『凄い漢』が好きか!!

「美朱ちゃん、小さな美朱ちゃん達をイジメちゃダメですよ」

 術を改良した時の労力と時間を無駄にされた恨みを込めて睨んでいると、アーシア姉に怒られた。くっそー、怯えたふりでアーシア姉に甘えよって、後で覚えてろよ!

 のんびり長話をする状況でもないので、会話を切り上げて1階の礼拝堂に戻ると、慎兄の他にイッセー先輩と祐兄、小猫がいた。

「アーシア!」

「イッセーさん!」

 アーシア姉を見るなり、こちらに駆け寄ってくるイッセー先輩。おおぅ、なんか映画のワンシーンみたいに手と手を取り合ってるぞ。これは話しかけ辛い。仕方ないから祐兄に聞いてみるか。

「何で祐兄達がいるの?」

「兵藤君がどうしてもあのシスターを助けたいって、部長の反対を押し切って飛び出したんだ。それで彼一人じゃ危ないんで僕達も同行したんだよ」

 へぇ、イッセー先輩やるじゃん。ただのスケベじゃなかったんだね。

「ところで、そこの娘って堕天使だよね」

「ミッちゃんはこっちの協力者だよ。この一件が片付いたらグリゴリに復帰する予定」

「……他の堕天使はどうなったんですか?」

「堕天使、蒸し焼き、ナウ」

 解り易いように短く纏めた言葉に、そこにいた全員が顔を顰めた。む、なにその反応。

「お前、なにやったんだ?」

「なにって、ミッちゃん助けるのに煙幕炊いて手製の簡易ナパーム弾、放り投げてきただけ。別に変な事してないよ」

「いやいやいや! それ十分おかしいから! っていうか、簡易ナパーム弾って何!?」

「ガソリンに色々な薬品を混ぜた増粘剤を加えて造った焼夷弾。製法は秘密、良い子は真似すんな」

「……やはり、美朱も悪魔超人ですね。汚い、忍者汚い」

 ぬぅ、火遁に破壊工作と忍者の基本を踏襲したら、悪魔超人呼ばわりされたでござる。

 誰が慎兄と同じやねん! オノレ、小猫め。今度オヤツにマタタビ仕込んでやる。

 邪智暴虐極まりない、腹ペコ猫娘へ報復を誓っていると、階段の下から大きな破砕音が響いた。

 皆が階段から離れる中、アーシア姉とイッセー先輩を護れる位置に陣取る。

 風を巻いて現れたのは、レイナーレだった。

「薄汚い人間に悪魔風情が! 至高の堕天使へと至るこの私に、よくもやってくれたな!!」

 顔を般若のそれに変え、怒声と共に手にした槍を振り払うレイナーレ。

 黒いボンテージ風の衣装に包んだ身体は、いたるところ煤けており、肌の露出した部分には所々赤い火膨れがみえる。

「ドーナシークはどうしたんすか?」

「始末したわ。闘えない堕天使に価値など無いもの」

 ミッちゃんの問いに馬鹿を見る目を返すレイナーレ。

 後で生け捕りにするために、わざと急所を外したのに、無駄に終わってしまったようだ。

「みんな。あいつの、レイナーレの相手は俺にさせてくれないか?」

 決意の籠もった声に振り返ると、イッセー先輩が覚悟を決めた顔で、赤い籠手を嵌めた手を握り締めていた。

「俺を騙して殺したってのもあるけど、何よりアーシアを危険な目に遭わせようとした。俺にはそれが許せねえ!!」

 レイナーレを睨みつけながら、怒りを吐き出すイッセー先輩。そういえば、彼を手に掛けたのは、レイナーレだったか。自分よりアーシア姉の事で憤るなんて、本当にいい人だ。けど────

 私はレイナーレにむかって踏み出そうとしていたイッセー先輩を、彼に背を向けたまま押し留めた。

「ゴメンね、イッセー先輩。それは認められない」

「美朱ちゃん!?」

「今回の件は日本神話監査官の扱いになってるの。だから、悪魔の介入する余地は無い。ここの領主、リアス・グレモリーも納得してる事だよ」

「なんだよ、それ……」

 不満、怒り、戸惑い。感情の入り混じった視線を背後に感じながら、私は言葉を紡ぐ。

「レイナーレは中級堕天使で、イッセー先輩は成りたての下級悪魔。神器があったとしても、ロクに実戦経験も無い先輩に勝ち目が薄い」

「そんなの、やってみなくちゃ解らないだろ!」

「そうかもしれない。でも、先輩は冥界の次期公爵、リアス・グレモリーの眷属だ。先輩がこのグレモリー領で、堕天使に殺されれば、それだけで戦争再開の火種になりかねないの」

 自身の身にそれだけの価値が、あるとは思わなかったのだろう。イッセー先輩が息を飲むのが解った。

「先輩、私達兄妹は堕天使と人間のハーフなんだ。朱姉が悪魔になった関係で、グレモリー家にお世話になってるけど、パパは堕天使側にいるの。だから、戦争なんて起こさせるわけにはいかない」

 これが私達の行動の指針のひとつ。世界がどうとか、冥界がどうとかなんて関係ない。家族が、友達が争うのが、我慢出来ないから、戦争なんて起こさせない。日本神話に就職するまで曖昧な立場に居るのも、そのためなのだ。

 まあ、朱姉がパパと和解してくれれば、苦労の大半は消えるんだけどね。

「……わかった。家族で争うなんて、たまんないもんな」

 苦笑いを浮かべながら、神器であろう籠手を消したイッセー先輩は、再び後列に戻ってくれた。

「ありがとう、イッセー先輩。あと、私達がハーフだって聞いたこと、朱姉には内緒にしてね。朱姉にとってはデリケートな問題だから」

「おう」

 ニカっと笑みを浮かべるイッセー先輩を一瞥して、私は腰の妖刀を引き抜いた。私の思念を感じ取ったミニ美朱達は、イッセー先輩とアーシア姉の護衛に回っている。

「お前がやるのか?」

 一団の先頭に出ると、視線でレイナーレを威嚇していた慎兄が声をかけてくる。

「うん。慎兄に荒事を任せっきりにするのは悪いから」

「そうか。ヤバくなったら助けてやるから、安心して行ってこい」

「過保護感謝です。じゃ、行ってくる」

 慎兄が一団の誰が狙われても対応できる位置に移動したのを確認して、私はレイナーレの前に歩を進める。こちらを見下ろすレイナーレの顔は、さっきまでの般若の相から青褪めたものに代わっていた。

 『視殺』 古武道などで使われる技法のひとつで、肉食獣が獲物の動きを視線で封じる様に、殺気を込めた視線で相手を縛る技だ。

 今まで慎兄の殺気を受け続けたのだ、さぞや堪えただろう。

「さて、中級堕天使レイナーレ。日本神話監査官として、日本人二名の殺人及び殺人教唆の罪で捕縛する。本来なら駆除するところだけど、シェムハザさんの頼みだから命だけは助けてやる。グリゴリから迎えが来るまで、国津神の番所で臭いメシでも食うんだね」

「人間がっ! 舐めるな!!」

 激昂したレイナーレは、怒声と共に光の短槍をこちらに放つ。

 空を裂いて飛来する槍は三つ。逆上しているためか、そのどれもが精度が低い。

 前方に踏み込みながら2本を掻い潜り、3本目は氣を込めた妖刀で弾き飛ばす。

 弾かれた短槍は、空中でその穂先を己が主に向け、こちらに飛来したのと同じ速度で襲い掛かる。

 これが対飛び道具用の如月流忍術、『流影陣』。慎兄曰く、流影陣は使い手によってモーションが違うらしいが、私が使っているのは幕末に生きた隠密、斬鉄から学んだものだ。

「くっ……! またこの技なの!?」

 吐き捨てながら、羽根を羽ばたかせて短槍を回避するレイナーレ。その間に間合いを詰めながら、手にした紫電の苦無を放つ。

 死角から忍び寄る苦無を危なげな槍捌きで弾いたレイナーレは、こちらを補足しようと首を巡らせるが、その行動は遅すぎる。

 トンボを切って宙を舞っているため、大きくスライドする視界でレイナーレを捕えた私は、急降下で間合いを詰めて彼女に掴み掛った。

「なっ!? 上から!」

 レイナーレは驚愕の表情を浮かべながらこちらを振り払おうとするが、それよりも疾く身体に腕を回すことで腕と羽根の動きを殺し、全身のバネを使って彼女ごと頭から地表に向けて落下する。

「百舌落とし、滅せよ」

 身動きを封じられたまま落下した経験などないのだろう、端正な顔を恐怖に凍り付かせて悲鳴を上げるレイナーレに呟き、二人分の体重に落下エネルギーを上乗せして地面に叩き付けた。

 礼拝堂に響く轟音と立ち昇る土埃。激突の寸前に離脱した私が妖刀を構えながら近づくと、土埃が晴れた先には少し陥没したコンクリートに血溜りを作り、大の字に倒れるレイナーレの姿があった。

 伊賀忍法『百舌落とし』 正成さんじゃない方の服部半蔵さんから教えられた体術で、本来なら地上の敵を捕獲して落下地点に火薬を仕込み、宙高く飛び上がって落下と同時に火薬を炸裂させるという殺人技である。

 因みにこの技は結構使っているが、本家の様に落下地点に火薬を仕込んだ事は無い。ヘタしたら自分も巻き込まれる上に、上半身が吹っ飛んだグロ死体なんて見るのは御免である。というか、マジでやったら究極神拳並の技だよね、これ。

 閑話休題。

 確認したところ見事に気絶しているので、レイナーレを特殊ワイヤーで拘束する。

 こら、イッセー先輩。エロい顔をするんじゃない。写メの撮影も禁止。言う事を聞かないと慎兄に頼んでまた『魔のショーグン・クロー』をかますよ。

 熱血漢からいつもの変態にクラスチェンジしたイッセー先輩をけん制しながら、祐兄に頼んでおいた水の出る魔剣をレイナーレに向ける。

 結構な勢いで切っ先から出る水をレイナーレの顔面に掛けてやると、気管にでも入ったのか激しくせき込みながら意識を取り戻した。

「……そう、負けたのね。いいわ、好きにしなさい」

 拘束されている事に気付いたレイナーレは、どこか吹っ切れた表情で小さく呟いた。そんな諦観を漂わせる彼女に近づく者がいた。イッセー先輩とアーシア姉だ。

「あの、レイナーレ様。貴女に聞きたい事があるんです」

「俺もだ。しょっ引かれる前に答えてもらうぜ」

「聞きたい事? 何かしら」

「何故貴女は私の神器を必要としたのですか?」

「俺を殺す時、俺の持つ神器が危険だからって言ったよな。けど、堕天使は神器保有者を保護するようになってるらしいじゃねえか。なら、何で俺が殺される必要があったんだ」

 二人の問いに考え込むような仕草を見せたレイナーレは、ポツリポツリと言葉を紡ぎ始める。

聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を奪おうと思ったのはね。その力を手に入れれば、今まで私を見下してきた奴らを見返してやれると考えたから。そして、万物を癒す事が出来る様になれば、アザゼル様やシェムハザ様も私を見てくれると思ったの」

 その結果、見られるどころか切り捨てられたけどね、と自嘲するレイナーレにアーシア姉は、傍らにしゃがみ込んで頭部の傷の治療を始める。

「アーシア、貴女……」

「レイナーレ様の気持ち、少しは分かります。教会にいた頃は、誰もが私の事を聖女としてしか見ていませんでした。だから、欲しかった。私を聖女ではなく、アーシア・アルジェントとして見てくれる人が」 

「……ありがとう。次は兵藤君を手に掛けた理由だったわね。これは単純、上司から抹殺命令が下ったからよ」

「ちょっと待てよ、おかしいだろ! だって────」

「私の知る限り、私の所属する支部に上層部から神器所有者の保護に方針を切り替えた、なんて通達はなかったわ。だから、今まで通り危険な神器所有者を排除しようとしたのよ」

「なんだよ、それ……」

 力なくその場に膝をつくイッセー先輩。自分の死因が情報の伝達ミスではやりきれないだろう。

「イッセー先輩、ごめんなさい」

 私と慎兄は俯いて小さく震えるイッセー先輩に頭を下げた。

 私の声に上げられた先輩の顔には、いつもの快活さは見えず、そこにあるのは理不尽に対する嘆きだけだ。

「なんで、美朱ちゃんと慎が謝るんだよ?」

「俺達は日本神話に所属する監査官なんだ。俺達の役目は、この街の管理を任されたグレモリー家が、住民に害を与えずにその役目を果たしているか、その監査の他にもう一つある。それはオカルト関係の脅威から、この街の住民を守る事だ。本来ならもっと早く謝るべきだったんだが、悪魔になったばかりのイッセー先輩には、機密上言えなかったんだ」

「私はイッセー先輩や昨日の人を守ることができなかった。謝って済む事じゃないって解ってるけど……ごめんなさい」

 私達はもう一度、深く頭を下げた。

 こんな事で許されるワケはないのはわかってる。罵倒はもちろん、殴り倒されても文句は言えない。

 覚悟を決めていると、ふいに頭の上に手を置かれた。

 顔を上げると、イッセー先輩がはにかんだ様な笑みを浮かべながら、私の頭を撫でていた。慎兄が放置なところが、イッセー先輩らしい。

「あーと、あんまり気にしないでくれよ。俺は殺されちまったけど、悪魔になって楽しくやってるからさ。それに、俺や契約者の人はダメだったけど、アーシアを、俺の友達を守ってくれたじゃんか。俺にはそれで十分だよ」

「…………ありがとう」

 イッセー先輩の言葉に慎兄はもう一度深く頭を下げ、私は俯きながら何とか、お礼を言うことができた。

 ジーンときたせいでかなり鼻声になってたが、誤魔化せたと信じたい。

 エロいけど、イッセー先輩っていい人だ。

 

 この後、通報を受けて駆けつけてきた警察と番所の自警団に寄って、レイナーレと地下にいた悪魔祓い(なんと死者は0だった)は逮捕された。ミッちゃんは私達にお礼を言った後、転移で冥界に帰っていった。

 報告の為にオカ研の部室に帰った私達を待っていたのは、リーア姉の熱烈なハグ。こちらに任せると決めたが、不安で仕方なかったらしく、慈愛の抱擁と言うよりは、泣いてすがりつくといった有り様で、私達はギュウギュウと抱きしめられた。

 ギリギリ幼児退行してなかったのは不幸中の幸いだろう。

 私達に格好はつけたものの、落ち込んでいたイッセー先輩はリーア姉の胸に顔を埋めた瞬間に復活。

 帰りの道中慰め続けていたアーシア姉から大いに不興を買った。

 あとは、アーシア姉を眷属に勧誘して断られたリーア姉が、その豆腐メンタルを遺憾無く発揮してみんなに慰められたり、イッセー先輩の神器が神を滅する力を持つという十三種の神滅具(ロンギヌス)の一つ、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)であることが判明したり、ミニ美朱を見たリーア姉と朱姉が自分もと欲しがった為、もう一体追加した上に使い魔として契約したりと、日付が変わるまでドタバタと騒ぐことになった。

 アーシア姉の処遇についてだが、眷属にはならなかったものの、リーア姉の責任でグレモリー家預かりとなり、駒王学園に通うことになった。もちろん、オカ研所属も確定。

 謝罪と共にグリゴリから贈られた慰謝料は、アーシア姉の学費と生活費に当てるそうだ。

 現在は部室に滞在しているが、時期に下宿先も決まるだろう。

 開始早々に色々と騒がしい高校生活だけど、楽しくなりそうだ。

 




 ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
 今回は美朱の視点でお送りしました。
 初の他のキャラ視点ということで、勝手が解らず、大いに戸惑う事になりました。
 いやはや、書き出しの未熟者には難しかった。
 そんな中で励みになったのは皆様の感想やご指摘でした。本当に助けになりました。ありがとうございます。
 さて、今回でようやく1巻終了となりました。
 先はまだまだ長いですが、完結できるよう頑張りたいと思います。

 さて、今回の元ネタです。

竜巻剛螺旋(SF4にて漸く登場したリュウとケンの師匠、剛拳の技。従来の竜巻旋風脚と違い、上段蹴り始動でその場で上昇して空中で竜巻旋風脚に捉えるというもの。上方向へ攻撃判定はあるものの、対空に使うには信頼度が足りない。連続技に組み込むのが主な使い方か)

『意』を読む(エロゲー最強主人公の一人。鬼哭街の主人公、孔 濤羅が使用する内家戴天流剣法の基本技能。森羅万象の氣と合一し、相手が行動を起こす時の意志を読み取ることで、後の先を確実に取る事ができる。極めると、亜音速で飛んで来るサイボーグ武術家の攻撃も対処する事も可能)

プラズマブレード(サムライスピリッツの常連キャラ、ガルフォードの基本飛び道具。これで牽制して、犬をけしかけるか、投げに持っていくのが、基本戦術)

流影陣(如月流忍術の技の一つ。手刀、または小太刀に氣を纏わせる事で、特殊な力場を作り相手の飛び道具を跳ね返す)

闘神翔(不破忍術の奥義にして、凄い漢の代名詞と言うべき技。両手を天に掲げ、雄叫びと共に全ての氣で身体の周りに氣の障壁を形成する。攻撃範囲が狭い上、技の出も遅いので迎撃には不向き。連続技の最後に組み込むのが基本。ただし、龍虎乱舞は迎撃が間に合う)

風鳴り(妖刀伝の劇中で主人公が使用した投擲法。手裏剣または苦無を同一軌道で三本投擲する。妖刀伝を通して数少ない名前のある技の一つ)

光龍破(ワールドヒーローズのハンゾウ『こっちは有名な服部半蔵正成本人という設定』が使う対空技。短刀を持ち、身体に光龍を纏わせて放つ昇竜拳)

モズ落とし(サムライスピリッツに登場する服部半蔵『こちらは半蔵の名前を継いだ伊賀忍軍当主と言う設定』が使う投げ技。飛び道具を放ち、それを追いかける事で相手の防御を揺さぶったり、乱戦の隙を突いたり、と用途は豊富)

 今回は以上となります。

 次回は、三馬鹿とmugenの中の話。
 閑話『来ないで! mugenの森』でお会いしましょう

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